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第二部
ライバル登場?
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結局カレー作りは失敗してしまった。カレーというよりはスパイシーなスープといったもので皆はおいしいといってくれたがカレーを目指している俺には物足りないものだった。流石にスパイスからカレーを作ったことはなかったから作り方がわからないんだよな。色々作ってレシピを模索するとしますか。
因みにニックが俺に支払うお金は売り上げの1割ということで纏まった。どれくらいが適正なのかはわからないが俺は本当になにもしてないわけなんだし多く取るのは気が引けた。というわけで早速ニックが既にわかっている分の売り上げの1割を俺にくれたんだが、銀貨5枚っておかしくね?チョコレートだよね?一体何枚売れれば銀貨50枚分も売りさばけるの?…これから外に出るときは大きな袋を持っていくべきなのかもしれない。
昨日は大量のチョコに埋もれてギルドに行きそびれたのでこれから魔石の換金をしに行かないといけない。
チョコレートの売れた枚数考えるととても一人で外を歩けないのでフィルとライドにもついてきてもらう。なんでこんなことになっているんだろうね。すべてニックのせいです。やっぱりチョコレートの販売許可なんて出さなければよかったかな…。でもカレー作りたかったから仕方なかったわ。
やっぱりというべきかギルドへ行くまでの道のりで呼び止められてはチョコを渡される。チョコの売り上げに貢献するって約束しちゃったからもらうにはもらうけど『あ、どうも』とか『ん、ありがと』みたいなそっけない感じで受け取っているのに皆感激しながら去っていく。
『うおおおっ!シロムくんにチョコ受け取って貰えたぞぉ!ありがとうございますぅーー!!』とか『ヤバい!シロムくんにお礼言われちゃった!もう一個チョコ買ってこなきゃ』とか言われたんだけど、なんなの、皆ドMなの?俺のファンが特殊性癖すぎて辛い。
早速持ってきた袋がいっぱいになってしまった。白い袋がチョコレートが詰まっているせいで凹凸に歪む。かつてここまでチョコレートを貰って嬉しくなかったことがあっただろうか。男だらけの異世界なんてやっぱり嫌いです。
「すげえ数だな。俺が持とうか?」
「いいよライド。後でどうせアイテムボックスに放り込むし自分で待つわ」
「周りは自己満足で行なっているのでシロム様が気を使う必要はありません。なんでしたら次からチョコレートを持ってくる者は切り捨てますが?」
「いやいや、流石にそこまではしなくていいよ。チョコもらうだけなら害はないし」
でもこれ処分に困るよな?まさか全部食べるのか?糖尿病で倒れそうだわ。まあちょっとずつ食べて残りはアイテムボックスで保存しておこう。いざというときの非常食くらいにはなるだろうしね。
冒険者ギルドに着いたのでカウンターに行き魔石を交換してもらう。受付には俺達をギルド長のところに案内してくれた桃色の髪に兎耳少年がいたのだが、何故かこちらを睨んでくる。
「ついに本性を現したってわけだね」
「えっ?は、何のこと?」
「しらばっくれて。ちょっとさ、最近調子乗っているんじゃない?男にちやほやされて浮かれているのかもしれないけどそんなのちょっと毛色の違う物が紛れ込んで気になっているだけなんだからね。いつまでもこの状況が続くとは思わないことだね」
そういって兎耳はふんっと鼻を鳴らす。出会いがしらそんなことを言われたんだけどいったい何の話ですか?男にちやほやされて浮かれている?たぶんチョコレート貰っていることについてだろうけど、いやいやそれ不可抗力なんですよ。ホモじゃあるまいし男にモテて嬉しいわけないじゃないか。やばい、よくわからんがものっすごい誤解されているぞ。
「えっと、別に俺男にちやほやされたいなんか思ってないから、むしろこの状況続いてほしくないんだけど、」
「だからそういう態度が調子乗っているっていっているんだよ!いい?このレビューで一番可愛いいのはこの僕、ラト・ラビリアなんだからね!人気アイドルの地位は渡さないよ!」
