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九章それぞれの恋模様
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「こらこらキミたち。まだ小学生でまだまだ未熟者だ。そういう会話はもう少し知識をつけてからで……」
「えーなんでー」
と、不満そうな顔。子供は好奇心の塊で、時には心臓に悪いような事も質問してくるので油断ならない。
「取り返しのつかない事になってしまう恐れがあるから、だろ。まだ知識もロクにないガキがセックスに好奇心なんて持つんじゃない。ガキができてからじゃ遅いんだ」
飾り付けが終わった矢崎が急に会話に参加してきた。元遊び人でそれを黒歴史にしているからこそのまともな台詞だ。
「えーキスで子供できるんじゃないの?」
「バカか。そんなんでガキができるか。セックスなんて言葉知ってるくせにそこはわかんねーのかよ。オレは現実的な人間だから包み隠さずに言う。コウノトリ説を信じていいのは小学校低学年まで。それ以上は現実を見ろ。大人の都合に惑わされるなよ」
今時それを信じているのはせいぜい小学校低学年までだよな。最近の子は妙にマセていて、コウノトリ説を信じている子はあまりいないという話。でもキスで子供が出来るって信じている小学生も稀にいるようだ。
だが、考えてもみろ。この頃のネットには性的画像が普通にあふれかえっている。普通のサイトにでさえエロそうな広告が掲載されていて、間違ってそれをクリックしたが最期。まだあどけない小坊のガキが急に性に目覚めてしまうのだ。
こんなんだからキセイジジツやらセックスなんて単語がホイホイ出てくるわけだよ。
そんな俺も小学校4年くらいの時に親父が使っていたスマホを眺めていて、親父が履歴を消し忘れたのかその履歴を辿ってAV動画サイトを見つけてしまい、もれなく純朴な少年であった俺は性に目覚めましたとさ。
いやー興奮したな~。ツインテールの美少女が15センチ以上の巨根を持った外人との野外プレイ動画は特に。親父の趣味がツインテールなのがよーくわかって、俺もしばらくツインテ美少女にハマったというオチ付きだ。わっはっは。
「お前らキスとかセックスとかいう言葉には興味あるくせに、その中身の性教育の知識はまるでないな。将来、園長を苦労させることになるぞ」
「えーじゃあ直あんちゃんは知ってるの?」
「そりゃあな。オレは女と遊びまくって後悔してるクチだから、オレと同じ道は歩んでほしくないわけ」
こいつは昔生粋の遊び人だったからその手の知識は豊富だろうし、過去の経験からして説明もうまいので面倒見はいいよな。案外、御曹司でなければ教師とかそういう職に向いてそうだ。今も数学を俺らのクラスで教えているので実証済み。
もし、直が次期社長でなければ、教師がいいんじゃないかって俺が逆に勧めていたかもしれない。それはありえない未来だろうけど……。
「いいか?お前らはまだチン毛も生えてない小坊のクソガキだ。そういう事はせめてちゃんと知識を得てからヤレ。安易に言葉遊びで面白がったり、テレビやネットの知識を鵜呑みにしたら大変なことになる。嘘の情報も出回っている事もあるからな。調べるには複数のサイトをいくつか見比べた上で判断して知識を得ていけ。でなければ自分や周りが不幸になるだけじゃなく、お前らの大好きな園長が超超悲しむ事になる」
「悲しむの?」
「そうだ。安易にセックスなんてして望まれない命を女が宿してしまうからだ。……オレみたいに生まれてきちゃいけない人間だっているからな……」
「え、直あんちゃん……?」
言葉尻はボソボソと小声だったのでうまく聞こえなかったが、直は暗い微笑を浮かべていた。少しそれが気になったけど今はスルーしておいた。
「や、なんでもない。とりあえず、言いたいことは知識ゼロで遊びでセックスはするなって事だ。未成年のクソガキが遊びでセックスして子供が出来たらどうなると思う?犬や猫とも違う人間を育てるって相当な金と労力と周りの理解が必要なんだ。お前らだってこうして生きているのは誰かの助けがあってこそだ」
