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Ⅱ 騎士団の陰謀

第19話 闇に咲く雷

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アリア・エインズワース:帝都のはずれにある森で店を営んでいる魔女。21歳。
アーロン・ストライフ:魔法使いの助手兼用心棒をやっている青年。21歳。
ソフィー:元ハルモニア帝国第2皇女だった少女。18歳。
フィリップ・ベルナルド:元帝国騎士団所属だった鳥使いの男性。本名はウルフィリア・レインフォルス。32歳。
ルーナ:ハルモニア帝国第4皇子の側近をしている女性。20歳。
レオンハルト・ハイデルバッハ:帝国騎士団小隊長を務める青年。19歳。

バーナード・メイザース:ハルモニア帝国騎士団団長を務める男。42歳。
ヴァン:フィリップの相棒の怪鳥。


 ホロロコリス、時計塔跡地、鐘楼。

(SE 扉を開け放つ音)

アーロン 「バーナード!!」

バーナード 「……来たか」

ソフィー 「騎士団長! 貴方の狼藉もここまでです!」

バーナード 「狼藉? お言葉ですが殿下、狼藉を働いているのは、殿下の方です。あのアルトリウスに与しているのです。地下牢でおとなしくしていればよかったものを……」

ルーナ 「あら、この子がそんなところでおとなしくしていられるとでも思ってたの? それを前提にしてるようなら、アンタの計画とやらはうまくいかないわよ」

バーナード 「ふ、そう思うならその目で見届けさせようか。ルーナ、お前はアーロン・ストライフの死神化の安定に一役かっている。これでも感謝しているのだよ」

ルーナ 「偉そうに。何もかも思い通りって? 私は、自分でこの道を選んだ! アンタの思い通りにはもうさせないわよ……!」

レオンハルト 「そうです騎士団長! 貴方のやっていることは間違っている! 僕たちがその計画を阻止します!」

バーナード 「昨日迷っていた小隊長が、大きくでたものだな。この国は、滅亡へと着実に向かっている。お前たちは、国を見殺しにするというのか?」

フィリップ 「国を見殺し? それはお前の方だろ、バーナード。国を救うために、民を見殺しにするんじゃ本末転倒もいいとこだ」

バーナード 「ウルフィリア……。お前は、あの殿下の恐ろしさを私よりも先に目の当たりにしながら、そんなことを宣うのか……。あんな世界が、良いというのか!?」

フィリップ 「残念だけど、興味ないね。俺は、お前に奪われたものを返してもらうだけだ」

バーナード 「過去に囚われているだけの亡霊が……」

アリア 「バーナード、最後通告だ。計画を止めろ。……私は、本気でいくぞ」

バーナード 「アリア。我が娘ながら、自分の父親に歯向かうとは、嘆かわしい限りだ」

アーロン 「どうやら、力づくで止めねえといけないみたいだな!」

(SE 剣を抜き放つ音)

アーロン 「行くぞ!」

ルーナ 「──────叢雲」

(SE 霧が立ち込める音)

バーナード 「目くらましなど……」

(SE 剣を大きくふりかぶる音)

ルーナ 「レオ!!」

レオンハルト 「はい!」

(SE 剣と盾がぶつかる音)

バーナード 「なに!?」

レオンハルト 「さあ、ルーナさん!!」

ルーナ 「幻月……!」

(SE 分身が出現する音)

ルーナ 「──────幻月乱舞奥義! 風化雪月!」

バーナード 「くっ、閃光炎衝破せんこうえんしょうは!」

(SE 爆発音)

ルーナ 「防がれたか……!」

アリア 「──────氷塵ダイヤモンドダスト!!」

(SE 氷魔法が発動する音)

ソフィー 「これで、とどめです!!」

ソフィー 「──────魔弾・穿吼流撃弾フロウバースト!」

(SE 水の魔力が爆発する音)

レオンハルト 「やりましたか……?」

(SE 煙が晴れる音)

