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第1部 古金ミカ編
第1章 みずいろの足跡 (古金ミカ編) 前編
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春。僕は目覚まし時計で目を覚ました。
??
「……はぁ……。朝か……。」
僕の名前は真瀬莉緒(まなせ りお) 。この春に6つの高等学校が合併した、六郭星学園に通う高校3年生だ。
真瀬莉緒
「僕は今日から六郭星学園の生徒か…。」
今日から新たな友達と授業を受ける。そう思っただけでドキドキした。
真瀬莉緒
「大丈夫…大丈夫…。」
僕はそう言い聞かせながら支度をし、六郭星学園に向かった。
六郭星学園 校門
真瀬莉緒
「ここが六郭星学園…」
??
「何か…すごいところね。」
この人は真瀬志奈(まなせ しな)。僕の双子の姉。
姉さんもこの学園に通う高校3年生だ。
真瀬莉緒
「でも、合併して方針が変わって全寮制になるなんて思わなかったよ。」
真瀬志奈
「でも寝坊しなくなるんじゃない?」
姉さんは笑顔でそう言った。
真瀬莉緒
「それ言わないでよ…。」
僕は照れながらそう言いました。
姉さんは僕をからかうのが好きなんだ。
真瀬莉緒
「…で、姉さんはどこのクラスだったの?」
真瀬志奈
「私は…Eクラスね。」
真瀬莉緒
「へぇ…俺はKクラスだったよ。バラバラになっちゃったね。」
真瀬志奈
「そうね。学校内でも会えるし、問題ないわよ。」
真瀬莉緒
「それもそうだね。じゃあ、そろそろ自分たちの教室行こう。」
真瀬志奈
「えぇ。」
六郭星学園 校内
真瀬莉緒
「へぇ……広いね……。」
さすがは六郭星学園。6つの学校が合併しただけあって校内はかなりの広さだ。
バクバク……ムシャムシャ……。
と、近くの教室から変な音が聞こえる。少し覗いてみるとそこには女子生徒がいた。
??
「うまい……うまい……。」
だらしのない格好でアンパンを食べている……それを見たとき、少し引いてしまった。
??
「ん……?おおー!君も食べるかい!」
真瀬莉緒
「え……いや……あ……。」
変に絡まれてしまった。どうすればいいのか……
??
「何やっているの?」
??
「お!……怒ってる?」
気がつくともう1人の女子生徒がアンパンを食べている女子生徒に話しかけている。
??
「そろそろ教室戻るわよ。」
??
「はいはい。」
??
「あなたもそろそろ教室に行った方が良いわよ。」
真瀬莉緒
「あ、はい……すみません。」
なんとか助かったと言えばいいのか……僕は顔を洗って、教室に向かった。
六郭星学園 Kクラス教室
教室に入るとさっきの女子生徒たちがいた。
??
「おー!君もここのクラスなんだねー!」
??
「そう……同じクラスなのね……。」
先ほどの2人は見るたびに静と動の対になっている。全くの正反対の性格だ。
??
「ミカ!囃し立てないの!」
すぐ近くから声が聞こえた。そこにはまた女子生徒がいた。
??
「すみません。ミカが変なことを言ってしまい……。」
真瀬莉緒
「いえいえ……大丈夫です……。」
内心、モヤモヤはあるが、なんとか穏便にするため、その場をごまかした。
それにしても……ミカって……。
来川ナナ
「自己紹介がまだでしたね。私は来川ナナ(らいかわ なな)と言います。よろしくお願いします。」
古金ミカ
「あ、そうだった。私、古金ミカ(こがね みか)でーす!よろしくー!」
星野シキア
「星野シキア(ほしの しきあ)よ。よろしくね。」
真瀬莉緒
「僕は……真瀬莉緒と言います。よろしくお願いいたします!」
自己紹介を済ませて僕は自分の席についた。
チャイムが鳴りホームルームが始まり、教室に担任の先生が入ってきた。担任の先生は見知らぬ先生だった。
??
