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最終章:魔王と勇者と神々を超えしもの編
エピローグその1:魔王と女神
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数日後……。
魔王の城は瓦礫の山でいっぱいだった。
ジェノスは引っ越しの支度を終えて、レイラに城の外で待機を命じた。
「いいザマね、ジェイノス。わたくしが直々に来た理由は分かってますわね。ふふふ、まさかあのくそったれルシアが生きていたとは思いませんでしたが、貴方を無力化させたのなら別です。まぁ、許して上げてもよろしいですの。殺さなかったのはいただけませんでしたが……」
「セリシアちゃん、相変わらず綺麗だねぇ。そして、陰湿だねぇ。僕が……、弱ったタイミングでわざわざココに来るなんてさ。良いのかい、女神様がお忍びで魔界になんて……」
「心配なさらずとも、大丈夫ですわ。ふふふ、貴方を殺す機会を与えてくれたのですから、ルシアとターニャには多少感謝してあげましょう。しかも、これから魔王が出てこないのならわたくしも、かなり仕事が減るので嬉しい限りですわ。欠陥品にも使い道があるなんて、ちょっと得した気分ですわね」
「あーあ、君は昔から打算的だよねぇ。でも、良かったね。これからお仕事が楽になるよ。僕の最後の仕事が終わるからさ」
「最後の仕事? それは何ですの?」
「それは、あたしから説明するわ」
「あっ貴女はフィリア=ノーティス。何故ここに?」
「ジェイノスの頼みを聞くためよ。あと数秒後に、魔界や天界を完全に地上から隔離するの。あたしの開発した、超時空移転装置でね」
「はぁ? それはどういう意味ですの?」
「つまり、魔界と天界は今後一切地上に干渉できなくなる」
「君はずっと魔界暮らしってことさ」
「バカな、そんなことが可能なはずが……」
「もう遅いわ、既に装置は可動したの。これでよろしいかしら?」
「ああ、ありがたいよ。フィリアちゃん。魔界は魔界、地上は地上、天界は天界で静かに暮らそう。もう魔王が居ないんだ、地上には君たちは不要だろ?」
「はぁぁぁぁぁぁ? それでは、わたくしは……、天界の為に尽力したわたくしが……。せめて、わたくしを天界に還しなさいよ!」
女神はその場に座り込んで、絶望の表情を浮かべていた。
「うーん、残念だったねぇ。君は天界で踏ん反り返っていれば良かったのに、変な気を起こすからこうなるんだよ。まぁ、魔界も住んでみれば、そんなに悪くないところだよ。仲良くやろうね、これから付き合いも長くなりそうだし」
「ええ、よろしく。女神様……」
ジェノスとフィリアはニコリと笑った。
次回 エピローグその2、最終回。
魔王の城は瓦礫の山でいっぱいだった。
ジェノスは引っ越しの支度を終えて、レイラに城の外で待機を命じた。
「いいザマね、ジェイノス。わたくしが直々に来た理由は分かってますわね。ふふふ、まさかあのくそったれルシアが生きていたとは思いませんでしたが、貴方を無力化させたのなら別です。まぁ、許して上げてもよろしいですの。殺さなかったのはいただけませんでしたが……」
「セリシアちゃん、相変わらず綺麗だねぇ。そして、陰湿だねぇ。僕が……、弱ったタイミングでわざわざココに来るなんてさ。良いのかい、女神様がお忍びで魔界になんて……」
「心配なさらずとも、大丈夫ですわ。ふふふ、貴方を殺す機会を与えてくれたのですから、ルシアとターニャには多少感謝してあげましょう。しかも、これから魔王が出てこないのならわたくしも、かなり仕事が減るので嬉しい限りですわ。欠陥品にも使い道があるなんて、ちょっと得した気分ですわね」
「あーあ、君は昔から打算的だよねぇ。でも、良かったね。これからお仕事が楽になるよ。僕の最後の仕事が終わるからさ」
「最後の仕事? それは何ですの?」
「それは、あたしから説明するわ」
「あっ貴女はフィリア=ノーティス。何故ここに?」
「ジェイノスの頼みを聞くためよ。あと数秒後に、魔界や天界を完全に地上から隔離するの。あたしの開発した、超時空移転装置でね」
「はぁ? それはどういう意味ですの?」
「つまり、魔界と天界は今後一切地上に干渉できなくなる」
「君はずっと魔界暮らしってことさ」
「バカな、そんなことが可能なはずが……」
「もう遅いわ、既に装置は可動したの。これでよろしいかしら?」
「ああ、ありがたいよ。フィリアちゃん。魔界は魔界、地上は地上、天界は天界で静かに暮らそう。もう魔王が居ないんだ、地上には君たちは不要だろ?」
「はぁぁぁぁぁぁ? それでは、わたくしは……、天界の為に尽力したわたくしが……。せめて、わたくしを天界に還しなさいよ!」
女神はその場に座り込んで、絶望の表情を浮かべていた。
「うーん、残念だったねぇ。君は天界で踏ん反り返っていれば良かったのに、変な気を起こすからこうなるんだよ。まぁ、魔界も住んでみれば、そんなに悪くないところだよ。仲良くやろうね、これから付き合いも長くなりそうだし」
「ええ、よろしく。女神様……」
ジェノスとフィリアはニコリと笑った。
次回 エピローグその2、最終回。
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