「誰かの助け……たしかにそうかもー」
「園長先生いなかったらおれたち死んでたかもだし……」
「そういう事だ。お前らはまだまだガキなんだ。保護者の庇護下……助けが必要なんだ。園長に迷惑をかけたくなければ子供らしく外で遊んでろ。女に興味を持つのはいい事だが、ちゃんと勉強してからにしろ」
矢崎が子供達に妙に力を入れて語っている。まるでこの手の話が得意分野と言わんばかりなので、その熱量が伝わったように子供達も熱心に聞き入っている。
特に性行為の正しいやり方や、女を愉しませるためのテクニックやらの部分を力説していたので、そこは呆れた。今必要なのかその知識。あと生々しすぎるぞ言い方が。
もちろん、子供ができた時の大変さや周りを不幸にしてしまいかねない事、病気の感染を防ぐために再三ゴムをつけろと促すことも忘れずに語っていたので、ある意味ためになる講義であっただろうと思う。
いやはや風呂場で性教育講座が開かれるなんて思わなかったよ。俺も童貞で二次元知識だけがある分、現実の知識としてはある意味ためになりました。さすが矢崎先生でありますよ。
その後、浜野園長の誕生会とカップル誕生を記念して少し遅い誕生会が開かれた。
二組の照れくさそうなカップルを前にまるで結婚披露宴みたいなノリで子供達から質問攻めにあっている。たくさんの料理と大きなケーキが並んで食いしん坊な者達は大喜び。ケーキうめえなこれ。
さすが菓子作りが得意な篠宮と宮本君の手作りだよ。将来二人が結婚して洋菓子店でも開いてくれと冗談なノリで言ったら、なんだかまんざらでもなさそうな雰囲気だったのでこれは期待できそうだ。
宮本君は恥ずかしそうにして落ち着かない様子だったが、篠宮にシャキっとしろって怒られていた。尻に敷かれそうでカカア天下って感じだけど、まあお互いに嬉しそうだしお似合いだからいいよな。
誕生日の浜野園長はとっても喜んでくれて、誠一郎さんもすぐにプレゼントを用意したのか花束を彼女にプレゼント。虹色のバラ40本ほど綺麗にラッピングされた花束か。虹色ってだけで色とりどりに見えて綺麗だな。
二人にいつ結婚するんですかって冗談で聞いたら「まだはやいわよ!」ってオネエ言葉で返されちゃった。年齢的に子供は望めないけれど、この施設にいる子供達が二人の子供だよなって言ったら、誠一郎さんも園長も恥ずかしそうに頷きあっていた。こちらもお似合いで見ているこちらが微笑ましくなったよ。
いやーいつもならリア充爆発しろって思うけど、この二組のカップルは純愛って感じで厭らしさがないのでいつまでも末永くお幸せにと言いたい。
「もし、お前が女だったらオレ、我慢できそーもなく中出ししてたな。既成事実作ってオレの嫁にしてた」
「男だからできねーだろ」
誕生会が終わった後、帰りは矢崎の車に乗せてもらっての帰宅途中だ。
「仮の話だ。男だろうと女だろうと、どっちでもいい。嫁みたいなのには変わりないんだから」
「っ……そう、だな」
言い方がちょっと俺が女みたいな感じなのが納得いかないけど、それを許してしまえる俺は直に傾倒しまくっている。
「土日……中出しするからな」
オブラートに包まないハッキリとした物言いに恥ずかしくなった。
「子供達にあんなにゴムつけろとか力説していたくせに自分は破る気満々だな」
「お前相手だといいだろ。妊娠の心配ないし、ていうかむしろ孕ませたい。甲斐の中をオレでいっぱいにしたい。オレのガキ孕んで生んでくれって感じだな」
「……エロゲみたいな事言いやがって品位がない奴」
下品な物言いには違いないのに、孕ませたいという言葉に妙に体が疼いてしまうのは直を本能的に求めているからだろう。エロゲで言うメス化になりつつあるのかも。
うう、腑に落ちない。だけど、悪くないとか思ってしまう俺は快楽に忠実になってきているようだ。
「じゃあ種付けか。甲斐の胎内に子種を植え付けたい」
「どっちも表現が変わらねーだろ。ほんと、欲望に忠実な奴。初めてだから……や、優しくしてほしい、なーって……」
