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着心地がよく、動きやすいので気に入っていた。
そして最後にベッドが与えられた。
今まで使っていたものよりもずっと大きいもので
ふかふかしているところが最高だ。
寝心地も抜群で毎晩ぐっすり眠ることができるようになったため
体調面でも変化があったように思う。
肌艶が良くなり血色もよくなり、
「健康的になったんじゃないか? お前はもう少し肉を付けたほうがいいぞ?
その方が抱き心地がいいしな」
と笑いながら言われてしまったのだが恥ずかしかったが嫌では
なかったし嬉しかったので素直に従うことにしたのだ。
そんな感じで日々過ごしているとふとある疑問が浮かんだので
聞いてみることにした。
なぜ俺を殺さないのかと聞いてみたところ予想外の答えが返ってきたのだ。
それは至ってシンプルなものだったのだが俺にとっては驚きだった。
何故ならこんな答えだったからだ。
「惚れた奴を殺すわけないだろ? 殺すくらいなら攫ったりしないさ」
と言われてしまうとそれ以上は何も言えなくなってしまう。
(どうしよう、嬉しい)
そう思った瞬間にはもう手遅れだったのかもしれない。
完全に堕ちてしまっていたのだから、それからと言うものの毎日のように
求められるようになり、それに応える形で日々を過ごしていたのだが
とても充実した日々を送ることができていたので満足していた。
そんな時だった。
彼にこう言われたのは、その言葉を聞いた時、自分の耳を疑った程だ。
まさかそんなことを言われるとは夢にも思っていなかったからだ。
「俺と一緒に来る気はないか? お前を幸せにしてやれる自信があるんだ」
そう言った後に手を差し伸べられて戸惑っている俺に苦笑しながら、
続けてこう言ったのだ。
「心配しなくていい、お前が嫌がっても連れて行くつもりだからな、
大人しくついてこいよ?」
そう言われてしまっては断ることなどできなかったのでついていくことに決めた。
そうして連れてこられたのは城の一室、所謂俺の部屋という場所らしい。
そこで一通りの説明を受けた後で改めて聞かれたので
正直に答えることにする。
というのも嘘をつく必要がなかったからである。
「あなたのことが好きだ、だから一緒にいたい」
そう告げると優しく抱きしめられたので、
そっと背中に手を回すようにして抱きしめるとお互いの体温を感じることが
できたせいか安心感を覚えた気がした。
そしてどちらからでもなく自然と唇を重ね合わせたのだった。
その後はひたすら求め合い、お互いを求め合う関係へと発展していった。
今となっては恋人同士であると言っても過言ではないだろうと思う。
その後も色々なことがあったが、今こうして幸せに暮らせていることを
考えると、あの時の決断は間違っていなかったのだと
胸を張って言える気がするのだ。
「こんなに幸せでいいのかな? 俺」
そう嬉しそうに呟けばしっかりと返事が返ってくるのだ。
「海は心配症だな? もう大丈夫だから安心しろって、俺がついてるんだからさ!」
そんなやり取りをしながらもお互いに顔を見合わせて笑い合う。
それが日常の風景になりつつあったのだが、それはそれで悪くないと思える
自分がいることに気づいて少し驚いてしまう。
そして最後にベッドが与えられた。
今まで使っていたものよりもずっと大きいもので
ふかふかしているところが最高だ。
寝心地も抜群で毎晩ぐっすり眠ることができるようになったため
体調面でも変化があったように思う。
肌艶が良くなり血色もよくなり、
「健康的になったんじゃないか? お前はもう少し肉を付けたほうがいいぞ?
その方が抱き心地がいいしな」
と笑いながら言われてしまったのだが恥ずかしかったが嫌では
なかったし嬉しかったので素直に従うことにしたのだ。
そんな感じで日々過ごしているとふとある疑問が浮かんだので
聞いてみることにした。
なぜ俺を殺さないのかと聞いてみたところ予想外の答えが返ってきたのだ。
それは至ってシンプルなものだったのだが俺にとっては驚きだった。
何故ならこんな答えだったからだ。
「惚れた奴を殺すわけないだろ? 殺すくらいなら攫ったりしないさ」
と言われてしまうとそれ以上は何も言えなくなってしまう。
(どうしよう、嬉しい)
そう思った瞬間にはもう手遅れだったのかもしれない。
完全に堕ちてしまっていたのだから、それからと言うものの毎日のように
求められるようになり、それに応える形で日々を過ごしていたのだが
とても充実した日々を送ることができていたので満足していた。
そんな時だった。
彼にこう言われたのは、その言葉を聞いた時、自分の耳を疑った程だ。
まさかそんなことを言われるとは夢にも思っていなかったからだ。
「俺と一緒に来る気はないか? お前を幸せにしてやれる自信があるんだ」
そう言った後に手を差し伸べられて戸惑っている俺に苦笑しながら、
続けてこう言ったのだ。
「心配しなくていい、お前が嫌がっても連れて行くつもりだからな、
大人しくついてこいよ?」
そう言われてしまっては断ることなどできなかったのでついていくことに決めた。
そうして連れてこられたのは城の一室、所謂俺の部屋という場所らしい。
そこで一通りの説明を受けた後で改めて聞かれたので
正直に答えることにする。
というのも嘘をつく必要がなかったからである。
「あなたのことが好きだ、だから一緒にいたい」
そう告げると優しく抱きしめられたので、
そっと背中に手を回すようにして抱きしめるとお互いの体温を感じることが
できたせいか安心感を覚えた気がした。
そしてどちらからでもなく自然と唇を重ね合わせたのだった。
その後はひたすら求め合い、お互いを求め合う関係へと発展していった。
今となっては恋人同士であると言っても過言ではないだろうと思う。
その後も色々なことがあったが、今こうして幸せに暮らせていることを
考えると、あの時の決断は間違っていなかったのだと
胸を張って言える気がするのだ。
「こんなに幸せでいいのかな? 俺」
そう嬉しそうに呟けばしっかりと返事が返ってくるのだ。
「海は心配症だな? もう大丈夫だから安心しろって、俺がついてるんだからさ!」
そんなやり取りをしながらもお互いに顔を見合わせて笑い合う。
それが日常の風景になりつつあったのだが、それはそれで悪くないと思える
自分がいることに気づいて少し驚いてしまう。
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