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初体験編

絶頂からのハーフタイムからの X

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 ぐぐぐ……ぐりゅ……ぐりゅ。

 純潔を破る穂先が肉の渦を徐々に突き進んでいく。
 中は狭いが充分に濡れている。それに狭いだけで拒む様子はない。

「は……あっ……ん!」

 外部からの侵略に全身を震わせて嬌声を上げる。

(入ってるのに……あんまり痛くない……? それにあんまり嫌な感じは、しない、かも……)

 正行の腰の動きが止まる。

「ぜんぶ……はいったっ……!」

 膨張した肉棒はすっぽりと下の口が咥え込んでいた。

「その様子だと、痛くはない、ようですね……よかった……ちゃんとぬらしたのが良かったのかもしれませんね……」
「う、うん……」

 佳子は両手を胸の前で組んでこくりと頷いた。

「ふふふ、すっかり素直になって……かわいいですよ」
「え、ちが、これは……」
「かわいいあなたのためにも、もうひと頑張りしないとですね……!」
「え、あ、あぁ……!」

 正行は尻に力を込めて腰を動かす。

 とんとんとん。とんとんとん。とんとんとん。

 短いストロークでGスポットを責め立てる。

「ま、さゆ、き……こ、れ……! これ! こりぇ!」

 ほとんど言葉と成していない喘ぎ声。

「奥には届かないけど……どうです、気持ちいいでしょう?」
「あぁん……あっ……ふぅ……あっ……!」

 腰を打ち付けるだけで面白いように喘ぐ彼女に嗜虐心が駆り立てられる。
 時折打ち付ける角度を変えて刺激に微妙な変化を加える。
 それによって飽きが来ない。ゆえにいつまでも快感が長続きする。

「ふふふ、まだまだお楽しみはこれからですよ」

 脚を肘で抱えながら可憐に咲いた花弁を指で腹でそっと撫でる。

「っっっ~!」

 快感の高波に飲み込まれる。
 とんとん、むゅ。

「あっあ……!」

 とんとん、みゅ。

「あっ、ああぁ……!」

 とんとん、みゅう。

「あぁぁあ……!」

 息をつく暇もを与えぬ繰り返される責め。
 熱も時間も自分の名前すらも考えらなくなる、思い出せなくなるほどの快感の高波に飲み込まれていく。

(気持ちい……♡ きもち、いい……♡)

 正行は蕩け顔を見て昂らずにはいられない。

「こんなのもどうかな!」

 腰を引き、深く強く打ち付ける。

「ああぁん……!」

 そうすると眼下の女性は背を仰け反らせてよがる。胸が大きく揺れ弾む。
 最初は奉仕に徹底するつもりだったが彼もまた快感の波に溺れ始めていた。

「だ、だめ、腰の動きが抑えられない……!」

 飽き足らず肉欲を求めてしまう。
 性知識を捨て去り、我欲に走り、壊れたメトロノームのように腰を打ち付ける。

「あっ……あぁ……はあ! 佳子さんの中はきもちがよすぎる! どうしてこんなに、ぼくをつかんではなさないんですか!」
「しらない! わかんない!」

 叫び合う二人。喧嘩しているような愛の囁き合い。

「それよりも、まさゆ、きく、ん……! なにか、なにか、くる……!」

 背筋に薄い寒気のような感覚。不快はないが不安があった。
 知ってるはずの知識なのに、心細さで目の前の男にすがる。

「イキそうなんですね? 僕も一緒です。一緒に、イキましょう」
「うん、わたし、正行くんといっしょに……イキたい……!」

 ストロークが加速する。

「あ、あ、ああ、あ……!」

 喘ぎ声のスパンも短くなる。

「佳子さん、佳子さん、佳子さん!」
「あ、あ、あああああ……!」

 二人の秘部から深淵の愛液が爆発する。
 思考は真っ白になり楽園が垣間見えた。

「あ、あ、はあ~……」

 独占欲が結合部を密着させ、最愛の人の最深部に一番乗りでマーキングする。その量は一発目の比ではない。

「あ……はあ~……」

 抱えていた下半身をベッドに下ろす。
 すると力が抜け、汗ばんだ胸をクッションにして倒れ込む。

「ここは……天国でしょうか……」

 中出しを果たし満たされた独占欲と、女を絶頂させた快感の余韻に浸る。
 女性器への挿入は赤子でもできる。女をイカせるということは男にとっての試練であり責任であり義務であり喜びでもある。

(イッちゃった……)

 佳子も同様に余韻に浸る。毛穴から汗が吹き出す感覚、疲労した体が横になることで回復していく感覚、そして快感。
 ぴりぴりと全身に絶頂の痺れが残っている。
 心地よく身を委ねていたい怠惰がある一方で、

(イカされちゃった……弟の友達に……! つい一か月前に自転車に乗れるようになった年下の男の子の良いようにされちゃって……ファーストキスからあれよあれよと初体験まで……!)

 無縁と思っていた色恋沙汰が濃縮されて襲い掛かってきた。
 頭が沸騰する。湯気の次は血が噴き出そう。

「……死ぬ……死ぬ……羞恥心で死ぬ……」
「熱いんですか? それなら飲み物ありますよ。スポーツドリンクでよろしければ。佳子さんは〇カリ派ですよね」

 そう言って正行は机の上に設置された小型冷蔵庫から二人分のスポーツドリンクを取り出した。

「チャラ~~~~~~~~正行君、そういうところだよ」
「どういうところですか? でもきっと褒められてるんでしょうね」

 正行は蓋を開けてから手渡す。

「ありがと。褒めてる褒めてる」

 二人分の唾液が混じってから乾いた口に潤いが戻る。

(おいし……)

 運動後のスポーツドリンクは格別。
 いつもと違う味がする。

(味……私、さっきまでこの舌で正行君と……)

 キスの感触がフラッシュバックし、額の熱が戻ってくる。

「だめ~~~~~しぬ~~~~~~~~~」

 手元にあった枕に顔をうずめる。
 枕はちょうどよくひんやりと冷えている。
 そして、

(……あ、正行君の匂いがする……)

 小さな幸せの発見をする。

(正行君が私の初めての相手か……いろいろと強引なところがあったけど、うん悪くはないというか、むしろ……)

 正行はスポーツドリンクを飲み干すと潰して部屋の角のゴミ箱に向かって投げる。
 見事にシュートが決まる。

「さてハーフタイムはここまでにして再開しましょうか」
「……え? ちょっとまって、正行君」

 佳子は枕で前を隠しながらベッドの上で正座する。

「今、すごく事後の空気だったじゃないですか」
「僕はまだできますよ。ほら、この通り」

 元気に若々しく上を向く。

「わ、私、ちょっと疲れたかな……なんて」

 背中を見せて丸まる。

「それでしたら佳子さんは寝たままでいてください。そういう体位も勉強してきたので」
「そういう問題じゃない!」

 佳子は枕に顔をうずめたまま叫ぶ。

「問題ではありません。大事なのは気持ちですよ」

 そしてまた、あれよあれよと正行のペースへと載せられていく。
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