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十一章/修学旅行(前編)
91.ドM会長
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「ご主人様にげんなよぉおおおん!!」
「逃げるに決まってんだろうがぁああ!来るな変態があああ!!」
うわーマジこいつをカンチョーするんじゃなかった!せめて蹴りにしとけばよかったぁ!
後悔する甲斐は頭を抱える。究極のドMを目覚めさせてしまったようだ。
「と、とりあえずお前は鹿をいじめた反省をしろやコラ。直々に制裁してやる!」
「ああん。あなた様からの制裁wktkきぼんぬーー!ぜひとも!」
「…………」
喜んでいるこいつに制裁しても制裁にならない気がするが、しかしけじめとしては必要である。
甲斐は宮本達に待っていてくれと一言残し、無言で近くの床屋からバリカンを借りてくると、その変態天草の髪を見事にバリカンで剃ってツルッぱ毛にしてやったのであった。
暴力的なものだとこいつが喜びそうなので、あえてイケメンが命とされていそうな髪を剃っただけで済ませた。
「この坊主ヘアはご主人様が開発してくれた自分の永久ヘアーにいたします」と、誇らしげに言う。
ツルッパゲにしてやったのに全然悔しんでいないどころか喜んでいるこの変態。むしろそれ以上を望んでいる様子に甲斐はもうお手上げである。この変態は甲斐が何をしても喜びそうなので手の施しようがない。
「ああ、なんで髪を剃るだけにしたのですかっ!お、俺はもっとこう……あんたからの強烈な攻撃を期待していたのにっ。特に尻をぐりっぐりっt「死んでくれ」
「とりあえず死ね」
と、ごみを見るような目で蔑む甲斐。結構必死だ。
「ああ、そんな素敵な言葉にやくざも即死で居抜きそうなゴミを眺める鬼の顔も最高ですご主人サマ~!」
はあはあ興奮してそのままズボンを下ろして尻を向けてきたので、壮絶に鳥肌が立った甲斐は無慈悲に奴の穴にシャーペンぶっ刺して爆竹を入れてやった。
宮本が「ひいっ」って青い顔をして両手で顔を覆っていたが、甲斐は容赦しなかった。
それでも奴は「ああん」とか「これはこれでか・い・か~ん」とか「尻がばちばちと熱い~」とか昇天した顔になっていた。
甲斐はもう開いた口が塞がらず、そのまま放置プレイでその場を去った。もうこいつはできる限りスルーしよう。そうしようと決めたのであった。
「わあ、あなたがよく噂に聞く架谷甲斐君かぁ」
「あの会長様にあんな真似できるなんてすごいや。強いんだね」
ドM会長を放置すると、会長の取り巻きがぞろぞろと自分を取り囲んできた。
みんな160センチくらいの背格好男子ばかりで、やたらショタコンみたいなのが多い。
「会長がよく開星の架谷甲斐は俺の恋人候補だとかよく全校集会で宣言していたから、一体どんな人かとみんな噂していたんだよ」
「は……なんだそれ。奴の恋人候補ってなんだよそりゃ」
「天草会長のいつもの口癖ですよ」と、きっぱり。
「そうそう。必ず話の前置きに言うんだよね」
「この前は架谷甲斐はそのうち俺に惚れるだろうからとりあえず愛人にさせようかと考えているとも言っていたよ」
「前は平凡地味だけど磨けば光るから女装エッチしたい奴だとも言ってたなあ。いつか架谷甲斐のすべてを奪うのが俺様の目標とも言ってて……あいつのピーをピーでピーするとか言ってて……そんでピーしてピーピーを」
「とりあえず奴を一度ゴキブリ責めにして抹殺してくるか」
そう思って放置プレイしている会長に近づこうとしたら、半泣きの宮本君にものすごい勢いで止められた。
よせ、宮本君。放してくれ。奴にはちゃんと制裁を。
え、奴がますます喜びそうだからやめろって?