フィリップ 「まだだ……!」

バーナード 「ふふふ、はははは! 少しはやるようになったと思ったが、これで終わりか?」

ルーナ 「まさか、あれをもろに喰らってピンピンしてるなんて……」

バーナード 「では見るがいい、私の力を……!」

(SE 剣に魔力が込められていく音)

アリア 「その剣は……?」

バーナード 「ふっふっふ、これは各地で神降ろしをしたかんなぎから抽出した魔力で作成した魔剣神滅煌剣カイザーシュトラールだ」

ソフィー 「……あれから、異質な魔力を感じます」

フィリップ 「それが、皇帝の証を模した剣か」

バーナード 「ウルフィリア、この剣を手にした私に、お前の闇魔法にくしみなど恐るるに足らん」

アリア 「まさか、その剣には旧時代の魔法すら凌駕する力がある、というのか……?」

バーナード 「そうだ。……アリア、これでもお前には感謝しているのだ」

アリア 「なに……?」

バーナード 「ホムンクルスの簡易錬成の開発にとどまらず、アーロン・ストライフの蘇生、巫の打倒を成し遂げた。私から離れるために家の名を捨てたというのに、役目を果たし続けた……。皮肉なものだな」

アリア 「……っ」

アーロン 「ごちゃごちゃうるせえ!」

アリア 「アーロン……?」

アーロン 「役目だ? あんたは、父親なんだろ? 一度でもアリア自身のことを見たことはあるのかよ」

バーナード 「アリア自身、だと……?」

アーロン 「俺の親父は、母さんを亡くしてから酒におぼれたこともあった。だけど、それでも俺を騎士団に入れてくれた。騎士団を辞めた俺を受け入れてくれた」

バーナード 「それがどうした」

アーロン 「親ってのは、どんなときでも子どもを見てくれるもんだってことだ」

バーナード 「……詭弁だな。私には果たすべき役目がある。利用できるものを利用して、何が悪い」

アーロン 「お前は、アリアが背負ってきた苦しみがわかるか!?」

アリア 「アーロン、もういい」

バーナード 「苦しみ、だと……?」

アーロン 「アリアは、お前に認められようと、必死に努力してここまできたんだ! お前がどんなにクソ親でも、アリアにとってはたったひとりの親だったんだ。お前は、そんなアリアを道具扱いしてるんだぞ!」

バーナード 「くだらん」

アリア 「…………!」

バーナード 「言いたいことはそれだけか? では、我が剣の錆となるがいい……!」

(SE 魔力を解放する音)

(SE 風が吹き荒れる音)

アリア 「くっ、まさか、これほどとは……! アーロン、それにみんな、ここまでついてきてくれてありがとう」

(SE  アリアが一歩踏み出す音)

アーロン 「アリア……っ!?」

アリア 「私の許容魔力量を越える魔法をぶつければ、やつを道連れにできるはずだ。だから、キミたちはここから逃げろ」

ソフィー 「なにを、言ってるんですか!?」

レオンハルト 「そんなことをしたら、アリアさんの命は……!!」

アリア 「なに、身内の恥を身内がそそぐだけのことだ」

バーナード 「ほう、4年前、他人の命よりも自分を優先したお前が、自分を犠牲に仲間を守ろうとするとはな」

ルーナ 「…………!」

アーロン 「アリア! そんなことしなくていい!」

アリア 「では! どうしたらいい!? 今のバーナードは、私たちよりもはるかに強い! 私ひとりが犠牲になれば、キミたちは助けられるんだぞ!?」

アーロン 「そんなの、関係ない! あいつをぶっ飛ばせばいいだけの話だろ!!」

アリア 「……!」

フィリップ 「違いない」

レオンハルト 「援護します」

ソフィー 「期待してるよー、レオくん」

ルーナ 「アリア、あとで説教してやるから、覚悟しておきなさい」

アリア 「みんな……」

バーナード 「よかろう。まとめて叩き潰してくれる!」

バーナード 「──────神滅煌竜破しんめつこうりゅうは!!」

(SE 魔力が放出される音)