「善処する」
ちゅっと唇を啄まれて、名残惜しそうに次は土日に会おうなって別れた。
「えーなんでー」
と、不満そうな顔。子供は好奇心の塊で、時には心臓に悪いような事も質問してくるので油断ならない。
「取り返しのつかない事になってしまう恐れがあるから、だろ。まだ知識もロクにないガキがセックスに好奇心なんて持つんじゃない。ガキができてからじゃ遅いんだ」
飾り付けが終わった矢崎が急に会話に参加してきた。元遊び人でそれを黒歴史にしているからこそのまともな台詞だ。
「えーキスで子供できるんじゃないの?」
「バカか。そんなんでガキができるか。セックスなんて言葉知ってるくせにそこはわかんねーのかよ。オレは現実的な人間だから包み隠さずに言う。コウノトリ説を信じていいのは小学校低学年まで。それ以上は現実を見ろ。大人の都合に惑わされるなよ」
今時それを信じているのはせいぜい小学校低学年までだよな。最近の子は妙にマセていて、コウノトリ説を信じている子はあまりいないという話。でもキスで子供が出来るって信じている小学生も稀にいるようだ。
だが、考えてもみろ。この頃のネットには性的画像が普通にあふれかえっている。普通のサイトにでさえエロそうな広告が掲載されていて、間違ってそれをクリックしたが最期。まだあどけない小坊のガキが急に性に目覚めてしまうのだ。
こんなんだからキセイジジツやらセックスなんて単語がホイホイ出てくるわけだよ。
そんな俺も小学校4年くらいの時に親父が使っていたスマホを眺めていて、親父が履歴を消し忘れたのかその履歴を辿ってAV動画サイトを見つけてしまい、もれなく純朴な少年であった俺は性に目覚めましたとさ。
いやー興奮したな~。ツインテールの美少女が15センチ以上の巨根を持った外人との野外プレイ動画は特に。親父の趣味がツインテールなのがよーくわかって、俺もしばらくツインテ美少女にハマったというオチ付きだ。わっはっは。
「お前らキスとかセックスとかいう言葉には興味あるくせに、その中身の性教育の知識はまるでないな。将来、園長を苦労させることになるぞ」
「えーじゃあ直あんちゃんは知ってるの?」
「そりゃあな。オレは女と遊びまくって後悔してるクチだから、オレと同じ道は歩んでほしくないわけ」
こいつは昔生粋の遊び人だったからその手の知識は豊富だろうし、過去の経験からして説明もうまいので面倒見はいいよな。案外、御曹司でなければ教師とかそういう職に向いてそうだ。今も数学を俺らのクラスで教えているので実証済み。
もし、直が次期社長でなければ、教師がいいんじゃないかって俺が逆に勧めていたかもしれない。それはありえない未来だろうけど……。
「いいか?お前らはまだチン毛も生えてない小坊のクソガキだ。そういう事はせめてちゃんと知識を得てからヤレ。安易に言葉遊びで面白がったり、テレビやネットの知識を鵜呑みにしたら大変なことになる。嘘の情報も出回っている事もあるからな。調べるには複数のサイトをいくつか見比べた上で判断して知識を得ていけ。でなければ自分や周りが不幸になるだけじゃなく、お前らの大好きな園長が超超悲しむ事になる」
「悲しむの?」
「そうだ。安易にセックスなんてして望まれない命を女が宿してしまうからだ。……オレみたいに生まれてきちゃいけない人間だっているからな……」
「え、直あんちゃん……?」
言葉尻はボソボソと小声だったのでうまく聞こえなかったが、直は暗い微笑を浮かべていた。少しそれが気になったけど今はスルーしておいた。
「や、なんでもない。とりあえず、言いたいことは知識ゼロで遊びでセックスはするなって事だ。未成年のクソガキが遊びでセックスして子供が出来たらどうなると思う?犬や猫とも違う人間を育てるって相当な金と労力と周りの理解が必要なんだ。お前らだってこうして生きているのは誰かの助けがあってこそだ」
「誰かの助け……たしかにそうかもー」
「園長先生いなかったらおれたち死んでたかもだし……」
