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第1章

オークの洞窟生活 (3)

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 祭りの準備は『広場』と呼ばれる、バスケットボールのコート1面ほどの広さの場所で行われた。そこは怪物たちの住む洞窟の中で最も広い場所で、皆が集まる際に決まって使われる。部屋の中央の壁際に石で造られた粗末な玉座が置かれ、天井の一部が開けていて空が見える以外には何もない大きな部屋だ。

 準備が整う頃には天井の穴から見える空もだいぶ薄暗くなっていた。ご馳走が盛られた大皿が数枚と、色とりどりの果物が乗せられた大皿が持ち込まれ、酒樽が転がされながら運び込まれ、部屋の四隅には松明が焚かれた。玉座の斜め後ろに控える豚面の怪物が、手にした角笛を吹くと、部屋の左右の通路から続々と豚面の怪物たちが集まって来た。準備をしていたオレとハックを入れると、その数48匹。全員が揃うと再び角笛が鳴り響き、グリズと族長が悠々と姿を現した。

 族長は大柄なグズリより更にひと回り大きく、立派な鬣と髭には僅かに白い物が混じっている。所々に錆びが見られる鎖帷子の上から、くたびれた臙脂色のビロードのマントを羽織り、腰には怪物には不似合いな長剣を下げていた。それはまるで中世の騎士を思わせる時代錯誤も甚だしい格好だったが、他の豚面の怪物たちと別格であることが容易に見て取れた。

 「ババンバ様!」
 「よっ! 我らが族長!」

 そこかしこから族長への声援が上がる。族長の名前はババンバと言うらしい。どことなく8時に全員が集合するという昭和の人気番組を彷彿とさせる。族長は不似合いな赤のビロードのマントを翻し、胸を突き出して隆起させるほど一杯に息を吸い込んだ。次の刹那には広場一杯に響き渡る咆哮を放った。それを耳にした豚面の怪物たちがドッと盛り上がる。

 「者どもぉ! 祭りの始まりだ。飲んで、食って、大いに騒ぐが良いぃぃ!」
 「「うおぉぉぉぉおお!!」」

 その掛け声と共に広場に地鳴りのような歓声が響き渡る。オレは完全に周囲の盛り上がりに取り残され、異様なテンションで騒ぎ立てる豚面の怪物たちにドン引きしていた。豚面の怪物は我先にと肉を食い漁り、果物を貪り、酒を呷る。オレとハックが少し遅れて食事を取りに向かうと、既に大皿の上はグチャグチャになっていた。食事風景にはその人物の育ちや品格が現れると言うが、この光景はそのまま豚面の怪物たちを現しているのだろう。

 同じ豚面の怪物として少し情けない気分になったが、ここではオレの方が新参者。郷に入りては郷に従えだ。オレは気にせず皿にたっぷりと料理を取り分けて、その横に果物を山盛りに乗せ、並々と酒の入った器を手にした。

 獅子猪ししいのの肉とグスト茸に香辛料を効かせた肉料理は、オレには少し香辛料の独特な風味が強すぎる気もしたが、野性味あふれる獅子猪の肉の評判は上々だ。パン芋と麦のような穀類と、山鳥を炊いたものはオレの口に合った。あっさりとした塩味と山鳥の肉の旨味が、パン芋と麦と良くマッチしている。数種類とってきた果物は、どれも見てくれはそこそこだが味は格別だった。

 問題は酒だ。スパイスの効いたエールビールのような味わいなのだが、雑味がとても強く何より温い。やはりビールはキンキンに冷えたのをひと息で飲み干したい。そんな物がないのは百も承知なのだが、無いと思うと余計に冷えたビールが恋しい。オレは項垂れながら肉料理を咀嚼し、水分補給と割り切って、温くて雑味がやたらと主張するビールを口にした。

