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学園トップスピンオフ
モーホー喫茶
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※両想い後のどこか
「無才学園の会長の親族が経営している喫茶店?」
宮本君と本木君が噂で聞いたらしい。
「うん。この辺の繁華街で開店したって無才学園のSNSで宣伝してたんだ。BL喫茶みたいなのをほとんど自分の趣味で始めたらしい。ただ、何から何まで部下にやらせて経営者気分になってて、そこが無才のバ会長と似てるなって」
「ようするに、金持ちの道楽で始めた店ってことか。いいよな~暇な金持ちは」
そんな暇と金があるならもっと有意義に使えよと呆れるものだ。
「俺の好きなスポーツ用品店がつぶれてその店になってしまったんだ。ショックだ」と、本木君。
「それは気の毒だね……って、時給1500円!?」
宮本が詳細をなんとなく眺めると、時給のよさに驚いた。
「こんなに高いならお小遣い貯めれそうだな。今月ピンチだし」
「短期だけやってみるのも手だな。BLってのが抵抗あるが俺もお小遣いがほしい」
「ぼくもバイトしようと思ってたから丁度いいかも」
という事で、俺と宮本君と本木君は金欲しさに応募した。ついでにその話を聞いていたオタ熊も巻き添えにした。
「この制服を着ればいいのか」
「よくある学校の制服だよね。今回は学園をモチーフにしてるのかも」
「なるほど。しかし、拙者は制服ではなくてキャロリンちゃんの衣装を着たかったでござる」と、オタ熊。
「ここは二次元コスプレ喫茶じゃねーからな。モーホー喫茶って事を忘れるなよ」
そういえばBL喫茶って何するんだ?ただホモい感じで接すればいいだけなのかな。
まあ、メイド喫茶の野郎バージョンだと思えばいいか。それだけならちょっと嫌ではあるが我慢できるだろう……たぶん。
「はいはーい!君達は新入りちゃんね~?アタシはオーナーの出舞好っていう美少女経営者よ。今日からあたしのためにたくさん稼いできなさいよね。一日一人一万以上は稼がないとバイト代なしだから」
は……?一日一万のノルマ?まんまブラックじゃねえか。
金欲しさにこんなバイト先を選んでしまって、さっそく応募したのを後悔する俺達四人組。
一万なんて難しすぎるだろ。特に容姿がよくない俺とオタ熊が。無理ゲーやん。
ていうかこのデブスって奴、クラスメイトの花野にめっちゃ似てるな。あの巨大といい、鼻の穴が三つあるところといい、遠い親戚なのかもしれない。
「あなたは顔は可愛いし綺麗だからすぐモテるわよ~」
「は、はあ……」
宮本君は女顔なのでたしかにモテるだろう。本人はノンケなので嫌そうではあるが。
「あなたは純粋な野球少年って感じで魔性のゲイにモテそうね。亀甲縛りしたらバエそうだわ。アタシのためにSM好きな少年という設定で働きなさい」
「ううう」
本木君は青い顔をしてふらついていた。大丈夫か。やはりノンケには辛い場所だよな。
「で、平凡地味そうなアンタとキモオタブサメンなあんたはゲテモノ扱いってことでその辺に突っ立ってなさい。あんたらブサはただの引き立て役。いいわね?」
「「は、はい」」
俺とオタ熊はてきとーな扱い方を受けた。この差ひどくね?と、言いたいところだが、そっちの方がモーホーに狙われないで済むので黙って頷く。宮本くんと本木くんには気の毒だが。
「拙者達はただ突っ立っているだけでいいようでござる。助かったでござるー」
「宮本君と本木君が心配だけどな」
ここは普通のBL喫茶とは違い、ちょっとのおさわりやキスも合法となり、客の要望に応えないといけない。客が女の場合は、指定があれば店員同士とのイチャツキをしなければならず、客がゲイの場合はそのゲイ客に奉仕とやらをしないといけない。
おい……もはやただのBL喫茶じゃねーだろここ。っつーかただのおさわりパブと変わらねえじゃねえか!!