「おはようございます。今日からKクラスの担任になります。笛花奏(ふえばな かなで)といいます。教科は音楽です。よろしくお願いします!」
笛花先生か……優しそうな人だな……。
笛花奏
「皆さんもご存知の通り、6つの学校が合併をして、新しく六郭星学園となりました。皆さんも親しい人や見慣れない人もいるかもしれません。1年間という短い期間ではありますが仲良く過ごしましょう!」
先生がそういうとクラスメイトは「はい。」と返事をする。
そして、先生が次に出た発言は唐突な発言だった。
笛花奏
「いきなりではありますが、これから皆さんにはある課題をしてもらいます。」
それを聞いた時、クラスはざわつく……
笛花奏
「いきなりでごめんね。これから2人1組たりない場合は3人1組になってもらいます。そのペアで、課題をしてもらいます。」
男子生徒A
「課題の内容はなんですか?」
笛花奏
「良い質問。課題の内容は自由研究です。6月に皆さんの前で発表してもらいます!課題のペアはこちらの席からくじを引いてもらいます。」
言われるがまま、くじを引いていく……
そして、僕の順番が回ってきた……周りの人を見るとくじの中身はカラーボールだ。僕が箱の中に手を入れて引いたボールの色は……オレンジ色だった。
笛花奏
「それでは、同じ色のカラーボールを持っている人とペアになってください。」
僕は同じ色のボールを持った人を探す……
同じ色のボールを持っていたのは……。
古金ミカ
「おお!!同じ色ではないか!!よろしくね~!!」
古金さんだ。この人と課題をやるのか……少し体力が必要になってくるかもしれない……。
真瀬莉緒
「よろしくお願いします……。」
古金ミカ
「うーむ……声が小さいなぁ……。よろしく!」
真瀬莉緒
「は……はい!よろしくお願いします!」
……1年持つのだろうか……?
笛花奏
「皆さん同じペアの人わかりましたね。では……自己紹介をしていきましょう!では、そちらの方から!」
来川ナナ
「はい。来川ナナです。1年間という短い期間ではありますが、皆さんよろしくお願いいたします。」
笛花奏
「真面目な子ね……それじゃあ次の人!」
星野シキア
「はい。星野シキアです。みなさんよろしくお願いいたします。」
笛花奏
「丁寧ね……。では次は……あなた!」
真瀬莉緒
「はい。真瀬莉緒です。特技は楽器という楽器はほとんど弾けます。よろしくお願いします!」
笛花奏
「お、これは期待ね!今度聞かせてね!」
真瀬莉緒
「あ、ありがとうございます!」
笛花奏
「じゃあ、次はあなた。」
古金ミカ
「どうもー!古金ミカですー!!好きなことは……いっぱい!よろしくー!」
笛花奏
「…………。」
先生も言葉が出ないほどのパワー……本当に大丈夫かな……
笛花奏
「そ、それじゃあ……次の人!」
こうして順番に自己紹介をしていく……
笛花奏
「はい。これで皆さん自己紹介しましたね。では、ホームルームを終えます。改めてよろしくお願いします!」
そして、先生は教室から出て行った。
先生が出て行ったあとはクラスメイトたちは周りの人と雑談をしている。
僕はあまり雑談は得意ではないが、さっき知り合った女子たちが話しかけてきた。
古金ミカ
「ねえねえ、君ってどこの学校出身なの?」
来川ナナ
「ミカ!いきなり話しかけないの!……まあ、気になるのはわかるけど……。」
星野シキア
「莉緒は……桃乃木音楽高等学校よね。」
真瀬莉緒
「えっ……どうしてそれを!?というより下の名前……?」
星野シキア
「楽器を弾けるとしたらそこしかないわよ。私は翠木高等学校よ。あと、呼び方は自由よ。」
真瀬莉緒
「かなりの偏差値の高校ですよね。すごいですね。なるほど……呼び方か……」
古金ミカ
「私は紅影高等学校。偏差値は低いかもしれないけど、学年ではトップ10に入るくらいだからよろしく。」
真瀬莉緒
「おお……それは期待ですね。」
来川ナナ
「私は蒼沼化学学校です。親は病院を経営していますが、医療専門の高等学校がなかったので……」
真瀬莉緒
「そうなんですね。親が病院の経営か……。すごいですね!」
そういえばこの3人は親しい様子だけど、知り合いなのだろうか?