 玉座の周りには数人の女性らしき姿が見える。女性たちはババンバに酒を注ぎ鳥の羽で作られた団扇を扇いでいる。だが、その足元を見ると足枷のような物が付けられており、動きはとても不便そうにしていた。

 「そろそろ力試しを行うとするか!」

 族長がそう口にすると豚面の怪物たちから歓声が上がる。ようやく何かが始まるらしい。祭りと言う割に食って飲んでしているだけの内容に、ひょっとしたら感謝祭のようなものなのかと疑問を抱いていたところだ。

 「我こそはと思う者は前へ出ろ! 勿論、勝者には褒美の用意があるぞ!」

 その言葉と同時に更に大きな歓声が上がり、何匹かの豚面の怪物たちが立ち上がって広場の中央へと歩み出た。勝者と言うからには何かの競技が行われるのだろう。褒美とはいったいどんなものなのだろうか。オレはそんなことを思いながら、まずいビールを啜って成り行きを眺めた。

 「クロは行がないのガ?」

 ハックが口からグスト茸を覗かせながら訊ねてきた。行かないも何もオレはどんなことが行われるのかも知らないのだ。出来ることなら当たり障りなく、この同胞とも言える豚面の怪物たちの中に紛れ、1日も早く無くした記憶の糸口を探し出すのがオレに課せられた使命だ。訳の分からない行事に巻き込まれるのは御免だ。

 「おぉ、そうだ。クロ、お前ならいい線まで行きそうだぜ」
 「そうだ、そうだ。試してみろよ」

 ハックの言葉に乗っかるように、ギョロ目と糸目の見張り役たちもオレに参加を勧める。コイツら見張りの仕事をさぼって酒なんか飲んでて大丈夫なのか。

 「いや、そもそも何が始まるのかも良く知らないし」
 「簡単な力試しさ」

 そう言うとハックはこれから行われる『力試し』と呼ばれる競技の内容を説明する。広場の中心に半径5メートル程の円が描かれた。参加者は2人ずつその輪に入って開始の合図と共に力と力のぶつかり合いをする。勝敗は一方が輪から出されるか、参ったをするか継続不能となった時点で決まる。相撲と格闘技を混ぜ合わせたようなものらしい。

 「もしも最後まで勝ち抜けば凄い褒美がもらえるぜ?」
 「あぁ、オレもクロくらい体がデカかったら、絶対に参加して褒美をもぎ取ってやるのになぁ」

 ギョロ目と糸目はそんなことを言いながらまだ見ぬ褒美に思いを馳せ、うっとりとした顔をして妄想世界へと旅立っている。正直なところ格闘技には多少ながら腕に覚えがある。訳あって幼い頃から鍛え上げられたので、その貯金が些か残っていると言う程度なのだが、恐らくこいつらの動きを見る限りそこそこ良い成績を収めることは可能なはずだ。だが、ここで目立つのは好手とは言えない。昼にもグリズにあまり調子に乗るなと言われたばかりだ。オレ自身はまったくそんな気はなかったのだが、無駄な摩擦は避けなければ。

 「おい、お前!」

 不意にこちらへ向けられた声に振り返ると、革製の胸当ての下に毛皮も着込んだグリズが仁王立ちでこちらを見下していた。オレに話し掛けていたのはすぐに分かったが、敢えて視線を合わせないように俯いた。

 「獅子猪ししいのを倒したというお前だ。どうして力試しに出ない?」

 グリズがまるで何かの罪を咎めるかのような口調で問い掛ける。下手な答え方をすれば機嫌を逆撫でするであろうことを察したオレは、慎重に言葉を選びながら答える。

 「いえ、あれはマグレなんです。本当に。運が良かっただけなんです」

 オレの言葉を耳にしたグリズが、毛を逆立てながら唸り声を上げて、怒り心頭の表情を顔に浮かべた。どうやらオレは選択を誤ったようだ。どこが間違っていたのか思い当たらないオレは周囲の様子を窺ながら、いつでも逃げ出せるように軽く腰を浮かせてグリズの次の言葉を待つ。あぁ、嫌だ。何でこうなるんだ。

 グリズはいつまでもオレを睨みつけたまま、仁王立ちでその場から動こうとしない。何とも言えない圧迫感が押し寄せて来る。居たたまれなくなったギョロ目と糸目が、助けを求めるような視線をオレに向けてくる。

 「獅子猪を倒したというその者、その者も力試しに参加するがいい。祭りは盛大に行ってこそ楽しみも増すというものだ」

 玉座からオレたちの様子を眺めていた族長が声を掛ける。あぁ、最悪だ。族長にそう言われて断れるはずもない。

 「わ、わかりました。出させていただきます……」

 仕方なくオレがそう答えると、グリズはフンッと荒い鼻息を放ちようやくその場を去って行った。その瞬間にハックとギョロ目と糸目が3人揃って大きな溜息をついた。

 「グリズ様に睨みつけられてあそこまで粘るとは、やっぱりクロは只者じゃねえな」

 ギョロ目が妙なことに感心を示すと、ハックと糸目も大きく頷いた。確かにあの威圧感からするとグズリも相当な使い手なのだろう。そんなヤツに目を付けられるとは付いていない。それにも増してあのタイミングで族長からダメ押しの声が掛かるとは。ひょっとすると上手いこと獅子猪を仕留めたことで、運を使い果たしてしまったのだろうか。

 オレは獅子猪を倒したのはマグレだったと言った自分の言葉に思いを巡らしながら、重い腰を上げて広場の中央に集まる豚面の怪物たちの元へと向かった。そこそこ戦ったら、わざと負けて早々に引き上げてくるか。そんなことを考えながら進むオレの背後から、ハックたちの大きな声援が聞こえた。出来るだけ目立つことを避けたいオレはその声援には答えもせず、静かに部屋の中央に描かれた円の方へと向かった。

 「他に参加する者はないか?」

 最後通告のように問い掛けながら、角笛を手にした審判らしき豚面の怪物が周囲を見回す。その言葉に反応する者がいないことを確認すると、参加者たちをその場に整列させ、角笛を吹き鳴らし族長に参加者が揃ったことを告げる。参加者はオレとグズリを含めた6名。この人数が多いのか少ないのかオレにはまったく見当がつかないが、玉座に腰を掛けた族長のババンバが満足気に笑みを浮かべているのを見ると、決して悪い数ではないのだろう。

 「よし、ではくじ引きを行う。順番に1つ選べ」

 そう言って審判が布の袋を差し出した。促されて袋の中に手を入れると、ゴツゴツとした歪な殻のような感触が手に伝わる。

 「早くしろ」

 そう急かされて取り出したのは、オッカと呼ばれる木の実の殻だ。オッカは歪な形をした木の実で、その殻はちょうど2つに割れる特徴を持つ。だが、その接合面の歪さ故に別の実の殻と合わせようとしても絶対に合わない。同じ実の殻を選んだ者同士が対戦するという寸法だ。

 オレはぐるりと参加者たちを見回した。オレと同じくらいの身長の者が1人、オレよりやや低いが重量感のある体格の者が1人、残りの3人は似たり寄ったりの平均的な体格をしている。グズリだけには当たらないでくれと内心で呟きながら、皆が一斉に手にした殻を差し出すのを見て、オレも同じように差し出した。

 1人1人の殻を組み合わせながら確認していく。
 決定した組み合わせは以下の通りだ。

 長身の怪物vs気の弱そうな怪物
 重量感のある怪物vsオレ
 平均的な怪物Avs平均的な怪物B

 気の弱そうな豚面の怪物は、自分の持つ殻が長身の豚面の怪物のものと一致した瞬間に、小さく悲鳴を漏らした。何て運がないやつだ。だが、オレも人のことを言ってる場合ではない。オレの持つ殻と一致した重量感のある豚面の怪物は、勝負が始まる前から鼻息を荒くしてこちらを睨んでいる。残る平均的な体格の豚面の怪物たちは、オレにはどちらがどちらなのか見分けが付かない程に似ていた。

