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第二話 ノーパンスウェットコンビニデート(前編)

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「じゃあ今日の罰ゲームは……」
 いつものごとくゲームに負けた俺は、次の言葉に期待を懸ける。
 慎吾しんごは人差し指をビシッと俺に向けて言い放った。眼鏡のフレームがキラッと光る。

「ノーパンスウェットでコンビニデート」
「ンフッ」
 鼻息が漏れた。

「なんだよそのエロいんだかエロくないんだか微妙なやつ」
「充分エロいぞ? さぁ準備しろ」

 罰ゲームの命令は絶対だ。
 溜まっていた・・・・・・俺は変態プレイ系のえっちを期待していたのだが、しかたがない。

 慎吾は部屋での恰好にそのままカジュアルなベージュのコートを羽織る。癖のない黒髪に丸眼鏡、百八十センチ近い身長にスリムなシルエットのコートでそれなりにかっこよかった。
 学校でも女子生徒にそこそこ人気があることを、俺は知っている。本人は全く興味は無いようだが。

 俺は指定通りパンツを脱いで、濃いグレーのスウェットパンツを穿く。癖のある金髪にヒョウ柄のジップパーカー、コートの季節にも関わらず裸足にサンダル。なによりもパジャマ用のスウェットがダサさを際立たせていた。

 そんな俺を一瞥して慎吾が言う。
「……コンビニに行くだけだし、まあいいか」
 おまえが指定したんだろが! スウェットは! とは言わずに先に玄関を出る。
 こんな罰ゲームはさっさと終わらせるに限る。そして帰ってきたらHするのだ。

 
 外は部屋に比べるとだいぶ気温が低かった。スカスカした股間が余計に寒さを感じさせる。俺は背中を丸めて慎吾より一歩先にマンションの階段を下りた。サンダルのだらしない音がコンクリートの壁に響く。

しゅん。どう?」
「どうって、なにが」
 背後からの声に、振り向きもせずに答える。
「ノーパンの具合」
 は?

 ほんと、そこそこかっこいいのに変態なのがもったいない。
 慎吾は早足で俺を追い抜くと、返事はまだかとばかりに振り向いて視線をよこす。

『べつに』そう言いかけてふと気づいた。スウェットの布地の気持ちよさに。
 秋冬用のあったか裏地系のスウェットパンツだ。しっとりとした滑らかな生地が直接股間に当たる。
「揺れてるのがよくわかる」
「はあ?」
 今度はうっかり声が出た。

 階段を一段下りるたび、そこがスウェットの中で揺れていた。平常時なので大きさはまぁそんなもんだが、布が柔らかいので形が分かりやすい。それを慎吾は嬉しそうに見学している。
「変態……」
 率直な感想を口にしてみた。
「それを楽しむための、コンビニデートだからな」
 変態を全く隠す気が無いところはある意味潔い。

 俺たちはマンションを出てコンビニへ向かった。会話もほとんどないまま、並んで歩く。心なしか歩幅が狭い。
「…………」
 足が右、左、右と動くたび、柔らかい布地が軽く金玉にまとわりついて擦れる。そんな状態で左右に揺さぶられ続けているうちに、少し形が変わってきてしまった。
 それを知ってか、並んで歩く慎吾が妙に嬉しそうだ。目論見通りかと思うと、それはそれでなんだかくやしい。

 ポケットに両手をつっこんでパーカーをぐっと下ろし、前屈みで歩く。もともと歩く時は猫背なので自分的にそれほど違和感はない。
 マンションから続く坂道の歩道は街灯も少なく、人とすれ違うこともなかった。

 そんな中、スウェットの生地はサラサラと同じテンポであそこをくすぐり続ける。勃起したそこは外からもはっきりと形が見えるくらいに布を押し上げていた。
「ノーパンやべえ……」
「気持ちよさそうだね。酒と、つまみと、ついでに明日の朝飯も買っていこうか」
 慎吾はのんびりとデートを楽しんでいる風だ。
「うるさい。さっさと買って帰るぞ」
 俺はもう帰った後のHのことしか考えていなかった。


