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十一章/修学旅行(前編)
90.会長の覚醒
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何事もなくいつも通りに過ごした事を伝えると、篠宮はなぜか自分の事のようにつまらなさそうにしていたのだった。
そんな事を訊く篠宮に逆に宮本とはどうなんだと訊ねると、あっさりと別に何もないと返された。
どうやら宮本が真面目でヘタレすぎて気持ちがバレバレだからこそ、こちらが攻めようとすれば逃げられるのだという。
やはりオクテすぎる宮本から篠宮にアタックするのはまだまだ当分先のようだ。
今日は奈良の方で鹿がたくさんいるという某公園へ向かい、鹿と交流しながら観光している真っ最中である。
噂には聞いていたが、鹿って鹿せんべいあんまり食べないんだな。鹿せんべい売ってんのに見向きもしないってちょっと拍子抜けした。
まあ、見ていて可愛いんだけどね。俺、動物好きだしな。
そんな時、やはりと思っていたが案の定アイツも来ていた。全力で会いたくない一味の一人であるあの馬鹿野郎が。
「おらおら、鹿共。おれ様のせんべいが食えねえってのか!食わねーと鹿肉にして食っちまうぜ」
無才学園の会長が鹿せんべいを無理やり鹿に食べさせようとしている。
やめてやれよ、鹿が可哀想だろ。鹿にだって好みってモンがあるんだからよ。
鹿も人間性見て判断してんだ。ようするにお前嫌いってな。だから無理強いはよくないだろうが。
「この鹿め。俺様の愛を受け取れねーとは躾が必要のようだな。おい下僕共。鞭を持ってこい」
「はい、只今」
下僕と言う名の生徒の一人が天草に鞭を手渡している。
おい。動物虐待する気かよこいつらは。公園の警備の人がきらりと天草に目を光らせてんのによ、バカかよ。非常識にもほどがあるだろ。
とにかく、ここは他人のフリをしたい所だが、己の動物愛という良心がそれを許さなかった。
「鹿をいじめるんじゃねえ!この動物虐待野郎!!」
「アーーッ!!」
俺は会長の無防備なケツに勢いよく指先を突き立てた。いわゆるカンチョーというやつをくらわせたのである。
野太い悲鳴と共に刺した時にぶすっと音がして吹いたよ、リアルに。
そのままグリグリして勢いよく引っこ抜いてやったら、瞬く間に「アアーーーーッ!!」という野太い悲鳴をまたあげて、目を充血させながら産まれたばかりの子鹿のような動きをした。
「お、おおごごおおおん」
「か、会長ー!!」
唖然とする会長の下僕達とその周り。無様すぎてザマァ味噌漬けである。
簡単にキスするような軽い奴と動物をイジメる奴は特に大嫌いである。そのままくたばってな。
それにしても手がばっちぃ……洗ってこよ。
「架谷くん!」
アへ顔で悶絶している会長をスルーして手を洗浄。一緒な班の宮本達が駆け寄ってきた。
「うわ、なにこの会長。どうなってんの」
「きっしょ」
「鹿をイジメていたからカンチョーして退治したらこうなった」
「え……」
ドン引きしている宮本。篠宮や他メンバーも顔を引きつらせている。
よせ。そんな顔でこっちも見るな。こいつが鹿をイジメているのが悪いのだ。
「と、とりあえずそいつの事は放ってこう。生き返ったら面倒だし死んでいる今のうちだ」
「う、うん……ソダネ」
途中で「ああん♡」などの野太いあえぎ声のようなものが一瞬聞こえたが、見ない聞かない関わらないを徹底してこの場を離れようとすると、
「おい。架谷甲斐っ!!」
「「うひいっ!」」
急に生き返ったば会長がこちらを仲間になりたそうに見て……じゃなくて、超絶気持ちの悪い顔をしてこちらにご奉仕をしてほしそうな顔で見ている。
「な、なんだてめえ!こっち来んなよ!生き返ってくんな!」
「まて架谷甲斐。俺は」
「だから来るな!その顔は子供が見たら泣くわ。妙に悪寒がするし」
イケメンなくせしてその顔面は、自分がエロゲプレイ中の顔面と遜色なくて同族嫌悪しそうだった。あとグロ耐性がないときついのだ。
「こ、これは……」
「ヨダレ垂らしてんじゃねーよ。てめえの顔面が汚物にしか見えんわ」
「う……ああ、もっと……」
「………あ?」
「もっと罵ってくれ」
途端に甲斐や宮本達の顔面が凄絶にひきつった。そして後退りした。
先程から妙な悪寒を感じていたのはどうやら気のせいではなかったらしい。
だってこいつ……なんか開花してねぇか。目が据わっているし。
俺、もしかしてやばいもん目覚めさせちまった?
「なあ、架谷甲斐……さっきのは最高だった。俺の大事な穴を掘ってくれたのが処女を奪われた気分でさ、あんなすごい刺激生まれて初めて。人生で一番の衝撃だったんだ。おれ、ますますお前の事が好きになっちゃいそ」
「……なっ」
「だからさっきの衝撃がすんごくてよ、も、もう一度してほしくて……いや、責任とって次はぜひともお前のイチモツで俺の尻をハッテン「黙れ!!」
聞いてはいけない単語を思わず遮った。
聞いたらいろんな意味で終わりな気がしたからだ。
「そんな事を言わずにご主人様よ」
「ひいっ!」
くねくねビクンビクン芋虫みたいに近づいてくる奴に鳥肌がMAXになった。しかもアヘ顔メスイキしてそうなその顔面に恐怖を感じる。これはホラーだ。ホラー映画を観る以上にホラーである。
こえええええしきめええええ!二次元美少女なら高揚するのにこいつだとマジ無理。きめえ。しかもなんかゾンビっぽくなってきやがったしこっちくんなあああ!