 組み合わせが発表されると観客の豚面の怪物たちから一斉に歓声が上がった。ギョロ目たちも「目んたま引っこ抜け!」とか「噛み殺せ!」などやたらと物騒なことを叫んでいたが、とりあえず他人のふりをしておこう。

 「それではこれより力試しを行う。ラルゴとレケ前へ」

 審判の呼び出しに従い、土俵のような輪を囲むようにして座る参加者たちの中から、ラルゴと呼ばれた長身の豚面の怪物と、レケと呼ばれた気の弱そうな豚面の怪物が前に出て輪に入る。審判が簡単にルールを説明する。今まで何度も行われてきたであろうこの競技では今更と言えることなのだろうが、オレにとっては確認の意味でも重要なことだ。禁止となるのは噛み付きと目潰しのみらしい。良い頃合いで負けるのは問題ないが、反則負けでは他のやつらからの心証も悪いだろう。

 輪の中央近くでお互いに見合う両者は、態勢を低くしてまるで相撲の立ち合いのような構えを取る。勿論、拳を握って地面に着けるようなことはせず、軽く握られた拳は顔の前に構えられる。

 両者の構えが整った瞬間に角笛が鳴り響く。勝敗は一瞬だった。ラルゴが勢い良く頭から突進したところに、その迫力に怖気づいたレケが目を瞑って咄嗟に屈むと、ちょうどラルゴの真下へ潜り込むような態勢になった。背中にラルゴの気配を感じたレケが、悲鳴を上げながら勢い良く立ち上がると、ラルゴはその勢いで跳ね上げられて仰向けに倒れた。気が付くと輪の外へ足が出ていたラルゴは、愕然とした表情を浮かべたまま暫くそのまま固まっていた。

 「勝者、レケ!」

 一瞬の静寂の後、まばらな歓声と笑い声が同時に湧き上がる。勝ったレケは恐縮しながら愛想笑いを浮かべ、負けたラルゴは茫然とした表情のまま、仲間たちに土俵の外へと運び出されていた。オレは2人の戦いを目の当たりにし、愕然とした。こんな低レベルな戦いで、いったいどうやってわざと負ければ良いんだ。そんなことを考えているうちにオレの名前が呼ばれる。

 「それでは2回目の力試しを行う。ロトンとクロ前へ」

 作戦も考え付かないままに輪の中央へと進んだオレに、審判に自分の名前がクロダではなくクロだなどと文句をつける余裕などない。どうする。取り敢えず鼻息の粗いこいつが突っ込んできたところを、そのまま受け止めながら輪の外に転がり出るか。観客たちの中には「勝った」とか「負けた」とか言いながら何かのやり取りをしているのが見える。どうやらこいちうらは勝敗を賭けているらしい。くそ。人の気も知らないで、そんなことを考えていると、開始の合図となる角笛が吹き鳴らされた。

 にじり寄るロトンは、案の定そこからいきなり突進して来た。負けるにしても上手い負け方が要求される。下手を打って胸骨でも折ったら大変だ。オレは上手く突進を受け止めようと態勢を低く身構えた。その刹那に右側からハンマーを振り回すような、強烈なロトンの左拳が風を切って鼻先を掠める。

 それは単純な左フックだった。突進して跳び込んだと同時に放ったそれは、さほどキレのある拳ではなかったが、ある種の殺気を孕んだ一撃だった。言い訳をするなら、前の試合のドタバタな印象が強すぎた。咄嗟に左フックをかわしながら突き出したオレの左膝が、ロトンの豚面を打ち抜いていた。僅かに避け損ねたオレの豚鼻から血が滴る。ロトンがその場に膝から崩れるように倒れると、広場は不気味な静寂に包まれた。
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