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ぼくのネット友達1
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『バイトお疲れ、カナタ』
家に帰って風呂に入る前にスマホをチェックすると、最近仲良くなったネット友達からラインが入っていた。それに『そっちも勉強お疲れ様、アオ』と返事をすると、またそれに対しての返信がくる。ぼくは口元をほころばせずにはいられない。ああ、楽しいなって。
このメル友と他愛のない会話をしあうだけで、ぼくのバイトのストレスは驚くほどはやく消えていくのだった。
ぼくはこのアオという人とメールからのやり取りからラインに変わっての交流が二ヶ月続いていた。
あまりにも夢中になっているもんだから、スマホ片手にそれを手放せなくなっていて、どこにいるのにもスマホを持ち歩くようになっていたんだ。
ただの好奇心から始めたネット交流が、今じゃ自分の生活の一部と化していて、ネット依存だと親に怒られたりするようになったけど、友達が少ないぼくにとってはありがたいコンテンツだから止められない。だって、相手の顔を見なくて話ができるから気が楽だしね。
ぼくって相手の顔や目を見て話すのが苦手だし、極度のビビりだし、口下手だからバイトでもよく「怯むな」って店長に叱られたりする程の人見知り人間だ。そんなぼくがコンビニという接客系のバイトをしているのも変な話だよね。自分でやっててもそう思うけど。
人見知りを直すために訓練としてやりなさいって親からの命令だから仕方なくやっているんだけど……未だになれない。
あ、アオから返事きた。
ええと、明日は一時間目から体育で大変です……と。
ぼくはこのアオというメル友の素性は知らない。
知っている事と言えば同じ町内に住んでいて、同じゲームが好きで、一個年上で、同性という事だけ。
だから、きっとこの町中のどこかですれ違っているだろうと思うと感慨深くなる。
アオは一体どんな人なのかなあって。
だから、どんな姿の人なのかって好奇心が独り歩きして、一目会ってみたいなあって思うようになった事だってある。
けど、ぼくは人見知りが激しいし、外見も平凡でちびだし、口下手だから、実際あうとなるとアオに幻滅されそうで会うのを躊躇ってしまう。メールでは顔や姿は見えないし、メールではよく話せても、実際会うとなると別だから。緊張して声だって出ないかもしれない。そう思うと、気軽に会おうなんて思えなくなった。
そんなアオの方も、何度か会おうって話をしてきたけれど、そのたびにぼくはうまく言葉を濁してごまかしてきた。申し訳ないとわかっていても、何かと理由をつけて逃げていたんだ。
どんな人なんだろう、アオって――……。
本名かな……でも、さすがに違うよね。僕はカナタってカタカナだけど本名だし。
「あそこのゾンビが出てくるところはびっくりだよなあ」
「ぼくは鎌を振り上げながら襲ってくる幽霊がトラウマ並みに怖かったよー」
翌日、親友の玉田という平凡仲間の一人とぼくは、教室の片隅でゲームの会話で盛り上がっていた。
最近発売されたホラーゲームの事で、ぼくも玉田もとてもそのゲームにはまっている。もちろん、メル友のアオも好きだと言っていたので、よくそのゲーム内容をラインで話している。やっぱりゲームの話は楽しいな。
楽しく雑談をしている最中に、廊下から女子の黄色い声援が聞こえてきた。
「きゃあー!柏木先輩ー!」
「カッコイイー!柏木くんー!」
女子の甲高い悲鳴が廊下中にキンキン響いてくる。
巷で有名な三年の先輩が来たらしい。ぼくはよく知らないけど、学校一モテ男でイケメン美形みたい。姿はまだ一度も見たことないけど、風のうわさでよく耳にする。頭がよくて容姿端麗でスポーツ万能。一言いえば平凡なぼくとは縁のない世界の人だ。いわゆる陽キャのリア充ってやつ。