「「いらっしゃいませー!【学園ホモ喫茶】へようこそ!」」
俺はレジ接客係を任された。ただ突っ立ってるだけだが、せめてレジと接客くらいはしろと言われたので入口に立たされた。
そんなオタ熊は店内清掃を任されていた。ゲテモノ扱いだから学園の掃除業者をしながら店内の男子を監視してぐふふ笑うという変態設定らしい。そんな設定いらなくね?
ちなみに俺は冴えない平凡地味なモブ役。いてもいなくても一緒扱い。いわゆるただの空気。楽だから別にいいけど。
俺もオタ熊もどーせ指名される事はないので、のんびり高みの見物といきましょうか。
「えーと……この白濁精液ジュースと~柔らか受け子のおちんちんがいいでーす」
「えーとせいえきじゅ、じゅーすと……受け子のおちんちん、ですね。オーダー入りまーす!」
つーかなんなんだよこのひでえメニューの名前は。露骨すぎて引くわ。
「すいませーん!私達、あの子とあの子が押し倒されてケツ掘られる所みたいんですけどー」
「はいはーい。その両者は今掘り合い中なのでちょっと待っててくださいねー」
俺やオタ熊は当然ながら今のところほぼ指名されていない。このまま指名されませんよーに。
「きみ!きみだよきみ!」
「は、はい?」
どうせ指名はされないだろうと美少女エロゲをしていたら、見た目がグロくてハゲでデブなおっさんに声をかけられた。常連客らしい。
「きみ、平凡地味だと思っていたらよく見ると……結構可愛い顔してるね」
「は、はぁ……」
野郎から可愛い言われてもオエってなるが、とりあえず営業スマイル。
「磨けば光るような顔してるから、髪形をお洒落にして色気を身に着ければきっとモテモテになるよ。見た目に反してキミ、結構筋肉質だし……」
「そうですかー格闘やってるんでアリガトウゴザイマース」
テキトーに相槌を打っていたら、おっさんは「じゃあ君を指名するよ」と言い出した。
「え、えーとぼくですか?」
「うん。君だよ。ぼくのこのイチモツをキミに綺麗にしてほしいんだけどいいかな?」
イチモツって……嫌な予感がした俺は焦る。そんなおっさんはいきなりズボンのジッパーを下ろし、グロテスクにそそり立った赤黒い物体を見せつけてきた。げ……!!
「さ、さすがにそちらのオプションサービスは当店では受け付けておりませんのでー……」
俺は顔を引きつらせながらやんわりお断り。
おっさんの汚い金玉の清掃なんてもはや喫茶店の範囲を超えている。勘弁してくれ。
「この店ではこれくらい大丈夫って聞いてるよ~?」
「いや、それは隠れてやっている連中の事でして、表ではフェラ行為は禁止というかなんというか「別にそれくらいいいだろうが!!」
グロイおっさんがいきなり声を荒げた。
「せっかく一日一度も指名のないお前で抜いてやろうってのにお客に逆らうってのか!!ああ!?」
「そ、そういうわけでは……」
いや、指名なんていらねーっす。こっちは楽なレジと接客だけでいいんで。
「最近の店員はお客様は神様って事もしらねーようだな!ありがたく金払ってやってんのにサービスの一つくらいできねーんだもんなぁ?ここは可愛い男の子と楽しむ店ってのに、こういう店員が一匹いるだけで興が失せた。この能無しゲテモノ店員がよ」
カチン。このおっさんの横柄な態度に、短気な俺はついに切れてしまった。
「うるせえな……黙って下に出てりゃあ好き放題文句言いやがって……お客だからってなんでもかんでも偉そうにできると思ったら大間違いだ!この変態クレーマー野郎!!」
「ちょ、甲斐殿!」
オタ熊が制止に入ろうとするが、俺はもう我慢ならん。
もうクビで構わない!そもそも俺達にはこういう所で働くのが間違いだったんだ!たしかに金で応募した身ではあるが、こんなセクハラがまかり通る店なんて聞いてない。
「おれ様を誰だと思っている!!この店のオーナーの弟だぞ!」
「お前はただの迷惑な変態客だろうが!客に無理やりフェラ行為要求するなら容赦しねーよ!」
自分の精神ダメージの方を心配した俺は、クビ覚悟でこのグロイ客をねじ伏せようとする。と――……
「こらキミ。そんな乱暴な態度は良くない」
そんな時、向こうから長身の男がやってきた。無茶な要求をしてくるこのおっさんじゃなくて、俺を咎めにやってきた変な野郎が……って、なんかどこかで見たことがあるなと思えば……
「そんなお前にはお仕置きが必要だな」
直!?なんでお前がここにいるんだよ!