真瀬莉緒
「ちなみにみなさんはお知り合いなんですか?」
星野シキア
「ええ、合併説明会の時に知り合ったばかりだけどね。その後の説明会の後の謝恩会で意気投合して……こんな感じにね。」
古金ミカ
「あの時は楽しかったね!今も楽しいけど。」
来川ナナ
「ええ、これからも楽しみね。真瀬さんもこれからよろしくお願いします!」
真瀬莉緒
「はい。よろしくお願いします。」
その後もたわいもない話をして、僕たちは帰路に着いた。
寮制度は明日からであり、2人1組の部屋になっている。
翌日……教室には古金さんがいた。
古金ミカ
「やあやあ……待っていたよ……!」
ああ……今日もワールド全開ってところか……
古金ミカ
「早速だけどさー!課題どうするの~?」
真瀬莉緒
「課題……そうですね……。」
古金ミカ
「なかったら私のやりたいことでも良い?」
真瀬莉緒
「あ、はい。それで良いですよ。内容によりますけど……」
古金ミカ
「おお、ではこれはどうかな?」
古金さんは1枚の紙を見せた時、もう1枚の紙が床に落ちた。
真瀬莉緒
「あ、落としましたよ。」
僕が拾い上げるとその紙にはこう書かれていた……
この声優の曲を作りなさい。
父より
古金さんのお父さんの手紙……?それにしても……この声優さんに曲を作るか……。
言ってもこの声優さんはかなりハードル高いな……。
古金ミカ
「…………!」
古金さんはその紙を奪い取るように取った。
真瀬莉緒
「古金さん……?」
古金ミカ
「今のは忘れて。わかった?」
今までと違い圧がすごい。それに拒否をすることはできない。
真瀬莉緒
「わかりました……。」
古金ミカ
「よろしい!!ではでは早速音楽室に行って、楽器を作ってみましょう!」
真瀬莉緒
「は……はい……。」
先ほどの圧から元に戻った。なんだったのだろう……
ただ、拒否を出来なかったので、僕は音楽室に行くことになった……。
六郭星学園 音楽室
真瀬莉緒
「ここが音楽室か……。」
音楽室はかなりの広さで、ありとあらゆる楽器が置かれている。さすがは母校が合併しただけある。
古金ミカ
「お、あったあった。これを再現するわよー。」
古金さんが手に取ったのはメトロノームだった。
真瀬莉緒
「メトロノームか……。」
古金ミカ
「そうだよー。せっかくだからこれを……」
??
「ミカ!また人を困らせているの!?」
真瀬莉緒
「えっ!?」
音楽室を開けて入ってきたのはふんわりとしたヘアスタイルの男子生徒だった。
その男子生徒は僕を見ると、お辞儀をしていた。
柊木アイ
「驚かせてすみません。僕はEクラスの柊木アイ(ひいらぎ あい)と言います。よろしくお願いします。」
真瀬莉緒
「あ、よろしくお願いします。」
とても丁寧で優しそうな人だ。こんな人が古金さんの知り合いなのだろうか?
柊木アイ
「ミカ!また人様に迷惑かけているんでしょ!」
古金ミカ
「ふん!かけてませんよーだ!ホレホレ……」
柊木アイ
「ミカ!」
柊木さんはとにかくお冠の様子だ。今はあまり関わらない方が良いかもしれない。
柊木アイ
「それよりもあの件は引き受けないの?声優さんの曲作り……」
古金ミカ
「それ今関係ないわよね。やめて。……それにその件は1人でやるから。」
柊木アイ
「やるって……バイオリンが弾けるだけで作曲ができるわけないよ!」
古金ミカ
「本当ならやりたくないわよ!でも……私は……」
柊木アイ
「……ねえ……思ったんだけど……彼って真瀬さんのご姉弟?」
古金ミカ
「真瀬さんのご姉弟?それは聞いてないわ。」
柊木アイ
「すみません。あなたは真瀬志奈さんのご姉弟でしょうか?」
姉さんのことを知ってる……?