「そういう事だ。お前らはまだまだガキなんだ。保護者の庇護下……助けが必要なんだ。園長に迷惑をかけたくなければ子供らしく外で遊んでろ。女に興味を持つのはいい事だが、ちゃんと勉強してからにしろ」
矢崎が子供達に妙に力を入れて語っている。まるでこの手の話が得意分野と言わんばかりなので、その熱量が伝わったように子供達も熱心に聞き入っている。
特に性行為の正しいやり方や、女を愉しませるためのテクニックやらの部分を力説していたので、そこは呆れた。今必要なのかその知識。あと生々しすぎるぞ言い方が。
もちろん、子供ができた時の大変さや周りを不幸にしてしまいかねない事、病気の感染を防ぐために再三ゴムをつけろと促すことも忘れずに語っていたので、ある意味ためになる講義であっただろうと思う。
いやはや風呂場で性教育講座が開かれるなんて思わなかったよ。俺も童貞で二次元知識だけがある分、現実の知識としてはある意味ためになりました。さすが矢崎先生でありますよ。
その後、浜野園長の誕生会とカップル誕生を記念して少し遅い誕生会が開かれた。
二組の照れくさそうなカップルを前にまるで結婚披露宴みたいなノリで子供達から質問攻めにあっている。たくさんの料理と大きなケーキが並んで食いしん坊な者達は大喜び。ケーキうめえなこれ。
さすが菓子作りが得意な篠宮と宮本君の手作りだよ。将来二人が結婚して洋菓子店でも開いてくれと冗談なノリで言ったら、なんだかまんざらでもなさそうな雰囲気だったのでこれは期待できそうだ。
宮本君は恥ずかしそうにして落ち着かない様子だったが、篠宮にシャキっとしろって怒られていた。尻に敷かれそうでカカア天下って感じだけど、まあお互いに嬉しそうだしお似合いだからいいよな。
誕生日の浜野園長はとっても喜んでくれて、誠一郎さんもすぐにプレゼントを用意したのか花束を彼女にプレゼント。虹色のバラ40本ほど綺麗にラッピングされた花束か。虹色ってだけで色とりどりに見えて綺麗だな。
二人にいつ結婚するんですかって冗談で聞いたら「まだはやいわよ!」ってオネエ言葉で返されちゃった。年齢的に子供は望めないけれど、この施設にいる子供達が二人の子供だよなって言ったら、誠一郎さんも園長も恥ずかしそうに頷きあっていた。こちらもお似合いで見ているこちらが微笑ましくなったよ。
いやーいつもならリア充爆発しろって思うけど、この二組のカップルは純愛って感じで厭らしさがないのでいつまでも末永くお幸せにと言いたい。
「もし、お前が女だったらオレ、我慢できそーもなく中出ししてたな。既成事実作ってオレの嫁にしてた」
「男だからできねーだろ」
誕生会が終わった後、帰りは矢崎の車に乗せてもらっての帰宅途中だ。
「仮の話だ。男だろうと女だろうと、どっちでもいい。嫁みたいなのには変わりないんだから」
「っ……そう、だな」
言い方がちょっと俺が女みたいな感じなのが納得いかないけど、それを許してしまえる俺は直に傾倒しまくっている。
「土日……中出しするからな」
オブラートに包まないハッキリとした物言いに恥ずかしくなった。
「子供達にあんなにゴムつけろとか力説していたくせに自分は破る気満々だな」
「お前相手だといいだろ。妊娠の心配ないし、ていうかむしろ孕ませたい。甲斐の中をオレでいっぱいにしたい。オレのガキ孕んで生んでくれって感じだな」
「……エロゲみたいな事言いやがって品位がない奴」
下品な物言いには違いないのに、孕ませたいという言葉に妙に体が疼いてしまうのは直を本能的に求めているからだろう。エロゲで言うメス化になりつつあるのかも。
うう、腑に落ちない。だけど、悪くないとか思ってしまう俺は快楽に忠実になってきているようだ。
「じゃあ種付けか。甲斐の胎内に子種を植え付けたい」
「どっちも表現が変わらねーだろ。ほんと、欲望に忠実な奴。初めてだから……や、優しくしてほしい、なーって……」
「善処する」
ちゅっと唇を啄まれて、名残惜しそうに次は土日に会おうなって別れた。
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