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十七章/直の決意
153.すれ違い
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一緒に入浴を終えて熱がやっと引いてきた頃、二人は縁側に並んで座ってくっついていた。
夕暮れの空が間もなく夜に変わる。夕食は祖母が直のためにってごちそうを作ってくれたらしくて本宅で食べる予定だった。
「この先もずっと一緒にいたい」
口に出すことを躊躇う一言がつい出てしまった。その言葉はもっと後で言うつもりだったのに、幸せなこの時間に浸りすぎてそう口にしてしまった。
「甲斐……」
「ずっとずっと……じいさんになった後もずっと……」
途端、直が悄然と微笑んだ。深海の瞳に陰りがかかっていた。
「どうしてそんな悲しそうな顔で笑うんだよ」
「そんな事ないだろ」
「そんな事あるよ。俺といれて嬉しいくせに」
「嬉しいよ。でも……もういいんだ」
「直?」
「もう心から満足している」
直の表情が悄然とした微笑から無のような表情に変わる。
「この世界にいる時点で生涯孤独だってわかってる。どうせ、政略結婚を無理やりさせられて、好きでもない妻との間に跡取りのガキができて、見せかけだけの仮面夫婦ならぬ仮面家族を演じて、矢崎のトップとして会社の業績しか頭にないツマラナイ人間としての人生を歩んでいくんだって……わかったから」
無の表情の中の諦め切った投げやりのような返事に甲斐はすぐに否定する。
「違う!あのバカ社長がお前の人生を勝手に決めてんだろ。自分の欲望のためにお前の人生を滅茶苦茶にしようとしてんだろ。そんなの俺が許さ「もういいんだよっ!!」
急に怒声をあげる直に驚く。
「いずれ離れる事くらいわかってただろ。それが遅いか早いかだけの違い。俺は今心から幸せだからいい。何もしなくていい」
最初から諦めきった直の返答に甲斐は納得いかない。
「どうしてそんな事言うんだ。何かをしなきゃお前は不幸のままじゃないか。現状に満足してるって本当にそう言えるのか。あのバカ社長に支配されたままで」
「満足だよ。だってお前といる事が本当に幸せだから。先の事はもう決まっている事。だから潔く受け入れる」
「潔くってお前はどうしてこうすぐに諦m「架谷」
甲斐が何かを言う前に直に強く睨まれた。
「お前の事は好きだよ。でも、今の幸せを壊そうとするならたとえお前でも許さない」
それは今まで見たことがない直の強い覚悟の表れだった。そんな覚悟を背負ったような表情に、甲斐は言葉に詰まってしまう。
「今更ゴチャゴチャ言われるのは嫌なんだ」
「直……でも、っ」
「次何か言ってみろよ。その時はオレはお前から離れる。その時こそ、永遠の別れだ」
それ以上は踏み込むなと言いたいのだろう。踏み込めばこの関係は終わってしまうと。
もう何を言っても無駄なんだと甲斐は口を閉じた。
突如として訪れた重苦しい雰囲気はそのまま流れ続け、途端に会話は少なくなった。
その後、本宅に呼ばれて祖母が作ったごちそうを食べた。
祖母に今までの事や直の事を話したりして楽しい食事を過ごすかと思えば、直の態度がどこかよそよそしく感じてうまく話せなかった。どこか哀切じみていた。
祖母の前では呼んでくれた名前も、二人でいる時は依然と苗字呼び。せっかく作ってくれたごちそうもあまり味がしなくて、甲斐は珍しくおかわりをせずに食事を終えた。
離れに戻るとそのまま就寝時間となるが、重苦しい沈黙は続いている。何か話しかけようか迷ってしまうほど、直の雰囲気は何物も受け付けない程に凍てついている。
一人で明日の準備をして、一人で布団に入る。
直はすでに布団をかぶっていて向こうに背中を向けたままだった。
「……そろそろ、電気消すよ」
絞り出すように声をかけた。あろう事かどうして今は弱気なんだろう。どんな相手でも強気で茶化せる気概はあったはずなのに、直にこれ以上嫌われたくない恐れからか話しかけるのも怖くなっていた。
あれ、俺ってこんなにヘタレだったっけ。
「勝手に消せ」
直はこちらの存在を遮断するようにさらに勢いよく布団をかぶった。
そっけない態度が胸に突き刺さり、それだけで泣きそうなほど悲しくなった。こんな気まずい雰囲気になりたかったわけじゃないのに、直の存在を今までで一番遠くに感じた。
話しかけようにも声が出ない。喉元に出かかっていた言葉を押し留める。