 マンションからの緩やかな坂道を信号まで下ると、コンビニはすぐそこだった。
 田舎のコンビニだ。二十四時間営業ではあるが、夜十一時を過ぎれば人はまばらだ。客がいないからか、店員も平気で奥に籠って何か作業をしている。

「いい感じだね」
 入りしなに慎吾が言う。
「なにがだよ……」
 猫背のままコンビニの奥へと急ぐと、とりあえず袋のスナック菓子がずらっと並ぶ棚の前に陣取った。客も俺たち二人以外には誰もおらず、ここなら棚の陰になるため猫背になる必要もない。
 どれにしようかと菓子を見比べる俺の左に、慎吾がぴったりと寄り添った。
「ポテトならわさび味がいいな」
 そんなことを言いながら、右手でちょんちょんと俺のちんちんの先っぽをつまんだ。
 家の中でよくやるやつだ。すれ違いざまにちんちんかお尻をちょこっと揉んで行く。リラックスしすぎだろここは家じゃねえぞ、と思ったが様子が違った。

 慎吾はそのままスウェットの生地を使って亀頭を揉み始めたのだ。いつもの皮と違う皮を使った皮オナって感じだろうか。
「スウェットは濡れると目立つね」
想像以上にスウェットの裏地が気持ちよく、我慢汁が丸く染みを作っていた。
「……なにしてんだよ」
「罰ゲーム」
 慎吾は楽しそうにちんちんを弄り続ける。

(コンビニデートってこのことかー!!!)
 わざわざ濡れると目立つ生地に着替えさせるあたり変態度が高い。上に大きめのパーカーを着てなかったら隠しようがなかった。

 俺はそのまま棒立ちで股間を触られ続けた。
 罰ゲームならしょうがない、気持ちいいからこのまま触らせておこうという気持ちと、誰か人に見られたらどうしようという気持ちが半々だった。

 コンビニに客はいなかったが、すぐ前の道路には時々車が走っていた。そのヘッドライトがいつこっちを照らしてくるかも分からない。
 ガラスで外から丸見えになる位置ではなかったが、車が通るたび少し緊張した。

 慎吾はわざと形がわかるように布でそこをぴったりと包み押し付ける。そうしてしばらく形を楽しんだ後、根元を掴んでゆっくりと上下した。
「…………」
 いろんな味のポテトの袋が並ぶ前で、俺は本気で気持ちよくなり始めてしまった。
 慎吾の手がいいところを擦るたび、尻の筋肉がぴくぴくと動く。
「どう?」
 慎吾が小声で聞く。
「……気持ちいい」
 こっそり軽くキスをして、そのまま菓子を選ぶフリを続けた。
 だいぶ鼻息も荒くなっていた。そろそろ口を閉じているのも苦しい。


 その時、コンビニの入口の自動ドアが開き、入店音が鳴った。
(うっ……)
 二人とも、入ってきた客の方に注目する。
 作業服を着た、仕事帰りっぽいおじさんだ。

「飲み物は何にしよっか」
 慎吾がわざとらしく俺の腰を引き寄せて一緒に歩き、おじさんとは棚を挟んで反対側へと移動する。避けてくれるのか、優しいな。と思った矢先、再びスウェットごと股間を揉み始めた。
「ちょっ」
 声を出すとバレるぞ、と言わんばかりにチラッとおじさんの方に目をやる。

 このド変態は、人がいるのにこのまま弄り続ける気だ。
 ドMな俺は興奮してさらに我慢汁が溢れた。グレーのスウェット生地が濃く黒い染みを作る。

 そんな状態でどれくらい経っただろうか。
 棚のすぐ反対側に人がいるのに、快感が頂点に近づいてきてしまった。
 慎吾もそれを知ってか、早めのテンポで扱き続ける。
「っ……」
 声が出そうになって自分の手で口を塞ぐ。
 慌ててポケットから手を出したからか、パーカーの裾がめくれ上がり、やや上向きに勃起して先端を濡らしている部分が丸見えになってしまった。

 柔らかい生地のせいでカリの形までくっきりとわかる。
 ギンギンに勃起して反り返ったモノの、その先っぽに大きな染みが出来ていた。

(うわ……)

 自分のちんちんだが、スウェット越しのそれがとてつもなくいやらしく感じてしまった。
 腰の奥が、一気に熱くなった。

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