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はじめての作曲依頼

隠し部屋と鞭と忠義の心 X-rated

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 がばっとスカートを持ち上げる。

「これが普段使いの下着か」

 肉付きのいい尻に三角形の純白のショーツが食い込んでいる。
 フォルテが品定めしている間も鎖はジャラジャラと鳴る。

「フォルテ様! お恥ずかしいです! 見ないでください!」

 鎖を外そうとするが女性の力、魔法もなしでは決して外れない。

「あんまり力むなよ。手首が傷つくから」
「では外して下さってもいいではありませんか」
「いいや、外すのは忠義を確かめてからだ」

 スカートをロール状に巻いていく。落ちてこないように念入りに力を入れ腰の高さまで持っていく。
 露になる腰回りと脚。女性的な肉を感じさせる。
 視線を感じ取り、より頬を赤らめる。

「恥ずかしい……」

 フォルテには今もよりももっと剥き出しの局部を見られたことがある。それでも全然心は慣れず羞恥を感じていた。
 そんな彼女に更なる羞恥を与える。

「馬のように腰を突き出せ」
「フォルテ様、一体何を……」
「いいから早くしろ」

 睨みだけで女を従わせる。

「……はい」

 壁に手を付き、腰を下げていく。
 身体を動かしても布が擦れる感触はなく、下半身をむき出しにしていると嫌でも自覚させられる。

「よぉし、いい子だ……」
「っ」

 尻を撫でられただけで身体を震わせる。
 今の彼女はとある理由で下半身への刺激には敏感になっている。

「こんな大きい尻してるくせして羽根のように軽いんだよな」

 揉みしだきながら罵倒する。

「何を仰ってるんですか……?」
「ふん、自覚なしか……とことん愚鈍な女だ」

 手を離すと櫃に向かい、一つのアイテムを取り出す。
 フォルテはそれを振りかぶり、床にたたきつける。

 ピシン!

 よくなめされた革がしなる。
 フォルテが取り出したのは柄に平ら状の革ひもの房が取り付けられたバラ鞭。誰が考えたか、キャットオブナインテイルとも呼ばれている。

「お待ちかねの鞭だぞ」
「フォルテ様。手ではなく鞭を使ってくださいとは言いました。だけど鞭で叩かれたいとは一言も」

 ピシャアン!

「ひっ」

 足のすぐ横に鞭が叩きつけられる。
 すさまじい音に足が震える。

「さてピアニー。謝るなら今のうちだぞ」
「……何を謝るのですか」

 ピシャアン!
 またも鞭が叩きつけられる。

「……もう自分のしでかしたミスを忘れたのか。エルメス商団ならまだしも国政に関わるような大事な書類を扱うことになる。もっと自覚を持ってもらわないと」
「そ、そんな……ぁっ……」

 死角で鞭の房を尻に垂らす。
 冷えた感触が不意打ちで剥き出しの尻の肌が触れたことにより、びくりと身体が跳ねる。

「認めないのか。なら認めるまで嬲り続けるまで。尻肉が削ぎ落ちても知らないからな」

 事実はまだ定かではない。
 ピアニーの中に机の上に置いた記憶がぼんやりと残っていた。しかしこうも強く言われると間違いは自分だったのではないかと思い始める。
 よって彼女は罰を受け入れてしまう。

「……大変申し訳ございませんでした」
「そうか。深く反省しているようだな」

 フォルテは腕を上げ、鞭を振り下ろす。
 パシン!

「きゃあ!?」

 鞭の音とピアニーの悲鳴が重なる。
 ピアニーの尻肉が僅かに赤く染まる。

「フォルテ様!? わたし、いま、謝ったのに」
「シュバルツカッツェ家の家訓。謝罪は言葉ではなく態度で示せ。よく覚えておけ」

 身体に叩きこむかのようにもう一叩き。

「きゃああ!? ごめんなさい! ごめんなさい!」

 謝りながら痛みから逃げるために腰を起こし、壁際に寄る。

「姿勢を崩すな!」

 逃げようとしても鞭は追いかけてくる。
 ピシン! ぱしん! ピシィ!
 尻だけでなく太ももや腰にも鞭は襲い掛かる。

「いたい、痛いです! ごめんなさい! ごめんなさい! もう、やめてください!」

 フォルテは情けで鞭を止める。ピアニーに一呼吸を置かせるためでもある。

「はあ……はあ……痛い……」

 熱くなった尻を撫でることもできず、呼吸を整えることしかできない。
 どこへも逃げられず理不尽な暴力を振られても謝って許しを請う彼女の姿に、フォルテは支配欲に満たされ、熱く奮い立ってしまう。
 あまりにか弱く無抵抗な彼女をさらに虐げたくなる。

