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第36話:第2の扉と光の球体と巨大な炎
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「ジンさん達がこの洋館に来たみたいですね」
フィリップは、あたしに話しかけた。
「じゃあ、ここまで来るのは時間の問題ですね」
あたしは勝ち誇った顔をしていた。
ほらみろ、立花はやっぱり来てくれた。
「それはどうでしょう?貴女は知らないでしょうが、ここまで来るためには私の用意したおもてなしを受けて貰わなくてはなりませんからね」
フィリップは不適な笑みを浮かべて言った。
「それでも、あたしには分かるの。フィリップさんは負けます。必ず」
あたしには何故かそんな気しかしなかった。
「まあ、貴女はそう思う他は無いですよね」
フィリップは余裕綽々だった。
「とりあえず彼らは第二の扉を通過しました。しかし、本当に過酷になるのはここからですよ」
楽しそうに笑うフィリップを横目にあたしは、立花達の無事を祈った。
――第二の扉前――
「今度はトラップはないだろうな?」
レオンは疑心暗鬼になっていた。
「どうだろうねぇ。何ならもう一回この試作品を使ってみるかい?」
立花はレオンに尋ねた。
「断る!というか、何で僕が開ける前提なんだ?お前が開けたらいいじゃないか」
レオンは扉を指差しながら言った。
「そうかい?それじゃあ私が開けようか」
立花は迷いもせずに扉を開けた。
「ずいぶん無警戒だな。何か起きたらどうするつもりだったんだ」
レオンは意外そうな表情をした。
「実は君が戦っている間に調べておいたんだ。最初から罠はないことは分かっていたからねぇ」
立花は部屋の中に入りながら説明した。
「ちっ、やっぱりお前はペテン師だな」
レオンはボソッと呟いた。
「油断大敵ですわ。慎重に行動してくださいまし」
ニーナは忠告しながら最後に部屋に入った。
「あら?先生、お兄様どこにいますの?」
ニーナが部屋に入ると、中には誰も居なかった。
「変ですわね。どこに2人とも行きましたの?」
立花とレオンの姿を探してもどこにも見えない。
――ヒュンッ
ニーナに向かって矢が飛んできた。
「危ないですわね。何ですの?」
避けながらニーナは矢が飛んできた方向を見た。
「よく避けた。と言いたいところじゃが…」
矢を避けたニーナの足元には真っ赤な円が描かれていた。
「捕獲じゃな」
真っ赤な円から光の球体が出てきてニーナを包む。
そして、そのまま天井まで浮かび上がった。
「やあ、君も捕まってしまったか」
球体の中に入って浮いている立花とレオンがいた。
「ちっ、これはどうやって壊せばいいんだ。剣ではどうにもならないぞ」
レオンは剣で球体を刺したり叩いたりしていたが、効果は無かった。
「うーん、無害なだけに頑丈に出来てるねぇ」
立花も球体を観察しながら言った。
「先生、このままでは…。」
ニーナは不安そうな表情を浮かべた。
「タイムアップまで、このままだろうね。だから、ニーナ君にあいつを倒してほしい。」
立花はニーナの顔を見て言った。
「私は君にも例の試作品の目印をつけたからねぇ。あそこの人形と入れ替えることが出来るのさ」
よく見ると、部屋の隅に小さな人形がある。
「だけど、今度捕まったら完全にアウトだよ。あの赤色の円の場所を全て覚えることが先決だ」
立花は、ニーナに説明した。
「承知しましたわ。少し時間をくださいまし」
ニーナは集中して配置を記憶し始めた。
――30分程時間が過ぎる。
「先生、お願いしますわ」
ニーナは決意を固めた顔をしていた。
「そんなに緊張しなさんな。大丈夫だよ、君なら勝てるさ」
立花はニーナの目を見て話した。
「余計に緊張してきましたわ…」
ニーナは苦笑した。
「おっとすまないねぇ。それじゃあ頼んだよ」
立花はポケットにあるスイッチを入れた。
ニーナの体は球体の中から消えて人形と入れ替わった。
「!?」
部屋の隅に立っているニーナを見て驚いている男がいた。
「何故じゃ、絶対に壊れない結界だったはずじゃったのに」
部屋の壁から老人が出てくる。
「あなたの仕業ですわね。大人しく先生達を解放すれば、何もしませんわ」
ニーナは剣を構えて、立花達の解放を促す。
「馬鹿を言うでない。このサイラスが小娘ごときに負けるわけ無かろう。もう一度捕まえてやるわ」
サイラスと名乗った老人は、何やら呪文のようなものを唱えている。
「これでも、食らうが良い。フレイムバズーカ!」
巨大な炎がニーナを襲ったが、ニーナは間一髪炎を避けた。
「まだまだ、いくぞ」
炎は次々と繰り出される。
「変じゃのお、一向にサークルの中に小娘は入らん。何故じゃ?」
サイラスは何度炎を繰り出しても全てを完璧に躱し続けるニーナに苛つきを感じていた。
「今ですわ!奥義、巨人の一閃(ギガントブレイク)」
巨大な衝撃波にサイラスは飲み込まれてしまった。
「ばっ馬鹿なあ」
サイラスは全身がボロボロになりそのまま、倒れた。