そういって兎耳は立ち上がるとびしっと俺に指をつけつけてくる。うん、ちょっと待て。俺は何の勝負を挑まれているんだ?アイドルの地位は渡さない?つまり俺はこの兎耳に男にモテモテの地位を争いに来たと思われているのか?うえええええええっ!!?なんだそのとんでも誤解は!いやいやいや、本気でそんなもんいらないんだけど?ということはこの兎耳は男にちやほやされたいと思っているということか。心底理解できん人種だわ。
ちょっと本気でどうしたらいいかわからないからライドとフィルに目配せして援護を求める。二人はこくんと頷いた。
「シロム様の方が可憐で優美です。どう考えても勝負にならない土俵だというのにシロム様に挑むとは愚かなことですね」
「シロムの方が可愛くてしかも強ええんだぜ?そりゃシロムに子ども産んで欲しいと思うのが当然だろ」
「いや、そっちの援護じゃなくてですね、というかフィルの目に俺ってどう映っているの?ライドの発言も不穏だし味方が味方じゃなくてつらい」
なんか藪をつついて蛇を出しちゃった感がありますね。俺のパーティメンバーが俺をどう見ているのか不安になります。しかも見事煽られたのか兎耳が顔真っ赤にしてこっちを見ているよ。あー
「絶対、ぜえったぃ、許さない!ギルドに咲く一輪の花、むさ苦しい冒険者達の癒しといわれた僕がこのレビューのアイドルなんだから!白猫チョコとかいう意味の分からない物を売り出しているみたいだけど真のアイドルは誰だかわからせてあげるんだからね!」
「あの、そろそろ魔石換金してもらえませんか?」
兎耳の説得は諦めたので精神衛生上よくないこの場をさっさと去ることにする。兎耳は頬を膨らましながら魔石の詰まった袋を受け取ると鑑定をしてくれた。
この様子だし換金額減らされるとどうしようと思っていると兎耳はきっちり魔石に合う金額を提示した。あれ?俺かなり嫌われているっぽかったけど?と思って兎耳を見るとふてくされた顔でお金が入った袋を差し出す。
「君のことは気に入らないけど僕は栄えあるレビューのギルドの職員だからね。取引において不正はしないよ。でもトップアイドルの地位は譲らないんだからぁ!」
もらった袋を開けて中を確認すると確かに大銀貨1枚と銀貨3枚と大銅貨4枚が入っていた。大銀貨を銀貨100枚にするような嫌がらせもない。敵意バリバリだけれども根はいい奴なのかも。まあ全く分かり合えそうにはないけど。
初めての大銀貨1枚超えというのに精神的疲れで素直に喜べない。これから先俺達の受付担当が兎耳でないことを祈るばかりだ。
因みにニックが俺に支払うお金は売り上げの1割ということで纏まった。どれくらいが適正なのかはわからないが俺は本当になにもしてないわけなんだし多く取るのは気が引けた。というわけで早速ニックが既にわかっている分の売り上げの1割を俺にくれたんだが、銀貨5枚っておかしくね?チョコレートだよね?一体何枚売れれば銀貨50枚分も売りさばけるの?…これから外に出るときは大きな袋を持っていくべきなのかもしれない。
昨日は大量のチョコに埋もれてギルドに行きそびれたのでこれから魔石の換金をしに行かないといけない。
チョコレートの売れた枚数考えるととても一人で外を歩けないのでフィルとライドにもついてきてもらう。なんでこんなことになっているんだろうね。すべてニックのせいです。やっぱりチョコレートの販売許可なんて出さなければよかったかな…。でもカレー作りたかったから仕方なかったわ。
やっぱりというべきかギルドへ行くまでの道のりで呼び止められてはチョコを渡される。チョコの売り上げに貢献するって約束しちゃったからもらうにはもらうけど『あ、どうも』とか『ん、ありがと』みたいなそっけない感じで受け取っているのに皆感激しながら去っていく。
『うおおおっ!シロムくんにチョコ受け取って貰えたぞぉ!ありがとうございますぅーー!!』とか『ヤバい!シロムくんにお礼言われちゃった!もう一個チョコ買ってこなきゃ』とか言われたんだけど、なんなの、皆ドMなの?俺のファンが特殊性癖すぎて辛い。
早速持ってきた袋がいっぱいになってしまった。白い袋がチョコレートが詰まっているせいで凹凸に歪む。かつてここまでチョコレートを貰って嬉しくなかったことがあっただろうか。男だらけの異世界なんてやっぱり嫌いです。
「すげえ数だな。俺が持とうか?」
「いいよライド。後でどうせアイテムボックスに放り込むし自分で待つわ」
