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第四話(ゲイツ視点)
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あはははっ! あはっ! なはは、なはっ、なはっ、なはははっ!
最高の女が手に入ったぞーーー! 最高の女だ!
ミラ・エルミリオン……! その誰もが振り向くようなきれいな金髪とスカイブルーの瞳。
初めて顔を見た瞬間、僕は彼女に夢中になっていた……!
そして、自分の運命を呪ったんだ。なんで僕の婚約者はミラじゃなくて、その姉のアリアなんだって。
そりゃあ、アリアだって美人な方だよ。でも、遠い東の国の表現を借りるならば、ミラとアリアは月とすっぽんだ! すっぽんは見たことないけど……。
これだけ美人の彼女だ。当然、婚約者がいないはずがない。
僕もだから諦めようと思っていたんだよ。父上はアリアを気に入っていたし……。
でも、奇跡は起きたんだ。あの日、ミラはこっそりと僕に近付いて声をかけてきた。
『ゲイツ様がお姉様の婚約者だなんて、こんなに悲しいことがわたくしの人生であったでしょうか……?』
『ミラ、急にどうしたんだ?』
『実はわたくし、ゲイツ様のことをお慕いしていますの』
むふふふ、何と彼女も僕とおんなじ気持ちだったんだよねーーー!
確かに最近、僕って気を使っているよ。そう、美容ってやつにね。
小顔に見えるようにマッサージとかした効果かなー? それとも、ちょっと鍛えてるから筋肉に惹かれたのかな?
どっちにしろ、僕は思っている以上に魅力的になっていたらしい。
あの麗しきミラはこの僕に愛の告白をしたんだ。こんなに嬉しいことって無いよね?
なはははっ! なはっ! なはっ! なはっ!
それから僕らは当然のように愛し合い、お互いを求め合った……!
「と、いうわけで! 僕はアリアの妹のミラと婚約しなおしました! 父上!」
「この大うつけ者がーーーー!!」
「ぺびゅっ!?」
気付いたとき、僕は父上の拳を顔面に受けて吹き飛ばされていた。
鼻の中から生温かいモノが出てくる。多分、鼻血だ……。
ちょっと怒られるくらいは覚悟していたけど、まさか本気でぶん殴られるとは思っていなかったな。
どうしてこんなに怒っているんだろう。意味が分からない。
「お前という男は! 婚約者の妹と浮気して、そっちに乗り換えたというのか!? 人の道を踏み外しおってからに!」
「痛い! 痛いですって父上! 僕だって悪いと思っていますよ! でも、ミラこそ僕の運命の人なんです! 僕が幸せにしたいのはアリアじゃなくて、ミラなんです!」
「何が運命の人だ! 馬鹿者! そんな浅いセリフで婚約破棄が許されるものか!」
「許されましたっ! エルミリオン伯爵は許してくれました! 決してミラを離さないと約束したら、分かってくれたんですって!」
「むぅ、エルミリオン伯爵が許したというか……」
古い考えに凝り固まっている父上を何とか落ち着かせることに成功した僕。
別れたら十億エルド払う契約をして許してもらったんだから、僕は義理は果たしたと思っている。
「ワシはお前を心底軽蔑しとるが、ミラさんとやらは大切にするが良い。まったく、結婚式の招待状も送っているというのに……」
なははは! 父上も渋々だが許してくれた。
もう、僕に怖いものは何もない! ミラ! 君との結婚生活が楽しみだよ!
ああ、僕は世界一の幸せ者だよ~~!
◇ ◇ ◇
あとがき
もう一作品、新作を投稿しました~!
『貴方が浮気した病弱な幼馴染、陛下の愛人みたいですよ』
目次の下の作者コンテンツ(アプリの方は作者ページ)から飛べますので、【お気に入り登録】してもらえると嬉しいです!
何卒、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
最高の女が手に入ったぞーーー! 最高の女だ!
ミラ・エルミリオン……! その誰もが振り向くようなきれいな金髪とスカイブルーの瞳。
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そして、自分の運命を呪ったんだ。なんで僕の婚約者はミラじゃなくて、その姉のアリアなんだって。
そりゃあ、アリアだって美人な方だよ。でも、遠い東の国の表現を借りるならば、ミラとアリアは月とすっぽんだ! すっぽんは見たことないけど……。
これだけ美人の彼女だ。当然、婚約者がいないはずがない。
僕もだから諦めようと思っていたんだよ。父上はアリアを気に入っていたし……。
でも、奇跡は起きたんだ。あの日、ミラはこっそりと僕に近付いて声をかけてきた。
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『ミラ、急にどうしたんだ?』
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むふふふ、何と彼女も僕とおんなじ気持ちだったんだよねーーー!
確かに最近、僕って気を使っているよ。そう、美容ってやつにね。
小顔に見えるようにマッサージとかした効果かなー? それとも、ちょっと鍛えてるから筋肉に惹かれたのかな?
どっちにしろ、僕は思っている以上に魅力的になっていたらしい。
あの麗しきミラはこの僕に愛の告白をしたんだ。こんなに嬉しいことって無いよね?
なはははっ! なはっ! なはっ! なはっ!
それから僕らは当然のように愛し合い、お互いを求め合った……!
「と、いうわけで! 僕はアリアの妹のミラと婚約しなおしました! 父上!」
「この大うつけ者がーーーー!!」
「ぺびゅっ!?」
気付いたとき、僕は父上の拳を顔面に受けて吹き飛ばされていた。
鼻の中から生温かいモノが出てくる。多分、鼻血だ……。
ちょっと怒られるくらいは覚悟していたけど、まさか本気でぶん殴られるとは思っていなかったな。
どうしてこんなに怒っているんだろう。意味が分からない。
「お前という男は! 婚約者の妹と浮気して、そっちに乗り換えたというのか!? 人の道を踏み外しおってからに!」
「痛い! 痛いですって父上! 僕だって悪いと思っていますよ! でも、ミラこそ僕の運命の人なんです! 僕が幸せにしたいのはアリアじゃなくて、ミラなんです!」
「何が運命の人だ! 馬鹿者! そんな浅いセリフで婚約破棄が許されるものか!」
「許されましたっ! エルミリオン伯爵は許してくれました! 決してミラを離さないと約束したら、分かってくれたんですって!」
「むぅ、エルミリオン伯爵が許したというか……」
古い考えに凝り固まっている父上を何とか落ち着かせることに成功した僕。
別れたら十億エルド払う契約をして許してもらったんだから、僕は義理は果たしたと思っている。
「ワシはお前を心底軽蔑しとるが、ミラさんとやらは大切にするが良い。まったく、結婚式の招待状も送っているというのに……」
なははは! 父上も渋々だが許してくれた。
もう、僕に怖いものは何もない! ミラ! 君との結婚生活が楽しみだよ!
ああ、僕は世界一の幸せ者だよ~~!
◇ ◇ ◇
あとがき
もう一作品、新作を投稿しました~!
『貴方が浮気した病弱な幼馴染、陛下の愛人みたいですよ』
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何卒、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
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