学園トップに反抗したら様子がおかしくなった (旧/金持ち学園)

いとこんドリア

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十六章/トラウマ

139.ドスケベバカップル

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「ダメ」

 急に悠里が足を止めて甲斐に制止を促す。

「このまま行ったら……ばれちゃう。あそこにいる警察……さっきEクラスを襲った黒服の連中が化けてる。顔、あんな感じだった」
「ふむ……てことは、あの警察モドキは城山一派か」

 たしかに、さっきまでここら辺を検問する様子など全くなかった。

「怪しいから迂回しよう」

 あの程度なら片付けることは全然容易いが面倒な事は回避。検問を避けて左折。

 裏路地なんて危ない奴が多いからあまり通りたくはないが仕方がない。路地裏の奴らより城山一派に見つかる方がよほど危険。ここは運に任せるしかないだろう。と、思っていたのに……

「ねーねー超絶可愛いJKちゃん遊ばない?」
「邪魔なキモオタ一匹いやがるがそいつ無視して俺たちと~」

 少し歩いただけなのにもうチンピラに絡まれてしまった。
 はあ。よく俺がキモオタってわかったな。そんな正体を見破ったお前らはさてはただ者ではないな?無意識に放っているキモオタオーラを千里眼で読んだのか。まあ、わかるモンにはわかるのだろう。キモオタはキモいからな……。
 あ、そういえば鞄に美少女ストラップやらアニメキーホルダーつけまくってたな。これじゃあ俺がキモオタってわかっちゃうよねーとほほ。

「キモオタなんかといてもつまんないでしょー。そいつキミより二次元が好きなんだよぉ~げらげら」
「キミみたいな超可愛い美少女なら俺たちみたいな陽キャと遊ばないと人生損よ」

 悠里の美少女ぶりはどこにいても目を引くようで、彼女も対処するのはいつも大変だろう。だがしかし、一緒に歩いていたのがキモオタでは目の保養にもなるまい。

「彼を侮辱しないでください。キモオタで何が悪いんですかっ」

 チンピラ相手に毅然とした態度で返す悠里は優しいJKである。でもゲテモノ好きだ。自分みたいなのがいいらしいので。

「彼はいつも仲のいい男子生徒とエッチな本を回し読みしていて、ヒマさえあればエッチなアプリを開いてニヤニヤしていますけど、ちょっとスケベな漫画の女の子が好きな健全な男子なんですっ!たしかにひょうたんみたいな胸の大きい女の子がゴブリンに二つ穴で襲われているシーンだったり、壁に挟まった女の子を背後から突っ込んで最後に乱交しているシーンでニヤついている所も見ましたけど、それだけでキモいだなんて世の男子はみんなキモいじゃないですかっ。あなた達だってエッチな本を読んでニヤついているでしょう?同じです!」
「悠里さん、それ……あんま……フォローになってないっす。あと同じ、とは言えない、かも、しれない……」

 ちょっとスケベどころではなかったりするがまあ普通のスケベな男子です。ていうかこうやって趣味を暴露されると羞恥心に肩身が狭くなるもんです。

「それに私だってスケベな所は彼と一緒だもの。だって……だって……彼が更衣室で着替えている最中にこっそりシャツとか……パンツとか盗んだり……それでくんかくんかしたり……お宝にしたり……」
「え、悠里さん……?」

 なんかすっごい暴露発言である。

「ごめんね。今まで黙ってて。実は私……甲斐くんのパンツ……たくさん持ってるの。盗んじゃってたり……」
「え、ええええーーー!?」

 どおりで最近少なくなってきてたなあと思ってたよ。どんだけ俺のパンツ盗んでんの。

 まあ、自分のパンツなんて破けていたり使い古したやつばかりだから、キモオタのパンツくらいいくらでも盗んでもらって結構である。でもあまりやると城山とやっている事がどっこいどっこいなのでやめようねと言っておく。

 しかしながら、女が男のパンツを盗めばあまり大事にならないのに、男が女のパンツ盗んだだけで大問題になるこの不条理な世の中。
 悠里は美少女で人格者で才色兼備だから盗んでもお咎めなさそうだが、むしろ俺が逆にパンツを盗まれるバカwwwとか笑われそうで腑に落ちない。
 キモオタは所詮世間でいうカースト最下位なのだなって思い知るよ。なんて世知辛い世の中なんだろうか。


「お前ら……ドスケベカップル同士お似合いだな……」

 チンピラが恐ろしいくらいドン引きしている。
 おいドン引きするほどかよ。

「お前らドン引きしてんじゃねーよ。ゴブリンに襲われるとか壁尻とか今時普通だろうが。ネットの広告で見たことあんだろ!?こっそり気になって見てんだろ!?ええ?!そんな知識も妄想力もねえてめーらは童貞だろ!童貞チンピラどもが!」
「ああ!?てめえみたいなキモオタと一緒にすんじゃねえよ!キモオタ童貞だからこそ無駄に妄想力あるからそんなプレイでハアハアしてんだろ!一般ピープルな俺たちをなめてんじゃねーぞごるぁ!」

 おうふ。お前らチンピラが一般ピープルとか言うなし。とりあえず付き合ってられんので殺気発動をして逃げるのみ。

「う、なんだ……なんかこいつ見てるとやべえ気がする……」

 チンピラ共が甲斐の圧でガタガタ震え出した。見えないオーラを感じたようでマゴマゴしている。

「魔性の童貞キモオタだからな。そりゃいろいろとやべえだろ」
「だよな。さすが魔性の童貞キモオタだぜ。油断ならなさそうだ。妄想力も伊達じゃねーんだろうな」

 魔性の童貞キモオタってなんやねん。
 まあ、妄想力だけは人より何倍もありますけどね。てことで、今のうちにスルーして立ち去ろう。

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