……ああ、よく考えれば姉さんはEクラスだったな。柊木さんもEクラスだから姉さんのことを知っているんだろう。
真瀬莉緒
「はい。志奈の弟の莉緒といいます。よろしくお願いします。」
柊木アイ
「こちらこそ。ねえ、莉緒くんは志奈さんと同じで楽器は全部弾ける?」
真瀬莉緒
「ええと……まあ……一応……。」
柊木アイ
「それなら……このバイオリンを弾いてみて!」
古金ミカ
「ちょっと……!勝手に話を進めないで……!」
柊木アイ
「静かに!……お願いします。」
真瀬莉緒
「わかりました……。」
僕は言われるがまま、バイオリンを弾いてみる……
バイオリンを弾き終えた。2人の反応は……
古金ミカ
「すごい……こんな簡単に弾けるなんて……!」
柊木アイ
「ああ、これなら文句なしでしょ!だからさ、その……作曲……彼と一緒にやってみたら?」
作曲……先ほどの紙に書いてあったやつだろう。
古金ミカ
「いや……でもそれは……。」
柊木アイ
「あの声優さんははっきり言ってハードルやレベルが違いすぎる。万能な人がいないと難しいよ。」
古金ミカ
「わかってるわよ……なら……莉緒っちが良ければ。」
莉……莉緒っち!?……いや、今はそんなことは関係ない。僕は……作曲を課題にしようとしていたんだ。断る理由もない……
真瀬莉緒
「僕で良ければ、お手伝いさせていただきます。」
柊木アイ
「本当に!?ありがとう!良かったねミカ!」
古金ミカ
「うん……てな訳で……よろしくねー!よろよろー!」
あ……色々あったけどよく考えたらこんな性格だった。けど今さら断ることもなぁ……仕方ない。やるからには本格的にやらないと。
真瀬莉緒
「はい。よろしくお願いします。」
僕がそう言うと今日は解散しようと言うことになり、それぞれの寮の部屋に戻ることにした。
??
「……はぁ……。朝か……。」
僕の名前は真瀬莉緒(まなせ りお) 。この春に6つの高等学校が合併した、六郭星学園に通う高校3年生だ。
真瀬莉緒
「僕は今日から六郭星学園の生徒か…。」
今日から新たな友達と授業を受ける。そう思っただけでドキドキした。
真瀬莉緒
「大丈夫…大丈夫…。」
僕はそう言い聞かせながら支度をし、六郭星学園に向かった。
六郭星学園 校門
真瀬莉緒
「ここが六郭星学園…」
??
「何か…すごいところね。」
この人は真瀬志奈(まなせ しな)。僕の双子の姉。
姉さんもこの学園に通う高校3年生だ。
真瀬莉緒
「でも、合併して方針が変わって全寮制になるなんて思わなかったよ。」
真瀬志奈
「でも寝坊しなくなるんじゃない?」
姉さんは笑顔でそう言った。
真瀬莉緒
「それ言わないでよ…。」
僕は照れながらそう言いました。
姉さんは僕をからかうのが好きなんだ。
真瀬莉緒
「…で、姉さんはどこのクラスだったの?」
真瀬志奈
「私は…Eクラスね。」
真瀬莉緒
「へぇ…俺はKクラスだったよ。バラバラになっちゃったね。」
真瀬志奈
「そうね。学校内でも会えるし、問題ないわよ。」
真瀬莉緒
「それもそうだね。じゃあ、そろそろ自分たちの教室行こう。」
真瀬志奈
「えぇ。」
六郭星学園 校内
真瀬莉緒
「へぇ……広いね……。」
さすがは六郭星学園。6つの学校が合併しただけあって校内はかなりの広さだ。
バクバク……ムシャムシャ……。
と、近くの教室から変な音が聞こえる。少し覗いてみるとそこには女子生徒がいた。
??
「うまい……うまい……。」
だらしのない格好でアンパンを食べている……それを見たとき、少し引いてしまった。
??