そっけない直の態度には慣れていた。初期の頃はケンカばかりで何様俺様直様でまだわかりやすかった。ケンカをしていてもどうせいつもの事だって簡単に考える事ができていたのに、今は直がわからない。何を考えているのか読めない。ケンカをした以上に深刻な状態になっている。
両想いになってどんどん心を開いてくれたのに、あんなに体を重ねて愛し合ったのに、今は明確に距離を置かれた。初めて出会った時の俺様ドSの頃より怖い印象だ。
変なの。出会った頃はあれだけ大嫌いで関わりたくないと思っていたのに。
そんな大嫌いな相手と関わるようになって、嫌々ながらも少しずつ絆されていって、好きだって言われて動揺していたあの頃がひどく懐かしい。まるで違う世界の少女漫画のような話に思えて現実的じゃない。
そんな今はこちらが追いかける立場になって、逆に嫌われたかもしれない。
童貞不潔の自分が嫌われるだなんてよくある話だけれど、あの頃とは全くの立場が真逆になっていて笑えるものだ。
所詮はモテないキモオタが好きな相手に嫌われるのは世の理だ。そう意地でも思いたい。
だけど、布団に入ってから妙な肌恋しさと受け入れられない現実に涙があふれていた。
翌朝、目にクマを貼り付けた甲斐は目が覚めた。当然ながらあまり眠れなかった。気が付いたら寝ていたようなもので、気持ちよく眠れたとは言い難い。隣の直はもう起きていたのかせっせと着替えている。
「今日も、ばあちゃんの手伝いに行ってくるよ」
「……そう……」
それ以上、会話は続かなかった。
甲斐も着替えて朝食の準備に取り掛かる。
せめて朝食だけは美味しいと言ってほしかったから、朝から手の込んだものを作った。直が好きだって言っていたいろんな味がする卵焼きと高野豆腐の煮物と具だくさんの味噌汁。もちろん窯で炊いた白米だ。それをテーブルに並べてお互いに合掌した。
「味、どうかな?」
「普通」
「そう」
やっぱりそっけない返事が返ってくるだけだった。距離が出来た関係を少しでも修復したいが、直は一向に甲斐に視線を合わせようとはしない。
「じゃあ、行ってくるよ。昼過ぎには戻ってくるから」
甲斐がそうして背中を向けようとすると、
「架谷」
直が呼び止める。甲斐は顔を上げてすぐに振り返った。
「なんだ?」
「ご飯……今までで……いちば……うま……った」
「え……」
よく聞こえなかった。もう一度と聞き返すと直は視線をそらした。
「なんでもない。はやく行け」
直はそれ以上は何も言わなかった。
釈然としない気持ちのまま甲斐は外に出た。
夕暮れの空が間もなく夜に変わる。夕食は祖母が直のためにってごちそうを作ってくれたらしくて本宅で食べる予定だった。
「この先もずっと一緒にいたい」
口に出すことを躊躇う一言がつい出てしまった。その言葉はもっと後で言うつもりだったのに、幸せなこの時間に浸りすぎてそう口にしてしまった。
「甲斐……」
「ずっとずっと……じいさんになった後もずっと……」
途端、直が悄然と微笑んだ。深海の瞳に陰りがかかっていた。
「どうしてそんな悲しそうな顔で笑うんだよ」
「そんな事ないだろ」
「そんな事あるよ。俺といれて嬉しいくせに」
「嬉しいよ。でも……もういいんだ」
「直?」
「もう心から満足している」
直の表情が悄然とした微笑から無のような表情に変わる。
「この世界にいる時点で生涯孤独だってわかってる。どうせ、政略結婚を無理やりさせられて、好きでもない妻との間に跡取りのガキができて、見せかけだけの仮面夫婦ならぬ仮面家族を演じて、矢崎のトップとして会社の業績しか頭にないツマラナイ人間としての人生を歩んでいくんだって……わかったから」
無の表情の中の諦め切った投げやりのような返事に甲斐はすぐに否定する。
「違う!あのバカ社長がお前の人生を勝手に決めてんだろ。自分の欲望のためにお前の人生を滅茶苦茶にしようとしてんだろ。そんなの俺が許さ「もういいんだよっ!!」
急に怒声をあげる直に驚く。
「いずれ離れる事くらいわかってただろ。それが遅いか早いかだけの違い。俺は今心から幸せだからいい。何もしなくていい」
最初から諦めきった直の返答に甲斐は納得いかない。
「どうしてそんな事言うんだ。何かをしなきゃお前は不幸のままじゃないか。現状に満足してるって本当にそう言えるのか。あのバカ社長に支配されたままで」
「満足だよ。だってお前といる事が本当に幸せだから。先の事はもう決まっている事。だから潔く受け入れる」
「潔くってお前はどうしてこうすぐに諦m「架谷」
甲斐が何かを言う前に直に強く睨まれた。
「お前の事は好きだよ。でも、今の幸せを壊そうとするならたとえお前でも許さない」
