近所の公園でバスケを教えていたら教え子のチャラショタに溺愛されるようになりました

田村ケンタッキー

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初めてのデート編

夢うつつと確かな感触

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 その後、体液まみれの身体を洗いあったものの興奮を抑えきれず二回戦、三回戦と時間制限を忘れて身体を重ねた二人。
 延長料金を払い、ネット喫茶から出ると空は茜色に染まっていた。
 閉店間際のレディースシューズ専門のブティックに急ぎ、ギリギリお気に入りのサンダルが購入した帰り。バス停にて。

「今日は楽しかったですね」

 正行は爽やかな笑顔で空を仰ぐ。股間はリソースを出し尽くしズキズキと鈍痛が走り歩行に支障が出るほどだがすっきり晴れ晴れとした気持ち。

「もう、やだ……またいいように流されて……」

 一方で佳子は未だどんよりとした面持ち。彼女も股間が痛い。最終的に膣内に溜まった愛液を正行に掻き出され、その時の指裁きでも絶頂に導かれてしまった。未だに異物が入っているような錯覚がする。

「でも気持ちよかったんですよね?」

 正行はするりと腕を絡める。彼の得意なチャラ仕草の一つ。パーソナルスペースにたびたび侵入しボディタッチを繰り返すが不思議と不快感がしないのが恐ろしいところ。

「ぜんぜん! これっぽっちもきもちよくなかった!」
「あはは、こんなに嘘だとはっきりわかる嘘はありませんね」
「嘘じゃない! ほんとだから!」
「それでしたら四回戦、場所を変えて確かめてみますか?」

 上目遣いの小悪魔顔が迫る。
 冗談に決まっている。いやしかし、正行ならあるいは……。

「そ、それは……もう時間が時間だし、ね?」
「あはは、わかってますって。暗くなる前に帰らないとですからね」
「そうそう、そゆことそゆこと」
「また今度の機会ということで」
「うっ……!」

 また快楽に満ちた時間を過ごせる。知らない自分をみっともなく、はしたなく、さらけ出し、それでいて認めて受け容れてくれる中毒性のあってなかなか抜け出せない淫靡な時間。
 思い出すだけで身体が熱くなる。ついさっきまであれほど昂り合ったというのにまた求めてしまっている。

「その反応ですと結構近いうちに楽しめそうですね」
「しないからね! 今度という今度こそは絶対に!」
「あはは、そうですか。それは次が楽しみです」
「あー! 信じてないな!」
「そういえば佳子さん、来週の土曜日は空いてますか? 空いてましたらまた」
「土曜日? ごめん、その日は用事が」
「まさかお友達と約束? そのお友達の中に男はいますか?」
「男? いないいない。そもそも遊びに行く用事じゃないし」
「それでは一体」
「バスケの練習試合。公民館の体育館でね。久々の本番同様の試合形式だから燃えるな~」
「そう、だったんですか……そうとは知らず、すみませんでした」
「え? なんで謝るの?」
「だって……つまりバスケ大好きな佳子さんにとって貴重な時間を使わせてしまったわけですよね? 僕が誘わなければ今日丸一日バスケのために、試合のためにいろいろと準備できたでしょうに」

 真剣に謝る正行。
 あまりの真剣さに、

「ぷふぅ」

 佳子は思わず吹き出してしまう。

「な、なんで笑うんですか!?」
「いやいや! 笑う! 笑うから! そんな大事な試合じゃないから! あははは! おかしい!」
「ぼ、ぼくは真剣に佳子さんを想ってですね……!」
「うんうん、わかる、わかってる! 正行君はいつだって女の子の味方なんだよね? 今日の誕生日も私のために特別なものにしようとしたんでしょう? 楽しませるためにいろいろと商店街についても事前調査してたでしょ?」
「そ、そんなことは……」
「ありがとう、今日はすっごく楽しかった。最高の誕生日だったよ」

 夕日を浴びて、はにかむ佳子。

「……」

 神々しい女神に出会ったように正行は心を奪われる。

(あぁ……やっぱり……僕はこの人が大好きなんだな……)

 心がぽかぽかと温かくなる。
 純粋で清らかな恋心が灯る。
 最高の雰囲気でデートが終わるかと思われたが、

「いや待って、やっぱ最低かも」
「なっ…………」

 上げて落とされる。
 正行の硝子の恋心が砕け散る。

「なななななんで!? ぼく、何かしでかしましたか!?」
「しでかしてくれたでしょう! ネット喫茶で散々!」
「なんでですか! 佳子さん気持ちよかったでしょう!?」
「ちょっと大きい声で言うことじゃないでしょう!」
「先に大声出したのは佳子さんでしょう!」

 言い合いはしばらく続いたものの、なんとか仲直りした二人。
 正行は練習試合を応援しに行くという約束を取り付ける。

 揺れるバス。二人はデートの疲れでうとうとし、夢と現実の境があいまいになる。それでも繋いだ手はしっかりと結び合っていた。
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