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第二部

二層攻略

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準備を整えて二層に挑む。今なら仲間の絆フレンドリー・コネクトのおかげでライドもフィルも経験値倍増だからね。この一か月の間にできる限りレベルを切っておこう。うん、もう延長はないからね。絶対これ以上尻は酷使しないからね!

テントに寝具に食糧とアイテムボックスの中身はダンジョン内で過ごすためのアイテムでばっちりだ。ついでにフィルの予備の毒薬までしまってあるから戦闘の準備もばっちりです。フィルが『シロム様に荷物を持っていただいて申し訳ないです』と恐縮していたが、いや俺も荷物を持っているわけではないからね?ただアイテムボックスに放り込んでいるだけです。本当に便利なスキルだよな、何よりエロくないのが最高です。

いつも通り一層をサクサク進み二層へ向かう。あんな事件の後だし流石に黄昏の旅団の人たちはいなかった。

まず前回進んだ道のりを限界まで進もうということで前回と同じルートを行く。とはいえ俺は全くわからないけどね!ただフィルとライドについて行くだけです。

しばらく進むとホブ・ゴブリン率いるゴブリン一行に遭遇したので皆武器を構える。ホブ・ゴブリン一行とは何度か遭遇しているので行動パターンは分かっている。


「フィルは手前の2体を飛び道具でやって、大丈夫そうならそのすぐ後ろの木の棒持っている奴を相手して。ライドは後方の棍棒持っている2体ね。俺はホブ・ゴブリンをやるよ」

「畏まりました。大丈夫です」

「了解。じゃあ行くぜ」


3人それぞれの獲物に向かって駆けていく。フィルとライドにゴブリンを任せて俺はおいしいボスとこ取りだ。

目の前をフィルのダートが飛んで行ってそして最前列にいたゴブリンに刺さった。一体は首に刺さり致命傷だったのかそのまま倒れピクピクと痙攣しもう一体は目に当たったようで顔を抑えながら『クガァルガッ…!!ギャァガガッ!!』とよくわからないことを叫びながらのたうち回っている。フィルの命中精度がどんどん上がっていますね。仲間として喜ばしいです。

暴れるゴブリンはライドがすれ違いざまに爪でトドメを刺していた。一呼吸置いた後ゴブリンが魔石に変わる。ちらっと見るとさっき倒れたゴブリンも魔石に変わっていた。よし、これであと4体!

ライドが後方にいたゴブリンに飛び掛かるのが見えた。俺も自分の仕事をするために紅盗の斬剣ブラッティスティールタガーを構えホブ・ゴブリンに向かっていく。

ホブ・ゴブリンは錆びた大剣を持っていた。そして迫ってくる俺を見ると大剣を振り上げてくる。刃物を向けられるのは未だに少し怖いがこいつらの行動パターンは決まっているので対処の仕方は分かっている。

紅盗の斬剣ブラッティスティールタガーの刃の方をホブ・ゴブリンに向け振り下ろされる大剣に構える。ガキッと音がして刃物が交わり金属が飛び散る。刃こぼれしたのは向こうの剣だ。ホブ・ゴブリンの持つ大剣は脆く壊れやすい。カキン、カキンと数度刃物を合わせただけでもうヒビが入った。よし、チャンス!

攻撃を受けるばかりだったが今度はこちらからホブ・ゴブリンの大剣に向かって紅盗の斬剣ブラッティスティールタガーを振るう。ホブ・ゴブリンは自分の大剣で紅盗の斬剣ブラッティスティールタガーを受け止め、そしてその瞬間ホブ・ゴブリンの大剣がヒビに合わせて砕けあたりにその破片が散らばる。

ホブ・ゴブリンは唾液まみれの口を開いたら閉じたりしながら自分の剣だったものを見ている。ホブ・ゴブリンは大剣が壊れた瞬間隙だらけになるのだ。当然それを分かっている俺はその機会を逃さずホブ・ゴブリンに向かって紅盗の斬剣ブラッティスティールタガーを振り抜く。

斜めに一閃、ホブ・ゴブリンは『キシャアアアッ!!!』と悲鳴をあげてそして橙色の魔石に変わった。よっしゃ!ホブ・ゴブリンを倒したぞ!ふたりはどうなったかな?

