上 下
2 / 18

2話

しおりを挟む

 リントブルム騎士団の料理人キオは誰も知らない秘密があった。

 それは地球から転生したということだ

 生前、料理屋を経営していたキオ

 ある日食材の買いだしにでかけた時、道を走るトラックに子供が飛び出した。考える間もなく子供を道の反対側に突き飛ばした瞬間強い衝撃とともに意識が途切れた

 その後、神と名乗る男が僕の死は想定外で転生させてくれるらしい。ちなみに子供は助かり生きている。

 転生するときに何でも願いを叶えてくれるそうなので、あちらに行った時困らないように言葉がわかるようにそれと料理がしたいと願った。

するとこんなスキルがもらえた

「言語理解」
・異世界の言葉を理解し話すことができる

「絶対料理」
・食材すべてに無敵


 この「絶対料理」がチートだった。とにかく食べられる生物にたいして攻撃されてもダメージを受けず、又こちらが攻撃をすると絶対にダメージがはいるというものだった。

 でもこのスキルすべてに有能というわけではない。そう、食べられる生物に無敵なのだ。ゆえに転生したての頃スライムに殺されかけたのだ。その時通りがかったこの騎士団の団長に助けてもらい今に至る。ドラゴンを倒せるのにスライムは倒せないのだ。



「さぁ、今日は何を作ろっかなー ん?」

「どうしたんですかこれ?」

「なんだキオか。なんかよ国から送られてきた食料なんだけどよ見てくれよこれ。ポトばっかだぜあとキロが少し」

「これポトっていうんですか?」

見た感じ、じゃがいもだなぁー

キロってやつはにんじんかな?

「ああ、コイツは茹でて食うだけだ。腹持ちはいいが味がなー、パサパサしてやがるからのどが乾くしよ。俺達庶民は小さい時からポトばっか食ってきたからもう見たくもないほど嫌いなんだ。この騎士団にだって嫌いな奴はいると思うぜ」


「へぇー、そうなんですか。これ僕に任せてもらえませんか?」

「ん?ああ、かまわねーが」

「ありがとうございます。今日のご飯楽しみにしててください」



「さて、じゃがいもかー。醤油とみりんがあるからあれにするか!」 


さて、まずは

ポト(じゃがいも)、キロ(にんじん)を一口大に切る

50人分となると切るのがたいへんだ

鍋に油を敷いて切った野菜を炒める

昨日のドラゴンの肉を食べやすい大きさに切って鍋に入れたら、水を加える

水は騎士団の中に魔法が使える人に出してもらった

魚のだしを入れて一煮立ちさせる

酒、みりん、醤油を加えたら、落し蓋をして煮込む

汁が少なくなってきたら完成。


「肉じゃがの完成!!」

「ん?なんかいい匂いがしますね」

「あ、ミキさん。今ちょうどご飯ができましたよ他の人達を呼んでもらえますか?」

 ミキさんは女性で隊長格の1人。魔法が使え、水を出してもらったのもこの人だ。

「ええ、呼んでくるわ」

みんなに肉じゃがを配ると

「うわーポトかよー」

とかみんなの声が聞こえる

「えーと、今日は肉じゃがというものを作りました。皆さんがよく知っているポトが主役の料理です。苦手な方もいるかもしれませんがだまされたと思って一度食べてみてください。」

「それでは食材に感謝して…いただきます」

「「いただきます!!」」


「ん、これポトだけど今まで食ってきたのと違うぞ」

「本当だ、これなら食える」

「ポトがうまい、うまいぞ!」


「キオ、助かったぞ。まさかポトがこんなに美味しいと思うとはな。はっはっはっ!」


よかった、みんな喜んでもらえたみたいだ!




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。 父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。 恋に浮かれて、剣を捨た。 コールと結婚をして初夜を迎えた。 リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。 ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。 結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。 混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。 もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと…… お読みいただき、ありがとうございます。 エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。 それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

閉じ込められた幼き聖女様《完結》

アーエル
ファンタジー
「ある男爵家の地下に歳をとらない少女が閉じ込められている」 ある若き当主がそう訴えた。 彼は幼き日に彼女に自然災害にあうと予知されて救われたらしい 「今度はあの方が救われる番です」 涙の訴えは聞き入れられた。 全6話 他社でも公開

死んで巻き戻りましたが、婚約者の王太子が追いかけて来ます。

拓海のり
恋愛
侯爵令嬢のアリゼは夜会の時に血を吐いて死んだ。しかし、朝起きると時間が巻き戻っていた。二度目は自分に冷たかった婚約者の王太子フランソワや、王太子にべったりだった侯爵令嬢ジャニーヌのいない隣国に留学したが──。 一万字ちょいの短編です。他サイトにも投稿しています。 残酷表現がありますのでR15にいたしました。タイトル変更しました。

お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた

リオール
恋愛
だから? それは最強の言葉 ~~~~~~~~~ ※全6話。短いです ※ダークです!ダークな終わりしてます! 筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。 スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。 ※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;

【完結】結婚してから三年…私は使用人扱いされました。

仰木 あん
恋愛
子爵令嬢のジュリエッタ。 彼女には兄弟がおらず、伯爵家の次男、アルフレッドと結婚して幸せに暮らしていた。 しかし、結婚から二年して、ジュリエッタの父、オリビエが亡くなると、アルフレッドは段々と本性を表して、浮気を繰り返すようになる…… そんなところから始まるお話。 フィクションです。

竜人の王である夫に運命の番が見つかったので離婚されました。結局再婚いたしますが。

重田いの
恋愛
竜人族は少子化に焦っていた。彼らは卵で産まれるのだが、その卵はなかなか孵化しないのだ。 少子化を食い止める鍵はたったひとつ! 運命の番様である! 番様と番うと、竜人族であっても卵ではなく子供が産まれる。悲劇を回避できるのだ……。 そして今日、王妃ファニアミリアの夫、王レヴニールに運命の番が見つかった。 離婚された王妃が、結局元サヤ再婚するまでのすったもんだのお話。 翼と角としっぽが生えてるタイプの竜人なので苦手な方はお気をつけて~。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...