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最終話
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一体何がどうなっているのか。
あれから結婚式自体は無事に終わったのですが、色々とその後が大変だったみたいです。
なんせ、オリビア殿下がいきなり現れてリュオン殿下に求婚したのですから。
両国間の関係は一気に緊張感が増しました。
なんせルーメリア王国は二度やらかしたことになるのですから。厳しい批判が起こるのは必然です。
しかし、これに待ったがかかりました。
マルサス様の侍女であるアネットさんが調査報告書なるものを提出したのです。
その報告書には今回の件の首謀者はルーメリア王国と戦争を起こさせて、利益を上げようとしたこちらの国の武器商人ギルドであり、ゲイオスという王宮の使用人を使って騒動を企てたと書いてありました。
マルサス様はそれをいち早く察知して、カムフラージュも兼ねてあれほど豪華なショーを催し、裏でアネットさんにゲイオスの周りを洗わせていたのだそうです。
つまり両国どちらともに過失があり、この件は痛み分けとなりました。
もちろん、武器商人ギルドは解体、オリビア殿下は下流貴族の養子に出されて王族権は剥奪と厳しい処分はかかりましたが。
「あのマルサス様が英雄になるとは分からないものですわ」
「そういう星のもとに生まれた人もいるということです」
「ですが、その後、この国に戻られないのには何か理由があるのでしょうか?」
マルサス様は行方不明になってしまいました。
テスラー伯爵は勘当するという宣告はなかったことにすると言っているのですが、家に一向に戻られないみたいです。
「どうやら、多額の借金を抱えた上に、この国のならず者たち殆ど全員に目を付けられて帰ることが出来なくなったそうだぞ」
「「お兄様!」」
兄のカインが会話に入って来られました。
マルサス様が多額の借金って、大金持ちになられたのではなかったのですか……。
「例の結婚式のショーなんだが、一発限りで終わらせるつもりではなく、定期的に公演するために劇団を作ったらしいんだ。さらに今後の運営を支えるためにレアポーションの原料が見つかったという鉱山を大借金して丸ごと買い取ってな。それが見事に不良債権になってしまったらしい」
「その借金が質の悪い方々を?」
「いやー、武器商人ギルド絡みの中にはヤバいやつも多いからなー、そっちに恨みを買ったみたいだぞ」
な、なんというスケールの大きい転落の仕方をされたのでしょう。
両国の戦争を止めて大手柄を上げたのに、肝心の凱旋が果たせないなんて、可哀想です。
「まぁ、お前はお前のことだけ考えろ。前の男がどうなったって関係ないんだから」
「わたくしはファンとして行く末を知りたいですけど」
そうですね。
私もリュオン殿下と来週には夫婦になります。
色々ととんでもないことがあって、どうしようかと思いましたが幸せになれそうです。
今後、大体のことには驚かないように耐性がつきましたし……。
マルサス様、どうかお達者で――。
病弱な幼馴染が大事だと婚約破棄されましたが、彼女は他の方と結婚するみたいですよ
~完結~
◇ ◇ ◇
あとがき(言い訳とか色々……)
やっぱり、主人公のスペックを凡人にすると空気になってしまいます。「元婚約者は~」で学んだのにどうしてこうなったのか……。
ルティアの今後とかほとんど興味持たれていないだろうと薄々感じていたので、この辺で締めようかと思います。
マルサスについては、予想以上に人気になってしまって、こんなはずでは……とも思っています。
主人公より人気のざまぁ対象っていうのは初めてですね。
一応、マルサスのキャラクター自体は今開催されている次世代ファンタジーカップの主人公として考案したキャラクターなんです。
ざまぁされ続けても、謎の方向の努力で成り上がるみたいなキャラを主人公にしたら新しいのでは?と思いまして。
色々と理由があって断念しましたが……。
ただ、主人公にしていたら人気は出なさそうです。
マルサスが主人公なら絶対に鼻につくと思うんですよね。最初の部分で……。
脇役だから頑張れたのでは、と。
スピンオフを書こうとしたのですが、やっぱり難しいんですよ。
彼を主役にすると何かマルサス感が薄れるというか……。
ですから、後日談的な感じで番外編を何話か書ければと思います。
アネットとの今後とか……。ハッピーエンドになるような感じで。
そして、次作なのですがかなり間が空きそうでして……。
実は私的な話で恐縮なのですが、現在四作品の書籍化が決まっていまして、同時進行で改稿や加筆などの作業に追われてのたうち回っています。
そういう時に無責任に連載を始めるのは悪手かと考えて、自重することにしました。
自分としては書籍化も嬉しいですけど、この作品みたいに絶対に書籍化しないけれどWEB小説だからこそ楽しいみたいな作品も沢山書いていきたいと思っていますので、必ず戻ってきます。
厚かましいお願いですが、その時はまた楽しんで頂けると幸いです!