いやしかしだな、あんな事を言われて腹が立つので仕返しをば……うーむ。たしかに逆に喜ばせそうなのでどうしたものかと冷静に考える。
あのバカにはしっかりと言い聞かせておかないと調子に乗りそうなので、馬鹿な事を言ったら二度とケツ穴は放置だからなと宣言しておくか。言いたくはないが。
「時雨!ここにいたのですか」
そんな時、不運にもこのバ会長のお仲間がぞろぞろとやって来た。会長を探しにやってきたようである。
「あれ、よく見たら時雨の髪が坊主になってるー!」
「坊主なのに案外似合うね」
ドM坊主会長はそこに転がっているのでとっとと持ち帰ってくれ。
「もう、こんな貧乏くさい鹿だらけの所に来ていたなんてっ、あなたともあろう者が考えられませんね」
副会長がドM会長を睨んでいる。
貧乏くさいって、観光名所にそれはないだろてめえ。
「こ、これには理由があるんだ。でなきゃこんな薄汚い鹿共の所になんて来るかよ。そ、それにここはご主人様との思い出の場所になってだな……ごにょ」
説明する天草の頬が気持ち悪く染まっていて、事情を知る者達は見ていられない。
「俺達、とても探した。時雨、気まぐれすぎ。生意気」
「ほんと、架谷甲斐がいるからって調子にのりすぎ~。今日は金閣寺を貸切で眺めるつもりだったのに、一人で抜け駆けのつもりで奈良まで来るなんてマジずるい!」
「架谷甲斐を狙っているのは時雨だけじゃないんですからね」
コミュ障の書記とクチピアスの会計らも副会長と一緒になって会長に文句を言っている。
俺を狙っているとか俺をなんだと思ってやがるんだ。内輪揉めならよそでやってくれ。そしてドM会長をとっとと持ち帰りやがれ。あいつが俺を見てくる度に鳥肌が立ってしょうがねーんだ。
「一人だけ抜け駆けなんていただけませんね。何か罰を与えなければ」
「そーだよ!全校集会で架谷甲斐は俺のもの発言したりさ!親衛隊という名の可愛い子のセフレたくさんいるくせに贅沢すぎだよ」
「時雨、最低。親衛隊、大事にしないとダメ」
口々に生徒会共からのヤジが飛んでいる。
いいから俺を巻き込むな。俺は無関係だから。俺を会話に出すな。
「逃げるに決まってんだろうがぁああ!来るな変態があああ!!」
うわーマジこいつをカンチョーするんじゃなかった!せめて蹴りにしとけばよかったぁ!
後悔する甲斐は頭を抱える。究極のドMを目覚めさせてしまったようだ。
「と、とりあえずお前は鹿をいじめた反省をしろやコラ。直々に制裁してやる!」
「ああん。あなた様からの制裁wktkきぼんぬーー!ぜひとも!」
「…………」
喜んでいるこいつに制裁しても制裁にならない気がするが、しかしけじめとしては必要である。
甲斐は宮本達に待っていてくれと一言残し、無言で近くの床屋からバリカンを借りてくると、その変態天草の髪を見事にバリカンで剃ってツルッぱ毛にしてやったのであった。
暴力的なものだとこいつが喜びそうなので、あえてイケメンが命とされていそうな髪を剃っただけで済ませた。
「この坊主ヘアはご主人様が開発してくれた自分の永久ヘアーにいたします」と、誇らしげに言う。
ツルッパゲにしてやったのに全然悔しんでいないどころか喜んでいるこの変態。むしろそれ以上を望んでいる様子に甲斐はもうお手上げである。この変態は甲斐が何をしても喜びそうなので手の施しようがない。
「ああ、なんで髪を剃るだけにしたのですかっ!お、俺はもっとこう……あんたからの強烈な攻撃を期待していたのにっ。特に尻をぐりっぐりっt「死んでくれ」
「とりあえず死ね」
と、ごみを見るような目で蔑む甲斐。結構必死だ。
「ああ、そんな素敵な言葉にやくざも即死で居抜きそうなゴミを眺める鬼の顔も最高ですご主人サマ~!」
はあはあ興奮してそのままズボンを下ろして尻を向けてきたので、壮絶に鳥肌が立った甲斐は無慈悲に奴の穴にシャーペンぶっ刺して爆竹を入れてやった。
