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だが次の瞬間、彼はとんでもないことを言い出したのだ。
「次の夜、皇帝主催のパーティーに出て欲しい」
リラは戸惑った。
何故自分がそのような場所に出なければならないのか分からなかったからだ。
しかし、断るわけにもいかず仕方なく了承したのだった。
☆★☆
夜になり、皇帝主催のパーティーが始まった。
会場には多くの人々が集まり賑わっている様子だったが、リラの心は暗く沈んでいた。
(一体なぜ私がこのようなところに来なければならないのかしら?)
そんなことを考えているうちに、セト王子が現れたようだ。
しかし、彼はこちらを見ようとせずに通り過ぎて行った。
不思議に思っていると、背後から声をかけられた。
振り向くとそこには美しい女性が立っていた。その女性はリラに向かってこう言ったのだ。
彼女は自分をセトの婚約者だと名乗ったのである。
(どういうこと!?)
混乱していると、さらに驚くべきことが起こった。
なんと彼女が突然苦しみだしたかと思うとその場に倒れてしまったのだ。
「誰がこんな事を」
そう叫ばれて周りに集まって来る。
リラは自分が疑われていることに気づいた。
(どうしよう、このままでは私が犯人扱いされてしまうわ)
そう思った瞬間、目の前にセトが現れたのだ。
「彼女が犯人です、毒を盛る姿を俺は見ました、彼女は婚約破棄された腹いせに俺の婚約者の暗殺をもくろんだに違いありません」
それを聞いた皇帝は怒りを露わにした。
そして、リラに向かってこう告げたのだ。
「お前の処刑は明日行う、それまで自室で謹慎せよ」
リラは絶望した。まさか自分がこんな目にあうなんて思いもしなかったからだ。
だが、どうすることもできないまま自室へと戻されたのだった。
2日後、いよいよ処刑の日がやってきた。
大勢の人々が見守る中、断頭台に登らされるリラの姿があった。
そしてついにその時がやって来たのだ。
(あぁ、きっとこれで私の人生も、もう終わりね)
「あはは、リラ、君は愚かにも処刑されて死ぬ」
セトがそう告げた瞬間、彼女は意識を失った。
しかし、次の瞬間にはもう意識は戻っていたのだ。
(あれ?私生きてる)
不思議に思っているとまた声が聞こえてきた。
見慣れぬベットしかし、ベットは豪華なのに鉄格子の中のままだ。
「ここは、」
「お目覚めかな?」
そこには、皇帝ディオ・アレステルが座っていた。
「これは一体どういうことでしょうか?」
リラは皇帝に問いかけた。
すると、彼は答えた。
「君は処刑される前に、私によって助け出されたのだ」
と、
(そんなまさか!?)
信じられない気持ちでいっぱいだったが、確かに生きているし体が自由に動くことに気がついたのだ。
しかし何故自分が助けられたのか分からなかったので聞いてみることにした。
「あの、私は何故生きているのでしょうか」
「セトの狂遊が興を刺しすぎたのだ、あいつは最初からこうするつもりで、お前と婚姻したんだからな」
「えっ!?」
リラは驚いた。
まさか最初から仕組まれていたことだったとは思いもしなかったからだ。
そして皇帝は言ったのだ、
「嘘ではないぞ、あの子は狂っている」
と……、どうしてこんな事を言うのかわからなくて戸惑えば……。
「以前、セトが豪遊した祭、粗相した遊女が居てだな」
「その遊女は、セトの目の前で首を切り落とされたのだ」
それを聞いてリラは驚いた。
まさかそんなことがあったなんて知らなかったからだ。
しかし、皇帝の話は続く。
「その女は泣きながらこう言ったそうだ、『どうか命だけは助けてください』とな」
その言葉を聞き、リラは思った。
「次の夜、皇帝主催のパーティーに出て欲しい」
リラは戸惑った。
何故自分がそのような場所に出なければならないのか分からなかったからだ。
しかし、断るわけにもいかず仕方なく了承したのだった。
☆★☆
夜になり、皇帝主催のパーティーが始まった。
会場には多くの人々が集まり賑わっている様子だったが、リラの心は暗く沈んでいた。
(一体なぜ私がこのようなところに来なければならないのかしら?)
そんなことを考えているうちに、セト王子が現れたようだ。
しかし、彼はこちらを見ようとせずに通り過ぎて行った。
不思議に思っていると、背後から声をかけられた。
振り向くとそこには美しい女性が立っていた。その女性はリラに向かってこう言ったのだ。
彼女は自分をセトの婚約者だと名乗ったのである。
(どういうこと!?)
混乱していると、さらに驚くべきことが起こった。
なんと彼女が突然苦しみだしたかと思うとその場に倒れてしまったのだ。
「誰がこんな事を」
そう叫ばれて周りに集まって来る。
リラは自分が疑われていることに気づいた。
(どうしよう、このままでは私が犯人扱いされてしまうわ)
そう思った瞬間、目の前にセトが現れたのだ。
「彼女が犯人です、毒を盛る姿を俺は見ました、彼女は婚約破棄された腹いせに俺の婚約者の暗殺をもくろんだに違いありません」
それを聞いた皇帝は怒りを露わにした。
そして、リラに向かってこう告げたのだ。
「お前の処刑は明日行う、それまで自室で謹慎せよ」
リラは絶望した。まさか自分がこんな目にあうなんて思いもしなかったからだ。
だが、どうすることもできないまま自室へと戻されたのだった。
2日後、いよいよ処刑の日がやってきた。
大勢の人々が見守る中、断頭台に登らされるリラの姿があった。
そしてついにその時がやって来たのだ。
(あぁ、きっとこれで私の人生も、もう終わりね)
「あはは、リラ、君は愚かにも処刑されて死ぬ」
セトがそう告げた瞬間、彼女は意識を失った。
しかし、次の瞬間にはもう意識は戻っていたのだ。
(あれ?私生きてる)
不思議に思っているとまた声が聞こえてきた。
見慣れぬベットしかし、ベットは豪華なのに鉄格子の中のままだ。
「ここは、」
「お目覚めかな?」
そこには、皇帝ディオ・アレステルが座っていた。
「これは一体どういうことでしょうか?」
リラは皇帝に問いかけた。
すると、彼は答えた。
「君は処刑される前に、私によって助け出されたのだ」
と、
(そんなまさか!?)
信じられない気持ちでいっぱいだったが、確かに生きているし体が自由に動くことに気がついたのだ。
しかし何故自分が助けられたのか分からなかったので聞いてみることにした。
「あの、私は何故生きているのでしょうか」
「セトの狂遊が興を刺しすぎたのだ、あいつは最初からこうするつもりで、お前と婚姻したんだからな」
「えっ!?」
リラは驚いた。
まさか最初から仕組まれていたことだったとは思いもしなかったからだ。
そして皇帝は言ったのだ、
「嘘ではないぞ、あの子は狂っている」
と……、どうしてこんな事を言うのかわからなくて戸惑えば……。
「以前、セトが豪遊した祭、粗相した遊女が居てだな」
「その遊女は、セトの目の前で首を切り落とされたのだ」
それを聞いてリラは驚いた。
まさかそんなことがあったなんて知らなかったからだ。
しかし、皇帝の話は続く。
「その女は泣きながらこう言ったそうだ、『どうか命だけは助けてください』とな」
その言葉を聞き、リラは思った。
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