「キャーあの人カッコよすぎ!!」
「超イケメン!!最近入った店員の人かな」
「あの人指名したーい!」
女性客達が頬を染めて現れた直に見惚れている。
直は眼鏡をかけた教師のような格好をしていて、理系のような白衣を着ている。無駄に似合っているのが憎らしい。
「さあ、お客様に無礼を働いたんだ。お前にはオレが教師としてお仕置きしてやる」
「は……お仕置きって……」
もうホモごっこをする気がない俺はそのまま帰ろうとすると、直はだんっと俺のすぐ隣を壁ドンする。
「黙って先生であるオレの言う事をききなさい」
「っ……」
「さあ、お仕置きの開始だ」
俺を助けるための演技なのか、それとも本気なのかは知らないが、あろう事か直は俺の着ている制服の胸ボタンを両手で引きちぎり、そこに顔を埋めた。
「は!?ちょ……ひい!やめ、何しやがる!!」
くすぐったい。くすぐったいから~~~~っ!
「黙りなさい。これはお仕置きだと言っているだろう。お前に拒否権はない」
「だ、だからってなんでこんな……」
こんな服脱がされて首筋にキスされまくってんだよおお!?
逃げ腰な俺を引っ掴む直。それに興奮して盛り上がるお客様たち。唖然としているおっさん。
「んぅ~~!?」
そして、思いっきり唇にキスをされた。
ちょ、苦しい。いくらBL喫茶でもこんな場所で……っ。
やめ、そこは……いやああ~~~~!!
「はっ!!」
我に返った次の瞬間、目の前は見慣れた天井であった。
ぜーぜー……な、なんだ……夢、か。
「はぁ~……犯されるかと思っちまったよ~……」
なんて夢を見ちゃったんだか……あ。
パンツ、濡れてる……。
完
「無才学園の会長の親族が経営している喫茶店?」
宮本君と本木君が噂で聞いたらしい。
「うん。この辺の繁華街で開店したって無才学園のSNSで宣伝してたんだ。BL喫茶みたいなのをほとんど自分の趣味で始めたらしい。ただ、何から何まで部下にやらせて経営者気分になってて、そこが無才のバ会長と似てるなって」
「ようするに、金持ちの道楽で始めた店ってことか。いいよな~暇な金持ちは」
そんな暇と金があるならもっと有意義に使えよと呆れるものだ。
「俺の好きなスポーツ用品店がつぶれてその店になってしまったんだ。ショックだ」と、本木君。
「それは気の毒だね……って、時給1500円!?」
宮本が詳細をなんとなく眺めると、時給のよさに驚いた。
「こんなに高いならお小遣い貯めれそうだな。今月ピンチだし」
「短期だけやってみるのも手だな。BLってのが抵抗あるが俺もお小遣いがほしい」
「ぼくもバイトしようと思ってたから丁度いいかも」
という事で、俺と宮本君と本木君は金欲しさに応募した。ついでにその話を聞いていたオタ熊も巻き添えにした。
「この制服を着ればいいのか」
「よくある学校の制服だよね。今回は学園をモチーフにしてるのかも」
「なるほど。しかし、拙者は制服ではなくてキャロリンちゃんの衣装を着たかったでござる」と、オタ熊。
「ここは二次元コスプレ喫茶じゃねーからな。モーホー喫茶って事を忘れるなよ」
そういえばBL喫茶って何するんだ?ただホモい感じで接すればいいだけなのかな。
まあ、メイド喫茶の野郎バージョンだと思えばいいか。それだけならちょっと嫌ではあるが我慢できるだろう……たぶん。
「はいはーい!君達は新入りちゃんね~?アタシはオーナーの出舞好っていう美少女経営者よ。今日からあたしのためにたくさん稼いできなさいよね。一日一人一万以上は稼がないとバイト代なしだから」
は……?一日一万のノルマ?まんまブラックじゃねえか。
金欲しさにこんなバイト先を選んでしまって、さっそく応募したのを後悔する俺達四人組。
一万なんて難しすぎるだろ。特に容姿がよくない俺とオタ熊が。無理ゲーやん。