そんな事を訊く篠宮に逆に宮本とはどうなんだと訊ねると、あっさりと別に何もないと返された。
どうやら宮本が真面目でヘタレすぎて気持ちがバレバレだからこそ、こちらが攻めようとすれば逃げられるのだという。
やはりオクテすぎる宮本から篠宮にアタックするのはまだまだ当分先のようだ。
今日は奈良の方で鹿がたくさんいるという某公園へ向かい、鹿と交流しながら観光している真っ最中である。
噂には聞いていたが、鹿って鹿せんべいあんまり食べないんだな。鹿せんべい売ってんのに見向きもしないってちょっと拍子抜けした。
まあ、見ていて可愛いんだけどね。俺、動物好きだしな。
そんな時、やはりと思っていたが案の定アイツも来ていた。全力で会いたくない一味の一人であるあの馬鹿野郎が。
「おらおら、鹿共。おれ様のせんべいが食えねえってのか!食わねーと鹿肉にして食っちまうぜ」
無才学園の会長が鹿せんべいを無理やり鹿に食べさせようとしている。
やめてやれよ、鹿が可哀想だろ。鹿にだって好みってモンがあるんだからよ。
鹿も人間性見て判断してんだ。ようするにお前嫌いってな。だから無理強いはよくないだろうが。
「この鹿め。俺様の愛を受け取れねーとは躾が必要のようだな。おい下僕共。鞭を持ってこい」
「はい、只今」
下僕と言う名の生徒の一人が天草に鞭を手渡している。
おい。動物虐待する気かよこいつらは。公園の警備の人がきらりと天草に目を光らせてんのによ、バカかよ。非常識にもほどがあるだろ。
とにかく、ここは他人のフリをしたい所だが、己の動物愛という良心がそれを許さなかった。
「鹿をいじめるんじゃねえ!この動物虐待野郎!!」
「アーーッ!!」
俺は会長の無防備なケツに勢いよく指先を突き立てた。いわゆるカンチョーというやつをくらわせたのである。
野太い悲鳴と共に刺した時にぶすっと音がして吹いたよ、リアルに。
そのままグリグリして勢いよく引っこ抜いてやったら、瞬く間に「アアーーーーッ!!」という野太い悲鳴をまたあげて、目を充血させながら産まれたばかりの子鹿のような動きをした。
「お、おおごごおおおん」
「か、会長ー!!」
唖然とする会長の下僕達とその周り。無様すぎてザマァ味噌漬けである。
簡単にキスするような軽い奴と動物をイジメる奴は特に大嫌いである。そのままくたばってな。
それにしても手がばっちぃ……洗ってこよ。
「架谷くん!」
アへ顔で悶絶している会長をスルーして手を洗浄。一緒な班の宮本達が駆け寄ってきた。
「うわ、なにこの会長。どうなってんの」
「きっしょ」
「鹿をイジメていたからカンチョーして退治したらこうなった」
「え……」
ドン引きしている宮本。篠宮や他メンバーも顔を引きつらせている。
よせ。そんな顔でこっちも見るな。こいつが鹿をイジメているのが悪いのだ。
「と、とりあえずそいつの事は放ってこう。生き返ったら面倒だし死んでいる今のうちだ」
「う、うん……ソダネ」
途中で「ああん♡」などの野太いあえぎ声のようなものが一瞬聞こえたが、見ない聞かない関わらないを徹底してこの場を離れようとすると、
「おい。架谷甲斐っ!!」
「「うひいっ!」」
急に生き返ったば会長がこちらを仲間になりたそうに見て……じゃなくて、超絶気持ちの悪い顔をしてこちらにご奉仕をしてほしそうな顔で見ている。
「な、なんだてめえ!こっち来んなよ!生き返ってくんな!」
「まて架谷甲斐。俺は」
「だから来るな!その顔は子供が見たら泣くわ。妙に悪寒がするし」
イケメンなくせしてその顔面は、自分がエロゲプレイ中の顔面と遜色なくて同族嫌悪しそうだった。あとグロ耐性がないときついのだ。
「こ、これは……」
「ヨダレ垂らしてんじゃねーよ。てめえの顔面が汚物にしか見えんわ」
「う……ああ、もっと……」
「………あ?」
「もっと罵ってくれ」
途端に甲斐や宮本達の顔面が凄絶にひきつった。そして後退りした。
先程から妙な悪寒を感じていたのはどうやら気のせいではなかったらしい。
だってこいつ……なんか開花してねぇか。目が据わっているし。
俺、もしかしてやばいもん目覚めさせちまった?
「なあ、架谷甲斐……さっきのは最高だった。俺の大事な穴を掘ってくれたのが処女を奪われた気分でさ、あんなすごい刺激生まれて初めて。人生で一番の衝撃だったんだ。おれ、ますますお前の事が好きになっちゃいそ」
「……なっ」
「だからさっきの衝撃がすんごくてよ、も、もう一度してほしくて……いや、責任とって次はぜひともお前のイチモツで俺の尻をハッテン「黙れ!!」
聞いてはいけない単語を思わず遮った。
聞いたらいろんな意味で終わりな気がしたからだ。
「そんな事を言わずにご主人様よ」
「ひいっ!」
くねくねビクンビクン芋虫みたいに近づいてくる奴に鳥肌がMAXになった。しかもアヘ顔メスイキしてそうなその顔面に恐怖を感じる。これはホラーだ。ホラー映画を観る以上にホラーである。
こえええええしきめええええ!二次元美少女なら高揚するのにこいつだとマジ無理。きめえ。しかもなんかゾンビっぽくなってきやがったしこっちくんなあああ!
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