24 / 62
Ⅱ 騎士団の陰謀
第16.5話① 決戦前夜:星降る夜に
しおりを挟む
ルーナ:ハルモニア帝国第4皇子の側近をしている女性。20歳。
アーロン・ストライフ:魔法使いの助手兼用心棒をやっている青年。21歳。
アリア・エインズワース:帝都のはずれにある森で店を営んでいる魔女。21歳。
ソフィー:元ハルモニア帝国第2皇女だった少女。18歳。
フィリップ・ベルナルド:元帝国騎士団所属だった鳥使いの男性。本名はウルフィリア・レインフォルス。32歳。
レオンハルト・ハイデルバッハ:帝国騎士団小隊長を務める青年。19歳。
ホロロコリス、稽古場跡地。
ソフィー 「さあそうと決まれば、騎士団長を倒しにいきましょう!」
アーロン 「ああ、ぶっ飛ばしてやろうぜ」
ルーナ 「そうね」
アリア 「待て、もう夜だ。出歩くのはやめておいた方がいい」
フィリップ 「そうだね。それにみんな、疲れてるだろうし、今日は休んだ方がいい」
レオンハルト 「そうです、特にアーロンさんは」
アーロン 「へいへい」
アリア 「本当にわかっているのか?」
アーロン 「わかったっての」
◇
ホロロコリス、稽古場跡地、屋根上。
ルーナ 「…………」
(SE 屋根の上に上がる音)
ルーナ 「……!」
アーロン 「よう」
ルーナ 「アーロン……。休まなくていいの?」
アーロン 「なんか、落ち着かなくてな」
ルーナ 「だったら、アリアのとこにでも行けばよかったでしょ」
アーロン 「そりゃ、あんたみたいなおっかない女といるよりかは、休めるかもしれねえけどよ」
ルーナ 「は?」
アーロン 「ほら、そういうところ」
ルーナ 「…………」
アーロン 「はあ、今のあんたを放っておいたら、おちおち寝てられねぇっての」
ルーナ 「……なによ、それ」
アーロン 「まあ、今日1日で、色々なことが起こり過ぎた。あんたも、思うところはあるだろ」
ルーナ 「幻術の中でのこと?」
アーロン 「なんだよ、気を遣って具体的には言わなかったってのに」
ルーナ 「むかつく」
(SE 弱い風が吹く音)
ルーナ 「…………妹のこと、考えてた」
アーロン 「……ステラ、だっけ?」
ルーナ 「そう。ステラは、私よりも剣術の腕がよかった。もし生きていたら、城で皇族の側近でもやってたかもしれないわね」
アーロン 「今のあんたみたいに、か?」
ルーナ 「ふふ、私なんて所詮、ステラの代わりなのよ。ステラがいないから、私は今ここにいる」
アーロン 「…………」
ルーナ 「本当よ。そういう運命なの。ステラが生きていたら、私は刀なんてとっくに捨てて、どっかの男と結婚してたかもね」
アーロン 「本当にそうか?」
ルーナ 「え?」
アーロン 「たらればで語るのは性に合わねぇけど、もしステラが生きてたら、きっとあんたも一緒にここにいんだろ」
アーロン 「だから、なんていうか、そう気に病むな。それに、運命ってのは自分で掴み取るもんだろ」
ルーナ 「アーロン……」
アーロン 「…………」
ルーナ 「ぷふ、あはははっ。くっさいセリフね」
アーロン 「うっせー。……俺、戻るわ。あんたは?」
ルーナ 「……私は、もうちょっとここで、星を眺めてるわ」
アーロン 「そっか。んじゃ、風邪ひかねぇうちに戻れよ」
ルーナ 「わかってるわよ、ふふ」
(SE 弱い風が吹く音)
ルーナ 「……むかつく」
つづく
アーロン・ストライフ:魔法使いの助手兼用心棒をやっている青年。21歳。
アリア・エインズワース:帝都のはずれにある森で店を営んでいる魔女。21歳。
ソフィー:元ハルモニア帝国第2皇女だった少女。18歳。
フィリップ・ベルナルド:元帝国騎士団所属だった鳥使いの男性。本名はウルフィリア・レインフォルス。32歳。
レオンハルト・ハイデルバッハ:帝国騎士団小隊長を務める青年。19歳。
ホロロコリス、稽古場跡地。
ソフィー 「さあそうと決まれば、騎士団長を倒しにいきましょう!」
アーロン 「ああ、ぶっ飛ばしてやろうぜ」
ルーナ 「そうね」
アリア 「待て、もう夜だ。出歩くのはやめておいた方がいい」
フィリップ 「そうだね。それにみんな、疲れてるだろうし、今日は休んだ方がいい」
レオンハルト 「そうです、特にアーロンさんは」
アーロン 「へいへい」