ていうかこのデブスって奴、クラスメイトの花野にめっちゃ似てるな。あの巨大といい、鼻の穴が三つあるところといい、遠い親戚なのかもしれない。
「あなたは顔は可愛いし綺麗だからすぐモテるわよ~」
「は、はあ……」
宮本君は女顔なのでたしかにモテるだろう。本人はノンケなので嫌そうではあるが。
「あなたは純粋な野球少年って感じで魔性のゲイにモテそうね。亀甲縛りしたらバエそうだわ。アタシのためにSM好きな少年という設定で働きなさい」
「ううう」
本木君は青い顔をしてふらついていた。大丈夫か。やはりノンケには辛い場所だよな。
「で、平凡地味そうなアンタとキモオタブサメンなあんたはゲテモノ扱いってことでその辺に突っ立ってなさい。あんたらブサはただの引き立て役。いいわね?」
「「は、はい」」
俺とオタ熊はてきとーな扱い方を受けた。この差ひどくね?と、言いたいところだが、そっちの方がモーホーに狙われないで済むので黙って頷く。宮本くんと本木くんには気の毒だが。
「拙者達はただ突っ立っているだけでいいようでござる。助かったでござるー」
「宮本君と本木君が心配だけどな」
ここは普通のBL喫茶とは違い、ちょっとのおさわりやキスも合法となり、客の要望に応えないといけない。客が女の場合は、指定があれば店員同士とのイチャツキをしなければならず、客がゲイの場合はそのゲイ客に奉仕とやらをしないといけない。
おい……もはやただのBL喫茶じゃねーだろここ。っつーかただのおさわりパブと変わらねえじゃねえか!!
「「いらっしゃいませー!【学園ホモ喫茶】へようこそ!」」
俺はレジ接客係を任された。ただ突っ立ってるだけだが、せめてレジと接客くらいはしろと言われたので入口に立たされた。
そんなオタ熊は店内清掃を任されていた。ゲテモノ扱いだから学園の掃除業者をしながら店内の男子を監視してぐふふ笑うという変態設定らしい。そんな設定いらなくね?
ちなみに俺は冴えない平凡地味なモブ役。いてもいなくても一緒扱い。いわゆるただの空気。楽だから別にいいけど。
俺もオタ熊もどーせ指名される事はないので、のんびり高みの見物といきましょうか。
「えーと……この白濁精液ジュースと~柔らか受け子のおちんちんがいいでーす」
「えーとせいえきじゅ、じゅーすと……受け子のおちんちん、ですね。オーダー入りまーす!」
つーかなんなんだよこのひでえメニューの名前は。露骨すぎて引くわ。
「すいませーん!私達、あの子とあの子が押し倒されてケツ掘られる所みたいんですけどー」
「はいはーい。その両者は今掘り合い中なのでちょっと待っててくださいねー」
俺やオタ熊は当然ながら今のところほぼ指名されていない。このまま指名されませんよーに。
「きみ!きみだよきみ!」
「は、はい?」
どうせ指名はされないだろうと美少女エロゲをしていたら、見た目がグロくてハゲでデブなおっさんに声をかけられた。常連客らしい。
「きみ、平凡地味だと思っていたらよく見ると……結構可愛い顔してるね」
「は、はぁ……」
野郎から可愛い言われてもオエってなるが、とりあえず営業スマイル。
「磨けば光るような顔してるから、髪形をお洒落にして色気を身に着ければきっとモテモテになるよ。見た目に反してキミ、結構筋肉質だし……」
「そうですかー格闘やってるんでアリガトウゴザイマース」
テキトーに相槌を打っていたら、おっさんは「じゃあ君を指名するよ」と言い出した。
「え、えーとぼくですか?」
「うん。君だよ。ぼくのこのイチモツをキミに綺麗にしてほしいんだけどいいかな?」
イチモツって……嫌な予感がした俺は焦る。そんなおっさんはいきなりズボンのジッパーを下ろし、グロテスクにそそり立った赤黒い物体を見せつけてきた。げ……!!
