26 / 87
【第3章】盗賊退治も淑女の仕事ですわ! ちょっと寄り道ソボク村
家族団らんとアレクシス嬢
しおりを挟む
村長の家には選りすぐりの若い男たちが集まった。
アレクシスはその男たちを左から指さしていく。
「……平均顔、平均顔、平均顔、一個飛ばさずに平均顔……薄々こうなるとわかっていましたが、そろいもそろってモブ顔ですわ……」
結果は無残なものだった。
まるで村をけなされたようで村長は躍起になる。
「おいおい、その言いぐさはないだろう! 個性や印象は薄いかもしれんが気のいい奴らばっかりだ! このダニエルは母親思いで、どんなに寒い日でもあかぎれしやすい母親に代わって皿洗いをしてるんだぞ!」
「僕はダニエルじゃありません、ディビッドです」
「すみません、私が求めているのは心温まるエピソードではなくイケメンですの。これはお見合いではなく、鑑賞会……いや顔賞会か」
「つくづく頭のおかしい女だ。付き合ってられん。お前ら、もういい。各自仕事に戻ってくれ。付き合わせて悪かった。それとダニエル。これからもお母さんのこと大事にしてやるんだぞ」
「僕はダニエルじゃありません、デイビットです」
ダニエルたちは納得いかないながらもぞろぞろと帰っていく。
成果を得られなかったアレクシスは机に突っ伏す。
「あー、早くお会いしたいですわ、マイフィアンセ……やはりあなたのお顔はカスタネット王国の至宝……」
瞼を瞑れば幾千のカルロスの顔が浮かぶ。
しかしこれはマッチを擦って現れた七面鳥のような幻。腹を満たしてはくれない。
「早くそのお顔を拝みたいですわ……でもお会いするにもまずは栄養補給しなくてですわ……」
「だめだこいつ。言ってることおかしいわ」
村長が悪口を言っても反応しない。
「やーっと見つけたわ! お嬢ちゃん、これ見て見て!」
奥さんが持ってきた一枚の紙を意気揚々と見せつける。
それは精巧な似顔絵だった。毛一本まで緻密に描き込まれていた。
アレクシスもこの似顔絵に惹きこまれる。無論技術の高さにではなく、描かれた伊達男に。
「まあ素敵ですわー! 野に咲く花のようですわー! ちょっと髪型は田舎臭いですが身なりを整えて誇らしげに背筋を伸ばされているのがクールアンドキュートですわー!」
はしゃぐアレクシスの横で、
「お前、まだそれを捨てずに持っていたのか……」
村長が呆れ果てていた。
「いいじゃない、似顔絵一枚くらい場所を取らないんですし」
奥さんはほほほと笑う。
「お母さま、これはどちら様ですのー!? 直にお会いしてみたいですわー!」
「誰だと思うー? 実はねー、もう会ってるのよー」
「嘘です、嘘です! こんなイケメンすれ違ったら絶対に忘れませんわー!」
「気づかなくてしょうがないわよねー! それはね、私の夫よ。会ったばかりの頃のなんだけどね」
「へえー! お母さまの旦那様ですのー! お母さまの……旦那様……」
ギギギと壊れかけのからくり人形のように首を動かし、似顔絵のモデルを見た。
「ふう、イケメンか……嬢ちゃん、頭はおかしいが見る目はあるようだな……」
村長はもうすでにない前髪をふぁさっと持ち上げてドヤ顔を浮かべる。
そう、彼はイケメンだった。イケメンだったのだ。。
現在の彼はすっかり剥げているし、身長が縮み、腹肉が出っ張っている。
「お嬢ちゃん、悔しいかい? この俺の若い頃にときめいちまって、さ」
投げキッスをして煽り立てる。
アレクシスはというと、
「いいえ、悔しくはありませんわ。ただつくづく……時間は残酷だな、と」
「じわりとガチめに涙浮かべてるんじゃねえ。憐れむな、憐れむな」
目じりに浮かんだ涙をハンカチで拭いていると誰かがドレスのスカートを引く。
「お姉ちゃんにいいこと教えてあげる! おにいちゃんは、その絵とおじちゃんとそっくりなの!」
アナベルだった。そして耳寄り情報を教える。
「ええ、その通りなのよ。顔はそっくり。でも中身は息子のほうがしっかりしてるわね。あと身長も高い」
「おい、母さん! 俺だって結婚してからは真面目だったろう!」
「否定になってませんわね」
アレクシスはほほほとほほ笑む。
「あいつがしっかり者なものか……突然俺は騎士になると言い出して村を飛び出しよって。しかもよりにもよって南の領主のほうに志願するし」
「結果的にはよかったんじゃない? ちゃんと仕送りは来るし」
