ああ、スライム。君はなんておいしいんだ!

空兎

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スライム、出来心…

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2000sというおそらくマジぼったくりな価格を支払って神のごとくうまいスライムゼリーを手に入れる。

ふふふっ、このスライムゼリーは大事に大事に取っておいて特別な時に食べよう。コメット袋に入れておくと時間経過しなくて腐らないからしばらく置いておいても大丈夫だ。

にしても王都にはこんなにも素晴らしいスライム菓子があるんだなぁ。そんな予定はなかったけれどこれは1度是非王都にも行くべきですね。そして街中のスライム菓子を買い占めてやりましょう。

スライムゼリーも頂いたしじゃあ荷馬車から降りて旅を続けようとするとブータンさんが

『ま、待って欲しいんですぞっ!もう少し、もう少しこの荷馬車に乗ってもらえないでしょうか?外で野宿するより快適ですし朝食にスライムゼリーをお出ししますぞ!(タダとは言っていない)』

というので一晩お邪魔することにした。正直何言われてもコメット袋は譲るつもりはないんだけど、ブータンさんはまだおいしいスライムゼリーを持っているみたいだし交渉次第では買わせてもらえるかもしれない。

いやぁ、お金があって本当に良かったな。オークキングとの戦い本当に大変だったけどスライムを買うための資金を得られたしクエスト参加して正解だったよ。

そんなわけでもう少しこの荷馬車にお邪魔することにする。ちなみにこの荷馬車にはブータンさんとラフさんと御者の人とあと数人の護衛がいるらしい。

御者の人はこの荷馬車を操縦しているので姿は見かけないしラフさんも『あ、じゃあ俺見張りに戻るっすね』と言って外向きに座ってしまった。でも耳は傾けているらしく時折り話に入ってきた。

逆にスラりんは自分から話に入ってくることはほとんどない。話を振れば『そうですね』と答えてくれるが会話すること自体に興味なさげだ。

まあ人型になっているけどスライムだもんね。モンスターだからおしゃべりはそんなに好きじゃないのかもしれない。

「ふぉっ、ふぉっ、エアトさんは何故旅をしているのですかな?」
「色々なスライムを食べるためです」
「そ、そうですか。なんでそんなにスライムが好きなんでしょうか?」
「おいしいからです」
「……ここまでスライムが好きな人は初めて見ましたぞ。まあ確かにおいしいですし人気の商品ではありますが、そのために旅までしちゃう人は聞いたことがありませんぞ」

ブータンさんが若干引きつった顔でそういう。そうかな?スライムのおいしさは人生賭ける価値のあるものだと思いますよ?絶対に俺以外にスライムを求めて旅をしている人はいますって。

ブータンさんの商売の話を聞いたり俺の旅の話をしたり時折コメット袋の交渉されたりなんてしていると辺りが暗くなってきた。今日はここで野宿するらしい。

夕食はどうするのか、と聞くと携帯食料を食べると返答された。ああ、あのお腹は膨れるけどボソボソとしていておいしくない乾物か。あれが晩ご飯は嫌だなぁ、と思ったのでコメット袋から鍋を取り出して食事の準備をする。

小角猪のお肉はまだあるし牡丹鍋を作ろう。鍋なら失敗しにくいし皆で食べれるもんね。

鍋を取り出し料理を始めるとラフさんがギョッとして『鍋を持ち歩いているんですか?』と聞いてきた。

『まあ、コメット袋ありますし』と答えるとブータンさんがキィーっとハンカチ噛んで悔しがる令嬢みたいな顔で『やっぱりコメット袋羨ましいですぞ!私も欲しいですぞ!』と叫んでいる。でもあげません。だってやっぱり便利だし。

水炊きでも小角猪から出汁が出てそれなりにおいしいけど、ブータンさんが調味料をくれてラフさんが味付けをしてくれたのでさらにおいしくなった。

ラフさん料理上手ですね。本物の料理人にも負けませんよ、というと照れた顔で『妹においしいもの食べされたくて料理の腕を磨いたんです』と返された。泣いた。いいお兄ちゃんじゃないですか。

そんなわけで御者の人と護衛の人たちも呼んで皆でご飯を食べる。ただし、『中に入っているスライム団子はあげませんよ?』とガチトーンでいうと皆苦笑しながら『スライムはエアトさん物ですわ。取ったりしません』といってくれた。世界は平和だ。おいしいご飯を堪能しました。

その際スラりんが出してくれたちびスラも料理して鍋に入れたのだが、まあ味についてはノーコメントかな。スライムを食べられたのでもちろん俺は幸福ですよ?スラりんも食べられて実に嬉しそうな顔をしていた。よかったね。

そんなわけで1日が終わった。荷馬車の中で寝てもいい、ということなのでコメット袋から枕を取り出して横になる。いやぁ、屋根があるところで寝れるのは良いですね。それではおやすみ、ぐーっ。

 そうしてどれぐらいの時間が経ったのだろうか。巨大なスライムゼリーの中を全力で泳ぐ夢を見ていると、ふと、意識が浮上する感覚があった。誰か話している?なんか声が聞こえてくるぞ。

『ラフ、やるのです。もうこれしか手がないのですぞ』
『ダメですよ、旦那。それは流石にまずいですって』

ぼんやりとした意識の中に声だけが流れ込んでくる。これはラフさんとブータンさんかな?でも何話しているかはよくわからないや。

『今まで何度もコメット袋を探してきましたが見つけることすらできなかったのです。もう、これが最後のチャンスだとしか……、』
『落ち着いて下さい、旦那。だからといって盗むのはよくないですよ。今回はスライムゼリーでボロ儲けしたんだからいいんじゃないですか。あれ、仕入れ値はひとつ100sだったんでしょ?』

うっつらうっつら夢と現実を行き来する。なんかスライムゼリーの値段がぼったくであることが確定したような気がするが眠すぎてよくわからん。あー、意識が落ちていく。

『そんなのは私が大商人になることを考えたら些細なことなんですぞ!私には才能があるんです!チャンスがあれば必ず世界的な商会を立ち上げることができるのです!これが、そのチャンスなのですぞ』
『でも盗ったとしてもギルドに訴えられたらどうするんですか?すぐに足がつきますよ?』
『ふぉっ、ふぉっ、ラフ、冒険者は自己責任なんですよ?旅の途中でひと組の冒険者が消えたところでだれも気にしません』
『旦那、まさか……』

そこで一旦声が聞こえたくなった。もうお話し合いは終わったのかな?では寝ましょうよ。よく寝ないと身体が休まらない。身体が休まらないと元気じゃなくなる。元気じゃないとスライムがおいしくなくなる。おいしくスライムを食べるためにもじっくり寝るべきなのです。

『旦那、それはだめです。俺にはそれはできないです。エアトさんは、だって、恩人ですし、スラりんさんなんてまだ子どもじゃないですか。それを、そんな……』
『ラフ、貴方の妹は確か病気でしたね』
『……ッ、旦那、』
『この仕事を無事終えたら妹の薬代を出してあげるのです。妹を治すためには高額な薬代が必要なのですよね?』
『……チロルの薬代、』

苦しそうなラフさんの声が聞こえてくる。まだ話し合いは終わってなかったらしい。何かお困りごとでもあるのかな?でもごめん。俺は眠いわ。

枕に深く頭を埋める。そしてゆっくりと意識が落ちていった。

『旦那、俺は……俺は、』

最後にラフさんが何か言った気がした。





「エアト様、起きて下さい」
「ふわぁ?」

誰かに揺すり起こされて目がさめる。

ゆっくりと身体を起こし目をこする。全然寝足りないんだけどもう朝なの?あくびを噛み殺しながら外を見る。まだ薄暗いやんけ。なんでこんな時間に起こされたんだ?

「なに、スラりん。まだ寝ていたいんだけど?」
「お休みのところすみません。狼藉者数人を捕えましたのでどうすれば良いかと。特にご希望がなければ殺しておきますね」

狼藉者?え、この馬車を襲ってきた奴らがいるの!?

スラりんの言葉にまどろんでいた意識が覚醒する。慌てて飛び起き辺りを見渡すと顔に緑色のスライムをくっつけてピクピクと震えているブータンさんとラフさんの姿があった。……え、

「うええぇっ!??なにこれ、スラりん何しているのっ!?なんでブータンさんとラフさんがスライムまみれになっているの?!」
「エアト様を襲う算段を立てていましたので捕えておきました。殺してもよろしいですか?」
「全然よろしくないですけど?ちょっ、ふたりピクピクしているしこれヤバいよ!取り敢えずスラりん、顔に張り付いているスライム剥がそうよ!」

スラりんは不思議そうな顔で『エアト様がそういうのであれば、』といってふたりの顔に張り付いていたスライムに退くように指示した。

うわーっ、怖かった。気付いたら人殺しになるっているとかそんなハードな人生は送りたくないよ。

スライムが剥がれた瞬間ラフさんはゲホッ、ゲホッと咳き込み起き上がる。よかった、ちゃんと生きていたみたいだ。でもブータンさんの方は泡吹いて動かない。え、まさか死んだ!?

「ガホッ、ハッ、スライムみたいな名前だと思ったけど本当にスライムだったなんて聞いてないっす」
「はい、スラりんはスライムです。それで、えっと、ブータンさんは大丈夫ですか?」
「……気絶しているだけっすね。呼吸してますし生きてますよ」

ラフさんがブータンさんの顔のところに手をやるとそう答えた。ああ、よかった。ブータンさん死んでなかったんだね。人殺しとしての人生なんて送りたくなかったから本当によかったよ。

さて、それでそもそもなんでこんな状況になってしまったのか。スラりんはふたりが俺を襲おうとしたのたと言ったんだけど本当なんだろうか?

「あの、ラフさんとブータンさんは俺を襲おうとしたんですか?」

そういうとラフさんの顔色がサッと青ざめた。そしてガタガタと震えるとバッとその場で頭を下げた。

「すいません。旦那はどうしてもエアトさんの持っているコメット袋が欲しくて、……その通りっす。俺たちはエアトさん達を襲おうとしました。この人は今まで機会に恵まれなくて、本当は凄い商才を持っているはずなのに片田舎に小さな店を構えることしか出来ていないんです。コメット袋さえあったら商売の可能性が広がる、そう思って手が出てしまったんです。本当にすいません。ちゃんと償いはします。だから殺さないで下さいッ」

ガタガタ震えながらラフさんが命乞いをする。え、いや、殺すとかないですよ。この人には俺がどんな鬼畜キャラに見えているのだろう。人殺しなんて致しません。

「エアト様に危害を加えようとしていた分際で何を言っているのでしょう?こんな戯言に耳を貸す必要はありません。エアト様、殺しましょう」
「なるほど、お隣が物騒だから俺も鬼畜キャラ扱いになったんですね。スラりん、落ち着こう。俺の精神安定的にも人殺しはちょっとしたくないです」

殺気立つスラりんをなだめる。こんな絶対殺すマンのスラりんがお隣にいたらそりゃラフさんも命乞いを始めますよね。

チンピラに襲われた時も思ったけどスラりん、殺る気高いですよね。スライムって意外と好戦的な種族なのだろうか?見た目あんなにぽわぽわしているのに。

「殺さないのですか?」
「殺さないですよ」
「そうですか。エアト様がそうおっしゃるなら承知いたしました」

スッとスラりんが身を引く。俺の頼みはちゃんと聞いてくれるらしい。だけれどもいつまたスラりんの殺る気が発揮されるともわからないので早く決着をつけよう。

じっーとラフさんを見つめる。ラフはまだ頭を下げてガタガタと震えていた。

この人は悪い人ではないと思う。今まで話した感じ陽気で面白いお兄さんだ。ブータンさんも別に悪人ではない。ただ、商売に熱心すぎる人なんだろう。

そんな人たちがどうしても欲しかった物を俺が持っていたからちょっと魔が差しちゃったんだろうな。

これからはコメット袋を人前で堂々と使うのはやめよう。価値あるものを持っていると余計なトラブルもついてくるのだと身をもってわかってしまった。

俺のコメット袋には他にも色んな珍しい物が入っているけど、それも軽々しく他の人に見せてはならないのだろう。冒険者は自己責任、自分の身を守るために余計な注目を集めないようにすべきだ。

今回の件は俺にも責任がある。よく旅の仲間やミツバにエアトはちょっと抜けていると言っていたけどこういうところじゃないかな?ちょっと反省。これからは清く正しく生きていくことを誓います。

そしてラフさん達についてだ。どんな理由があろうともこの人達が俺を襲おうとした事実である。チンピラ達のように縛り上げて道に放置するのもある。だけど、

少し考えてからコメット袋に手を突っ込む。そしてあるものを取り出すように強く念じた。

「ラフさん」
「は、はい。エアトさん」
「これ、あげますよ。妹さんに使ってみてください」

スライムの蓋が付いた深濃緑色のスライムポーションをラフに差し出す。

ラフさんはゆっくりと顔を上げると俺の手に持つスライムポーションをこわごわとした表情でみた。

「これは?」
「特級ポーションです。ポーションで病気が完全に快復するとは限らないんですけど、体力は回復するので元気になりますよ」
「特級ポーションって、え、本物ですか?!」

バッと身体を起こしてラフさんがスライムの蓋が付いたポーション瓶をマジマジと見つめる。いえす、いえす。本物です。効果はバッチリのスライムポーションですよ。ただ味は苦いけど。

「本物ですよ。ただおいしくはないです」
「なんでそんな貴重な物を俺に。だって俺はエアトさんを襲おうとしたんですよ?」

ラフさんは眉を曲げて困惑顔でこちらを見る。ふむ、理由かぁ。自分でもあんまり深く考えてなかったなぁ。まあそもそも俺はラフさんに敵意は持っていない。

だってこの人は俺を襲おうとしてないし。

「『俺は……エアトさんを殺せないです。そんなことしても妹は喜ばない。俺は、妹にとって誇れる兄でいたいんです』って言ってくれたじゃないですか。ラフさんはいい兄です。妹さん、元気になるといいですね」

そう言ってラフさんの手にスライムポーションを乗せる。

思い出したんだけど、夢うつつで半分寝ぼけていた時にラフさんがそう言っていた気がするんだよね。

ラフさんは結局俺を襲おうとしなかった。襲ったのは周りの人間だけだった。それを言い訳もせず自分のせいだというこの人はいい人だ。妹思いのとてもいい人だ。ならば親切にしたくなるじゃないか。

ラフはスライムポーションと俺を交互に見る。そして、ポロリと涙を流した。

「俺、街についたら自首します。旦那を連れて必ず行きます。そうじゃないと妹に誇れる兄じゃないです。……エアトさん、ありがとう」

ポロポロとラフさんの目から涙がこぼれていく。ラフにも立場とか情とか色々あって大変だったんだろうな。でもこの人には良心があった。

うん、よかった。うん、ラフさん。

妹さん、元気になるといいね。

それだけ告げてそのまま2人を置いてまだ薄暗い外を出発する。流石に俺を襲ってきた人たちと朝まで一緒というのも怖いですから。

旅をしていると色んなことがあるんだなぁ。会う人が皆いい人ではないし悪い人でもない。でもまあきっと人生ってそんなものなのだろう。

だけどもただ一つ、俺に悔いがあるとすればそれは、

……朝食のスライムゼリーを食べそびれたことだ。

ああ、あのままあそこにいたらもう一個神のごとく美味しいスライムゼリーを食べることができたのかもしれないのに。

いや、でも襲おうとする人がいるところで朝を迎えられるほど俺も図太くないもんな。はぁ、スライムゼリぃー。

落ち込む俺にスラりんがニコニコしながら何かを差し出す。濃い緑色でプルプルしている。あ、はい。この展開も慣れてきましたね。

『スライムをご所望なのですね。わたしを食べて下さい』というスラりんに若干口元を引きつらせながらちびスラを受け取る。

ああ、おいしいスライムをお腹いっぱい食べることはなかなか難しいなぁ。


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