アーロン 「やらせるか! 死神化タナトス! 冥王一閃めいおういっせん!!」

(SE 黒いオーラをまとった一閃)

(SE 爆発音)

ソフィー 「相殺した!?」

バーナード 「……死神の力をものにしたか。だが、無意味だ」

ルーナ 「──────斬月」

(SE 刀の一閃)

バーナード 「くっ!」

(SE 剣と刀がぶつかる音)

ルーナ 「──────二の太刀」

(SE 剣と刀がこすれる音)

ルーナ 「はああああっ!」

(SE 刀が頬をかすめる音)

バーナード 「ちっ……!」

ソフィー 「さっすがルーナさん! 私も続きます!」

ソフィー 「──────疾風の一撃ラピッドバレット!」

(SE 銃撃)×2回

ソフィー 「続けてでかいのいっちゃいます! 魔弾・|彗星弾(コメットブラスト)!」

(SE 魔力を放出する音)

バーナード 「くぅっ!!」

アーロン 「はあああああっ!! 真・燕返しリバーサルエース!」

(SE 黒いオーラをまとった斬撃)×2回

バーナード 「ぐああああっ!!」

(SE バーナードが膝をつく音)

バーナード 「やってくれたな……!」

レオンハルト 「流れはこちらにきてるようですね!」

ルーナ 「ええ、このまま行くわよ!」

バーナード 「調子に乗るな!」

(SE 魔力の開放)

バーナード 「はああああっ!!」

ソフィー 「わわっ、なんかやばい感じですよ!?」

(SE 光のオーラをまとう音)

バーナード 「力が、みなぎる……!」

アリア 「……! まさか、神降ろし……!?」

フィリップ 「……青年が薬飲んで使いこなせるようになった神降ろしを、ああもあっさりと使いこなしてるなんて」

バーナード 「ふははははっ!! これが、神の力か……!」

アーロン 「おいおい、ただでさえ強いのに、神降ろしかよ。冗談きついぜ」

アリア 「…………」

ルーナ 「ちっ! 斬月!!」

(SE 斬撃音)

ルーナ 「二の太刀! 三の太刀! 奥義・ツクヨミ!!」

(SE 斬撃音)(SE 刀の一閃)

バーナード 「ふん、そんな攻撃……」

(SE 剣と刀がぶつかる音)

アリア 「……!」

アーロン 「神降ろしまでしてんのに、わざわざ攻撃を防いでやがる」

アリア 「ああ、どうやら暴走はしていないが、完全なものでもないらしい」

アーロン 「なら、やりようはありそうだな……!」

バーナード 「相談事は終わったか? 煌竜滅牙衝こうりゅうめつがしょう!!」

(SE 剣を叩きつける音)(SE 魔力を放出する音)

アーロン 「ちっ……! 黒封陣こくふうじん!」

(SE 剣を地面に突き立てる音)(SE 黒い魔力が吹き出る音)

アーロン 「ぐっ!! なんて力だ……っ!?」

バーナード 「……防いだか」

アーロン 「……くっ、そろそろ、俺の神降ろしは限界か……っ!」

ルーナ 「それはまずいわね……」

ソフィー 「そろそろ決めないとですね」

アリア 「……みんな、少し、時間を稼いでくれないか?」

フィリップ 「なにか、策があるの?」

アリア 「ああ。私に任せてくれ」

アーロン 「わかった! だけど、手早く準備を済ませてくれよ!」

アリア 「もちろんだ」

フィリップ 「よし、なら──────煌めけ、流れ星!」

(SE 矢を射る音)

フィリップ 「続けて! 降り注げ! 光の雨!」

(SE 矢を射る音)

(SE 無数の矢が降る音)

バーナード 「ぐはっ、神降ろしが身体にまだ馴染んでいないとでもいうのか……?」

レオンハルト 「はああああっ! 獅子炎牙ししえんが!」

(SE 炎をまとった斬撃)