「金の問題じゃない、これは人と人の付き合いなんだ。まったく忌々しいが、村を存続させるには北の領主の顔を立てなくちゃあならん。それなのに村長の息子が南の領主に志願しに行ったなんて知られたら」
「こんな小さな村、北の領主様はいちいち気にしてませんって」
「わからんだろうに! まったくお前ってやつは能天気なんだから、昔からそう!」
話が逸れそうだったのでアレクシスが介入する。
「村長さん。そういうこと言うとまた喧嘩始まっちゃいますわよ」
アナベルが腕で大きなバッテンをつくる。
「けんか、だめ!」
村長は深呼吸してアンガーマネジメント。
「そうだ、そうだな、いかんいかん。もう喧嘩しないと約束したんだった」
奥さんは手を叩く。
「そうだわ、パブロと会ってみるのはどう? あ、パブロは息子の名前ね」
「ふん、あいつと会うのは無理な話だ! 父親であるこの俺がいくら呼んでもこないからな!」
「綺麗なお嬢さんがいるって言えば飛んでくるわよぉ! せめて一日、ね!」
前のめりになって話を進めようとする奥さん。何かしらの狙いが透けて見える。
「あの、お母さま、お気持ちはうれしいのですが、こう見えて急ぎの身。もうまもなくここを発とうと考えていますの」
「え、え、もう、行っちゃうの? もっとゆっくりしていけばいいのに」
「事情はお話しできませんがこうしてる今も差し迫っているのです。なにとぞご理解くださいまし」
「そう、そこまで言うならあきらめるしかありませんね……ああ、あなたみたいな嫁がほしかったわ」
「お母さま、本音漏れてますわよ」
「ちなみにうちの息子どう?」
「ついさっき諦めるって仰ってませんでしたか?」
「うちの息子どう?」
「押し切るおつもりですか? まだお会いしてませんので」
「イケメンだよ、どう?」
「すみません、婚約者がいますので」
「そっか……」
「まあつい先日婚約破棄されたのですが」
「それじゃあ!?」
「イケメン婚約破棄されましたが面食いなのでぜってえ復縁してみせますわ!」
「そっか……」
力強い意思表示にようやく折れる。
そして現れる第二の刺客。
またもアレクシスのドレスのスカートは引っ張られる。
「おねえちゃん、いっちゃうの……?」
「ええ、行かなくちゃなりません」
「いっちゃ、やぁ」
「さみしい思いをさせてごめんなさいね、アナベル」
アレクシスはアナベルの身体を包むように抱きしめた。彼女の身体は砂糖菓子のように甘い香りがした。
「でもわかってほしい。私は愛する人の、そう、家族のために行かなくちゃならないの。家族の大切さは、アナベルのほうがよく知ってるとおもうの」
「ん、わかった」
あっさりとアナベルは納得した。
「ふふふ、聞き分けがいいのは助かりますが少し寂しいですわね」
「でも、また、あそび来てね」
「ええ、それでしたら指切りでもしましょうか」
「指切り?」
「約束のおまじないですわ。こうやって小指と小指をからめますの」
小指同士を絡めて軽く振る。
解いた後もアナベルは名残惜しそうに見上げる。
「お姉ちゃん……ほんとにまた会えるよね?」
「当然ですわ。淑女は約束を守るものですの」
決まった。アレクシスは心の中でガッツポーズする。
特に理由はないが子供の心に輝く心象を残したかった。本当に特に理由はない。そうしたいだけだった。
格好よく玄関を出ようとする。
しかし玄関の扉は触れる前に勝手に動く。
「親父ー! 盗賊がでたって本当か!?」
向こうから甲冑を着た伊達男が現れた。
「その声は、パブロか!? どうした、いきなり帰ってきて!」
「村のすぐ近くで盗賊が出没したと聞いて、居ても立っても居られなくなってさ……! 抜け出してきちまったよ!」
「バカ野郎! 男が仕事を放り出して実家に帰ってくるとは何事か!」
「はあ!? そんな言い方ないだろう! 心配してきてやったのにさ! 少しくらいは役に立つところ見せてやるよ!」
「とっくに解決しちまってんだよ! そこの頭のおかしい淑女のおかげでな!」
パブロはようやく実家にいる見知らぬドレス姿の女性に気づく。
「すみません、レディ。挨拶が遅れました。私はパブロです。領主イバン様の元で騎士の見習いをしております。あなたのお名前は?」
「イ……」
「イ?」
「イケメンですわあああああああ!!! とびっきり背の高い、素材型!!! 磨けば宝石になりますわよ、これはあああああああ」
「……あとつかぬことをお聞きしますが、どこかでお会いしましたか? お顔に覚えがあるのですが」