最後までご愛読ありがとうございました!
あれから結婚式自体は無事に終わったのですが、色々とその後が大変だったみたいです。
なんせ、オリビア殿下がいきなり現れてリュオン殿下に求婚したのですから。
両国間の関係は一気に緊張感が増しました。
なんせルーメリア王国は二度やらかしたことになるのですから。厳しい批判が起こるのは必然です。
しかし、これに待ったがかかりました。
マルサス様の侍女であるアネットさんが調査報告書なるものを提出したのです。
その報告書には今回の件の首謀者はルーメリア王国と戦争を起こさせて、利益を上げようとしたこちらの国の武器商人ギルドであり、ゲイオスという王宮の使用人を使って騒動を企てたと書いてありました。
マルサス様はそれをいち早く察知して、カムフラージュも兼ねてあれほど豪華なショーを催し、裏でアネットさんにゲイオスの周りを洗わせていたのだそうです。
つまり両国どちらともに過失があり、この件は痛み分けとなりました。
もちろん、武器商人ギルドは解体、オリビア殿下は下流貴族の養子に出されて王族権は剥奪と厳しい処分はかかりましたが。
「あのマルサス様が英雄になるとは分からないものですわ」
「そういう星のもとに生まれた人もいるということです」
「ですが、その後、この国に戻られないのには何か理由があるのでしょうか?」
マルサス様は行方不明になってしまいました。
テスラー伯爵は勘当するという宣告はなかったことにすると言っているのですが、家に一向に戻られないみたいです。
「どうやら、多額の借金を抱えた上に、この国のならず者たち殆ど全員に目を付けられて帰ることが出来なくなったそうだぞ」
「「お兄様!」」
兄のカインが会話に入って来られました。
マルサス様が多額の借金って、大金持ちになられたのではなかったのですか……。
「例の結婚式のショーなんだが、一発限りで終わらせるつもりではなく、定期的に公演するために劇団を作ったらしいんだ。さらに今後の運営を支えるためにレアポーションの原料が見つかったという鉱山を大借金して丸ごと買い取ってな。それが見事に不良債権になってしまったらしい」
「その借金が質の悪い方々を?」
「いやー、武器商人ギルド絡みの中にはヤバいやつも多いからなー、そっちに恨みを買ったみたいだぞ」
な、なんというスケールの大きい転落の仕方をされたのでしょう。
両国の戦争を止めて大手柄を上げたのに、肝心の凱旋が果たせないなんて、可哀想です。
「まぁ、お前はお前のことだけ考えろ。前の男がどうなったって関係ないんだから」
「わたくしはファンとして行く末を知りたいですけど」
そうですね。
私もリュオン殿下と来週には夫婦になります。
色々ととんでもないことがあって、どうしようかと思いましたが幸せになれそうです。
今後、大体のことには驚かないように耐性がつきましたし……。
マルサス様、どうかお達者で――。
病弱な幼馴染が大事だと婚約破棄されましたが、彼女は他の方と結婚するみたいですよ
~完結~
◇ ◇ ◇
あとがき(言い訳とか色々……)
やっぱり、主人公のスペックを凡人にすると空気になってしまいます。「元婚約者は~」で学んだのにどうしてこうなったのか……。
ルティアの今後とかほとんど興味持たれていないだろうと薄々感じていたので、この辺で締めようかと思います。
マルサスについては、予想以上に人気になってしまって、こんなはずでは……とも思っています。
主人公より人気のざまぁ対象っていうのは初めてですね。
一応、マルサスのキャラクター自体は今開催されている次世代ファンタジーカップの主人公として考案したキャラクターなんです。
ざまぁされ続けても、謎の方向の努力で成り上がるみたいなキャラを主人公にしたら新しいのでは?と思いまして。
色々と理由があって断念しましたが……。
ただ、主人公にしていたら人気は出なさそうです。
マルサスが主人公なら絶対に鼻につくと思うんですよね。最初の部分で……。
脇役だから頑張れたのでは、と。
スピンオフを書こうとしたのですが、やっぱり難しいんですよ。
彼を主役にすると何かマルサス感が薄れるというか……。
ですから、後日談的な感じで番外編を何話か書ければと思います。
アネットとの今後とか……。ハッピーエンドになるような感じで。
そして、次作なのですがかなり間が空きそうでして……。
実は私的な話で恐縮なのですが、現在四作品の書籍化が決まっていまして、同時進行で改稿や加筆などの作業に追われてのたうち回っています。
そういう時に無責任に連載を始めるのは悪手かと考えて、自重することにしました。
自分としては書籍化も嬉しいですけど、この作品みたいに絶対に書籍化しないけれどWEB小説だからこそ楽しいみたいな作品も沢山書いていきたいと思っていますので、必ず戻ってきます。
厚かましいお願いですが、その時はまた楽しんで頂けると幸いです!
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