「ん……?おおー!君も食べるかい!」
真瀬莉緒
「え……いや……あ……。」
変に絡まれてしまった。どうすればいいのか……
??
「何やっているの?」
??
「お!……怒ってる?」
気がつくともう1人の女子生徒がアンパンを食べている女子生徒に話しかけている。
??
「そろそろ教室戻るわよ。」
??
「はいはい。」
??
「あなたもそろそろ教室に行った方が良いわよ。」
真瀬莉緒
「あ、はい……すみません。」
なんとか助かったと言えばいいのか……僕は顔を洗って、教室に向かった。
六郭星学園 Kクラス教室
教室に入るとさっきの女子生徒たちがいた。
??
「おー!君もここのクラスなんだねー!」
??
「そう……同じクラスなのね……。」
先ほどの2人は見るたびに静と動の対になっている。全くの正反対の性格だ。
??
「ミカ!囃し立てないの!」
すぐ近くから声が聞こえた。そこにはまた女子生徒がいた。
??
「すみません。ミカが変なことを言ってしまい……。」
真瀬莉緒
「いえいえ……大丈夫です……。」
内心、モヤモヤはあるが、なんとか穏便にするため、その場をごまかした。
それにしても……ミカって……。
来川ナナ
「自己紹介がまだでしたね。私は来川ナナ(らいかわ なな)と言います。よろしくお願いします。」
古金ミカ
「あ、そうだった。私、古金ミカ(こがね みか)でーす!よろしくー!」
星野シキア
「星野シキア(ほしの しきあ)よ。よろしくね。」
真瀬莉緒
「僕は……真瀬莉緒と言います。よろしくお願いいたします!」
自己紹介を済ませて僕は自分の席についた。
チャイムが鳴りホームルームが始まり、教室に担任の先生が入ってきた。担任の先生は見知らぬ先生だった。
??
「おはようございます。今日からKクラスの担任になります。笛花奏(ふえばな かなで)といいます。教科は音楽です。よろしくお願いします!」
笛花先生か……優しそうな人だな……。
笛花奏
「皆さんもご存知の通り、6つの学校が合併をして、新しく六郭星学園となりました。皆さんも親しい人や見慣れない人もいるかもしれません。1年間という短い期間ではありますが仲良く過ごしましょう!」
先生がそういうとクラスメイトは「はい。」と返事をする。
そして、先生が次に出た発言は唐突な発言だった。
笛花奏
「いきなりではありますが、これから皆さんにはある課題をしてもらいます。」
それを聞いた時、クラスはざわつく……
笛花奏
「いきなりでごめんね。これから2人1組たりない場合は3人1組になってもらいます。そのペアで、課題をしてもらいます。」
男子生徒A
「課題の内容はなんですか?」
笛花奏
「良い質問。課題の内容は自由研究です。6月に皆さんの前で発表してもらいます!課題のペアはこちらの席からくじを引いてもらいます。」
言われるがまま、くじを引いていく……
そして、僕の順番が回ってきた……周りの人を見るとくじの中身はカラーボールだ。僕が箱の中に手を入れて引いたボールの色は……オレンジ色だった。
笛花奏
「それでは、同じ色のカラーボールを持っている人とペアになってください。」
僕は同じ色のボールを持った人を探す……
同じ色のボールを持っていたのは……。
古金ミカ
「おお!!同じ色ではないか!!よろしくね~!!」
古金さんだ。この人と課題をやるのか……少し体力が必要になってくるかもしれない……。
真瀬莉緒
「よろしくお願いします……。」
古金ミカ
「うーむ……声が小さいなぁ……。よろしく!」
真瀬莉緒
「は……はい!よろしくお願いします!」
……1年持つのだろうか……?
