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【第3章】盗賊退治も淑女の仕事ですわ! ちょっと寄り道ソボク村
馬小屋で寝泊まりするアレクシス嬢
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日が暮れ始め、明るいうちにアレクシスは藁をかき集め山を作り上げた。
「さあペラージョ! ベッドができましたわよ! ゆっくりお休みください! 明日も早いですわよ!」
早速ペラージョは藁の上に寝転がる。何度か首を起こし感触を確かめつつ、次第に寝息を立てて動かなくなった。
「まあなんと寝つきがいいことなのでしょう。素晴らしいですわ。本当にいい子ですのね」
首をなでると気持ちよさそうに耳をぴこぴこと動かす。
「さて私も一休みするとしましょうかね」
藁に寝転がるアレクシスだったが、
「お姉ちゃん、起きてる? ディナーをもってきたよー」
アナベルが訪れた。
「まあ、アナベル! あそびにきてくださったの! それとディナーまで持ってきてくれたの! えらいですわー! お母さまに後でお礼を伝えて下さります?」
「うん、わかった、おばちゃんに言っておく」
「おば……ちゃん?」
「うん、おばちゃん。おばちゃんはね、アナベルの本当のママじゃないの。おじちゃんもそう」
「まあ、そうだったんですの……」
「おじちゃんが言ってたの。お前のママパパはね、盗賊に襲われたんだって。だけど泣くことはない。必ず俺が敵を取ってやるって」
「まだアナベルは子供なのに、そこまでお話ししたんですのね……」
多感な時期の子に現実を突きつけるのは心情的には得策とは言えない。
かといってすぐにバレるような嘘で先延ばしするのも正しいとは言い難い。
肝心のアナベル本人は割とけろりとしている。
だがしかし、
「つらくはありませんか、アナベルは。ママパパがいないこと、おじちゃんおばちゃんが喧嘩ばっかだったり。お姉ちゃんには正直に話していいのよ」
子供は嘘をつくもの。見た目だけで判断してはいけない。心では何を感じているかはわからない。
「んー、大丈夫!」
「そうですか、しっかり者なんですね、アナベルは。そうですわ、そんなアナベルにはプレゼントを差し上げましょう」
アレクシスは手元にある適当な藁を選び、丁寧に編み込んでいく。するとみるみるうちに馬の形になった。
「あとはここを広げれば……なんと立つこともできますのよー!」
「すごーい! お姉ちゃん! どうやるの、どうやるの、どうやるの、どうやるの!」
「おほほ、落ち着いてくださいまし。お姉ちゃんは逃げません。できるまで教えて差し上げますわ」
そしてアレクシスの藁細工教室が始まる。あまりに没頭してしまい、パンと野菜スープは忘れ、思い出したころには冷めてしまっていた。
「さあペラージョ! ベッドができましたわよ! ゆっくりお休みください! 明日も早いですわよ!」
早速ペラージョは藁の上に寝転がる。何度か首を起こし感触を確かめつつ、次第に寝息を立てて動かなくなった。
「まあなんと寝つきがいいことなのでしょう。素晴らしいですわ。本当にいい子ですのね」
首をなでると気持ちよさそうに耳をぴこぴこと動かす。
「さて私も一休みするとしましょうかね」
藁に寝転がるアレクシスだったが、
「お姉ちゃん、起きてる? ディナーをもってきたよー」
アナベルが訪れた。
「まあ、アナベル! あそびにきてくださったの! それとディナーまで持ってきてくれたの! えらいですわー! お母さまに後でお礼を伝えて下さります?」
「うん、わかった、おばちゃんに言っておく」
「おば……ちゃん?」
「うん、おばちゃん。おばちゃんはね、アナベルの本当のママじゃないの。おじちゃんもそう」
「まあ、そうだったんですの……」
「おじちゃんが言ってたの。お前のママパパはね、盗賊に襲われたんだって。だけど泣くことはない。必ず俺が敵を取ってやるって」
「まだアナベルは子供なのに、そこまでお話ししたんですのね……」
多感な時期の子に現実を突きつけるのは心情的には得策とは言えない。
かといってすぐにバレるような嘘で先延ばしするのも正しいとは言い難い。
肝心のアナベル本人は割とけろりとしている。
だがしかし、
「つらくはありませんか、アナベルは。ママパパがいないこと、おじちゃんおばちゃんが喧嘩ばっかだったり。お姉ちゃんには正直に話していいのよ」
子供は嘘をつくもの。見た目だけで判断してはいけない。心では何を感じているかはわからない。
「んー、大丈夫!」
「そうですか、しっかり者なんですね、アナベルは。そうですわ、そんなアナベルにはプレゼントを差し上げましょう」
アレクシスは手元にある適当な藁を選び、丁寧に編み込んでいく。するとみるみるうちに馬の形になった。
「あとはここを広げれば……なんと立つこともできますのよー!」
「すごーい! お姉ちゃん! どうやるの、どうやるの、どうやるの、どうやるの!」
「おほほ、落ち着いてくださいまし。お姉ちゃんは逃げません。できるまで教えて差し上げますわ」
そしてアレクシスの藁細工教室が始まる。あまりに没頭してしまい、パンと野菜スープは忘れ、思い出したころには冷めてしまっていた。
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