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君を見て森を見たい
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辛うじてお縄になっていないだけで悪い奴なんていくらでもいる。だがアイツはこう言っていた。そいつらがいなければいい奴がいても尊く見えない。大事にしたい人間の存在を気付かせてくれるきっかけをくれたんだとね。親切なことをしてあげる人だって他人への貢献などおくびにも出さない人が多い。何の自慢もしないからその人たちの存在を浮き彫りにする人も偉いって思えば人気も捨てた物ではないと思える。木を見て森を見ないっていうじゃないか。瑣末でない部分に目を奪われて全体が見えていないことなんかにさ、いうじゃない。あれと同じで、いつか褒められるのが恥ずかしくて目立たないシャイな人に面と向かってこう言いたいんだって言っていた。「君を見て森を見たい」とね。あっちの世界へ行って、アイツは誰かにこんなこと言えたのかな。そしたら、それも幸せだよな。
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