それは今まで見たことがない直の強い覚悟の表れだった。そんな覚悟を背負ったような表情に、甲斐は言葉に詰まってしまう。
「今更ゴチャゴチャ言われるのは嫌なんだ」
「直……でも、っ」
「次何か言ってみろよ。その時はオレはお前から離れる。その時こそ、永遠の別れだ」
それ以上は踏み込むなと言いたいのだろう。踏み込めばこの関係は終わってしまうと。
もう何を言っても無駄なんだと甲斐は口を閉じた。
突如として訪れた重苦しい雰囲気はそのまま流れ続け、途端に会話は少なくなった。
その後、本宅に呼ばれて祖母が作ったごちそうを食べた。
祖母に今までの事や直の事を話したりして楽しい食事を過ごすかと思えば、直の態度がどこかよそよそしく感じてうまく話せなかった。どこか哀切じみていた。
祖母の前では呼んでくれた名前も、二人でいる時は依然と苗字呼び。せっかく作ってくれたごちそうもあまり味がしなくて、甲斐は珍しくおかわりをせずに食事を終えた。
離れに戻るとそのまま就寝時間となるが、重苦しい沈黙は続いている。何か話しかけようか迷ってしまうほど、直の雰囲気は何物も受け付けない程に凍てついている。
一人で明日の準備をして、一人で布団に入る。
直はすでに布団をかぶっていて向こうに背中を向けたままだった。
「……そろそろ、電気消すよ」
絞り出すように声をかけた。あろう事かどうして今は弱気なんだろう。どんな相手でも強気で茶化せる気概はあったはずなのに、直にこれ以上嫌われたくない恐れからか話しかけるのも怖くなっていた。
あれ、俺ってこんなにヘタレだったっけ。
「勝手に消せ」
直はこちらの存在を遮断するようにさらに勢いよく布団をかぶった。
そっけない態度が胸に突き刺さり、それだけで泣きそうなほど悲しくなった。こんな気まずい雰囲気になりたかったわけじゃないのに、直の存在を今までで一番遠くに感じた。
話しかけようにも声が出ない。喉元に出かかっていた言葉を押し留める。
そっけない直の態度には慣れていた。初期の頃はケンカばかりで何様俺様直様でまだわかりやすかった。ケンカをしていてもどうせいつもの事だって簡単に考える事ができていたのに、今は直がわからない。何を考えているのか読めない。ケンカをした以上に深刻な状態になっている。
両想いになってどんどん心を開いてくれたのに、あんなに体を重ねて愛し合ったのに、今は明確に距離を置かれた。初めて出会った時の俺様ドSの頃より怖い印象だ。
変なの。出会った頃はあれだけ大嫌いで関わりたくないと思っていたのに。
そんな大嫌いな相手と関わるようになって、嫌々ながらも少しずつ絆されていって、好きだって言われて動揺していたあの頃がひどく懐かしい。まるで違う世界の少女漫画のような話に思えて現実的じゃない。
そんな今はこちらが追いかける立場になって、逆に嫌われたかもしれない。
童貞不潔の自分が嫌われるだなんてよくある話だけれど、あの頃とは全くの立場が真逆になっていて笑えるものだ。
所詮はモテないキモオタが好きな相手に嫌われるのは世の理だ。そう意地でも思いたい。
だけど、布団に入ってから妙な肌恋しさと受け入れられない現実に涙があふれていた。
翌朝、目にクマを貼り付けた甲斐は目が覚めた。当然ながらあまり眠れなかった。気が付いたら寝ていたようなもので、気持ちよく眠れたとは言い難い。隣の直はもう起きていたのかせっせと着替えている。
「今日も、ばあちゃんの手伝いに行ってくるよ」
「……そう……」
それ以上、会話は続かなかった。
甲斐も着替えて朝食の準備に取り掛かる。
せめて朝食だけは美味しいと言ってほしかったから、朝から手の込んだものを作った。直が好きだって言っていたいろんな味がする卵焼きと高野豆腐の煮物と具だくさんの味噌汁。もちろん窯で炊いた白米だ。それをテーブルに並べてお互いに合掌した。
「味、どうかな?」
「普通」
「そう」
やっぱりそっけない返事が返ってくるだけだった。距離が出来た関係を少しでも修復したいが、直は一向に甲斐に視線を合わせようとはしない。
「じゃあ、行ってくるよ。昼過ぎには戻ってくるから」
甲斐がそうして背中を向けようとすると、
「架谷」
直が呼び止める。甲斐は顔を上げてすぐに振り返った。
「なんだ?」
「ご飯……今までで……いちば……うま……った」
「え……」
よく聞こえなかった。もう一度と聞き返すと直は視線をそらした。
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