振り返るとこちらに向かって歩いてくるライドとフィルの姿があった。どうやら向こうの方が早く終わったらしい。俺は武器破壊してからホブ・ゴブリンを狩るためどうしても速度は2人に負けてしまう。ホブ・ゴブリンは紅盗の斬剣ブラッティスティールタガーを一撃食らわせたら倒せるから武器破壊なんかせずがむしゃらに一撃狙いに行ってもいいんだけど、やっぱり刃物に当たるのは怖いからね。命は大事にしましょう。


「ごめん、俺の方が時間かかったね。2人とも怪我はない?」

「むしろ絶好調だぜ。レベルが上がったからか身体が軽いな。強くなっているっていう実感があるぜ」

「群れのボスを相手にするシロムが謝られることは何もありません。それよりもあの程度の相手なら最初の投擲で倒し切るべきでしたね。まだまだ実力不足です」


そういってフィルがシュンとした顔をする。いやいや、その仕留め切れなかった一体って目に当たって悶えていた奴のことだよね?あんなの大成功だろ。フィルの成功基準は高すぎる。

その後もゴブリン一行や頭にツノを生やした大きなネズミやバタバタと翼をはためかせる蝙蝠を相手に奮闘する。基本的に雑魚をフィルとライドが相手をし、その群れで一番強い個体を俺が相手をする。やはり機動力が高いふたりが雑魚を倒すのが効率いいからね。多人数戦は2人には敵わない。

二層に来て5回のモンスターとの遭遇しモンスター部屋を1つやったとこでさすがに疲れを感じて休憩を取ることにする。

リディア戦のせいで食べれなかった鮭おにぎりがたくさんあるから軽食に食べますか。アイテムボックスに入れているから腐らないとはいえ長い時間経つと何となく嫌なので早く消費したい。

おにぎりを山のように出すとネコ科ふたりが目をキラキラ光らせながら鮭おにぎりを食い入るように見ている。やはり魚が好きなんだな。まあ比喩ではなく山のようにあるわけだし好きなだけ食ってくれ。


「うめえ!なんだこの握り飯!?全部サーモン使っているのに全然味が違うし本当にシロムは料理上手だよな。俺シロムの料理よりうまいもん食ったことねえよ」

「本当に美味しいですシロム様。こんなに魚の入ったご飯を食べれるなんて、僕は幸せです」


ふたりは大絶賛でおにぎりにパクつく。いや~、ここまで喜んで貰えると作った甲斐があったわ。

美味しそうにおにぎりを頬張る2人を横目に俺は鮭フレークに手を出す。うん、上手にできている。市販の鮭フレークにも負けない自信があるぞ!

そんな感じで3人でおにぎりを食べていると突然フィルがダートを手に取り構え、それとほぼ変わらないタイミングでライドもおにぎりを放り出し拳を構えた。

え、何事?と現状を理解せずに驚いていると後ろからカッと硬い何かを踏みしめたような音が聞こえてきた。背後から誰か来たことにやっと気付いた俺は慌てて振り返り紅盗の斬剣ブラッティスティールタガーを抜く。

遠目に通路の先から人影が現れるのが見えた。人数はおそらく8人、全員が青い装備に身を包みしっかりとした足取りでこちらに向かってくる。


「おや、ダンジョン内で他の冒険者に遭遇するのは珍しいですな。武器を構えて警戒してはるようですわ」

「…必要以上に関わることはない。速やかに通り過ぎるぞ」

「せやな。まあ向こうさんが素直に通してくれたらの話ですけど」


何やら向こうが話しているのがわかる聞こえる。ダンジョン内で他の冒険者に遭遇したけど、これってどうしたらいいんだろう?





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