イケメンに婚約破棄されましたが面食いなのでぜってえ復縁してみせますわ!

田村ケンタッキー

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【第3章】盗賊退治も淑女の仕事ですわ! ちょっと寄り道ソボク村

復縁の旅に仲間? が加わるアレクシス嬢

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 アレクシスは馬に跨り、アナベル一家に見送られて復縁の旅に戻った。
 北の街道に入ったところで自分の頬を叩く。

「いけません、いけませんわよ、アレクシス・バトレ。あなたは淑女なのに、子供の前であんなはしたなく声を上げるなんて」

 アナベルを見ていると過去の自分を思い出した。

「あの時お会いしたお師匠様のように、強く美しい女性になりたいと精進に精進を重ねてきましたが……私もまだまだですわね」

 それでも彼女は前を向く。

「それでも私は諦めませんわ。なりたい自分になるんです。そして最愛の人カルロス様の寵愛を……」
「あ、お取込み中すみませーん」

 決心を新たにしていると突如横から荷車が合流する。

「これからロデオに向かわれるんですよね? よろしければご一緒にさせていただきませんか?」
「あなたは……村に訪れてた商人?」
「そうです、はい! 覚えていてくれたんですね、感激です! あ、自己紹介がまだでしたね! 私の名前はエルメスです! 以後お見知りおきを~!」

 アレクシスは男に出会ったらまず顔を見る。
 エルメスと名乗った青年。そこそこ顔だちが整っており、悪くはない、むしろ良いほうなのだが、

(どうしてでしょう……ときめきよりも胡散臭さが勝りますわ……)

 脅威ではないのになぜか警戒しなくてはいけない気がした。
 眼前でピコピコ動くペラージョの耳にそっと囁く。

「……あなたはどう思います? 怪しいと思いませんか?」
「……フシーン」
「……あなたもそう思いますか?」

 エルメスは怪しまれていることに気付いているのかいないのか、ペラペラとまくし立てる。

「本当はお近づきの印に試供品とか渡したいんですけど、あいにく先日の盗賊にぜーんぶ奪われちゃいまして! えーえー、命があるだけ丸儲けとは言いますが、涙が止まりませんな!」

 おまけに小芝居まで始める。特別おもしろいわけでもなく耳を貸す気にもなれない。職業柄仕方ないのかもしれないが我慢を強いられている。

「……つまりあなたは……女性である私にボディガードをしてほしいと?」
「おっと! そこまで見抜かれてるんでしたら話が早い! まさにその通りです!」
「仕方ありませんわね。淑女として助けを求められては無視はできません。その代わりロデオに着くまでの間でしてよ」
「ありがとうございます、お姫様! ロデオに着いたらタンマリとお礼をさせていただきますので! あっとそういえば! とびっきりの耳寄りの情報を掴んでるんですよ? 知りたい? 知りたいですか?」
「そうですわね、お金を取らないなら知りたいですわね」
「そんなそんな! これしき! 恩人からお金なんて取りませんよ! 先日王都からロデオに届いたお触れなんですよ、ぜひ、目に通していただきたく」

 アレクシスはあまり興味がなかったが一応は受け取っておく。

「なになに、指名手配……罪状は国家転覆……まあ怖い……いったいどなたがそんなことを? 罪人は……アレクシス・バトレ……って私じゃありませんか、これ!??」
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