アリア 「本当にわかっているのか?」
アーロン 「わかったっての」
◇
ホロロコリス、稽古場跡地、屋根上。
ルーナ 「…………」
(SE 屋根の上に上がる音)
ルーナ 「……!」
アーロン 「よう」
ルーナ 「アーロン……。休まなくていいの?」
アーロン 「なんか、落ち着かなくてな」
ルーナ 「だったら、アリアのとこにでも行けばよかったでしょ」
アーロン 「そりゃ、あんたみたいなおっかない女といるよりかは、休めるかもしれねえけどよ」
ルーナ 「は?」
アーロン 「ほら、そういうところ」
ルーナ 「…………」
アーロン 「はあ、今のあんたを放っておいたら、おちおち寝てられねぇっての」
ルーナ 「……なによ、それ」
アーロン 「まあ、今日1日で、色々なことが起こり過ぎた。あんたも、思うところはあるだろ」
ルーナ 「幻術の中でのこと?」
アーロン 「なんだよ、気を遣って具体的には言わなかったってのに」
ルーナ 「むかつく」
(SE 弱い風が吹く音)
ルーナ 「…………妹のこと、考えてた」
アーロン 「……ステラ、だっけ?」
ルーナ 「そう。ステラは、私よりも剣術の腕がよかった。もし生きていたら、城で皇族の側近でもやってたかもしれないわね」
アーロン 「今のあんたみたいに、か?」
ルーナ 「ふふ、私なんて所詮、ステラの代わりなのよ。ステラがいないから、私は今ここにいる」
アーロン 「…………」
ルーナ 「本当よ。そういう運命なの。ステラが生きていたら、私は刀なんてとっくに捨てて、どっかの男と結婚してたかもね」
アーロン 「本当にそうか?」
ルーナ 「え?」
アーロン 「たらればで語るのは性に合わねぇけど、もしステラが生きてたら、きっとあんたも一緒にここにいんだろ」
アーロン 「だから、なんていうか、そう気に病むな。それに、運命ってのは自分で掴み取るもんだろ」
ルーナ 「アーロン……」
アーロン 「…………」
ルーナ 「ぷふ、あはははっ。くっさいセリフね」
アーロン 「うっせー。……俺、戻るわ。あんたは?」
ルーナ 「……私は、もうちょっとここで、星を眺めてるわ」
アーロン 「そっか。んじゃ、風邪ひかねぇうちに戻れよ」
ルーナ 「わかってるわよ、ふふ」
(SE 弱い風が吹く音)
ルーナ 「……むかつく」
つづく
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
片思い台本作品集(二人用声劇台本)
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
今まで投稿した事のある一人用の声劇台本を二人用に書き直してみました。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。タイトル変更も禁止です。
※こちらの作品は男女入れ替えNGとなりますのでご注意ください。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい
声劇・シチュボ台本たち
ぐーすか
大衆娯楽
フリー台本たちです。
声劇、ボイスドラマ、シチュエーションボイス、朗読などにご使用ください。
使用許可不要です。(配信、商用、収益化などの際は 作者表記:ぐーすか を添えてください。できれば一報いただけると助かります)
自作発言・過度な改変は許可していません。
【ショートショート】おやすみ
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
フリー声劇台本〜1万文字以内短編〜
摩訶子
大衆娯楽
ボイコネのみで公開していた声劇台本をこちらにも随時上げていきます。
ご利用の際には必ず「シナリオのご利用について」をお読み頂ますようよろしくお願いいたしますm(*_ _)m
保健室のあのコ
うめめ
恋愛
五月の連休明けのある日、授業で使ったプリントを保健室登校の中原夢乃に届けることとなった作間海斗。クラスでの出来事を教えてほしい、と夢乃にお願いされ、海斗は保健室に通うようになる。そんな関係を続けていくうちに、次第に二人は惹かれていき……。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる