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お泊り会編
一人耽る女の夜 X
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「すー……すー……」
身勝手にすっきりした正行は、年相応の寝顔で静かに寝息を立てる。
佳子は起こさぬよう音に気を配りながら自分の部屋を出た。
明日に備えて早く寝なくてはいけない。
本来であれば真っすぐに球児の部屋に向かうべきだが彼女の足はとある部屋へと向かう。
その部屋とは、トイレだった。
「……っふぅ」
蓋を開けて腰を下ろすだけで熱のある吐息が漏れる。
ここへは本来の用途のために寄ったわけではない。
クールダウン、火照った体を冷ますためだ。
(どうしよう……ムラムラが治まらない……)
一方的なペッティングでも素質のある彼女の体はスイッチが入ってしまっていた。例えそれが弟の前、弟の友達の前でも変わりはない。
上がったままの呼吸。
肌にほんのり残る愛撫の余韻。
秘部の下で蠢動した感触が今も鮮明に蘇る。
(あれが……正行君の……)
挿入しなかったからこそ感触を確かめられ、おおよその大きさ、形が想像できる。
(あれが……私の中に……)
疼く下腹部を撫でる。
嘆願すれば絶頂に導いてくれたかもしれないがそうなるときっとペッティングだけで終わらなかっただろう。
強引に合意なしに体の奥を掻きまわされる。泣いて許しを乞うても止めてもらえない。
クールダウンのはずなのに火照りが増していく。
(やっぱり正行君に起きてもらって、それから球児の部屋で……)
暴走する妄想。あの身体の芯まで溶かすような熱が恋しくなっていた。
はっと我に返り、自分の両頬を叩く。
「な、なに考えてるの私~~~~~~~~……」
早く寝よう。そう考えても冷房だけでは冷めない熱が眠気を邪魔させる。
最終手段に出る。このためにトイレという一人になれる個室を選んだ。
(……こうするしかないよね……)
タンクトップの裾から手を突っ込む。ブラジャーをずらし、まだ固さが残る右乳房に触れる。
「……ふっん……」
一人で耽ることは初めてではない。週に二回程度は家族に隠れて行っていた。オカズや道具の用意は必要なく、性感帯を撫でるだけで満足していた。
今回も手短に終わる、そう考えていたが、
(あれ……なんだか……物足りない……)
陰茎の表面を撫でても気持ちがいいだけ。
快感を感じるも昂り、絶頂へと導く熱が足りなかった。
(ちょっとこわいけど……膣内まで……)
つぷり、と指を挿入する。肉の感触を傷つけないよう恐る恐る緩やかに奥へと引き込む。
「あっ……ここ……!」
腹側にあるつるっとした感覚。中央よりも少し右に寄っている。
発見したGスポットに初挑戦する。
「ん……ん……ん……」
しかし位置が悪く刺激が足りない。右手では都合が悪い。
(じゃあ左手で……)
しかし左手も都合が悪い。Gスポットを刺激するには押し込まなければならず、左手では長さが足りない。
(もどかしい……やっぱり正行君に……)
またも暴走する妄想を頭を振って吹き飛ばす。
「もう……これもあれも全部正行君のせいだよ……」
彼の小さな手での愛撫を思い出す。振りほどこうとしてもひょいとかわす生意気で小癪な手。
彼を重ねて乳首をいじる。
「あっ……ん……♡」
体が震える。手ごたえを感じた。
(これなら気持ちよくなれる……!)
自分のすぐ後ろに彼がいるとイメージする。
そして何もかも見透かした口調で強引に触れてくる。
『佳子さん。自分一人でオーガズムにも達せないんですか? 仕方ありませんね、手伝ってあげます』
イマジナリーフレンドならぬイマジナリーマサユキが現れる。
『こちらも寂しそうなので特別に可愛がってあげます』
「だめ……まさゆきくん、そっちは……♡」
彼に触れられたと思うと得られる快感は段違い。
膣内はしっとりと濡れを帯びていた。
くちゃり、くちゃり、と音を立てる。
『これは……お漏らしですか? 僕が栓をしてあげないと』
「ちが……これ、まさゆきくんが……♡」
遠く思えた絶頂が気付けばすぐ目の前まで迫る。
『イキそうなんですか? 我慢ができない人ですね。はしたない顔、じっくりと見させていただきます』
体を畳み、両足を閉じる。
「い、く……♡」
じわりと絶頂の快感が広がっていく。
頭が真っ白になる。それでも指の動きは止められず、貪り続けてしまう。頭の中の正行が責めを続ける。
「……はあ……はあ……はあ……」
息を整えながら濡れた手、秘部、太ももをティッシュで拭き取る。
その後消臭スプレーを多めに吹き回してからトイレを後にする。
球児の部屋のベッドで布団を被る。
身体の火照りは解決した。
しかし、
(何今のオナニー!? 死にた……………………)
過熱した孤独の性事情に途方もない羞恥を覚えた。
(名前呼んでたよね!? しかも正行君の姿をしっかりイメージしてたし! というか何が一番恥ずかしいかって実物よりSっ気が強かったことなんですけど!? 死にたい! 今すぐ死にたい!)
ムラムラは解消したが結局悶々とした夜を過ごすことになった佳子であった。
身勝手にすっきりした正行は、年相応の寝顔で静かに寝息を立てる。
佳子は起こさぬよう音に気を配りながら自分の部屋を出た。
明日に備えて早く寝なくてはいけない。
本来であれば真っすぐに球児の部屋に向かうべきだが彼女の足はとある部屋へと向かう。
その部屋とは、トイレだった。
「……っふぅ」
蓋を開けて腰を下ろすだけで熱のある吐息が漏れる。
ここへは本来の用途のために寄ったわけではない。
クールダウン、火照った体を冷ますためだ。
(どうしよう……ムラムラが治まらない……)
一方的なペッティングでも素質のある彼女の体はスイッチが入ってしまっていた。例えそれが弟の前、弟の友達の前でも変わりはない。
上がったままの呼吸。
肌にほんのり残る愛撫の余韻。
秘部の下で蠢動した感触が今も鮮明に蘇る。
(あれが……正行君の……)
挿入しなかったからこそ感触を確かめられ、おおよその大きさ、形が想像できる。
(あれが……私の中に……)
疼く下腹部を撫でる。
嘆願すれば絶頂に導いてくれたかもしれないがそうなるときっとペッティングだけで終わらなかっただろう。
強引に合意なしに体の奥を掻きまわされる。泣いて許しを乞うても止めてもらえない。
クールダウンのはずなのに火照りが増していく。
(やっぱり正行君に起きてもらって、それから球児の部屋で……)
暴走する妄想。あの身体の芯まで溶かすような熱が恋しくなっていた。
はっと我に返り、自分の両頬を叩く。
「な、なに考えてるの私~~~~~~~~……」
早く寝よう。そう考えても冷房だけでは冷めない熱が眠気を邪魔させる。
最終手段に出る。このためにトイレという一人になれる個室を選んだ。
(……こうするしかないよね……)
タンクトップの裾から手を突っ込む。ブラジャーをずらし、まだ固さが残る右乳房に触れる。
「……ふっん……」
一人で耽ることは初めてではない。週に二回程度は家族に隠れて行っていた。オカズや道具の用意は必要なく、性感帯を撫でるだけで満足していた。
今回も手短に終わる、そう考えていたが、
(あれ……なんだか……物足りない……)
陰茎の表面を撫でても気持ちがいいだけ。
快感を感じるも昂り、絶頂へと導く熱が足りなかった。
(ちょっとこわいけど……膣内まで……)
つぷり、と指を挿入する。肉の感触を傷つけないよう恐る恐る緩やかに奥へと引き込む。
「あっ……ここ……!」
腹側にあるつるっとした感覚。中央よりも少し右に寄っている。
発見したGスポットに初挑戦する。
「ん……ん……ん……」
しかし位置が悪く刺激が足りない。右手では都合が悪い。
(じゃあ左手で……)
しかし左手も都合が悪い。Gスポットを刺激するには押し込まなければならず、左手では長さが足りない。
(もどかしい……やっぱり正行君に……)
またも暴走する妄想を頭を振って吹き飛ばす。
「もう……これもあれも全部正行君のせいだよ……」
彼の小さな手での愛撫を思い出す。振りほどこうとしてもひょいとかわす生意気で小癪な手。
彼を重ねて乳首をいじる。
「あっ……ん……♡」
体が震える。手ごたえを感じた。
(これなら気持ちよくなれる……!)
自分のすぐ後ろに彼がいるとイメージする。
そして何もかも見透かした口調で強引に触れてくる。
『佳子さん。自分一人でオーガズムにも達せないんですか? 仕方ありませんね、手伝ってあげます』
イマジナリーフレンドならぬイマジナリーマサユキが現れる。
『こちらも寂しそうなので特別に可愛がってあげます』
「だめ……まさゆきくん、そっちは……♡」
彼に触れられたと思うと得られる快感は段違い。
膣内はしっとりと濡れを帯びていた。
くちゃり、くちゃり、と音を立てる。
『これは……お漏らしですか? 僕が栓をしてあげないと』
「ちが……これ、まさゆきくんが……♡」
遠く思えた絶頂が気付けばすぐ目の前まで迫る。
『イキそうなんですか? 我慢ができない人ですね。はしたない顔、じっくりと見させていただきます』
体を畳み、両足を閉じる。
「い、く……♡」
じわりと絶頂の快感が広がっていく。
頭が真っ白になる。それでも指の動きは止められず、貪り続けてしまう。頭の中の正行が責めを続ける。
「……はあ……はあ……はあ……」
息を整えながら濡れた手、秘部、太ももをティッシュで拭き取る。
その後消臭スプレーを多めに吹き回してからトイレを後にする。
球児の部屋のベッドで布団を被る。
身体の火照りは解決した。
しかし、
(何今のオナニー!? 死にた……………………)
過熱した孤独の性事情に途方もない羞恥を覚えた。
(名前呼んでたよね!? しかも正行君の姿をしっかりイメージしてたし! というか何が一番恥ずかしいかって実物よりSっ気が強かったことなんですけど!? 死にたい! 今すぐ死にたい!)
ムラムラは解消したが結局悶々とした夜を過ごすことになった佳子であった。
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