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十四章架谷家と黒崎家

14-2※R18

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 もしかして、今のがきっかけで本当に意思と感情が戻りかかっているのだろうか。だとしたら――自分の性欲が我慢できないのもあって体が動いていた。

「ごめん、俺……」

 俺は直の上にゆっくり跨った。向き合うように対面座位で密着し、直の体を抱き寄せて密着させる。肌と肌がこんなにくっついて、気持ちいいほど吸い付いてくる。俺と直は体の相性がいいんだろう。

 興奮冷めやらぬ己の尾が再び昂ってきて、自分の半勃ちのものを直のものに擦り付ける。水滴と精液が絡みあい、卑猥な粘膜の絡み合う音が響いてきた。

 お互いの性器越しにドクドクと脈打つ血潮を感じ、直も感じてくれている事に自然と嬉しくなる。

「あっ、はぁ……きもちぃ……直のちんぽと自分のとがこすれて……」

 久しぶりに味わうこれほどの興奮に目がぼやける。うっとりして、もっと、もっとと欲求は強まっていく。

 そんな直は無表情ながらも先ほど以上に興奮しているのか、喘ぎのような声と吐息交じりの荒い呼吸がはっきりしてきて、俺の耳に鮮明に聞こえるようになってきた。

「か…ぃ……ぁ……っ」

 俺の名前をやっぱり呟いているのを耳にした時、俺はもう我慢の限界に到達した。

「直っ……俺のナカ……挿れてあげる」

 俺は一度立ち上がり、自分の尻に直のを宛がう。前まで普通の排出器官だった入り口は、直のおかげですっかり尻だけでイケるようになったのはここだけの話。直が自分の体を名器にしたようなもので、こんな尻穴にした責任を取ってほしいとさえ思う。世話は俺がするけど、体だけは満たしてほしい。欲求不満の解消だけでもいいからこれからも。

「ごめん……我慢できない」

 尻奥はひくひくして直の性器を欲しがっている。

 入り口は確かに湿っているし、擦り付けあっている時に尻も自分の指で少し拡張しておいた。何度も直に抱かれているから奥は直の形に慣れきっているし、抱かれ方も、肌の匂いも、直にだけやたら反応する。

 だから、少しきついかもしれないけれど、そこまで慣らさなくてもすんなり奥まで入るような気がしていた。直の性器の形ですら胎内が覚えてしまう程抱かれ尽くしているので、たぶん……大丈夫。ううん、もう早くほしくてたまらない。

「っ……あぁっ!」

 俺は入り口を何度か擦り付けながら、直の肩に手をまわしてゆっくり腰を下ろしていく。ずぷりと先端だけが埋まっただけでこの気持ちの良さをなんと説明すればいいかわからない。ただ、蕩けてしまいそう。体が打ち震える。少しの痛みとしびれるほどの気持ちの良さにとても眩暈がする。

「あぁぁ……すご、気持ちいいよぉっ」
「っ……か、……いっ」

 鳥肌が栗立つ。自らの胎内に直の分身がゆっくり挿っていくのをウットリしながら感じる。少しの刺激ですら堪能するように、何秒もかけて、直に負担がいかないようにして、根元までずぶりと埋まると腹奥に直の先端を感じた。

「ぁっあ、すごい。ひさし、ぶりすぎてっ……だめ、はやくからいっちゃう。ああっ」

 ずっと待ち望んでいた快楽だった。腹奥にある直の先端がほんの少し奥を突いただけで一気に昇りつめてしまい、どくりと欲望を放ってしまった。久しぶりのセックスに欲求不満もあれば早漏にもなるだろう。ごめん直。早すぎだよな。

「あっああ、直の……気持ちいいっ!おなか、奥、擦れて、たまらない」

 もちろんそれだけでは足りないから、すぐに堪能し尽くさんばかりに自ら抽送し始める。
 
「はぁ、あんっ、直の、お、きいちんぽ、おく、あたって、きもちいい」

 ずぶずぶと一定のリズムで卑猥な水音と抽送が繰り返される。自分のお尻がこんなに広げられて直の大きな性器を銜えている様子に興奮度はMAX。腹奥がおいしいおいしいとでも感じるように、出し入れされる直の巨根にもう俺は多幸感でいっぱいだった。

「は、あっ、あぁんっ、そこ、いいよぉ。おなか、あつくてイイ……っ」
「かい、……す、き」
「なお……っ」
「す、き……か、い……ぁ」

 もう聞き間違いじゃない。直は俺の事を意識してくれている。俺を求めてくれている。徐々に意思疎通ができている気がする。無表情の瞳の中にも一筋の光が差し込んでいて、俺を見つめていた。

「俺も、好き。だい、すき……もどって、きて……愛してる、んだ」

 直の首に両腕を巻き付けてキスを送る。直の口が自然と開いたので、舌を差し出して唾液ごと絡めあった。こんな情熱的なキスは自分からはした事はあまりないけれど、今は直が元に戻ってくれるならいくらでもするし、いっぱいしたい。唇や舌の柔からさを感じながら、胎内にある直のものをきゅうっと締め付けて激しく腰を動かす。

「ん、ふっ、んんっ、ん、ちゅ、す、き。なお、だいすき、っん」

 唇を離してもう一度抱きしめながら、どんどん腰を動かすスピードをあげていく。抱きしめる直の肌は温かくて吸い付いてきてお尻の奥とは別な意味で気持ちいい。

 俺がそろそろイキそうだと直の肩に顔を埋めていると、腰辺りを抱き込む感触がした。ハッとして顔を上げると、そこには優しい表情をした直がいる。

「直……?」
「かい……好き。気持ち、いい……」
「っ……なおっ……感情が、もどって……」

 涙を流しそうになったが、今は快楽でいっぱいいっぱい。直が俺の腰を抱き込んで抽送に協力的になり、より奥の刺激が三割ほど増した気がした。

「あぁっん!そこ、すごぃ、あっ、っあん、なおの、きもちいい!」

 まるでわかっているかのように最奥のもっとも感じる泣き所を何度も突かれる。じゅぷじゅぷと入り口周りの粘液が絡みつく水音すら性的興奮を煽ってくる。ああ、もうやばい。今すごい幸福かも。

「すき、すきぃ、なお。とろけちゃ、う」
「かい……かわい、い……きもち、よすぎ」
「っひゃ、あん、なおっ。そこ、だめっ」
「かい……かわい、い……」

 直が俺の腰を片手で抱き締めながら俺の性器を上下に優しく扱いてきた。胎内の抽送の刺激と性器の扱きによる二重の刺激にもう我慢できなくなり、脳裏は一気に弾けて真っ白になった。

「っぁあああっ」
「あぁ、っ」

 イッタ瞬間、ぎゅっと尻を締め付けてしまい、直の熱い精を胎内に全て注ぎ込まれる。俺の精はあまりに勢いよくはじけて、直の腹や顔を汚してしまった。それを手で拭うと、直は微笑んでその汚れた手をとって口づけながら舐めとってくれた。

「直、大好き……」
「かい……おれも、だいすきだよ……」

 余韻に浸り合いながら抱きしめあい、もう一度キスをして微笑みあった。

 病人になんて真似をしてしまったんだと数分後に後悔し、大丈夫だろうかとゾっとしてしまったが、直の方は特に不調な様子もなくキョトンとしている。むしろスッキリしているようにも見えた。

 直の意思が戻った喜びに、入浴後にすぐに早苗さん達に報告した。

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