「ピアニー。お前に真に反省する気持ちがあるのならチャンスをやる」
「チャンス……ですか……?」

 チャンスなどと聞こえはいいが実際は理不尽極まりない魔女裁判に近い。

「俺はこれから二十回、本気で叩く。お前はそれに耐え、悲鳴を上げさえしなければ……俺はお前を信じようと思う。俺への忠誠心があればできるよな?」

 悲鳴を上げさえしなければいい。簡単に言うが一回だけでも皮が引き裂かれるように痛い。
 それでも承諾するしかなかった。

「わかりました。それでフォルテ様が、私を信じてくれるのであれば……」

 全ては主のために。
 ピアニーは再度腰を突き出し、家畜の馬のように従順に服従のポーズを取る。

「いい子だ。それでこそ俺のピアニーだ」

 パシャアン!

 賞賛と同時の加虐。
 合図もなく始まる。

「っ……!」
「なんだ、一回目から声が出そうになってるぞ!」

 ピシャン!

「……!」

 身体を仰け反らせる。
 痛みを逃がす暇も慣れる暇もなく次が来る。

「先に言っておくが!」

 ぱしん!
 また身体が逃げそうになる。
 悲鳴の代わりに涙が漏れる。

「ちょっとでも悲鳴をあげたら!」

 ピシー!

「五回追加だ! 精々頑張れよ!」

 パシャん!

「~……!」

 ピアニーは堪える。
 彼女が我慢しているのは痛みだけでなかった。


 程なくして彼女の尻は桃からリンゴのように染めあがる。

(焼けるように熱い……だけど堪えなくては……フォルテ様のためにも……)

 自分の身がどれだけ傷つこうと主の心を最優先する献身。
 その愛は、主人に届いていない。

「かれこれ十五回。不出来な従者にしてはよく堪えているじゃないか」

 褒めてはいるが本心ではない。
 彼の欲望は衰え知らずに渦巻いている。
 忠義を見るために声を上げるなと言っておきながら、このまま何もなく終わるのはつまらないと思い始め、どうしたものかと思案する。
 考えていると白いままのショーツが目に入る。
 悪事を思い付き、口元が緩む。
 ショーツを指にかけ、一気に剥ぎ落す。

「っ……!」

 熱くなっていた下腹部が空気で冷やされ、声を漏らしそうになる。
 フォルテは露になった局部の入り口に指をかける。

 くちり。

 愛液が滴る音。

「……おいおい、ピアニー。濡れちまってるぞ」

 叩かれただけで濡れた。
 その事実は羞恥をあおり、冷静さを失わせた。

「違います! それは防御反応で! あ!」

 自分の愚かさにピアニーは顔を伏せる。

「ああ、ピアニー。お前はほんとに愛くるしいな」

 バラ鞭を尻に垂らすとフェイントに身体が震える。その姿も愉快でたまらなく痛快。

「今のはひっくるめて五回にしてやる。あーあ、でもこれで残り十回か。せっかく頑張ったのにな」

 本棚の埃を落とすように力を入れず痛みを与えずに尻の上でぽんぽんと上げ下げする。

「っ……っ……」

 痛い以外の我慢すべきものが暴れ始める。
 太ももを擦り合わせて尻を左右に揺らす。

「どうした? 叩かれて盛ったか?」

 フォルテはまだ隠された秘密に気付いていない。
 ピアニーは首をもげるかのように激しく首を振る。発言を許されていたとしても無言で否定していただろう。
 腕の自由はないが手を握る自由は残されており、ぎゅっと汗ばんだ手のひらを握る。額に汗を浮かばせ、深呼吸をし下腹部に力を入れて

「それじゃあ、もっと喜ばせてやるよ!」

 今度はバラ鞭を上からではなく、下から振るう。
 すると革ひもは性器を直接叩く。

「きゃああっ!?」

 不意打ちの痛み。弱点を突かれ、たまらず悲鳴を上げてしまう。

(で、でちゃう……!)