(SE 剣と剣がぶつかる音)

アリア 「─────我、この闇に終わりを告げる者、汝、この光を闇に染める者」

ルーナ 「幻月! そして、偃月えんげつ!」

(SE 分身が出現する音)(SE 斬撃音)

バーナード 「小賢しい! 聖竜炎衝陣せいりゅうえんしょうじん!」

(SE 剣を地面に突き立てる音)(SE 炎が吹き出る音)

(SE 水が蒸発する音)

(SE 剣と刀がぶつかる音)

ルーナ 「ソフィー!」

ソフィー 「はい! 魔弾・閃光の一撃フレアバースト!!」

(SE 砲撃音)

バーナード 「くぅっ……!!」

アリア 「──────光は闇を照らし、闇は光に影を落とす」

バーナード 「聖なる光よ、今ここに裁きを下せ! 極光竜破アルティメットレイ!」

(SE 魔力を放出する音)

アーロン 「黒封陣!」

(SE 剣を地面に突き立てる音)(SE 黒い魔力が吹き出る音)

アーロン 「うおらああっ!!」

(SE 魔力を弾き返す音)

バーナード 「なにっ!?」

アーロン 「冥王一閃・狼牙ろうが!!」

(SE 黒いオーラをまとった一撃)

バーナード 「ぐはっ!!」

(SE バーナードが膝をつく音)

アーロン 「ぐぁ……っ! アリア!」

(SE 黒いオーラが消える音)

アリア 「──────雷よ、闇を切り裂き光を示せ!」

アリア 「みんな、ありがとう──────ジャッジメントブルーム!!」

(SE 激しい雷が落ちる音)

バーナード 「ぐあああああっ!!」

(SE バーナードが倒れる音)

ソフィー 「勝った……?」

レオンハルト 「……やったみたいですね」

ルーナ 「しぶと過ぎだってんのよ……」

フィリップ 「…………」

アリア 「……はあ、はあ……。くっ」

アーロン 「アリア、大丈夫か?」

アリア 「ああ、大丈夫だ……」

アーロン 「とても、そうは見えねえけどな」

アリア 「キミこそ……」

ルーナ 「そろそろ戻った方が良いわね。稽古場で今日は休みましょう」

ソフィー 「賛成です~」

(SE 歩き出す音)

バーナード 「…………」

(SE バーナードが魔力を吸収する音)

フィリップ 「……!!」

(SE バーナードが立ち上がる音)

バーナード 「ぐおおおおおっ!!」

アリア 「なにっ!?」

(SE 剣を振り上げる音)

フィリップ 「──────一刃トップノート・落陽」

(SE 短刀を振る音)

バーナード 「ぐっ……!」

(SE 剣を落とす音)

(SE 剣が折れる音)

バーナード 「貴様あああっ!」

フィリップ 「──────二刃ミドルノート・宵闇」

(SE 闇魔法が発動する音)(SE 短刀を振る音)

バーナード 「がはっ!」

(SE バーナードが膝をつく音)

フィリップ 「……年貢の納め時だな、隊長」

バーナード 「ウルフィリア、最期にお前が立ちふさがるとは因果なものだな……」

フィリップ 「これでも、あんたには感謝してるんだ。あの地獄から拾ってくれたんだからな」

バーナード 「……さあ、とどめを刺すがいい」

フィリップ 「──────三刃ラストノート・朝霧」

(SE 闇魔法が発動する音)(SE 短刀を振る音)

バーナード 「…………!」

(SE バーナードが倒れる音)

フィリップ 「感謝はしてるけど、それ以上に恨みもある。楽には死なせないさ」

バーナード 「…………」

フィリップ 「って言っても、もう聞こえてない、何も感じてないだろうけど。その深い霧の中で、ゆっくり死を待つんだな」

バーナード 「…………」

アーロン 「おっさん……」

ルーナ 「悪いわね、助かった」

フィリップ 「なに、これはもともと俺の目的でもあったんだ。気にしないでよ」

レオンハルト 「騎士団長……」

ソフィー 「おじさん、やっぱり凄いですねー。敵には回したくないですねー」

フィリップ 「あはは……」

アリア 「……行こう」



 ホロロコリス、稽古場跡地、縁側。夜。

 アーロンとアリアは、縁側からぼんやりと空を眺めていた。

アーロン 「……終わったな」

アリア 「ああ……」

アーロン 「これで、帝都は大混乱だろうな」

アリア 「ああ……」

アーロン 「ま、今日はゆっくり休めよ。明日からまた移動続きなんだから」

(SE アーロンが立ち上がる音)

アリア 「…………」

(SE アリアが立ち上がる音)

(SE 抱きつく音)

アーロン 「アリア……?」

アリア 「……しばらく、こうさせてくれ」

アーロン 「……はいよ」

アリア 「……さっきは、ありがとう」

アーロン 「さっきって?」

アリア 「さっきは、さっきだ。ほら、バーナードから私を庇ってくれた……」

アーロン 「あ、ああ、あれは別に、思ったことを言っただけで……」

アリア 「それでも、私は嬉しかったんだ」

アーロン 「そ、そうかよ……」

アリア 「……な、なあ、私が、キミに特別な感情を抱いている、というのは気づいてるんだろう?」

アーロン 「…………」

アリア 「私じゃ、だめか?」

アーロン 「アリア……」

アリア 「……私、アーロンのことが……」

アーロン 「アリア、その目、反則」

アリア 「えっ? わ、ちょ、ん……」

アーロン 「……アリア、俺、アリアのこと、いつの間にか好きになってたみたいだ」

アリア 「アーロン……。私も、好き……」

────────────

 一方、ソフィーたちは……。

ソフィー 「…………!」

フィリップ 「どしたの、ソフィーちゃん」

ルーナ 「アーロンとアリアの会話を盗み聞きしてるんじゃない?」

フィリップ 「ああ、なるほど」

レオンハルト 「むむ、地味に気になりますね……」

フィリップ 「ソフィーちゃんの反応的に……」

ソフィー 「やっぱり……、アーロンさんはアリアさんを選びますよね……」

ルーナ 「…………」

レオンハルト 「ソフィーさん……」

ソフィー 「レオくん、ごめんね、ちょっとひとりにさせて……」

(SE ソフィーが離れていく音)

フィリップ 「……ルーナちゃんもなんだか寂しそうだね」

ルーナ 「は、はあ? 別に、そんなんじゃないわよ」

フィリップ 「そうなの?」

ルーナ 「そうよ。……ただ、いじる相手がいなくなったってだけよ」

フィリップ 「ははは、素直じゃないなー」

ルーナ 「ぶつわよ!?」

フィリップ 「おっと、じゃあ、おじさんはそろそろ寝ようかなー」

ルーナ 「あっそ」



 ホロロコリス、稽古場跡地。深夜。

ソフィー 「すー、すー……、アーロンしゃぁん……」

(SE 締め付ける音)

ルーナ 「うぅん……、く、苦しいぃ……」

(SE 物音)

フィリップ 「…………」

(SE 足音)

アーロン 「ん、んん……、おっさん……?」

────────────

 ホロロコリス、稽古場跡地、庭園。

アーロン (……こんな夜中に、何やってんだ……?)

(SE 木の枝を踏む音)

アーロン (しまっ……!)

フィリップ 「……誰だ?」

アーロン 「…………」

フィリップ 「…………」

(SE 風が吹く音)

フィリップ 「……」

アーロン (気づかれてない……?)

フィリップ 「……ヴァン」

(SE 大きな鳥が降り立つ音)

ヴァン 「…………」

フィリップ 「……これを、殿下に」

(SE 書状を出す音)

ヴァン 「……」

(SE 大きな鳥が飛び立つ音)

アーロン (おっさん……、?)

つづく
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