「口説かれてしまいましたわあああああなんて手が早いのでしょおお婚約者いる身なのに心がゆれてしまいますわあああ」
身もだえるアレクシス。不意打ちのイケメンに身も心も幸福に満ちる。
一方でパブロは、
「あ、あの、親父、母さん、この人…………正気?」
淑女で、恩人を、つい指さしてしまう。
「俺にもわからん」
「おもしろい子よねえ」
アナベルはけらけらと笑う。
「おねえちゃん、おもしろーい!」
アレクシスはその男たちを左から指さしていく。
「……平均顔、平均顔、平均顔、一個飛ばさずに平均顔……薄々こうなるとわかっていましたが、そろいもそろってモブ顔ですわ……」
結果は無残なものだった。
まるで村をけなされたようで村長は躍起になる。
「おいおい、その言いぐさはないだろう! 個性や印象は薄いかもしれんが気のいい奴らばっかりだ! このダニエルは母親思いで、どんなに寒い日でもあかぎれしやすい母親に代わって皿洗いをしてるんだぞ!」
「僕はダニエルじゃありません、ディビッドです」
「すみません、私が求めているのは心温まるエピソードではなくイケメンですの。これはお見合いではなく、鑑賞会……いや顔賞会か」
「つくづく頭のおかしい女だ。付き合ってられん。お前ら、もういい。各自仕事に戻ってくれ。付き合わせて悪かった。それとダニエル。これからもお母さんのこと大事にしてやるんだぞ」
「僕はダニエルじゃありません、デイビットです」
ダニエルたちは納得いかないながらもぞろぞろと帰っていく。
成果を得られなかったアレクシスは机に突っ伏す。
「あー、早くお会いしたいですわ、マイフィアンセ……やはりあなたのお顔はカスタネット王国の至宝……」
瞼を瞑れば幾千のカルロスの顔が浮かぶ。
しかしこれはマッチを擦って現れた七面鳥のような幻。腹を満たしてはくれない。
「早くそのお顔を拝みたいですわ……でもお会いするにもまずは栄養補給しなくてですわ……」
「だめだこいつ。言ってることおかしいわ」
村長が悪口を言っても反応しない。
「やーっと見つけたわ! お嬢ちゃん、これ見て見て!」
奥さんが持ってきた一枚の紙を意気揚々と見せつける。
それは精巧な似顔絵だった。毛一本まで緻密に描き込まれていた。
アレクシスもこの似顔絵に惹きこまれる。無論技術の高さにではなく、描かれた伊達男に。
「まあ素敵ですわー! 野に咲く花のようですわー! ちょっと髪型は田舎臭いですが身なりを整えて誇らしげに背筋を伸ばされているのがクールアンドキュートですわー!」
はしゃぐアレクシスの横で、
「お前、まだそれを捨てずに持っていたのか……」
村長が呆れ果てていた。
「いいじゃない、似顔絵一枚くらい場所を取らないんですし」
奥さんはほほほと笑う。
「お母さま、これはどちら様ですのー!? 直にお会いしてみたいですわー!」
「誰だと思うー? 実はねー、もう会ってるのよー」
「嘘です、嘘です! こんなイケメンすれ違ったら絶対に忘れませんわー!」
「気づかなくてしょうがないわよねー! それはね、私の夫よ。会ったばかりの頃のなんだけどね」
「へえー! お母さまの旦那様ですのー! お母さまの……旦那様……」
ギギギと壊れかけのからくり人形のように首を動かし、似顔絵のモデルを見た。
「ふう、イケメンか……嬢ちゃん、頭はおかしいが見る目はあるようだな……」
村長はもうすでにない前髪をふぁさっと持ち上げてドヤ顔を浮かべる。
そう、彼はイケメンだった。イケメンだったのだ。。
現在の彼はすっかり剥げているし、身長が縮み、腹肉が出っ張っている。
「お嬢ちゃん、悔しいかい? この俺の若い頃にときめいちまって、さ」
投げキッスをして煽り立てる。
アレクシスはというと、
「いいえ、悔しくはありませんわ。ただつくづく……時間は残酷だな、と」
「じわりとガチめに涙浮かべてるんじゃねえ。憐れむな、憐れむな」
目じりに浮かんだ涙をハンカチで拭いていると誰かがドレスのスカートを引く。
「お姉ちゃんにいいこと教えてあげる! おにいちゃんは、その絵とおじちゃんとそっくりなの!」
アナベルだった。そして耳寄り情報を教える。
「ええ、その通りなのよ。顔はそっくり。でも中身は息子のほうがしっかりしてるわね。あと身長も高い」
「おい、母さん! 俺だって結婚してからは真面目だったろう!」
「否定になってませんわね」
