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3.氷の解ける音(2)~愛羅の気持ちと敦也の揺れる思い(1)

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愛羅の観念した顔を見つめると敦也がくすくすっと笑い始めて 首を傾げる愛羅を見つめ返しながら頭を撫でで続けた。
そうされると何だかとても心が落ち着いてくる。
そんな風にして数時間が立ち、今度はお詫びだからと断ってきたデザートに舌鼓をうっていると店の雰囲気が変わった事に気が付いた。
どうやら、店は閉店時間らしく客もまばらになっていき店員も片づけを始めだしたのだった。

愛羅が戸惑うと
「どうした? 帰るんだろう? 帰ればいい」
そう言いながら愛羅のスマホを差し出すと
「変わりたいと思わない君に、俺は何の興味もないからね」
そう言われて愛羅は涙を流した。

「ここに来てからの君は、泣いてばかりだな」
そう言われて愛羅がムッとした顔をすると
「敦也さんのせいです、全部そう! ムードぶち壊したんだから、責任取ってくださいよ!!!」
そう気づいたら叫んでいた。

敦也が驚いた顔をしていたがやがて
「言うに事欠いてそう言う言葉を述べるとはな? 少し、調子に乗りすぎているんじゃないのか?」
そう聞かれて愛羅がそっぽを向いた。

「謝れよ」
ぼそっと、言われた言葉に愛羅は聞き取れず首を傾げれば
「謝れと言った!!!」
そう叫ばれて愛羅の身が恐怖に染まれば
「さっきから人が親切心で教えてやってんのに、お前、何様だよ? そんな女と付き合いたい奴なんてこの先も居ねぇーよ 一生独身でいろバーカ」
そう怒鳴られて愛羅が泣きだせば敦也が少し黙った。

「あーもう、腹の虫がおさまらない、何なんだよ、お前は?」
そう言われても愛羅にはどうしていいのかわからない。

店を出てからも愛羅は生きた心地がしなかった。

っというのもそのハズ……恋愛経験どころか今まで男子とケンカしたことも無かったからだ。

その様子を見ていた敦也がふぅっと溜息をつくと
「責任とれだっけ? いいのか? 俺は怒ってるから、手加減できないぞ?」
そう言われて愛羅が戸惑えば
「まぁ、経由はどうであれ、今日は楽しむつもりだったんだ、苛立ったからって、少し大人げなかったよ、ごめんな」
そう言われてそっと頭を撫でられて愛羅は涙を流す。

「長期的な付き合いなら、いろいろと、教えれそうだし、それに」
そう言いながら愛羅を見つめると
「とりあえず今は、めちゃくちゃに啼かせたいかな、あれだけの事を言ったんだし……覚悟はできているんだろう?」
そう問われて愛羅が戸惑えば
「俺の方が先輩なんだから、普段なら、優しくすんだけどな」
そう言いながらにやりと笑うと
「体に教え込んだ方が早いだろう、今後の為にもね」
そう言われて愛羅が首を左右に振って2・3歩後ずされば
「さてと、ラブホにしよう?」
そこまで言いかけて愛羅を鋭い視線で睨みつけると
「何処に行く? 来なさい、そう言う目的だっただろう?」
そう言われて強引に愛羅の手首を掴むと嫌がる愛羅のお尻を軽く叩いて
「ほら行くぞ」
そう言いながら歩き出したので愛羅は逃げ道を失い、後に続いた。

愛羅が戸惑ったのも無理はない。
行った所が高級ラブホテルだったのだから……。

「あ、あの、敦也さん、その、今日は当然ここに泊まるんですよね?」
そう問いかければハンガーにスーツをかけながら
「何、今更帰りたくなったとか?」
そう問われて愛羅が俯いた。

「初めては痛いって聞きますし、それに……少し怖いです」
そう言えば敦也が震える愛羅を見つめた。

「そうだな、確かに痛いらしいし、泣くほど辛いかもな? 止めるか?」
そう聞かれて愛羅が戸惑う。

「俺は君の恋人ではないって言うのとね、処女喪失は相手の方が思い出として色濃く残る物だと思う、捧げる相手が本当に俺でいいのか? もう一度よく考えてみなさい、時間はたっぷり上げるからさ」
そう言われて愛羅は俯いた。

