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生まれ変わる瞬間2

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「どうしよう」 

 当てもなくバスルームにやってきて、Jが入ってくると思わず来るなと必死に叫んでいた。 
 後ずさりをして、壁越しにどんと背中が突き当たる。 
 それでもなおもJは近づいてくる。 

「怖がらせてゴメンね。ボクはね、ただキミがほしいだけなの。可愛いキミを」 
「ぼくは、あなんたなんて……」 
「始めはいやかもしれない。でもね、そのうちキミもぼくの事を好きになるよ。本当だよ。ね?」 

 その優しさがかえって怖いと思った。好きになる根拠なんてどこにもないのに。 
 近づかれて、そっと頭を撫でられて鳥肌が凄絶に立つ。 
 不意に自分の背中に当たったシャワーボタンが反応し、生温かいお湯が自分達の頭上に注がれる。 
 Jと自分を濡らし、着ている衣服がみるみるうちに湿っていく。 

「や……いやだ」 

 陸は恐怖に涙を流した。体の震えも止まらない。 
 日本に帰れず、両親の元にも帰れず、殺し屋に拉致されたまま知らない土地に身柄を移されるなんて、死刑宣告を受けたも同じ。一生この殺し屋に飼い殺しされるなんて、どうあがいても絶望しかない。最悪この上ない心境だ。 
 怖い。恐い。僕に拒否権はないのか。

「さあ、行こう。陸ちゃん。優しくしてあげるから」 
 Jが猫なで声で誘い、陸の手首をつかむ。 
「や……」 
「ほら……」 
「いやだったら!放してよッ!殺し屋のくせにっ!僕を無理やり拉致したくせに!ぼくを日本に帰してよっ!」 

 気が付けば自分でもわからない程泣き喚き散らし、暴れていた。こんな事をしても無駄だと思いながらも、この絶望的な状況の中で、発狂しないでおとなしくしろと言う方が無理な話。

「いい加減にしなよ」 
 うるさいとばかりにJは苛立ちを含んだ声で咆えた。 今までの親しみのある声がうなり声のような低音に変わった。
「おとなしくしないと……本気で怒るよ?」 

 Jの恐ろしい怒気を孕んだ瞳と目があった。冷酷な殺し屋の瞳がそこにはある。 
 先程の親しみやすさとは程遠い冷たい眼差しに凍りつき、こぼれていた涙すらとまる。金縛りにあったようにぴたりと動きが止まってしまい、ここで動きを止めて泣き止まなかったら、このまま本気で殺されてしまうんじゃないかという恐怖を瞬時に察した。


「大丈夫だよ。抵抗しなきゃひどい目にあわせたりはしない。ボクはいつまでも優しいままさ」 
「そ、そんなの信じられな……んんっ」 

 降りしきるシャワーの中で強引に唇を奪われてしまった。 
 息もできないような痺れる口づけ。 
 頭から温かいお湯を浴び、湯気に包まれながらぼんやりとした目で排水溝に流れていく湯を眺める。 
 ああ、もう……逃げられないんだ……。
 自分の心さえも排水溝に流れていく気がして、気が気じゃなかった。 


 抱き上げられたまま寝室に戻されて、仰向けに寝かせられる。 
 Jがそのまま覆いかぶさってきて、濡れたスーツを脱ぎつつネクタイを緩めながら顔を近づけてきた。 
 陸は今までのような抵抗はせず、触れるだけのキスを受け入れた。 
 一度離し、今度は触れるだけのものから舌まで入れてきた。 
 息苦しいキスに体の力が抜けていく。 
 妙な感覚から頭がぼうっとして、どんどん熱に浮かされていく感覚に戸惑う。 
 肌をたった一枚だけで隔てているシャツのボタンをおもむろに外し、首筋や耳に舌を這わせられ、露わになっていく躰を撫でられる。 
 ナメクジのように這っていく舌と、愛撫していく掌。 
 力づくで足を開かせられると、内股を口づけつつ躊躇いもなく陸自身を口に含んでしまった。 

