学園トップに反抗したら様子がおかしくなった (旧/金持ち学園)

いとこんドリア

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十五章/最大の敵

126.いちゃいちゃ(R15)

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 *

「甲斐……膝枕」
「ほら」

 昼休み中は誰もいない空き教室に二人で待ち合わせて、一日の少ない逢瀬を過ごす。
 同性の固い感触とはいえ胸がほわほわと満たされていって、少しの間だけ直はそれに浸る。何よりも満たされて幸せな居場所。
 
「気持ちいい……もっと撫でてほしい。いっぱい」

 甲斐は横になっている直の頭を撫でながら髪を優しく梳く。それに気持ちよさそうに目を細める直は猫のようだ。

「わがまま」
「いいだろ。甲斐に甘えたいから」

 仕方ないなと思いながらも直の頭を撫で続ける。柔らかくてサラサラした髪質は触り心地がとてもいい。日本一モテる男のこんな無防備な姿を独り占めできる自分だけの特権。

「なあ」
「ん……」
「甲斐はなんでオレを好きになったんだよ」
「なんだよ今更」
「聞きたいんだよ」

 そういえばなんでだろう。直からのさりげないアピールによって絆されてきたからなんだろうが、そうじゃなくて、

「いつも寂しそうだったから」
「は……」
「寂しそうなあんたのそばにいてやりたいって思うようになったからだ。最初はただ草加と一緒にいるのを見て嫉妬して自覚していったんだけど、笑ってほしいなって思ったんだよな。お前って前からあんまり笑わない奴だったし、雰囲気も根暗だと思ったから」
「甲斐……」
「少しでもあんたの寂しさを拭ってやりたいって思った。もっと笑ってほしいって思った」

 直の目が細まる。ゆっくり起き上がってきたと思えば、躊躇いもなく唇を重ねられた。
 重ねあった唇は柔らかくて、温かくて、いい匂いがして、満たされていく。ゆっくり唇を放すと、太ももに膨らみを感じた。

「あ……」

 直の下半身が大きくなっているのに気づいて頬が熱くなった。

「お前な」
「甲斐といるんだからそうなっても仕方ないだろ」
「ちょ、んや」

 甲斐の尻や太ももに膨張したズボン越しのものを擦り付けながら、服の下に手を入れて滑らかな肌をまさぐり続ける。筋肉質だがスベスベで触り心地がいい肌だ。健康的で瑞々しい。

「ぁ、う、やっ、こんなところでっ」
「甲斐……抜きあい、しよ……♡」
「っ~~~」

 押し付けられながら色っぽくそう誘われて、甲斐はもう拒むことができなかった。自分の性欲と直のおねだりに最近は弱くなってきているのだ。
 お互いにチャックとズボンを軽く下ろしあって、互いのモノを絡ませる。先走り液で先端は濡れているせいか、互いの尾はいやらしく絡まった。

「は、あぁ……」
「甲斐の、擦れて気持ちいい……甲斐は?」
「お、俺も……気持ち、いー……よ……」
 
 動くだけで性器が優しく扱かれて、疑似セックスのような感覚に心酔する。学校で、しかも真昼間からなんて事をしているんだって思うが、愛しい恋人と一緒にいるだけでムラムラして耐えられなかった。一緒に気持ちよくなりたかった。

「あ、あぁ、直……っ」
「甲斐……っ」

 直の首にしがみついて腰を動かしてくる。

「っ、あっ、なんで脱がす」
「邪魔だから。甲斐の裸も堪能したい」

 甲斐のシャツを乱して耳や乳首にキスを落としつつ、性器を指でも上下に扱く。汗と蜜が互いの性器に絡み合って官能さが増す。卑猥な水音すら興奮を煽るが、何よりここでという背徳感もあるので一気に絶頂までは早かった。

「直っ……も、出る」
「オレも、甲斐………」

 潤んだ瞳の甲斐に口づけて、お互いの性器を強く扱きあったら白濁が勢いよくはじけた。

「可愛い。甲斐のイクとこ」
「うるせ……ばか」

 文句を言いながらもちゅっちゅとキスを受け入れている甲斐。直は甲斐が愛おしくたまらなかった。この満たされていく幸せな気持ちに浸っていたくてしかたがない。

「なあ、今日の夜……逢いたい」

 甲斐を抱きしめながら頬や首筋などに唇を這わせるのを止めない直。

「っ、ん、バイトあるけど……」

 与えられるキスに翻弄されながらもされるがままの甲斐。自らも心酔しきっている状態だからこそ抵抗する気も起きない。

「待ってる。バイト終わったら連絡して。夜遅くなってもいいから、少しでも一緒にいたい」

 唇に自らの押し付けて吐息を漏らす。それだけで甲斐の心も下半身もまた切なくなった。

「ん……」
「少しでも長く、一分一秒でも一緒にいたいから」
「直……」
「甲斐は?」
「俺も……いたいけど……っん」

 もう何度もキスを交わしたせいで唇がふやけてしまっているし、恥ずかしがっていた初期の頃と比べて慣れてきたものだ。

「遅くなりそうならクラウンホテルのスイートの部屋も用意させとくから」
「それだけで最高級五つ星スイートを用意させんなよ」

 直に流されてしまう甲斐は、仕方ないなと思いながらも直の気持ちに寄り添った。

 *

「甲斐さん」

 直と別れてから教室に向かう途中、久瀬から呼び止められた。彼の片手にはスマホが握られている。現在進行形で誰かとしゃべっている最中だった。

「あなたにお会いしたいという方がいらっしゃるのですが、今お時間は大丈夫ですか?」
「え……俺に?」

 五時間目はどうせ眠くなるからと昼寝気分でいた甲斐。いつも冷静な久瀬が少し取り乱している様子を見れば一筋縄ではいかないような相手らしく、どうやら眠る暇はなさそうだ。
 自分に会いたいと言う変わり者。誰かは知らないがとりあえずは面会を承諾。
 久瀬に連れられて学園の豪華な応接室に通された。

 ソファーに座って待つように言われたので、待つ間に出された紅茶を飲む。
 いい香りで美味しい。これを淹れた人プロだなって思っていたら久瀬がいれたらしい。
 優雅に紅茶を堪能していると扉が開いた。

「甲斐さん、社長がいらっしゃいました」
「……ほえ?」

 しゃ……?よく聞こえなかったな。まあいいか。一筋縄ではいかない相手ならどうせ金持ち関係だろ。と、思っていたら、思った以上に護衛やら秘書みたいなのを連れた羽振りのいい男のようだった。
 あれ、この人ってTVとかでよく見た事がある……っておいおいまじかよ。
 呆気に取られている暇もなく男は甲斐に話しかけてきた。

「キミが直がいつもお世話になっているという友達だね。初めまして。現矢崎財閥社長の矢崎正之やざきまさゆきだ」
「あ、あーあー……どうも。架谷です」

 まさかの社長直の親のご登場であった。普通に名刺を差し出されたのでなんとなくそれを受け取る。

「直とはいいお友達でいてくれているそうだね」
「え、あー……まあ、そうっすね」

 この人が矢崎財閥社長か。テレビで見るよりデキる男って感じのスーツが似合うイケメンであった。
 皺ひとつないスーツを着こなし、煌びやかな高級腕時計を身に着け、30代でありながらも若々しく紳士的そうな印象だ。
 だって明らかに顔が胡散臭そうである。目が笑っていない感じや内に秘められた冷たさが甲斐に警戒心を持たせた。

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