笛花奏
「皆さん同じペアの人わかりましたね。では……自己紹介をしていきましょう!では、そちらの方から!」
来川ナナ
「はい。来川ナナです。1年間という短い期間ではありますが、皆さんよろしくお願いいたします。」
笛花奏
「真面目な子ね……それじゃあ次の人!」
星野シキア
「はい。星野シキアです。みなさんよろしくお願いいたします。」
笛花奏
「丁寧ね……。では次は……あなた!」
真瀬莉緒
「はい。真瀬莉緒です。特技は楽器という楽器はほとんど弾けます。よろしくお願いします!」
笛花奏
「お、これは期待ね!今度聞かせてね!」
真瀬莉緒
「あ、ありがとうございます!」
笛花奏
「じゃあ、次はあなた。」
古金ミカ
「どうもー!古金ミカですー!!好きなことは……いっぱい!よろしくー!」
笛花奏
「…………。」
先生も言葉が出ないほどのパワー……本当に大丈夫かな……
笛花奏
「そ、それじゃあ……次の人!」
こうして順番に自己紹介をしていく……
笛花奏
「はい。これで皆さん自己紹介しましたね。では、ホームルームを終えます。改めてよろしくお願いします!」
そして、先生は教室から出て行った。
先生が出て行ったあとはクラスメイトたちは周りの人と雑談をしている。
僕はあまり雑談は得意ではないが、さっき知り合った女子たちが話しかけてきた。
古金ミカ
「ねえねえ、君ってどこの学校出身なの?」
来川ナナ
「ミカ!いきなり話しかけないの!……まあ、気になるのはわかるけど……。」
星野シキア
「莉緒は……桃乃木音楽高等学校よね。」
真瀬莉緒
「えっ……どうしてそれを!?というより下の名前……?」
星野シキア
「楽器を弾けるとしたらそこしかないわよ。私は翠木高等学校よ。あと、呼び方は自由よ。」
真瀬莉緒
「かなりの偏差値の高校ですよね。すごいですね。なるほど……呼び方か……」
古金ミカ
「私は紅影高等学校。偏差値は低いかもしれないけど、学年ではトップ10に入るくらいだからよろしく。」
真瀬莉緒
「おお……それは期待ですね。」
来川ナナ
「私は蒼沼化学学校です。親は病院を経営していますが、医療専門の高等学校がなかったので……」
真瀬莉緒
「そうなんですね。親が病院の経営か……。すごいですね!」
そういえばこの3人は親しい様子だけど、知り合いなのだろうか?
真瀬莉緒
「ちなみにみなさんはお知り合いなんですか?」
星野シキア
「ええ、合併説明会の時に知り合ったばかりだけどね。その後の説明会の後の謝恩会で意気投合して……こんな感じにね。」
古金ミカ
「あの時は楽しかったね!今も楽しいけど。」
来川ナナ
「ええ、これからも楽しみね。真瀬さんもこれからよろしくお願いします!」
真瀬莉緒
「はい。よろしくお願いします。」
その後もたわいもない話をして、僕たちは帰路に着いた。
寮制度は明日からであり、2人1組の部屋になっている。
翌日……教室には古金さんがいた。
古金ミカ
「やあやあ……待っていたよ……!」
ああ……今日もワールド全開ってところか……
古金ミカ
「早速だけどさー!課題どうするの~?」
真瀬莉緒
「課題……そうですね……。」
古金ミカ
「なかったら私のやりたいことでも良い?」
真瀬莉緒
「あ、はい。それで良いですよ。内容によりますけど……」
古金ミカ
「おお、ではこれはどうかな?」
古金さんは1枚の紙を見せた時、もう1枚の紙が床に落ちた。
真瀬莉緒
「あ、落としましたよ。」
僕が拾い上げるとその紙にはこう書かれていた……
この声優の曲を作りなさい。
父より
古金さんのお父さんの手紙……?それにしても……この声優さんに曲を作るか……。
言ってもこの声優さんはかなりハードル高いな……。
古金ミカ
「…………!」
古金さんはその紙を奪い取るように取った。
真瀬莉緒
「古金さん……?」
古金ミカ
「今のは忘れて。わかった?」
今までと違い圧がすごい。それに拒否をすることはできない。
真瀬莉緒
「わかりました……。」
古金ミカ
「よろしい!!ではでは早速音楽室に行って、楽器を作ってみましょう!」
真瀬莉緒
「は……はい……。」
先ほどの圧から元に戻った。なんだったのだろう……
ただ、拒否を出来なかったので、僕は音楽室に行くことになった……。
六郭星学園 音楽室
真瀬莉緒
「ここが音楽室か……。」
音楽室はかなりの広さで、ありとあらゆる楽器が置かれている。さすがは母校が合併しただけある。
古金ミカ
「お、あったあった。これを再現するわよー。」
古金さんが手に取ったのはメトロノームだった。
真瀬莉緒
「メトロノームか……。」
古金ミカ
「そうだよー。せっかくだからこれを……」
??