「最悪、逃げたらどうしますか?」
そう問えば愛羅に苦笑する。

「そうだな、その場合は、二度と連絡を取る事はしないだろうな? 今後の事もあるんだ、嫌がる君を不本意でここに同意なしで連れてきたこと自体、俺は実は悔いているんだぞ、内心ね」
そう言われて俯けば
「だから、この先進む勇気が無いのなら、無理にとは言わないし……」
そこまで言われて愛羅はなぜあんな事を言ったんだろうと思ってしまった。

「支配してください、処女を捧げる事には抵抗は無いんです、私を貴方様の性奴隷にしていろいろっと教えていただきたいです」
そう言って頭を下げた。

敦也が驚いた顔をしていたがやがて
「性奴隷って意味わかっていっている? 愛羅さん」
その言葉にはどこか重みがあって……愛羅が頷けば
「セフレを求める男女はあのサイトにも多いよ、一夜限りとか、ある程度継続とかね」
そう言いながら視線が厳しい物に代わると
「俺はどうも、君の事を勘違いしてたみたいだ、帰ってくれ」
そう言われて愛羅が俯くと
「色々っと教えて欲しいんです、お願いします……」
そう言って深々と頭を下げた。

「あのさ、嫌がってんの、分かるだろう?」
そう苛立たし気に言われても愛羅は頭を下げ続けた。

「たく、なんて日だ」
そう言いながら無言で愛羅に近づくと
「プレイじゃないんだよな? 本当にそう扱われたいと、俺に申し出ているんだよな?」
そう言われて愛羅は怖くてその瞳を閉じ小刻みに震え始めた。

本当は、とても、怖いのだ。

出来れば嫌がり今すぐ部屋を出て行きたい。

でも、それが出来ないのには訳がある。
愛羅は俯いたまま頭を下げ続ける。

「愛羅さんさ、そう言うの頼む時どうするか知ってる?」
そう問われて愛羅が俯いたまま涙を流せば
「震えていて、本当は怖いんだろう? 何でジョークだと言わないのかね? 俺がうのみにして、君を酷く扱わせるのが算段だろうけど……俺は逆上する気は無いよ」
そう言いながらおもむろに愛羅の頬を撫でるとそのまま右手でその頬を叩いた。

痛みにぐっと唇を噛みしめてその痛みに耐える。

敦也がその様子を見つめ溜息をつくと
「ジョークではなさそうだな、ほんと、困ったよ、君にはね」
そう言われて腰に片手を当てると
「愛羅さん、顔を上げて、俺を見て」
そう甘く今度は耳元で囁かれて愛羅はゆっくりと見上げた。

「でっ、この後どうしてほしい訳? 俺が君をめちゃくちゃに愛でればそれでいいのかな?」
そう問われて愛羅が俯くと
「あ、敦也さんのお好きに……」
そこまで言うと敦也が顎を持ち上げ愛羅の瞳を上から除きむと
「ご主人様、または、性奴隷らしく、二人だけの時は、これからは、敦也様っとそう呼びなさい」
そう言われて敦也を見つめると
「愛羅、返事は?」
それはまるで命令と言うよりは、教え込むような声色で命令されるよりもとても重くまた、少しだけ、今の敦也が怖かった。

固定されている為、視線を逸らす事も出来ず返事を待たれているのがわかってはいても愛羅は何も言えない。
体が怯えたように震え、愛羅の頬を大量の汗が伝う。

「言い出したのは、お前だろう? 愛羅、ご主人様が返事を求めているんだ、お前が本当に、俺の性奴隷に成りたいのなら、俺の言う事は、絶対だよ、言う事を聞く間だけ、俺はお前に性奴隷としての快楽を与えてやる」
そう言われて愛羅がウルリっと涙を流すと愛羅の顎から手を放すと敦也の手でその体を引き寄せられた。
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