アレクシスはほほほとほほ笑む。
「あいつがしっかり者なものか……突然俺は騎士になると言い出して村を飛び出しよって。しかもよりにもよって南の領主のほうに志願するし」
「結果的にはよかったんじゃない? ちゃんと仕送りは来るし」
「金の問題じゃない、これは人と人の付き合いなんだ。まったく忌々しいが、村を存続させるには北の領主の顔を立てなくちゃあならん。それなのに村長の息子が南の領主に志願しに行ったなんて知られたら」
「こんな小さな村、北の領主様はいちいち気にしてませんって」
「わからんだろうに! まったくお前ってやつは能天気なんだから、昔からそう!」
話が逸れそうだったのでアレクシスが介入する。
「村長さん。そういうこと言うとまた喧嘩始まっちゃいますわよ」
アナベルが腕で大きなバッテンをつくる。
「けんか、だめ!」
村長は深呼吸してアンガーマネジメント。
「そうだ、そうだな、いかんいかん。もう喧嘩しないと約束したんだった」
奥さんは手を叩く。
「そうだわ、パブロと会ってみるのはどう? あ、パブロは息子の名前ね」
「ふん、あいつと会うのは無理な話だ! 父親であるこの俺がいくら呼んでもこないからな!」
「綺麗なお嬢さんがいるって言えば飛んでくるわよぉ! せめて一日、ね!」
前のめりになって話を進めようとする奥さん。何かしらの狙いが透けて見える。
「あの、お母さま、お気持ちはうれしいのですが、こう見えて急ぎの身。もうまもなくここを発とうと考えていますの」
「え、え、もう、行っちゃうの? もっとゆっくりしていけばいいのに」
「事情はお話しできませんがこうしてる今も差し迫っているのです。なにとぞご理解くださいまし」
「そう、そこまで言うならあきらめるしかありませんね……ああ、あなたみたいな嫁がほしかったわ」
「お母さま、本音漏れてますわよ」
「ちなみにうちの息子どう?」
「ついさっき諦めるって仰ってませんでしたか?」
「うちの息子どう?」
「押し切るおつもりですか? まだお会いしてませんので」
「イケメンだよ、どう?」
「すみません、婚約者がいますので」
「そっか……」
「まあつい先日婚約破棄されたのですが」
「それじゃあ!?」
「イケメン婚約破棄されましたが面食いなのでぜってえ復縁してみせますわ!」
「そっか……」
力強い意思表示にようやく折れる。
そして現れる第二の刺客。
またもアレクシスのドレスのスカートは引っ張られる。
「おねえちゃん、いっちゃうの……?」
「ええ、行かなくちゃなりません」
「いっちゃ、やぁ」
「さみしい思いをさせてごめんなさいね、アナベル」
アレクシスはアナベルの身体を包むように抱きしめた。彼女の身体は砂糖菓子のように甘い香りがした。
「でもわかってほしい。私は愛する人の、そう、家族のために行かなくちゃならないの。家族の大切さは、アナベルのほうがよく知ってるとおもうの」
「ん、わかった」
あっさりとアナベルは納得した。
「ふふふ、聞き分けがいいのは助かりますが少し寂しいですわね」
「でも、また、あそび来てね」
「ええ、それでしたら指切りでもしましょうか」
「指切り?」
「約束のおまじないですわ。こうやって小指と小指をからめますの」
小指同士を絡めて軽く振る。
解いた後もアナベルは名残惜しそうに見上げる。
「お姉ちゃん……ほんとにまた会えるよね?」
「当然ですわ。淑女は約束を守るものですの」
決まった。アレクシスは心の中でガッツポーズする。
特に理由はないが子供の心に輝く心象を残したかった。本当に特に理由はない。そうしたいだけだった。
格好よく玄関を出ようとする。
しかし玄関の扉は触れる前に勝手に動く。
「親父ー! 盗賊がでたって本当か!?」
向こうから甲冑を着た伊達男が現れた。
「その声は、パブロか!? どうした、いきなり帰ってきて!」
「村のすぐ近くで盗賊が出没したと聞いて、居ても立っても居られなくなってさ……! 抜け出してきちまったよ!」
「バカ野郎! 男が仕事を放り出して実家に帰ってくるとは何事か!」
「はあ!? そんな言い方ないだろう! 心配してきてやったのにさ! 少しくらいは役に立つところ見せてやるよ!」
「とっくに解決しちまってんだよ! そこの頭のおかしい淑女のおかげでな!」
パブロはようやく実家にいる見知らぬドレス姿の女性に気づく。
「すみません、レディ。挨拶が遅れました。私はパブロです。領主イバン様の元で騎士の見習いをしております。あなたのお名前は?」