「ミカ!また人を困らせているの!?」
真瀬莉緒
「えっ!?」
音楽室を開けて入ってきたのはふんわりとしたヘアスタイルの男子生徒だった。
その男子生徒は僕を見ると、お辞儀をしていた。
柊木アイ
「驚かせてすみません。僕はEクラスの柊木アイ(ひいらぎ あい)と言います。よろしくお願いします。」
真瀬莉緒
「あ、よろしくお願いします。」
とても丁寧で優しそうな人だ。こんな人が古金さんの知り合いなのだろうか?
柊木アイ
「ミカ!また人様に迷惑かけているんでしょ!」
古金ミカ
「ふん!かけてませんよーだ!ホレホレ……」
柊木アイ
「ミカ!」
柊木さんはとにかくお冠の様子だ。今はあまり関わらない方が良いかもしれない。
柊木アイ
「それよりもあの件は引き受けないの?声優さんの曲作り……」
古金ミカ
「それ今関係ないわよね。やめて。……それにその件は1人でやるから。」
柊木アイ
「やるって……バイオリンが弾けるだけで作曲ができるわけないよ!」
古金ミカ
「本当ならやりたくないわよ!でも……私は……」
柊木アイ
「……ねえ……思ったんだけど……彼って真瀬さんのご姉弟?」
古金ミカ
「真瀬さんのご姉弟?それは聞いてないわ。」
柊木アイ
「すみません。あなたは真瀬志奈さんのご姉弟でしょうか?」
姉さんのことを知ってる……?
……ああ、よく考えれば姉さんはEクラスだったな。柊木さんもEクラスだから姉さんのことを知っているんだろう。
真瀬莉緒
「はい。志奈の弟の莉緒といいます。よろしくお願いします。」
柊木アイ
「こちらこそ。ねえ、莉緒くんは志奈さんと同じで楽器は全部弾ける?」
真瀬莉緒
「ええと……まあ……一応……。」
柊木アイ
「それなら……このバイオリンを弾いてみて!」
古金ミカ
「ちょっと……!勝手に話を進めないで……!」
柊木アイ
「静かに!……お願いします。」
真瀬莉緒
「わかりました……。」
僕は言われるがまま、バイオリンを弾いてみる……
バイオリンを弾き終えた。2人の反応は……
古金ミカ
「すごい……こんな簡単に弾けるなんて……!」
柊木アイ
「ああ、これなら文句なしでしょ!だからさ、その……作曲……彼と一緒にやってみたら?」
作曲……先ほどの紙に書いてあったやつだろう。
古金ミカ
「いや……でもそれは……。」
柊木アイ
「あの声優さんははっきり言ってハードルやレベルが違いすぎる。万能な人がいないと難しいよ。」
古金ミカ
「わかってるわよ……なら……莉緒っちが良ければ。」
莉……莉緒っち!?……いや、今はそんなことは関係ない。僕は……作曲を課題にしようとしていたんだ。断る理由もない……
真瀬莉緒
「僕で良ければ、お手伝いさせていただきます。」
柊木アイ
「本当に!?ありがとう!良かったねミカ!」
古金ミカ
「うん……てな訳で……よろしくねー!よろよろー!」
あ……色々あったけどよく考えたらこんな性格だった。けど今さら断ることもなぁ……仕方ない。やるからには本格的にやらないと。
真瀬莉緒
「はい。よろしくお願いします。」
僕がそう言うと今日は解散しようと言うことになり、それぞれの寮の部屋に戻ることにした。
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彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
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生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
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