「柏木先輩ってそんなイケメンなのかな」
「よせよ。平凡な俺らとは縁のない世界の人を気にするだけ時間の無駄だって。そんな事よりさっきのホラーゲームの続きだけどよ」
玉田がどうでもいいとばかりにホラーゲームの続きをしだした。ぼくも気にしないでその話に耳を傾ける事にする。
しかし、どうしても外からの女子の声は耳に入ってきて話に集中できない。
ぼくは少し気になって廊下の方をこっそり見たら、丁度その柏木先輩が女子に囲まれながら通りすぎる最中だったのが目についた。
わあ、めちゃくちゃ格好いいなあ。背は180はゆうに超えている感じで、すらっとしているけど体格は男らしくて、髪はサラサラの金髪。まるで女子が憧れる王子様そのものみたいだなア。
モデル……いや、テレビで見かけるような芸能人がかすんで見える程の美形な人だと思った。
イケメンな知り合いなんてぼくのまわりにいないから、ああいう人と友達になれる人ってすごいよね。羨ましいっていうのもあるけど、ぼくみたいな平凡とじゃあどうあっても結びつかないからうらやましがるだけ無駄なんだけどね。
その刹那、一瞬だけぼくと柏木先輩の目があった気がした。先輩のガラスのような憂いを帯びた瞳と。
ぼくは大いに動揺してすぐに目をそらす。柏木先輩はそのまま騒がしい女子と共に向こうの方へ行ってしまった。
なんだろう。思わず目をそらしちゃったけど、どうしてかドキッてしちゃった。
「どうしたんだよ彼方」
「い、いやなんでもないよ」
「顔、赤いけどよ」
「なんでもないって」
あわわ。柏木先輩見て何ぼくドキドキしているんだろう。これじゃあ格好いい人をみてときめく女子と一緒じゃないかっ。たしかに先輩は男の僕から見ても超美形で、文句なしにイケメン。容姿では非の打ちどころがないよね。
「それにしてもイケメンてのは心底腹立つよなあ。女の子にモテまくってよー!しかもイケメンなら何しても許されるんだぜ。くっそう!おれもイケメンに生まれたかったアああ!」
玉田がゲーム好きで女の子に興味ないアピールしていても、やっぱり女の子にモテたい願望がある所は男の子だよね。
その後しばらくして、メル友のアオからラインが入っていた。
『学校にいる女どもに囲まれて相手にするのも疲れた』と入っていた。
アオはモテるのかなと思ったぼくは『モテる男は辛いね』と返した。
彼の姿は知らないけれど、今までのラインの内容や雰囲気で彼がとても男前で格好いいんだろうとは思っていた。だから女の子にもモテるんだろうという事も容易に想像できた。
それからまたすぐに返信が来て、
『女に言い寄られても迷惑なだけだ。オレはカナタにだけ振り向いてもらえればそれでいいんだけど』と返事がきていた。
え、これ……どういう意味だろう。振り向いてもらえればって……まるで口説き文句じゃないか。続けてぼくは返事を打ち込む。
『ぼくは男だから振り向いてもらっても意味ない気がするけど?』
それに対しててまた返信が来た。
『意味はある。オレはカナタが好きだから』
…………え。
ぼくはその言葉を一目見て手が止まった。
好きって……どういう意味だろう……。
たぶん友達としての意味だろうと思うけど、なんかそうラインで好きって言われると照れちゃうな。ぼくだってアオが好きだから。
誰にも言えないけど、恋愛として……なんて内緒。
『ありがとう。お世辞でも嬉しいな。数少ない友達だから』
『お世辞なんかじゃない。オレはカナタの事が本気で好きだ。あと、あいたい』
再度求められる言葉に僕はフリーズする。
あいたいか。無理だよ……ぼくなんて。
『ぼくは何の取り柄もない平凡だから、逢ってもアオが幻滅しちゃう』
自分で打ちこんでてやっぱり虚しいけど、本当の事。絶対幻滅されちゃう。だから会わない方がいいんだ。
『幻滅するかしないかはオレが決める事だろ。それに幻滅するくらいなら、それだけの関係だったって事でオレはとうの昔にメル友をやめている。だから、今度あってくれないか?好きだからカナタにどうしてもあいたい』