「周りは自己満足で行なっているのでシロム様が気を使う必要はありません。なんでしたら次からチョコレートを持ってくる者は切り捨てますが?」
「いやいや、流石にそこまではしなくていいよ。チョコもらうだけなら害はないし」
でもこれ処分に困るよな?まさか全部食べるのか?糖尿病で倒れそうだわ。まあちょっとずつ食べて残りはアイテムボックスで保存しておこう。いざというときの非常食くらいにはなるだろうしね。
冒険者ギルドに着いたのでカウンターに行き魔石を交換してもらう。受付には俺達をギルド長のところに案内してくれた桃色の髪に兎耳少年がいたのだが、何故かこちらを睨んでくる。
「ついに本性を現したってわけだね」
「えっ?は、何のこと?」
「しらばっくれて。ちょっとさ、最近調子乗っているんじゃない?男にちやほやされて浮かれているのかもしれないけどそんなのちょっと毛色の違う物が紛れ込んで気になっているだけなんだからね。いつまでもこの状況が続くとは思わないことだね」
そういって兎耳はふんっと鼻を鳴らす。出会いがしらそんなことを言われたんだけどいったい何の話ですか?男にちやほやされて浮かれている?たぶんチョコレート貰っていることについてだろうけど、いやいやそれ不可抗力なんですよ。ホモじゃあるまいし男にモテて嬉しいわけないじゃないか。やばい、よくわからんがものっすごい誤解されているぞ。
「えっと、別に俺男にちやほやされたいなんか思ってないから、むしろこの状況続いてほしくないんだけど、」
「だからそういう態度が調子乗っているっていっているんだよ!いい?このレビューで一番可愛いいのはこの僕、ラト・ラビリアなんだからね!人気アイドルの地位は渡さないよ!」
そういって兎耳は立ち上がるとびしっと俺に指をつけつけてくる。うん、ちょっと待て。俺は何の勝負を挑まれているんだ?アイドルの地位は渡さない?つまり俺はこの兎耳に男にモテモテの地位を争いに来たと思われているのか?うえええええええっ!!?なんだそのとんでも誤解は!いやいやいや、本気でそんなもんいらないんだけど?ということはこの兎耳は男にちやほやされたいと思っているということか。心底理解できん人種だわ。
ちょっと本気でどうしたらいいかわからないからライドとフィルに目配せして援護を求める。二人はこくんと頷いた。
「シロム様の方が可憐で優美です。どう考えても勝負にならない土俵だというのにシロム様に挑むとは愚かなことですね」
「シロムの方が可愛くてしかも強ええんだぜ?そりゃシロムに子ども産んで欲しいと思うのが当然だろ」
「いや、そっちの援護じゃなくてですね、というかフィルの目に俺ってどう映っているの?ライドの発言も不穏だし味方が味方じゃなくてつらい」
なんか藪をつついて蛇を出しちゃった感がありますね。俺のパーティメンバーが俺をどう見ているのか不安になります。しかも見事煽られたのか兎耳が顔真っ赤にしてこっちを見ているよ。あー
「絶対、ぜえったぃ、許さない!ギルドに咲く一輪の花、むさ苦しい冒険者達の癒しといわれた僕がこのレビューのアイドルなんだから!白猫チョコとかいう意味の分からない物を売り出しているみたいだけど真のアイドルは誰だかわからせてあげるんだからね!」
「あの、そろそろ魔石換金してもらえませんか?」
兎耳の説得は諦めたので精神衛生上よくないこの場をさっさと去ることにする。兎耳は頬を膨らましながら魔石の詰まった袋を受け取ると鑑定をしてくれた。
この様子だし換金額減らされるとどうしようと思っていると兎耳はきっちり魔石に合う金額を提示した。あれ?俺かなり嫌われているっぽかったけど?と思って兎耳を見るとふてくされた顔でお金が入った袋を差し出す。
「君のことは気に入らないけど僕は栄えあるレビューのギルドの職員だからね。取引において不正はしないよ。でもトップアイドルの地位は譲らないんだからぁ!」
もらった袋を開けて中を確認すると確かに大銀貨1枚と銀貨3枚と大銅貨4枚が入っていた。大銀貨を銀貨100枚にするような嫌がらせもない。敵意バリバリだけれども根はいい奴なのかも。まあ全く分かり合えそうにはないけど。
初めての大銀貨1枚超えというのに精神的疲れで素直に喜べない。これから先俺達の受付担当が兎耳でないことを祈るばかりだ。
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