「う、や、アッ!」 

 自身が生暖かいものに包まれる感触が生々しくて、火を噴きそうな程羞恥心にわく。 
 抵抗したいのに力では到底敵わないから何もできない。 
 優しくて、じれったくさせるように舐められて、わざとらしく音を立てて貪られて。 
 先端に甘く歯を立てられると、震えるように大きくケイレンした。 
 まるで女のような甲高い嬌声をあげて、Jの口の中で果ててしまう。 
 Jはそれを躊躇いもなくゴクリと飲み干してしまうから、こちらからすれば恥ずかしくて死にそうだった。 
 それからすぐに体を反転させられて、尻を突きだされたような四つん這いの格好にさせられた。 

「あぁ、やぁ」と、もがく陸を力でも視線でも抑えつける。 
「未発達な躰だね。ピンク色のチンコがユラユラ揺れて卑猥だよ」 

 双丘を左右に割り、生暖かいJの舌があり得ない場所で蠢いている。 
 自然とピチャピチャといやらしい水音が響いてきて、ますます羞恥心に嫌がる陸の様子を愉しむ。ここぞとばかりに入口を押し広げ、排出器官としての役割の孔に舌をこじ入れてきた。 
 思わず「ひっ」と上ずった声で躰を強張らせて、まるで犬の様に腰をふるふる振ってしまった。 

「ぁあ……いや、だ。そんな場所。気持ち悪い」 
「慣らしているんだよ。痛くないようにね」 

 舌を放し、今度は指を一本ねじ挿れてきた。 
 唾液で濡れたソコは難なくJの指を銜えこみ、でもちょっと違和感があってピリピリする。何度も抜き差しを繰り返し、挿入する指の数も滑りがよくなればなるほど増やしていった。 

「ほら……こんなにうまそうに指銜えてるよ?指だけでもイってしまいそうだね」 
「やぁ、やめて」 
「男に抱かれる方があってるんだよ、君は。男の子なのにこんな可愛い顔しているんだからね。チンコだって小さいし」 
 卑猥な言葉で責め続け、指の抽送で感じる部分を執拗にかきまわす。 
「はぁ……も、や」 
「待ってて、今ほんとの天国に行かせてあげる」 

 Jがベルトを外し、ズボンをすこしばかりおろしてそそり立つそれを見せつけた。陸のものより数段大きく隆起している大人の性器。 

「ほら、ボクのチンチン興奮してる。キミがこうさせたんだよ。だから、陸ちゃんの胎内のナカに挿れてイカせてほしいんだよね」 
「や……そんなの入らないって」 
 当然不安で涙目になる陸。 
「大丈夫、痛いのは最初だけ。不安にならなくていい」 

 それでも泣いて逃げる陸の腰をひっ捕まえて、ゆっくり宛がわれた。 
 ドクドクと脈打っているのを臀部越しに感じ、先端が入ってくるのを感じると背筋が凍りついた。でも、躊躇いもなく内壁へ進む。 

「ひッア、あぁぁ……!痛ッ」 

 痛みと圧迫感が半端なかった。 
 身を引き裂かれる様な痛みに気を失いそうで、息つく暇もなく進んでくるから気絶すらできない。痛い。痛くておかしくなる。 
 激痛に歯を食いしばってなんとか耐えて。幾度となく視界がぼやけた。 

「ふ……っ」 

 涙がはたはたとシーツにこぼれた。 
 どうしてこんな事をされているんだろう。 
 ぼくは子供で、男なのに。ただの中学生なのに。 
 どうして女じゃなくてぼくみたいな男の子に手を出すのかな。 

「ほら、奥までチンチンはいったよ。陸ちゃんのナカすごく熱くて柔らかいねえ。よくがんばったよ」 
「……う、ぅ」 

 とめどなく涙を流している自分が情けない。 

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