アオの想いが詰まったその内容に、ぼくはどう返事をしていいかわからなかった。
家に帰って風呂に入る前にスマホをチェックすると、最近仲良くなったネット友達からラインが入っていた。それに『そっちも勉強お疲れ様、アオ』と返事をすると、またそれに対しての返信がくる。ぼくは口元をほころばせずにはいられない。ああ、楽しいなって。
このメル友と他愛のない会話をしあうだけで、ぼくのバイトのストレスは驚くほどはやく消えていくのだった。
ぼくはこのアオという人とメールからのやり取りからラインに変わっての交流が二ヶ月続いていた。
あまりにも夢中になっているもんだから、スマホ片手にそれを手放せなくなっていて、どこにいるのにもスマホを持ち歩くようになっていたんだ。
ただの好奇心から始めたネット交流が、今じゃ自分の生活の一部と化していて、ネット依存だと親に怒られたりするようになったけど、友達が少ないぼくにとってはありがたいコンテンツだから止められない。だって、相手の顔を見なくて話ができるから気が楽だしね。
ぼくって相手の顔や目を見て話すのが苦手だし、極度のビビりだし、口下手だからバイトでもよく「怯むな」って店長に叱られたりする程の人見知り人間だ。そんなぼくがコンビニという接客系のバイトをしているのも変な話だよね。自分でやっててもそう思うけど。
人見知りを直すために訓練としてやりなさいって親からの命令だから仕方なくやっているんだけど……未だになれない。
あ、アオから返事きた。
ええと、明日は一時間目から体育で大変です……と。
ぼくはこのアオというメル友の素性は知らない。
知っている事と言えば同じ町内に住んでいて、同じゲームが好きで、一個年上で、同性という事だけ。
だから、きっとこの町中のどこかですれ違っているだろうと思うと感慨深くなる。
アオは一体どんな人なのかなあって。
だから、どんな姿の人なのかって好奇心が独り歩きして、一目会ってみたいなあって思うようになった事だってある。
けど、ぼくは人見知りが激しいし、外見も平凡でちびだし、口下手だから、実際あうとなるとアオに幻滅されそうで会うのを躊躇ってしまう。メールでは顔や姿は見えないし、メールではよく話せても、実際会うとなると別だから。緊張して声だって出ないかもしれない。そう思うと、気軽に会おうなんて思えなくなった。
そんなアオの方も、何度か会おうって話をしてきたけれど、そのたびにぼくはうまく言葉を濁してごまかしてきた。申し訳ないとわかっていても、何かと理由をつけて逃げていたんだ。
どんな人なんだろう、アオって――……。
本名かな……でも、さすがに違うよね。僕はカナタってカタカナだけど本名だし。
「あそこのゾンビが出てくるところはびっくりだよなあ」
「ぼくは鎌を振り上げながら襲ってくる幽霊がトラウマ並みに怖かったよー」
翌日、親友の玉田という平凡仲間の一人とぼくは、教室の片隅でゲームの会話で盛り上がっていた。
最近発売されたホラーゲームの事で、ぼくも玉田もとてもそのゲームにはまっている。もちろん、メル友のアオも好きだと言っていたので、よくそのゲーム内容をラインで話している。やっぱりゲームの話は楽しいな。
楽しく雑談をしている最中に、廊下から女子の黄色い声援が聞こえてきた。
「きゃあー!柏木先輩ー!」
「カッコイイー!柏木くんー!」
女子の甲高い悲鳴が廊下中にキンキン響いてくる。
巷で有名な三年の先輩が来たらしい。ぼくはよく知らないけど、学校一モテ男でイケメン美形みたい。姿はまだ一度も見たことないけど、風のうわさでよく耳にする。頭がよくて容姿端麗でスポーツ万能。一言いえば平凡なぼくとは縁のない世界の人だ。いわゆる陽キャのリア充ってやつ。
「柏木先輩ってそんなイケメンなのかな」
「よせよ。平凡な俺らとは縁のない世界の人を気にするだけ時間の無駄だって。そんな事よりさっきのホラーゲームの続きだけどよ」