「イ……」
「イ?」
「イケメンですわあああああああ!!! とびっきり背の高い、素材型!!! 磨けば宝石になりますわよ、これはあああああああ」
「……あとつかぬことをお聞きしますが、どこかでお会いしましたか? お顔に覚えがあるのですが」
「口説かれてしまいましたわあああああなんて手が早いのでしょおお婚約者いる身なのに心がゆれてしまいますわあああ」
身もだえるアレクシス。不意打ちのイケメンに身も心も幸福に満ちる。
一方でパブロは、
「あ、あの、親父、母さん、この人…………正気?」
淑女で、恩人を、つい指さしてしまう。
「俺にもわからん」
「おもしろい子よねえ」
アナベルはけらけらと笑う。
「おねえちゃん、おもしろーい!」
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
最強の女騎士さんは、休みの日の過ごし方を知りたい。
ろうでい
ファンタジー
――
王国歴 221年。
世は混迷を極めていた。
魔物、魔獣の襲撃に王国の防御は疲弊し、民の恐怖は限界に達す。
その混乱の世に、光が差し込む。
王国騎士団。
剣技、知略、諜報に優れたその集団の活躍は瞬く間に国全土に広がり、平和と安寧をもたらすのであった。
エリートばかりの騎士団の中での、絶対的エースの存在がその活躍の源。
ルーティア・フォエル。別名『稲光の騎士』。
雷光のように鋭く、伸びる穂先のように枝分かれする華麗な剣技を持つその騎士は――女性であった。
これは、彼女の闘いの――
――ではなく。
彼女の、『休日』との闘いの記録である。
生まれも育ちも城で育った彼女は、幼い頃から国のために剣技に明け暮れていた。
そのため、彼女は『休む』事を知らない。自分の身体は国のため、民のためにあると、信じていた。
しかし、国王の心配は増すばかり。
若く美しい女騎士は、未だに自分の人生を全くといっていいほど謳歌していないのであった。
国王は告げる。「休日を満喫する事」を。
そして、王国からの刺客により、ルーティアは知るのだった。
――『休日』を。
※この作品の世界観は『極めて現代日本に近いファンタジー世界』です。緩い目で見ていただけると幸いです。
※一話につき七分割しています。毎日投稿しますので、一週間で一話が終わるくらいのペースです。
※この小説は他サイトと重複投稿を行っております。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~
月見酒
ファンタジー
俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。
そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。
しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。
「ここはどこだよ!」
夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。
あげくにステータスを見ると魔力は皆無。
仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。
「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」
それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?
それから五年後。
どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。
魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!
見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる!
「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」
================================
月見酒です。
正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる