17 / 34
初めてのデート編
夢うつつと確かな感触
しおりを挟む
その後、体液まみれの身体を洗いあったものの興奮を抑えきれず二回戦、三回戦と時間制限を忘れて身体を重ねた二人。
延長料金を払い、ネット喫茶から出ると空は茜色に染まっていた。
閉店間際のレディースシューズ専門のブティックに急ぎ、ギリギリお気に入りのサンダルが購入した帰り。バス停にて。
「今日は楽しかったですね」
正行は爽やかな笑顔で空を仰ぐ。股間はリソースを出し尽くしズキズキと鈍痛が走り歩行に支障が出るほどだがすっきり晴れ晴れとした気持ち。
「もう、やだ……またいいように流されて……」
一方で佳子は未だどんよりとした面持ち。彼女も股間が痛い。最終的に膣内に溜まった愛液を正行に掻き出され、その時の指裁きでも絶頂に導かれてしまった。未だに異物が入っているような錯覚がする。
「でも気持ちよかったんですよね?」
正行はするりと腕を絡める。彼の得意なチャラ仕草の一つ。パーソナルスペースにたびたび侵入しボディタッチを繰り返すが不思議と不快感がしないのが恐ろしいところ。
「ぜんぜん! これっぽっちもきもちよくなかった!」
「あはは、こんなに嘘だとはっきりわかる嘘はありませんね」
「嘘じゃない! ほんとだから!」
「それでしたら四回戦、場所を変えて確かめてみますか?」
上目遣いの小悪魔顔が迫る。
冗談に決まっている。いやしかし、正行ならあるいは……。
「そ、それは……もう時間が時間だし、ね?」
「あはは、わかってますって。暗くなる前に帰らないとですからね」
「そうそう、そゆことそゆこと」
「また今度の機会ということで」
「うっ……!」
また快楽に満ちた時間を過ごせる。知らない自分をみっともなく、はしたなく、さらけ出し、それでいて認めて受け容れてくれる中毒性のあってなかなか抜け出せない淫靡な時間。
思い出すだけで身体が熱くなる。ついさっきまであれほど昂り合ったというのにまた求めてしまっている。
「その反応ですと結構近いうちに楽しめそうですね」
「しないからね! 今度という今度こそは絶対に!」
「あはは、そうですか。それは次が楽しみです」
「あー! 信じてないな!」
「そういえば佳子さん、来週の土曜日は空いてますか? 空いてましたらまた」
「土曜日? ごめん、その日は用事が」
「まさかお友達と約束? そのお友達の中に男はいますか?」
「男? いないいない。そもそも遊びに行く用事じゃないし」
「それでは一体」
「バスケの練習試合。公民館の体育館でね。久々の本番同様の試合形式だから燃えるな~」
「そう、だったんですか……そうとは知らず、すみませんでした」
「え? なんで謝るの?」
「だって……つまりバスケ大好きな佳子さんにとって貴重な時間を使わせてしまったわけですよね? 僕が誘わなければ今日丸一日バスケのために、試合のためにいろいろと準備できたでしょうに」
真剣に謝る正行。
あまりの真剣さに、
「ぷふぅ」
佳子は思わず吹き出してしまう。
「な、なんで笑うんですか!?」
「いやいや! 笑う! 笑うから! そんな大事な試合じゃないから! あははは! おかしい!」
「ぼ、ぼくは真剣に佳子さんを想ってですね……!」
「うんうん、わかる、わかってる! 正行君はいつだって女の子の味方なんだよね? 今日の誕生日も私のために特別なものにしようとしたんでしょう? 楽しませるためにいろいろと商店街についても事前調査してたでしょ?」
「そ、そんなことは……」
「ありがとう、今日はすっごく楽しかった。最高の誕生日だったよ」
夕日を浴びて、はにかむ佳子。
「……」
神々しい女神に出会ったように正行は心を奪われる。
(あぁ……やっぱり……僕はこの人が大好きなんだな……)
心がぽかぽかと温かくなる。
純粋で清らかな恋心が灯る。
最高の雰囲気でデートが終わるかと思われたが、
「いや待って、やっぱ最低かも」
「なっ…………」
上げて落とされる。
正行の硝子の恋心が砕け散る。
「なななななんで!? ぼく、何かしでかしましたか!?」
「しでかしてくれたでしょう! ネット喫茶で散々!」
「なんでですか! 佳子さん気持ちよかったでしょう!?」
「ちょっと大きい声で言うことじゃないでしょう!」
「先に大声出したのは佳子さんでしょう!」
言い合いはしばらく続いたものの、なんとか仲直りした二人。
正行は練習試合を応援しに行くという約束を取り付ける。
揺れるバス。二人はデートの疲れでうとうとし、夢と現実の境があいまいになる。それでも繋いだ手はしっかりと結び合っていた。
延長料金を払い、ネット喫茶から出ると空は茜色に染まっていた。
閉店間際のレディースシューズ専門のブティックに急ぎ、ギリギリお気に入りのサンダルが購入した帰り。バス停にて。
「今日は楽しかったですね」
正行は爽やかな笑顔で空を仰ぐ。股間はリソースを出し尽くしズキズキと鈍痛が走り歩行に支障が出るほどだがすっきり晴れ晴れとした気持ち。
「もう、やだ……またいいように流されて……」
一方で佳子は未だどんよりとした面持ち。彼女も股間が痛い。最終的に膣内に溜まった愛液を正行に掻き出され、その時の指裁きでも絶頂に導かれてしまった。未だに異物が入っているような錯覚がする。
「でも気持ちよかったんですよね?」
正行はするりと腕を絡める。彼の得意なチャラ仕草の一つ。パーソナルスペースにたびたび侵入しボディタッチを繰り返すが不思議と不快感がしないのが恐ろしいところ。
「ぜんぜん! これっぽっちもきもちよくなかった!」
「あはは、こんなに嘘だとはっきりわかる嘘はありませんね」