 これ以上秘部を叩かれては更なる醜態を晒すことになる。

「あと十五回になっちゃったなー。欲しがるじゃないか、ピアニー」

 残りは十五回。上からなら堪えられるが下からの刺激を受けていてはいずれ

「フォルテ様……」

 震えた声で嘆願する。

「どうした、ピアニー。喋ったらまた二十回で振り出しになっちまうぞ」
「……それでも構いません。ですがお願いがあります」
「なんだ、言ってみろ」
「……上から……上から叩いてください……」
「なんだ、上からが好みか?」
「……」

 こくりこくりと無言で頷く。

「そうか、そうか、ピアニーたっての願いだ、聞いてやらないとな」

 一瞬あえて下から叩いて驚かせようとしたが却下する。
 なんとなしに面白いものが見れる。そんな予感がしたからだ。
 振り出しに戻る鞭叩き。

「本当にお前の尻は! 叩き甲斐がある!」

 ぴしん! ぱあん! ぴしゃん!

「っ……っ……っ……!!」

 じわりじわりとピアニーの身体に変化が訪れる。

(なんでしょう、痛みの向こうから……何かが……)

 鈍くなっていたはずの痛覚が錯覚を始める。
 あるはずもない快感が生まれていた。

(そんな、私……叩かれて本当に……)

 声を上げたくなっていた。
 みっともなく、はしたなく、あられもなく。
 痛みから逃げるためではなく。
 自分のために悲鳴を上げたかった。
 悲鳴を上げればフォルテは大いに喜ぶ。
 自分ももっと叩かれて幸せになれるのではないかと頭に過ぎる。

(でも……!)

 一度誓った約束は破れない。
 快楽よりも忠誠を取る。
 ピアニーは壁に爪を立てて嵐が過ぎ去るのを待った。
 そして、

「これで、最後だ!」

 ぴし!

 慣れぬ鞭の操作に疲れ、フィニッシュを飾るにしては弱弱しい。

「……まったく。手のかかる従者を持った主は大変だ」

 ズボンからハンカチを取り出し、汗をぬぐいながらピアニーの肢体を眺める。
 苦痛に耐え切った彼女は美しく、滾らせる魅力に溢れていた。
 最高傑作の芸術が生み出したかのように興奮する。

「もう楽にしていい。喋ってもいいし姿勢を楽にしてもいい」
「はい、ありがとうございました……」

 腕を上げた状態のまま膝から崩れる。

「はあ……はあ……終わった……」

 両膝をくっつけて震わせる。
 我慢の限界の限界までに達していた。

「フォルテ様……手枷を外してください……終わったのであれば解放してほしく」
「まさか。楽しみはこれからだろ」
「ま、まだ続けるおつもりですか?」
「なんだ、不服か?」
「……不服ではございませんが、その、やはり一度外していただけませんか? どうしても行かなくてはいけない用事があるのです」
「もう夜は遅い。用事など水浴び、歯磨き、就寝くらいだろう」
「違うんです! 違う用事があるんです!」
「俺を置いて急ぐ用事とはなんだ?」
「それは……言えませんが……」
「言えないのなら解放しない。逃げられたら困るしな」
「私は逃げも隠れもしません! 必ずフォルテ様の元に戻ってきます! ですから!」
「じゃあまずその用事とやらを言ってみろ! 言え!」
「う、うっ……」

 ピアニーは壁に向かって話す。

「……お花を摘まみに」
「……お花ぁ? こんな夜にか?」

 フォルテは合点する。ピアニーが何故上から叩かれることを望んだか、ずっと太ももを閉じていたか。
 全て理解したうえで、いたぶるつもりで問い詰める。

「……誤魔化さず、はっきりと言え」

 ピアニーは諦めて白状する。

「……小水でございます」
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