玉田がどうでもいいとばかりにホラーゲームの続きをしだした。ぼくも気にしないでその話に耳を傾ける事にする。
しかし、どうしても外からの女子の声は耳に入ってきて話に集中できない。
ぼくは少し気になって廊下の方をこっそり見たら、丁度その柏木先輩が女子に囲まれながら通りすぎる最中だったのが目についた。
わあ、めちゃくちゃ格好いいなあ。背は180はゆうに超えている感じで、すらっとしているけど体格は男らしくて、髪はサラサラの金髪。まるで女子が憧れる王子様そのものみたいだなア。
モデル……いや、テレビで見かけるような芸能人がかすんで見える程の美形な人だと思った。
イケメンな知り合いなんてぼくのまわりにいないから、ああいう人と友達になれる人ってすごいよね。羨ましいっていうのもあるけど、ぼくみたいな平凡とじゃあどうあっても結びつかないからうらやましがるだけ無駄なんだけどね。
その刹那、一瞬だけぼくと柏木先輩の目があった気がした。先輩のガラスのような憂いを帯びた瞳と。
ぼくは大いに動揺してすぐに目をそらす。柏木先輩はそのまま騒がしい女子と共に向こうの方へ行ってしまった。
なんだろう。思わず目をそらしちゃったけど、どうしてかドキッてしちゃった。
「どうしたんだよ彼方」
「い、いやなんでもないよ」
「顔、赤いけどよ」
「なんでもないって」
あわわ。柏木先輩見て何ぼくドキドキしているんだろう。これじゃあ格好いい人をみてときめく女子と一緒じゃないかっ。たしかに先輩は男の僕から見ても超美形で、文句なしにイケメン。容姿では非の打ちどころがないよね。
「それにしてもイケメンてのは心底腹立つよなあ。女の子にモテまくってよー!しかもイケメンなら何しても許されるんだぜ。くっそう!おれもイケメンに生まれたかったアああ!」
玉田がゲーム好きで女の子に興味ないアピールしていても、やっぱり女の子にモテたい願望がある所は男の子だよね。
その後しばらくして、メル友のアオからラインが入っていた。
『学校にいる女どもに囲まれて相手にするのも疲れた』と入っていた。
アオはモテるのかなと思ったぼくは『モテる男は辛いね』と返した。
彼の姿は知らないけれど、今までのラインの内容や雰囲気で彼がとても男前で格好いいんだろうとは思っていた。だから女の子にもモテるんだろうという事も容易に想像できた。
それからまたすぐに返信が来て、
『女に言い寄られても迷惑なだけだ。オレはカナタにだけ振り向いてもらえればそれでいいんだけど』と返事がきていた。
え、これ……どういう意味だろう。振り向いてもらえればって……まるで口説き文句じゃないか。続けてぼくは返事を打ち込む。
『ぼくは男だから振り向いてもらっても意味ない気がするけど?』
それに対しててまた返信が来た。
『意味はある。オレはカナタが好きだから』
…………え。
ぼくはその言葉を一目見て手が止まった。
好きって……どういう意味だろう……。
たぶん友達としての意味だろうと思うけど、なんかそうラインで好きって言われると照れちゃうな。ぼくだってアオが好きだから。
誰にも言えないけど、恋愛として……なんて内緒。
『ありがとう。お世辞でも嬉しいな。数少ない友達だから』
『お世辞なんかじゃない。オレはカナタの事が本気で好きだ。あと、あいたい』
再度求められる言葉に僕はフリーズする。
あいたいか。無理だよ……ぼくなんて。
『ぼくは何の取り柄もない平凡だから、逢ってもアオが幻滅しちゃう』
自分で打ちこんでてやっぱり虚しいけど、本当の事。絶対幻滅されちゃう。だから会わない方がいいんだ。
『幻滅するかしないかはオレが決める事だろ。それに幻滅するくらいなら、それだけの関係だったって事でオレはとうの昔にメル友をやめている。だから、今度あってくれないか?好きだからカナタにどうしてもあいたい』
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