1 / 34
初体験編
普通の男の子ではないとは思っていた X
しおりを挟む
「ほんと佳子さんってコートの外では隙だらけですね……」
彼は二人の唾液が交じった口元を舌なめずりする。
毎朝大きな鞄を背負う肉体年齢であるはずなのにその姿はあまりに魅惑的。
彼に跨れ、強引にファーストキスを奪われた上に舌を入れられた河相佳子も思わず見入ってしまう。
「ほらまた。隙だらけですよ」
バスケットボールを片手で持てない手がブラウスの上から胸をまさぐる。
「だめだよ、マイケル君……だめ……」
抵抗する声もくすぐったく、艶めかしいものになってしまう。
マイケルとは彼のあだ名。
本名は上段正行。
近所の公園にあるバスケットコートをたまり場にしており、彼は佳子にバスケットボールを師事してもらっている。
身長は平均よりも高い。四歳年上の佳子よりも5cm低い程度。身体能力はほんの少し見劣りするだけで顔立ちが整っているのでクラスの女子からも人気が高い。
何より彼で特筆すべき点といえば、
「正行」
左人差し指が佳子の唇に触れる。
いつものへらへらとした笑みが消え、真剣な眼差しを向ける。
「今日の僕のことは本名で読んでください。そういう気分なので」
彼の最大の特徴は女性の扱いが大人のそれと寸分変わらぬことだ。
佳子と出会う前にはすでに20人もの女子と交際経験を積んでいた。しかしどれも長続きはせず、進んだとしても唇が触れるだけのキスに留まっている。
ちなみに佳子はというと全青春をバスケットボールに費やしている為、そういった経験は全くのゼロだった。
だからか四歳年下の男子のアプローチにも本気でドギマギしてしまうのだ。
「正……行……君」
改まって本名で呼ぶと照れくさく感じてしまう。
「はい、よくできました」
正行はニコニコといつもと変わらぬ笑顔を浮かべる。
左人差し指が離れていく。なぜだか口惜しく感じてしまう。
右手には赤いスカーフが握られている。そのスカーフに見覚えがあった。
「それ、私の制服の……!」
気付くとブラウスのボタンはすべて外され、上半身はほとんど下着姿と変わらぬ姿となっていた。
彼は二人の唾液が交じった口元を舌なめずりする。
毎朝大きな鞄を背負う肉体年齢であるはずなのにその姿はあまりに魅惑的。
彼に跨れ、強引にファーストキスを奪われた上に舌を入れられた河相佳子も思わず見入ってしまう。
「ほらまた。隙だらけですよ」
バスケットボールを片手で持てない手がブラウスの上から胸をまさぐる。
「だめだよ、マイケル君……だめ……」
抵抗する声もくすぐったく、艶めかしいものになってしまう。
マイケルとは彼のあだ名。
本名は上段正行。
近所の公園にあるバスケットコートをたまり場にしており、彼は佳子にバスケットボールを師事してもらっている。
身長は平均よりも高い。四歳年上の佳子よりも5cm低い程度。身体能力はほんの少し見劣りするだけで顔立ちが整っているのでクラスの女子からも人気が高い。
何より彼で特筆すべき点といえば、
「正行」
左人差し指が佳子の唇に触れる。
いつものへらへらとした笑みが消え、真剣な眼差しを向ける。
「今日の僕のことは本名で読んでください。そういう気分なので」
彼の最大の特徴は女性の扱いが大人のそれと寸分変わらぬことだ。
佳子と出会う前にはすでに20人もの女子と交際経験を積んでいた。しかしどれも長続きはせず、進んだとしても唇が触れるだけのキスに留まっている。
ちなみに佳子はというと全青春をバスケットボールに費やしている為、そういった経験は全くのゼロだった。
だからか四歳年下の男子のアプローチにも本気でドギマギしてしまうのだ。
「正……行……君」
改まって本名で呼ぶと照れくさく感じてしまう。
「はい、よくできました」
正行はニコニコといつもと変わらぬ笑顔を浮かべる。
左人差し指が離れていく。なぜだか口惜しく感じてしまう。
右手には赤いスカーフが握られている。そのスカーフに見覚えがあった。
「それ、私の制服の……!」
気付くとブラウスのボタンはすべて外され、上半身はほとんど下着姿と変わらぬ姿となっていた。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる