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宮廷ギルド その1
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エルガイア王国は大陸で最も国土面積が広く、人口も多い。
王都オルカナにはそんな広大な敷地から人材が集まり発展した国で最も大きな都市である。
アーメルツ王国の王都も栄えていると思っていたけど、こっちはもっと凄いわね。お店も沢山あるし、馬車の中にいても都の活気が伝わってくるわ。
もう夕方なのに、こんなにも人通りが多いなんて……。
「長旅ご苦労さま。このまま、王宮に向かうよ」
「エルガイア王宮は見たことがありませんから、楽しみです」
「見た目はアーメルツとそんなに変わらないかな。宮廷ギルドというものを作ったから、多少は規模が大きいけどね」
宮廷ギルドというのは、エルガイア王国独自の試みだ。
先々代の国王が国中から王宮が欲しいと思った人材を財を惜しまずに集めたことが始まりだと言われている。
今では凄い人たちが集まっていて、人材の宝庫と呼ばれているらしいけど、正直に言ってあまりイメージ出来ない。
もちろん、アークハルト殿下が私を買ってくれて推薦してくださったのは大変名誉だと思っているけど。どこか、ふわふわした感じなのよね。
「宮廷ギルドというのはそんなに大きな組織なんですか?」
「そうでもないよ。君が所属する特務隊が十人位で、他にも料理とか芸術とか鍛冶とか、細分化しているけど、ザッと百人程度しかいない。まぁ、『一流以上』と国が認める人材たちだからね。数を軽々に増やすわけにはいかないのさ」
ひゃ、百人はまぁまぁの大所帯だと思うけれど。
それに軽々に増やしているわよね。私とか……。
要するにスペシャリストの集団ってことなのかしら。才能がある人たちが多そうね。
なんか、苦手かもしれないわ。そういうの。
「ミュー、ミュ、ミュウ!」
「マルル、私を勇気付けてくれているの? 大丈夫よ。頑張るから」
「あはは、仲が良いんだな。緊張しないでもいいよ。特務隊は気のいい連中が多い。ちゃんと面倒を見るように俺からも釘刺しておくから」
緊張するのは仕方ないでしょう。働くのだって初めてなんだから。
いい人が多いなら助かるわ。早く馴染めるようにしなくっちゃ。
「ありがとうございます。推薦していただく、殿下に迷惑をかけぬように精一杯務めさせていただく所存です」
「そう、固くなるな。俺からお願いしている立場なんだ。さぁ、着いたぞ。ここがエルガイア王宮だ」
アークハルト殿下と話している間にエルガイア王宮に到着してしまった。
殿下にエスコートしてもらいながら、馬車から出る私。
うーん。長かったわ、ここまで。殿下が見ていなければ伸びをしていたところね。
「お、大きいですね。まさか、こんなに」
そして私は目を丸くする。
まったく、アークハルト殿下も人が悪いわ。
威風堂々とした外観に私は圧倒される。夕日に照らされている石造りの城壁は重厚さに溢れ、どこまでも続いていると錯覚するほどだ。
いや、確かにアーメルツ王宮と似たような建築様式だけど、大きさが全然違うわよ。
多少どころじゃないわ。おそらく二倍近くはあるはず。流石は大陸一の大国ね……。
「宮廷ギルドに所属している者たちの宿舎もあるし、それに伴って施設なども建てられたから。こっちに来てくれ。宮廷付特務隊の隊長に紹介するよ」
「は、はい!」
「ミュ、ミュー!」
殿下の言葉に私とマルルは同時に返事をして、後に続いた。
その隊長という方がこれから私の上司になるのね。きちんと挨拶しなくては……。
王宮に入るとすれ違う人たちが全員、恭しくアークハルト殿下に頭を下げる。王太子なんだから、当然なんだけど。
さすがにカールシュバイツ邸みたいに芸術品が展示されてるってわけじゃないのね。あれは製作者の個人的な趣味なのだから。