「嘘じゃない! ほんとだから!」
「それでしたら四回戦、場所を変えて確かめてみますか?」
上目遣いの小悪魔顔が迫る。
冗談に決まっている。いやしかし、正行ならあるいは……。
「そ、それは……もう時間が時間だし、ね?」
「あはは、わかってますって。暗くなる前に帰らないとですからね」
「そうそう、そゆことそゆこと」
「また今度の機会ということで」
「うっ……!」
また快楽に満ちた時間を過ごせる。知らない自分をみっともなく、はしたなく、さらけ出し、それでいて認めて受け容れてくれる中毒性のあってなかなか抜け出せない淫靡な時間。
思い出すだけで身体が熱くなる。ついさっきまであれほど昂り合ったというのにまた求めてしまっている。
「その反応ですと結構近いうちに楽しめそうですね」
「しないからね! 今度という今度こそは絶対に!」
「あはは、そうですか。それは次が楽しみです」
「あー! 信じてないな!」
「そういえば佳子さん、来週の土曜日は空いてますか? 空いてましたらまた」
「土曜日? ごめん、その日は用事が」
「まさかお友達と約束? そのお友達の中に男はいますか?」
「男? いないいない。そもそも遊びに行く用事じゃないし」
「それでは一体」
「バスケの練習試合。公民館の体育館でね。久々の本番同様の試合形式だから燃えるな~」
「そう、だったんですか……そうとは知らず、すみませんでした」
「え? なんで謝るの?」
「だって……つまりバスケ大好きな佳子さんにとって貴重な時間を使わせてしまったわけですよね? 僕が誘わなければ今日丸一日バスケのために、試合のためにいろいろと準備できたでしょうに」
真剣に謝る正行。
あまりの真剣さに、
「ぷふぅ」
佳子は思わず吹き出してしまう。
「な、なんで笑うんですか!?」
「いやいや! 笑う! 笑うから! そんな大事な試合じゃないから! あははは! おかしい!」
「ぼ、ぼくは真剣に佳子さんを想ってですね……!」
「うんうん、わかる、わかってる! 正行君はいつだって女の子の味方なんだよね? 今日の誕生日も私のために特別なものにしようとしたんでしょう? 楽しませるためにいろいろと商店街についても事前調査してたでしょ?」
「そ、そんなことは……」
「ありがとう、今日はすっごく楽しかった。最高の誕生日だったよ」
夕日を浴びて、はにかむ佳子。
「……」
神々しい女神に出会ったように正行は心を奪われる。
(あぁ……やっぱり……僕はこの人が大好きなんだな……)
心がぽかぽかと温かくなる。
純粋で清らかな恋心が灯る。
最高の雰囲気でデートが終わるかと思われたが、
「いや待って、やっぱ最低かも」
「なっ…………」
上げて落とされる。
正行の硝子の恋心が砕け散る。
「なななななんで!? ぼく、何かしでかしましたか!?」
「しでかしてくれたでしょう! ネット喫茶で散々!」
「なんでですか! 佳子さん気持ちよかったでしょう!?」
「ちょっと大きい声で言うことじゃないでしょう!」
「先に大声出したのは佳子さんでしょう!」
言い合いはしばらく続いたものの、なんとか仲直りした二人。
正行は練習試合を応援しに行くという約束を取り付ける。
揺れるバス。二人はデートの疲れでうとうとし、夢と現実の境があいまいになる。それでも繋いだ手はしっかりと結び合っていた。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
森でオッサンに拾って貰いました。
来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
アパートの火事から逃げ出そうとして気がついたらパジャマで森にいた26歳のOLと、拾ってくれた40近く見える髭面のマッチョなオッサン(実は31歳)がラブラブするお話。ちと長めですが前後編で終わります。
ムーンライト、エブリスタにも掲載しております。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
4人の王子に囲まれて
*YUA*
恋愛
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生の結衣は、母の再婚がきっかけとなり4人の義兄ができる。
4人の兄たちは結衣が気に食わず意地悪ばかりし、追い出そうとするが、段々と結衣の魅力に惹かれていって……
4人のイケメン義兄と1人の妹の共同生活を描いたストーリー!
鈴木結衣(Yui Suzuki)
高1 156cm 39kg
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生。
母の再婚によって4人の義兄ができる。
矢神 琉生(Ryusei yagami)
26歳 178cm
結衣の義兄の長男。
面倒見がよく優しい。
近くのクリニックの先生をしている。
矢神 秀(Shu yagami)
24歳 172cm
結衣の義兄の次男。
優しくて結衣の1番の頼れるお義兄さん。
結衣と大雅が通うS高の数学教師。
矢神 瑛斗(Eito yagami)
22歳 177cm
結衣の義兄の三男。
優しいけどちょっぴりSな一面も!?
今大人気若手俳優のエイトの顔を持つ。
矢神 大雅(Taiga yagami)
高3 182cm
結衣の義兄の四男。
学校からも目をつけられているヤンキー。
結衣と同じ高校に通うモテモテの先輩でもある。
*注 医療の知識等はございません。
ご了承くださいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる