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第二部
情報収集②
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「それでシロムさんは三層の最初の分かれ道が知りたいということでいいですか?」
「うん、それと他のパーティがどうやってあの迷路みたいなダンジョンの道筋を覚えられているのかわかるなら教えて欲しいんだけど、」
「構いませんよ。分かれ道の情報は銀貨3枚で、他のパーティがどうやって攻略しているかは有名な話ですしここの代金を持ってくださったらお教えします」
「じゃあそれで頼むよ」
というわけで銀貨3枚とパンケーキ代でラリーから情報を買う。ラリーは手元のフキンで口を拭うと情報について話し始めた。
「まず、分かれ道についてですが、1番左の道が最短です。三層はだいたい半日ほどで抜けられるそうです。真ん中の道も四層に繋がっていますが2日ほどかかると思います」
「なるほど、左の道が正解だったんだね。これでほかの道は調べずに済んだよ」
「なあ、なんでラリーは三層の攻略のことまで知っているんだ?疑っているわけじゃねえけどなんとなく知りたくてよう」
そうライドが問いかけてくる。因みにもうすでにお皿の上は空で今追加のパンケーキを待っている最中だ。甘い物は嫌いではないが食欲旺盛のライドのふた皿目はソーセージとベーコンが付け合わせになっているパンケーキだ。
相変わらずよく食べる奴ですね。まあ俺もライドがパーティにいると非常に作り甲斐がありますよ。
ライドの問いかけに確かに、と納得する。ラリーは信用できそうな人だけど情報源は気になる。どうなんだろうと思いながらラリーに視線を向けるとあっさり答えてくれた。
「僕の一家は皆ボーダーをしているので家族から情報を得ているんです。父は五層まで案内できる売れっ子のボーダーなんですよ」
「へー、そうなんだな。家族でボーダーやっているなんてすごいな」
「元々犬人族はボーダーに向いている種族ですからね。僕も父や兄に負けないように頑張りたいです」
そういってラリーがニコッと笑う。どうやら家族ぐるみでボーダーの仕事をしているらしい。それならダンジョンのこと色々詳しいのも納得だな。取り敢えず困ったらラリーを頼ろう。五層までの情報なら持っていそうだし。
そうしている間にライドが頼んだ2枚目のパンケーキが来た。しかし瞬間でそれはなくなりライドはそのままパンケーキを持って来た店員に3枚目を注文した。パンケーキは飲み物かな?流石に食べるの早すぎやしませんか?
因みにフィルはフォークとナイフを使って上品に食べている。パンケーキひとつ食べるのにも個性が出てますね。
「ライド、お前よくそんなに食えるな」
「おう、話がどれくらい続くか分からねえからちまちま一枚ずつ頼んでるけど後10枚くらい食えるぜ」
「マジか」
ライドのパンケーキは置いといてラリーの話の続きを聞く。ラリーはすでにパンケーキを食べ終わっていた。フィルももう直ぐ食べ終わりそうだ。あれ?ひょっとして俺が1番食べるの遅い?急いで食べねば!
「下層を攻略出来るのはノーム族がパーティにいるからです。ノーム族はあまり木々が茂らない高山の洞窟を住処としていてそれでダンジョンの迷路のような道のりでも方向感覚を失わないそうです。それから本当かどうかわかりませんが土の声を聞くことができるそうですよ」
「えっと、じゃあ下層を攻略するにはノーム族が必要ってこと?」
「そうですね、後は特殊な適性を持っていたら大丈夫かもしれませんが、基本的に下層の攻略にはノーム族の仲間が必要でしょう。ただ、ノーム族は気性が穏やかであまり戦闘には向かない種族なので冒険者をしている人は少ないかもしれません。だからどこのパーティもノーム族を仲間にするのに苦労するそうです」
ラリーの話を聞くに下層を攻略するにはノーム族という土に囲まれたところでも方向感覚が狂わない種族が必要らしい。しかしノーム族は戦闘があまり好きではなく冒険者やっている人は少ないという。これ結構まずい案件だよね?ノーム族の人にどうやって仲間になってもらえればいいんだ?
「ノーム族の人を仲間にするにはどうすればいいんだ?」
「ギルドにお金を払えばパーティ募集の掲示をしてもらえるのでそこに頼むか後は奴隷を買うかですね。でもどこのパーティもノーム族の人を募集してますし奴隷は金貨がかかるそうです。正直ノーム族の人をパーティに入れることができるかは縁があるかどうかですね」
「そっか。わかったラリー。色々ありがとうな」
ラリーに情報料の銀貨3枚を渡してお礼をいう。まだ仕事があるらしくラリーは銀貨を受け取ると『ごちそうさまでしたシロムさん。また何かありましたら声をかけてください』といって店を出ていった。
取り敢えず情報を整理するために少し話し合おうか。皿を片付けに来た店員に俺とフィルの分の紅茶を頼む。ライドはベーコンと卵が付け合わせのパンケーキを頼んでいた。まだ食うか。
「うーん、どうしようか。ノーム族の知り合いとかふたりいる?」
「申し訳ございませんシロム様。ノーム族に知り合いはいないです」
「俺もいねえな」
「だよねー。じゃあ後は奴隷を買うしかないかな~」
でも金貨がかかるっていっていってたんだよな。今の俺の手持ちは銀貨350枚くらいだから金貨稼ぐにはあと銀貨650枚?うーん、一回の攻略で大銀貨稼げるようになったし頑張ればいけるのかな?いや、まて。ラリーは金貨がかかるっていってただけで金貨1枚で済むとはいってなかったぞ?あー、これ無理な気がして来た。
金策でうーんと頭悩ませているとふと隣に座るフィルが暗い顔をしていることに気づいた。え、どうしたのフィル?体調でも悪いの?
「フィル、顔色が悪いけどどうしたの?」
「いえ、なんでもありませんシロム様。僕の個人的な感情のことなのでシロム様が気にされる必要はないです」
「いやいや、フィルが辛そうな顔しているのに俺が関係ないってことはないよ。なんかちょっとでも困ったことがあるなら言ってよ」
そう促すとフィルは本当に申し訳なさそうな顔で口を開いた。
「シロム様の奴隷という立場が僕だけではなくなることに不安を抱いたんです。シロム様の盾であり物であり、シロム様をご主人様と呼ぶことのできる者が僕だけで無くなるのがつらくて、…このような浅ましい想いを抱いてすみません。シロム様が気にされることはありませんので最善をお選び下さい」
「よし、奴隷を買うのはやめよう!普通にパーティメンバーを探すぞ!」
フィルがここまで不安になるなら新しい奴隷なんていりません。ダンジョン攻略の人材?戦力の補強?いやいや、フィルのメンタルをケアすることより大切なことはありませんから。
そういうとフィルがまた『僕を気にかける必要はありません』とか言ってくるけどフィルの不利益は俺の不幸せだからね?フィルには常に幸せでいてもらわねば!
「シロムってフィルエルトに甘いよな」
「激甘ですけどなにか?」
「ちぇっ。番に甘いのはしゃあないか」
ライドが投げやりにいう。番ってなんだ番って。俺の童貞卒業のお相手だけどフィルはそういうのじゃないんです。俺達の間にあるのは友情だけだからね!
「ではパーティメンバー探すならギルドに行きますか?」
「ああ、それがいいね。パーティ募集の掲示板とやらも見てみたいし。でもラトに会いたくないから明日にしない?あのテンションで来られると俺のメンタルが死ぬ」
「シロムあの兎のこと苦手そうだったもんな。別に構わねえよ。また明日ギルド行こうぜ」
ということでもう一度ギルドに行く方が決まった。今日はこの後なにしようかな。カレー作りですね。このままふたりには買い物についてきてもらおう。
「うん、それと他のパーティがどうやってあの迷路みたいなダンジョンの道筋を覚えられているのかわかるなら教えて欲しいんだけど、」
「構いませんよ。分かれ道の情報は銀貨3枚で、他のパーティがどうやって攻略しているかは有名な話ですしここの代金を持ってくださったらお教えします」
「じゃあそれで頼むよ」
というわけで銀貨3枚とパンケーキ代でラリーから情報を買う。ラリーは手元のフキンで口を拭うと情報について話し始めた。
「まず、分かれ道についてですが、1番左の道が最短です。三層はだいたい半日ほどで抜けられるそうです。真ん中の道も四層に繋がっていますが2日ほどかかると思います」
「なるほど、左の道が正解だったんだね。これでほかの道は調べずに済んだよ」
「なあ、なんでラリーは三層の攻略のことまで知っているんだ?疑っているわけじゃねえけどなんとなく知りたくてよう」
そうライドが問いかけてくる。因みにもうすでにお皿の上は空で今追加のパンケーキを待っている最中だ。甘い物は嫌いではないが食欲旺盛のライドのふた皿目はソーセージとベーコンが付け合わせになっているパンケーキだ。
相変わらずよく食べる奴ですね。まあ俺もライドがパーティにいると非常に作り甲斐がありますよ。
ライドの問いかけに確かに、と納得する。ラリーは信用できそうな人だけど情報源は気になる。どうなんだろうと思いながらラリーに視線を向けるとあっさり答えてくれた。
「僕の一家は皆ボーダーをしているので家族から情報を得ているんです。父は五層まで案内できる売れっ子のボーダーなんですよ」
「へー、そうなんだな。家族でボーダーやっているなんてすごいな」
「元々犬人族はボーダーに向いている種族ですからね。僕も父や兄に負けないように頑張りたいです」
そういってラリーがニコッと笑う。どうやら家族ぐるみでボーダーの仕事をしているらしい。それならダンジョンのこと色々詳しいのも納得だな。取り敢えず困ったらラリーを頼ろう。五層までの情報なら持っていそうだし。
そうしている間にライドが頼んだ2枚目のパンケーキが来た。しかし瞬間でそれはなくなりライドはそのままパンケーキを持って来た店員に3枚目を注文した。パンケーキは飲み物かな?流石に食べるの早すぎやしませんか?
因みにフィルはフォークとナイフを使って上品に食べている。パンケーキひとつ食べるのにも個性が出てますね。
「ライド、お前よくそんなに食えるな」
「おう、話がどれくらい続くか分からねえからちまちま一枚ずつ頼んでるけど後10枚くらい食えるぜ」
「マジか」
ライドのパンケーキは置いといてラリーの話の続きを聞く。ラリーはすでにパンケーキを食べ終わっていた。フィルももう直ぐ食べ終わりそうだ。あれ?ひょっとして俺が1番食べるの遅い?急いで食べねば!
「下層を攻略出来るのはノーム族がパーティにいるからです。ノーム族はあまり木々が茂らない高山の洞窟を住処としていてそれでダンジョンの迷路のような道のりでも方向感覚を失わないそうです。それから本当かどうかわかりませんが土の声を聞くことができるそうですよ」
「えっと、じゃあ下層を攻略するにはノーム族が必要ってこと?」
「そうですね、後は特殊な適性を持っていたら大丈夫かもしれませんが、基本的に下層の攻略にはノーム族の仲間が必要でしょう。ただ、ノーム族は気性が穏やかであまり戦闘には向かない種族なので冒険者をしている人は少ないかもしれません。だからどこのパーティもノーム族を仲間にするのに苦労するそうです」
ラリーの話を聞くに下層を攻略するにはノーム族という土に囲まれたところでも方向感覚が狂わない種族が必要らしい。しかしノーム族は戦闘があまり好きではなく冒険者やっている人は少ないという。これ結構まずい案件だよね?ノーム族の人にどうやって仲間になってもらえればいいんだ?
「ノーム族の人を仲間にするにはどうすればいいんだ?」
「ギルドにお金を払えばパーティ募集の掲示をしてもらえるのでそこに頼むか後は奴隷を買うかですね。でもどこのパーティもノーム族の人を募集してますし奴隷は金貨がかかるそうです。正直ノーム族の人をパーティに入れることができるかは縁があるかどうかですね」
「そっか。わかったラリー。色々ありがとうな」
ラリーに情報料の銀貨3枚を渡してお礼をいう。まだ仕事があるらしくラリーは銀貨を受け取ると『ごちそうさまでしたシロムさん。また何かありましたら声をかけてください』といって店を出ていった。
取り敢えず情報を整理するために少し話し合おうか。皿を片付けに来た店員に俺とフィルの分の紅茶を頼む。ライドはベーコンと卵が付け合わせのパンケーキを頼んでいた。まだ食うか。
「うーん、どうしようか。ノーム族の知り合いとかふたりいる?」
「申し訳ございませんシロム様。ノーム族に知り合いはいないです」
「俺もいねえな」
「だよねー。じゃあ後は奴隷を買うしかないかな~」
でも金貨がかかるっていっていってたんだよな。今の俺の手持ちは銀貨350枚くらいだから金貨稼ぐにはあと銀貨650枚?うーん、一回の攻略で大銀貨稼げるようになったし頑張ればいけるのかな?いや、まて。ラリーは金貨がかかるっていってただけで金貨1枚で済むとはいってなかったぞ?あー、これ無理な気がして来た。
金策でうーんと頭悩ませているとふと隣に座るフィルが暗い顔をしていることに気づいた。え、どうしたのフィル?体調でも悪いの?
「フィル、顔色が悪いけどどうしたの?」
「いえ、なんでもありませんシロム様。僕の個人的な感情のことなのでシロム様が気にされる必要はないです」
「いやいや、フィルが辛そうな顔しているのに俺が関係ないってことはないよ。なんかちょっとでも困ったことがあるなら言ってよ」
そう促すとフィルは本当に申し訳なさそうな顔で口を開いた。
「シロム様の奴隷という立場が僕だけではなくなることに不安を抱いたんです。シロム様の盾であり物であり、シロム様をご主人様と呼ぶことのできる者が僕だけで無くなるのがつらくて、…このような浅ましい想いを抱いてすみません。シロム様が気にされることはありませんので最善をお選び下さい」
「よし、奴隷を買うのはやめよう!普通にパーティメンバーを探すぞ!」
フィルがここまで不安になるなら新しい奴隷なんていりません。ダンジョン攻略の人材?戦力の補強?いやいや、フィルのメンタルをケアすることより大切なことはありませんから。
そういうとフィルがまた『僕を気にかける必要はありません』とか言ってくるけどフィルの不利益は俺の不幸せだからね?フィルには常に幸せでいてもらわねば!
「シロムってフィルエルトに甘いよな」
「激甘ですけどなにか?」
「ちぇっ。番に甘いのはしゃあないか」
ライドが投げやりにいう。番ってなんだ番って。俺の童貞卒業のお相手だけどフィルはそういうのじゃないんです。俺達の間にあるのは友情だけだからね!
「ではパーティメンバー探すならギルドに行きますか?」
「ああ、それがいいね。パーティ募集の掲示板とやらも見てみたいし。でもラトに会いたくないから明日にしない?あのテンションで来られると俺のメンタルが死ぬ」
「シロムあの兎のこと苦手そうだったもんな。別に構わねえよ。また明日ギルド行こうぜ」
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