近所の公園でバスケを教えていたら教え子のチャラショタに溺愛されるようになりました

田村ケンタッキー

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初体験編

普通の男の子ではないとは思っていた X

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「ほんと佳子さんってコートの外では隙だらけですね……」

 彼は二人の唾液がじった口元を舌なめずりする。
 毎朝大きな鞄を背負う肉体年齢であるはずなのにその姿はあまりに魅惑的。
 彼に跨れ、強引にファーストキスを奪われた上に舌を入れられた河相かわい佳子かこも思わず見入ってしまう。

「ほらまた。隙だらけですよ」

 バスケットボールを片手で持てない手がブラウスの上から胸をまさぐる。

「だめだよ、マイケル君……だめ……」

 抵抗する声もくすぐったく、艶めかしいものになってしまう。

 マイケルとは彼のあだ名。
 本名は上段うえんだ正行まさゆき
 近所の公園にあるバスケットコートをたまり場にしており、彼は佳子にバスケットボールを師事してもらっている。
  身長は平均よりも高い。四歳年上の佳子よりも5cm低い程度。身体能力はほんの少し見劣りするだけで顔立ちが整っているのでクラスの女子からも人気が高い。
 何より彼で特筆すべき点といえば、

「正行」

 左人差し指が佳子の唇に触れる。
 いつものへらへらとした笑みが消え、真剣な眼差しを向ける。

「今日の僕のことは本名で読んでください。そういう気分なので」

 彼の最大の特徴は女性の扱いが大人のそれと寸分変わらぬことだ。
 佳子と出会う前にはすでに20人もの女子と交際経験を積んでいた。しかしどれも長続きはせず、進んだとしても唇が触れるだけのキスに留まっている。
 ちなみに佳子はというと全青春をバスケットボールに費やしている為、そういった経験は全くのゼロだった。

 だからか四歳年下の男子のアプローチにも本気でドギマギしてしまうのだ。

「正……行……君」

 改まって本名で呼ぶと照れくさく感じてしまう。

「はい、よくできました」

 正行はニコニコといつもと変わらぬ笑顔を浮かべる。
 左人差し指が離れていく。なぜだか口惜しく感じてしまう。
 右手には赤いスカーフが握られている。そのスカーフに見覚えがあった。

「それ、私の制服の……!」

 気付くとブラウスのボタンはすべて外され、上半身はほとんど下着姿と変わらぬ姿となっていた。
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