だけど、その装飾の数々には目を見張ってしまう。至るところに緻密な細工が施されていたから。
「ここが特務隊舎の執務室……。アークハルトだ、入るぞ」
数分ほど歩いて階段を四階まで上り、たどり着いた一室。
アークハルト殿下がコンコンと、ノックをして私たちは中に入った。
ここに隊長という人がいるのね。どんな方なのかしら……。
「こりゃあ、珍しいじゃないですか。アークハルト殿下自らがこちらにいらっしゃるなんて。何か、急ぎの用事で?」
ルビーのような赤い瞳をした黒髪の男が手にした書類を置いて、こちらを見る。
その佇まいには一分のスキもなく、ひと目で実力者だということが見て取れた。
氷のような眼光は私を既にとらえており、こちらを値踏みしているようにも見える。
「ロイド、お前のことだ。既になんの目的でここに俺が来たのか分かっているんじゃないか? お前は人一倍鋭いからな」
「殿下~、そりゃあ僕を買いかぶっていますよ。なぜ、アーメルツ王国の聖女がここにいるのか僕ァさっぱり見当もつきません。まさか、国を追われて偶然殿下と出会い、彼女をこの宮廷ギルドに入れようって話じゃあないでしょう」
全部当たっているじゃないの!
まぁ、私のブローチを見ればアーメルツ王国の教会所属の聖女だと分かると思うから、そこから推測出来なくもないけど。
「でも、アーメルツの聖女といえば、あの方しか思い当たりません。神童と呼ばれた天才、エキドナ・フォン・ローエルシュタイン。国家的な英雄です。僕の記憶では確か彼女は金髪のはず。それに、言っちゃあ悪いですが、そちらのお嬢さんからは魔法の才覚を感じない。つまりあなたはエキドナさんではなく、ごく最近、教会から称号を得た新米の聖女だ」
「――っ!?」
こ、この人、私のことを知っているの? 魔法の才能がないって、はっきりとまたそんなことを。
エキドナは有名人だから他国の人間が知っていても不思議じゃないけど。
「だけど感じますよ~、努力の匂いを。うん、才能に抗って努力し続けて、やっと聖女にまでなったあなたが追放されるなんて理不尽、僕ァ信じたくない。なんでまた、こちらに? 追放じゃなくって、観光ですか~? ならこの隊舎を訪れる理由はないはずなんですけど」
嘘みたいに事情が筒抜けじゃない。なんで、そこまで分かるのよ……。
これが『一流以上』の人間が所属する宮廷ギルドで管理職を任された者の力っていうの?
この人には何の隠し事も出来る気がしないわ。
「そう、お前の言うとおり。その理不尽で追放されたのが、このルシリアだ。今日から宮廷ギルドに所属させて、特務隊に入れようと思っている」
「あらら、本当に追放されちゃったんですか。そりゃあ、世知辛いですね。猫の手も借りたい状況なんで、戦力になる方は大歓迎です。ルシリアさんの入隊を許可しましょう」
軽い……、すごく軽いノリで私は宮廷ギルドの宮廷付特務隊への配属が決定してしまった。
もちろん、アークハルト殿下の口添えがある限り無下にされないとは思ったけど、この人、殿下から特に事情も聞かずに勝手に納得しただけじゃない。
言っていること当たっているし、有能な方なんだろうけど……。
「やはりロイドは話が早いな」
「早いというか、僕が何事も面倒が嫌いな横着者ってだけなんですけどね~。あー、そうだ。ルシリアさん、これを受け取って下さい」
「あ、はい!」
ポイッと投げられたそれを私はキャッチする。
こ、これは……。手のひらの上には銀色の獅子の形をしたエンブレムが型取られたバッチ。
この獅子のエンブレムは確かこの国の紋章よね……。
「その銀獅子のバッチはエルガイア宮廷ギルドに所属した者の証。無くさないでくださいよ~。無くしたら、僕も連帯責任でギルド長に怒られますから」
ロイドさんは表情一つ変えずに自分の襟を指差して、自分もギルド長に怒られるから銀獅子のバッチを無くすなと忠告した。
彼の首元にもまた私の手元のものと同じエンブレムが輝いている。
こうして私は宮廷ギルドに所属することを許された。本当に話が早くて、一瞬の出来事だったわね……。
頑張ろう。馴染めるように、きちんと責務を果たせるように努力しよう。
それこそが私の一番、得意なことなんだから……。
王都オルカナにはそんな広大な敷地から人材が集まり発展した国で最も大きな都市である。
アーメルツ王国の王都も栄えていると思っていたけど、こっちはもっと凄いわね。お店も沢山あるし、馬車の中にいても都の活気が伝わってくるわ。
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「エルガイア王宮は見たことがありませんから、楽しみです」
「見た目はアーメルツとそんなに変わらないかな。宮廷ギルドというものを作ったから、多少は規模が大きいけどね」
宮廷ギルドというのは、エルガイア王国独自の試みだ。
先々代の国王が国中から王宮が欲しいと思った人材を財を惜しまずに集めたことが始まりだと言われている。
今では凄い人たちが集まっていて、人材の宝庫と呼ばれているらしいけど、正直に言ってあまりイメージ出来ない。
もちろん、アークハルト殿下が私を買ってくれて推薦してくださったのは大変名誉だと思っているけど。どこか、ふわふわした感じなのよね。
「宮廷ギルドというのはそんなに大きな組織なんですか?」
「そうでもないよ。君が所属する特務隊が十人位で、他にも料理とか芸術とか鍛冶とか、細分化しているけど、ザッと百人程度しかいない。まぁ、『一流以上』と国が認める人材たちだからね。数を軽々に増やすわけにはいかないのさ」
ひゃ、百人はまぁまぁの大所帯だと思うけれど。
それに軽々に増やしているわよね。私とか……。
要するにスペシャリストの集団ってことなのかしら。才能がある人たちが多そうね。
なんか、苦手かもしれないわ。そういうの。
「ミュー、ミュ、ミュウ!」
「マルル、私を勇気付けてくれているの? 大丈夫よ。頑張るから」
「あはは、仲が良いんだな。緊張しないでもいいよ。特務隊は気のいい連中が多い。ちゃんと面倒を見るように俺からも釘刺しておくから」
緊張するのは仕方ないでしょう。働くのだって初めてなんだから。
いい人が多いなら助かるわ。早く馴染めるようにしなくっちゃ。
「ありがとうございます。推薦していただく、殿下に迷惑をかけぬように精一杯務めさせていただく所存です」
「そう、固くなるな。俺からお願いしている立場なんだ。さぁ、着いたぞ。ここがエルガイア王宮だ」
アークハルト殿下と話している間にエルガイア王宮に到着してしまった。
殿下にエスコートしてもらいながら、馬車から出る私。
うーん。長かったわ、ここまで。殿下が見ていなければ伸びをしていたところね。
「お、大きいですね。まさか、こんなに」
そして私は目を丸くする。
まったく、アークハルト殿下も人が悪いわ。
威風堂々とした外観に私は圧倒される。夕日に照らされている石造りの城壁は重厚さに溢れ、どこまでも続いていると錯覚するほどだ。
いや、確かにアーメルツ王宮と似たような建築様式だけど、大きさが全然違うわよ。
多少どころじゃないわ。おそらく二倍近くはあるはず。流石は大陸一の大国ね……。
「宮廷ギルドに所属している者たちの宿舎もあるし、それに伴って施設なども建てられたから。こっちに来てくれ。宮廷付特務隊の隊長に紹介するよ」
「は、はい!」
「ミュ、ミュー!」
殿下の言葉に私とマルルは同時に返事をして、後に続いた。
その隊長という方がこれから私の上司になるのね。きちんと挨拶しなくては……。
王宮に入るとすれ違う人たちが全員、恭しくアークハルト殿下に頭を下げる。王太子なんだから、当然なんだけど。
さすがにカールシュバイツ邸みたいに芸術品が展示されてるってわけじゃないのね。あれは製作者の個人的な趣味なのだから。
だけど、その装飾の数々には目を見張ってしまう。至るところに緻密な細工が施されていたから。
「ここが特務隊舎の執務室……。アークハルトだ、入るぞ」
数分ほど歩いて階段を四階まで上り、たどり着いた一室。
アークハルト殿下がコンコンと、ノックをして私たちは中に入った。
ここに隊長という人がいるのね。どんな方なのかしら……。
「こりゃあ、珍しいじゃないですか。アークハルト殿下自らがこちらにいらっしゃるなんて。何か、急ぎの用事で?」
ルビーのような赤い瞳をした黒髪の男が手にした書類を置いて、こちらを見る。
その佇まいには一分のスキもなく、ひと目で実力者だということが見て取れた。
氷のような眼光は私を既にとらえており、こちらを値踏みしているようにも見える。
「ロイド、お前のことだ。既になんの目的でここに俺が来たのか分かっているんじゃないか? お前は人一倍鋭いからな」
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まぁ、私のブローチを見ればアーメルツ王国の教会所属の聖女だと分かると思うから、そこから推測出来なくもないけど。
「でも、アーメルツの聖女といえば、あの方しか思い当たりません。神童と呼ばれた天才、エキドナ・フォン・ローエルシュタイン。国家的な英雄です。僕の記憶では確か彼女は金髪のはず。それに、言っちゃあ悪いですが、そちらのお嬢さんからは魔法の才覚を感じない。つまりあなたはエキドナさんではなく、ごく最近、教会から称号を得た新米の聖女だ」
「――っ!?」
こ、この人、私のことを知っているの? 魔法の才能がないって、はっきりとまたそんなことを。
エキドナは有名人だから他国の人間が知っていても不思議じゃないけど。
「だけど感じますよ~、努力の匂いを。うん、才能に抗って努力し続けて、やっと聖女にまでなったあなたが追放されるなんて理不尽、僕ァ信じたくない。なんでまた、こちらに? 追放じゃなくって、観光ですか~? ならこの隊舎を訪れる理由はないはずなんですけど」
嘘みたいに事情が筒抜けじゃない。なんで、そこまで分かるのよ……。
これが『一流以上』の人間が所属する宮廷ギルドで管理職を任された者の力っていうの?
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「そう、お前の言うとおり。その理不尽で追放されたのが、このルシリアだ。今日から宮廷ギルドに所属させて、特務隊に入れようと思っている」
「あらら、本当に追放されちゃったんですか。そりゃあ、世知辛いですね。猫の手も借りたい状況なんで、戦力になる方は大歓迎です。ルシリアさんの入隊を許可しましょう」
軽い……、すごく軽いノリで私は宮廷ギルドの宮廷付特務隊への配属が決定してしまった。
もちろん、アークハルト殿下の口添えがある限り無下にされないとは思ったけど、この人、殿下から特に事情も聞かずに勝手に納得しただけじゃない。
言っていること当たっているし、有能な方なんだろうけど……。
「やはりロイドは話が早いな」
「早いというか、僕が何事も面倒が嫌いな横着者ってだけなんですけどね~。あー、そうだ。ルシリアさん、これを受け取って下さい」
「あ、はい!」
ポイッと投げられたそれを私はキャッチする。
こ、これは……。手のひらの上には銀色の獅子の形をしたエンブレムが型取られたバッチ。
この獅子のエンブレムは確かこの国の紋章よね……。
「その銀獅子のバッチはエルガイア宮廷ギルドに所属した者の証。無くさないでくださいよ~。無くしたら、僕も連帯責任でギルド長に怒られますから」
ロイドさんは表情一つ変えずに自分の襟を指差して、自分もギルド長に怒られるから銀獅子のバッチを無くすなと忠告した。
彼の首元にもまた私の手元のものと同じエンブレムが輝いている。
こうして私は宮廷ギルドに所属することを許された。本当に話が早くて、一瞬の出来事だったわね……。
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