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夏服での電車
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土日はバイトだったらしく、お兄ちゃんは今朝もおねむ。
ホームで大あくびをしてから列に並び、一つ短いため息をしてからラッシュに臨む。
ドヤドヤと後ろから入ってくる人に押され、定位置に立った。
(あのバイト、きつい?)
(ああ・・だけど金がいいからね)
(今日も行くの?)
(今日は講義があるから行けない)
あの日のお兄ちゃんとは違って、綺麗な顔してる。
そしてまた青リンゴの匂い。
えっと・・・
今日から夏服。
上着が一枚ないだけで、お兄ちゃんの筋肉とか、前よりずっとリアルに感じる。
それがちょっとだけ恥ずかしくなって私下を向いてた。
振動の度に、私の鼻先に唇が触れる。
ああ・・近い・・
今日は特に近く感じる・・
ブラウスだけの開放感はいいんだけど、襟元が少しだけ広いの。
なんか・・また視線を感じる・・気のせいかな・・
どんな顔してるかな・・・
チラッと目を向けてみた。
あ・・見てる・・
気まずくて視線を外した。
でも、どうにも気になってまた見てしまう。
そして、何回も目が合って、また恥ずかしくて外して・・・
ひと駅目のカープが近づいてる。
ここ、決まってお兄ちゃんと密着する場所。私の体勢が崩れるとお兄ちゃんの胸に押し付けられる格好になる。
あ、そろそろ・・
!!乗客全体が揺れた。
ああ、ヤバ・・
モロにくっついちゃった・・
私の体重を支えようとして、お兄ちゃんの手が腰に・・・
カープを脱した。
・・・お兄ちゃんの手・・まだ腰にある。
え?
と見上げると・・・
私のこと見てる。
ずっと見てんの?
私の神経は腰の手に集中した。
ずっとそこにあるの。
長い鼻息・・
何?・・え?
腰にある手が・・
え、ヤダ・・・
背筋がゾワゾワしてる。
お兄ちゃんの手・・お尻に・・
触ってる?・・触ってるよね?
ウソでしょ、からかってんの?
どんな顔してんのよ、ニヤニヤして冗談だよ、って言うつもりね?
私はもう一度見上げた。
・・・え・・・?
お兄ちゃん・・・
どうしてそんな目してるの?
その真剣な眼差しに、私は何も言えなくなってしまった。
お尻の手・・震えてる・・
それだけじゃない。
耳元をくすぐる吐息も・・震えてるの。
これ・・触られてるんだよね・・
きっと・・そうなんだよね?
バカ・・
そんなマジな顔して・・
私、怒れないじゃん。
「間もなく上山駅に到着いたします・・」
アナウンスに気づいて、私は慌てた!
(じゃあ・・行ってきます)
(・・うん、)
私は駆け出していた。
ホームで大あくびをしてから列に並び、一つ短いため息をしてからラッシュに臨む。
ドヤドヤと後ろから入ってくる人に押され、定位置に立った。
(あのバイト、きつい?)
(ああ・・だけど金がいいからね)
(今日も行くの?)
(今日は講義があるから行けない)
あの日のお兄ちゃんとは違って、綺麗な顔してる。
そしてまた青リンゴの匂い。
えっと・・・
今日から夏服。
上着が一枚ないだけで、お兄ちゃんの筋肉とか、前よりずっとリアルに感じる。
それがちょっとだけ恥ずかしくなって私下を向いてた。
振動の度に、私の鼻先に唇が触れる。
ああ・・近い・・
今日は特に近く感じる・・
ブラウスだけの開放感はいいんだけど、襟元が少しだけ広いの。
なんか・・また視線を感じる・・気のせいかな・・
どんな顔してるかな・・・
チラッと目を向けてみた。
あ・・見てる・・
気まずくて視線を外した。
でも、どうにも気になってまた見てしまう。
そして、何回も目が合って、また恥ずかしくて外して・・・
ひと駅目のカープが近づいてる。
ここ、決まってお兄ちゃんと密着する場所。私の体勢が崩れるとお兄ちゃんの胸に押し付けられる格好になる。
あ、そろそろ・・
!!乗客全体が揺れた。
ああ、ヤバ・・
モロにくっついちゃった・・
私の体重を支えようとして、お兄ちゃんの手が腰に・・・
カープを脱した。
・・・お兄ちゃんの手・・まだ腰にある。
え?
と見上げると・・・
私のこと見てる。
ずっと見てんの?
私の神経は腰の手に集中した。
ずっとそこにあるの。
長い鼻息・・
何?・・え?
腰にある手が・・
え、ヤダ・・・
背筋がゾワゾワしてる。
お兄ちゃんの手・・お尻に・・
触ってる?・・触ってるよね?
ウソでしょ、からかってんの?
どんな顔してんのよ、ニヤニヤして冗談だよ、って言うつもりね?
私はもう一度見上げた。
・・・え・・・?
お兄ちゃん・・・
どうしてそんな目してるの?
その真剣な眼差しに、私は何も言えなくなってしまった。
お尻の手・・震えてる・・
それだけじゃない。
耳元をくすぐる吐息も・・震えてるの。
これ・・触られてるんだよね・・
きっと・・そうなんだよね?
バカ・・
そんなマジな顔して・・
私、怒れないじゃん。
「間もなく上山駅に到着いたします・・」
アナウンスに気づいて、私は慌てた!
(じゃあ・・行ってきます)
(・・うん、)
私は駆け出していた。
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