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みんなメドゥサ
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美冴が台所に立って洗い物をしている。ねずみ色のエプロンの肩紐でもずらすように肩を動かしながらだ。「ああ肩が凝って痛い。ガチガチ。まるで石のようだ」そういえば仕事に追われているときなんかみんなメドゥサみたいな顔で仕事しているし、それを見て石になっちゃったのかしら。その後ろに娘の総子が立つ。ほどけかかったエプロンの紐を直すように引っ張って総子が憤る。「ねえママお人形のこと考えてくれた?」少女の催促は食器を纏める音にかき消された。総子はガチャガチャという陶器が重なる音に自分の聞き分けの無さを叱責された気がした。
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