「何とかやりましたわ」
ニーナはホッとして剣を収めた。
約束の時間まで後、12時間10分
フィリップは、あたしに話しかけた。
「じゃあ、ここまで来るのは時間の問題ですね」
あたしは勝ち誇った顔をしていた。
ほらみろ、立花はやっぱり来てくれた。
「それはどうでしょう?貴女は知らないでしょうが、ここまで来るためには私の用意したおもてなしを受けて貰わなくてはなりませんからね」
フィリップは不適な笑みを浮かべて言った。
「それでも、あたしには分かるの。フィリップさんは負けます。必ず」
あたしには何故かそんな気しかしなかった。
「まあ、貴女はそう思う他は無いですよね」
フィリップは余裕綽々だった。
「とりあえず彼らは第二の扉を通過しました。しかし、本当に過酷になるのはここからですよ」
楽しそうに笑うフィリップを横目にあたしは、立花達の無事を祈った。
――第二の扉前――
「今度はトラップはないだろうな?」
レオンは疑心暗鬼になっていた。
「どうだろうねぇ。何ならもう一回この試作品を使ってみるかい?」
立花はレオンに尋ねた。
「断る!というか、何で僕が開ける前提なんだ?お前が開けたらいいじゃないか」
レオンは扉を指差しながら言った。
「そうかい?それじゃあ私が開けようか」
立花は迷いもせずに扉を開けた。
「ずいぶん無警戒だな。何か起きたらどうするつもりだったんだ」
レオンは意外そうな表情をした。
「実は君が戦っている間に調べておいたんだ。最初から罠はないことは分かっていたからねぇ」
立花は部屋の中に入りながら説明した。
「ちっ、やっぱりお前はペテン師だな」
レオンはボソッと呟いた。
「油断大敵ですわ。慎重に行動してくださいまし」
ニーナは忠告しながら最後に部屋に入った。
「あら?先生、お兄様どこにいますの?」
ニーナが部屋に入ると、中には誰も居なかった。
「変ですわね。どこに2人とも行きましたの?」
立花とレオンの姿を探してもどこにも見えない。
――ヒュンッ
ニーナに向かって矢が飛んできた。
「危ないですわね。何ですの?」
避けながらニーナは矢が飛んできた方向を見た。
「よく避けた。と言いたいところじゃが…」
矢を避けたニーナの足元には真っ赤な円が描かれていた。
「捕獲じゃな」
真っ赤な円から光の球体が出てきてニーナを包む。
そして、そのまま天井まで浮かび上がった。
「やあ、君も捕まってしまったか」
球体の中に入って浮いている立花とレオンがいた。
「ちっ、これはどうやって壊せばいいんだ。剣ではどうにもならないぞ」
レオンは剣で球体を刺したり叩いたりしていたが、効果は無かった。
「うーん、無害なだけに頑丈に出来てるねぇ」
立花も球体を観察しながら言った。
「先生、このままでは…。」
ニーナは不安そうな表情を浮かべた。
「タイムアップまで、このままだろうね。だから、ニーナ君にあいつを倒してほしい。」
立花はニーナの顔を見て言った。
「私は君にも例の試作品の目印をつけたからねぇ。あそこの人形と入れ替えることが出来るのさ」
よく見ると、部屋の隅に小さな人形がある。
「だけど、今度捕まったら完全にアウトだよ。あの赤色の円の場所を全て覚えることが先決だ」
立花は、ニーナに説明した。
「承知しましたわ。少し時間をくださいまし」
ニーナは集中して配置を記憶し始めた。
――30分程時間が過ぎる。
「先生、お願いしますわ」
ニーナは決意を固めた顔をしていた。
「そんなに緊張しなさんな。大丈夫だよ、君なら勝てるさ」
立花はニーナの目を見て話した。
「余計に緊張してきましたわ…」
ニーナは苦笑した。
「おっとすまないねぇ。それじゃあ頼んだよ」
立花はポケットにあるスイッチを入れた。
ニーナの体は球体の中から消えて人形と入れ替わった。
「!?」
部屋の隅に立っているニーナを見て驚いている男がいた。
「何故じゃ、絶対に壊れない結界だったはずじゃったのに」
部屋の壁から老人が出てくる。
「あなたの仕業ですわね。大人しく先生達を解放すれば、何もしませんわ」
ニーナは剣を構えて、立花達の解放を促す。
「馬鹿を言うでない。このサイラスが小娘ごときに負けるわけ無かろう。もう一度捕まえてやるわ」
サイラスと名乗った老人は、何やら呪文のようなものを唱えている。
「これでも、食らうが良い。フレイムバズーカ!」
巨大な炎がニーナを襲ったが、ニーナは間一髪炎を避けた。
「まだまだ、いくぞ」
炎は次々と繰り出される。
「変じゃのお、一向にサークルの中に小娘は入らん。何故じゃ?」
サイラスは何度炎を繰り出しても全てを完璧に躱し続けるニーナに苛つきを感じていた。
「今ですわ!奥義、巨人の一閃(ギガントブレイク)」
巨大な衝撃波にサイラスは飲み込まれてしまった。
「ばっ馬鹿なあ」
サイラスは全身がボロボロになりそのまま、倒れた。
「何とかやりましたわ」
ニーナはホッとして剣を収めた。
約束の時間まで後、12時間10分
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