「さ、さすがにそちらのオプションサービスは当店では受け付けておりませんのでー……」
俺は顔を引きつらせながらやんわりお断り。
おっさんの汚い金玉の清掃なんてもはや喫茶店の範囲を超えている。勘弁してくれ。
「この店ではこれくらい大丈夫って聞いてるよ~?」
「いや、それは隠れてやっている連中の事でして、表ではフェラ行為は禁止というかなんというか「別にそれくらいいいだろうが!!」
グロイおっさんがいきなり声を荒げた。
「せっかく一日一度も指名のないお前で抜いてやろうってのにお客に逆らうってのか!!ああ!?」
「そ、そういうわけでは……」
いや、指名なんていらねーっす。こっちは楽なレジと接客だけでいいんで。
「最近の店員はお客様は神様って事もしらねーようだな!ありがたく金払ってやってんのにサービスの一つくらいできねーんだもんなぁ?ここは可愛い男の子と楽しむ店ってのに、こういう店員が一匹いるだけで興が失せた。この能無しゲテモノ店員がよ」
カチン。このおっさんの横柄な態度に、短気な俺はついに切れてしまった。
「うるせえな……黙って下に出てりゃあ好き放題文句言いやがって……お客だからってなんでもかんでも偉そうにできると思ったら大間違いだ!この変態クレーマー野郎!!」
「ちょ、甲斐殿!」
オタ熊が制止に入ろうとするが、俺はもう我慢ならん。
もうクビで構わない!そもそも俺達にはこういう所で働くのが間違いだったんだ!たしかに金で応募した身ではあるが、こんなセクハラがまかり通る店なんて聞いてない。
「おれ様を誰だと思っている!!この店のオーナーの弟だぞ!」
「お前はただの迷惑な変態客だろうが!客に無理やりフェラ行為要求するなら容赦しねーよ!」
自分の精神ダメージの方を心配した俺は、クビ覚悟でこのグロイ客をねじ伏せようとする。と――……
「こらキミ。そんな乱暴な態度は良くない」
そんな時、向こうから長身の男がやってきた。無茶な要求をしてくるこのおっさんじゃなくて、俺を咎めにやってきた変な野郎が……って、なんかどこかで見たことがあるなと思えば……
「そんなお前にはお仕置きが必要だな」
直!?なんでお前がここにいるんだよ!
「キャーあの人カッコよすぎ!!」
「超イケメン!!最近入った店員の人かな」
「あの人指名したーい!」
女性客達が頬を染めて現れた直に見惚れている。
直は眼鏡をかけた教師のような格好をしていて、理系のような白衣を着ている。無駄に似合っているのが憎らしい。
「さあ、お客様に無礼を働いたんだ。お前にはオレが教師としてお仕置きしてやる」
「は……お仕置きって……」
もうホモごっこをする気がない俺はそのまま帰ろうとすると、直はだんっと俺のすぐ隣を壁ドンする。
「黙って先生であるオレの言う事をききなさい」
「っ……」
「さあ、お仕置きの開始だ」
俺を助けるための演技なのか、それとも本気なのかは知らないが、あろう事か直は俺の着ている制服の胸ボタンを両手で引きちぎり、そこに顔を埋めた。
「は!?ちょ……ひい!やめ、何しやがる!!」
くすぐったい。くすぐったいから~~~~っ!
「黙りなさい。これはお仕置きだと言っているだろう。お前に拒否権はない」
「だ、だからってなんでこんな……」
こんな服脱がされて首筋にキスされまくってんだよおお!?
逃げ腰な俺を引っ掴む直。それに興奮して盛り上がるお客様たち。唖然としているおっさん。
「んぅ~~!?」
そして、思いっきり唇にキスをされた。
ちょ、苦しい。いくらBL喫茶でもこんな場所で……っ。
やめ、そこは……いやああ~~~~!!
「はっ!!」
我に返った次の瞬間、目の前は見慣れた天井であった。
ぜーぜー……な、なんだ……夢、か。
「はぁ~……犯されるかと思っちまったよ~……」
なんて夢を見ちゃったんだか……あ。
パンツ、濡れてる……。
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