宮本が「ひいっ」って青い顔をして両手で顔を覆っていたが、甲斐は容赦しなかった。
それでも奴は「ああん」とか「これはこれでか・い・か~ん」とか「尻がばちばちと熱い~」とか昇天した顔になっていた。
甲斐はもう開いた口が塞がらず、そのまま放置プレイでその場を去った。もうこいつはできる限りスルーしよう。そうしようと決めたのであった。
「わあ、あなたがよく噂に聞く架谷甲斐君かぁ」
「あの会長様にあんな真似できるなんてすごいや。強いんだね」
ドM会長を放置すると、会長の取り巻きがぞろぞろと自分を取り囲んできた。
みんな160センチくらいの背格好男子ばかりで、やたらショタコンみたいなのが多い。
「会長がよく開星の架谷甲斐は俺の恋人候補だとかよく全校集会で宣言していたから、一体どんな人かとみんな噂していたんだよ」
「は……なんだそれ。奴の恋人候補ってなんだよそりゃ」
「天草会長のいつもの口癖ですよ」と、きっぱり。
「そうそう。必ず話の前置きに言うんだよね」
「この前は架谷甲斐はそのうち俺に惚れるだろうからとりあえず愛人にさせようかと考えているとも言っていたよ」
「前は平凡地味だけど磨けば光るから女装エッチしたい奴だとも言ってたなあ。いつか架谷甲斐のすべてを奪うのが俺様の目標とも言ってて……あいつのピーをピーでピーするとか言ってて……そんでピーしてピーピーを」
「とりあえず奴を一度ゴキブリ責めにして抹殺してくるか」
そう思って放置プレイしている会長に近づこうとしたら、半泣きの宮本君にものすごい勢いで止められた。
よせ、宮本君。放してくれ。奴にはちゃんと制裁を。
え、奴がますます喜びそうだからやめろって?
いやしかしだな、あんな事を言われて腹が立つので仕返しをば……うーむ。たしかに逆に喜ばせそうなのでどうしたものかと冷静に考える。
あのバカにはしっかりと言い聞かせておかないと調子に乗りそうなので、馬鹿な事を言ったら二度とケツ穴は放置だからなと宣言しておくか。言いたくはないが。
「時雨!ここにいたのですか」
そんな時、不運にもこのバ会長のお仲間がぞろぞろとやって来た。会長を探しにやってきたようである。
「あれ、よく見たら時雨の髪が坊主になってるー!」
「坊主なのに案外似合うね」
ドM坊主会長はそこに転がっているのでとっとと持ち帰ってくれ。
「もう、こんな貧乏くさい鹿だらけの所に来ていたなんてっ、あなたともあろう者が考えられませんね」
副会長がドM会長を睨んでいる。
貧乏くさいって、観光名所にそれはないだろてめえ。
「こ、これには理由があるんだ。でなきゃこんな薄汚い鹿共の所になんて来るかよ。そ、それにここはご主人様との思い出の場所になってだな……ごにょ」
説明する天草の頬が気持ち悪く染まっていて、事情を知る者達は見ていられない。
「俺達、とても探した。時雨、気まぐれすぎ。生意気」
「ほんと、架谷甲斐がいるからって調子にのりすぎ~。今日は金閣寺を貸切で眺めるつもりだったのに、一人で抜け駆けのつもりで奈良まで来るなんてマジずるい!」
「架谷甲斐を狙っているのは時雨だけじゃないんですからね」
コミュ障の書記とクチピアスの会計らも副会長と一緒になって会長に文句を言っている。
俺を狙っているとか俺をなんだと思ってやがるんだ。内輪揉めならよそでやってくれ。そしてドM会長をとっとと持ち帰りやがれ。あいつが俺を見てくる度に鳥肌が立ってしょうがねーんだ。
「一人だけ抜け駆けなんていただけませんね。何か罰を与えなければ」
「そーだよ!全校集会で架谷甲斐は俺のもの発言したりさ!親衛隊という名の可愛い子のセフレたくさんいるくせに贅沢すぎだよ」
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