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静かな庭を眺めながら 3
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「お前ら馬鹿か。すぐ着替えろ」
約束の時間少し前にやってきた九条の明らかに虫けらを見る態度。
高校時代から年月分プラスされてガチ怖かった。
少し前に偶然お客様がはけたその隙に朔夜は店を閉め、七緒ちゃんに着替えるように指示を出していた。
もちろん俺も親父に言われて最近買った服を着て精いっぱいのおしゃれをしたところでの九条の感想。酷くね?
何がいけなかったのだろうかと俺は朔夜や七緒ちゃんの服装を見る。
いい感じのお出かけファッションじゃないか?
なんて思っていたけど
「お前ら本気で恥をかくぞ。いや、一度かいた方がいいか?」
なんて真剣に悩む九条はスーツを着ていた。
いや、スーツって今時ないわーなんて思ってたけど
「九条様お待たせしました」
なんてやってきた親父もスーツを着ていた。
思わず沈黙に陥る中、親父は俺達を見上げ
「まだ支度してないのか?早く準備をしなさい」
ナチュラルに今時のファッションも知らない親父からも却下が下った。
さすがにこれはまずいと察して三人で駆けだして慌てて着替えに戻れば
「あら香月。お出かけの準備してたんじゃないの?」
「ええと……」
勘違いしていましたなんて言えずに一張羅のクリーニングのタグをつけたままのスーツを取り出して慌ててタグを取って着るものの
「お袋!ネクタイどうやるんだっけ?!」
「いい年して何言ってるのよ」
笑いながらネクタイを締めてくれた。
そして埃まるけだった革靴はお袋が磨いてくれていて……
「なあ、おふくろ。俺達今から晩飯食いに行くんだよな」
聞けば少しだけ目を見開いたお袋はやっとわかったという様に俺を残念な子を見るような視線で
「そうね。
いまどきびっくりするほどの素敵なお着物を日替わりでお召しになるお客様がご用意してくださった席ですもの。
向こうは気軽に、なんて言ってくれてもそういう方が日々足を運ぶお店、雑誌なんかに乗らないようなお店に決まってるわ」
それは有名無名、どちらか、はたまた今更そう言うのが必要のない……
なんてところで九条のあの態度。
後者だったか……なんてうなだれながらも革靴の紐を絞めれば
「親父は慣れてたね」
「そうよ。直してまで使い続ける立派なものをお持ちのお客様って大体そういう方ばかりよ。
それよりも戻ったらスーツ一着買いなさい。
少しサイズがあってないわ」
そんな指摘。
そりゃかったのはずいぶん前だけどさと思うも
「これからこういう場にお父さんも連れていくだろうからちゃんとしっかりしなさい」
そんなご指導。
そう言われたら確かにと思えば
「スーパーとか量販店とかのスーツじゃダメよ。
デパートに行って一式買ってらっしゃい」
当たり前のような顔で言うお袋。
どうやらこれも仕事着の1つらしいと納得すれば
「はい。次の休みにはさっそく買いに行きます」
実家暮らしだから買えないわけじゃないとはいえ想定外の出費に涙が出そうだ。
そうして朔夜の店に行けば朔夜もちゃんとネクタイを締めて、七緒ちゃんは去年の今頃友達の結婚式で着たワンピースを着ていた。
冬を迎える頃の結婚式だったのでしっとりとした色合いがはたきの人の着物の色合いと比べてもあまり違和感なく思う。
親父はお冷を頂きながら待ち、九条はそろった俺達を見て一つ頷いた。
「まあ、こんなもんだな」
どこかホッとしたような顔。
逆に俺達は何処に連れていかれるのだろうかと不安MAX。
「じゃあ次郎さん。太郎と菖蒲も行こうか」
親父が大切に抱えた鞄を眺めれば近くのソファでまどろんでいた次郎さんが
「もうすぐで寝る所だった」
大きな欠伸に本当にまたせてしまったことを恥じるのだった。
そんな俺達の不安なんて知るわけがないだろうという九条は店の前で待たせていたタクシーに俺達を乗せて今夜のお食事会場へと向かう。
はたきの人持ちとはいえかなり距離あるのにと思いながらも思いっきり甘える事にする。
そして運ばれた先は
「まさかここに?」
「いや、九条門の中に入って行ってるし……」
「うそ、本当におしゃれしてきてよかった……」
落ち着いた屋根付きの門を見上げて言葉が出なかった。
親父もさすがに黙ったまま品よく掲げられた店の看板を見上げてからそっと顔を背けてため息を吐きだしていた。
これからのお食事会のお食事のお味が全く分からない事決定だ。
本当に俺達が入ってちゃんと味わえるのか謎だったけど……
「朔夜来た!」
「香月も来た!」
見せに続く石畳の通路を嬉しそうな声でお迎えに来てくれたしいさんとこまさんがやって来た。
あああ、ここで間違いない事決定だ。
そして俺達の足元で座っていた次郎さんに二匹はクンカクンカと匂いを嗅ぎながら
「次郎さんお帰りー!」
「お父さんも待ってるよ!」
両サイドからのもふもふ攻撃。もふもふに埋もれて次郎さんの顔しか見えないこの状況。
幸せそうで何よりだ。
そんな光景に癒されていれば
「やっと来たか。
…………っち」
出会った直後舌打ちしたよはたきの人。
それからの
ぱしっ!
九条が頭を叩いていた。
痛そうではないが少しむっとした顔のはたきの人と無表情の九条。
一体何が起きたのかと思えば
「人をからかって遊ぶな」
「三十過ぎた人間に一般常識があるか試しただけだ。
誰かの助言が入ったみたいだけどな」
「俺が入れた。
どうせ恥かかせてバカにしたかったんだろ」
「まあ、否定しない。だがな……」
言いながらはたきの人は九条を見上げ
「太郎と菖蒲を預ける人だ。
せめて世間一般的な教養と二匹が苦労しないような常識を持っているか試して何が悪いって俺は考えている」
ひどく真剣な瞳。
迎える九条も真剣だけど、しばらくのうちそっとため息を吐きだして
「それはこれから俺が教育していく」
「頼むな」
ものすごく九条が嫌な顔をしていたけど、その顔をそのまま俺達に向けて
「付喪神を預かるにふさわしい人間と言うか生活習慣からたたき込むからな」
苦虫をかみつぶしたような顔。
だけお親父が
「九条様、そこはもう一度親の私に任せて下さりませ。
まさか御呼ばれした席にあんな普段着でお邪魔するような常識しか与えられない親だなんて恥ずかしくてご先祖様に顔向けが出来なく……」
泣き真似何て小細工する親父。
そこは全員分かっている、と言うか七緒は門をくぐって素敵な小道のを好奇心を隠せずにきょろきょろと覗いている様子にちらりと朔夜を見ればこちらも頭が痛いという様に空を仰ぎ見ていた。
元気いっぱい、笑顔いっぱい、それが七緒の魅力。
だけどさすがにここまで来て普段と一緒って言うのは……
「頑張れよお兄ちゃん」
「これを勉強の場と思って全力で教育する」
年の離れた従妹、早くに両親を失った従妹。
全力で寂しくないようにとかわいがったつもりだったけど、少し、どころかかなり教育が足りなかったようだと反省する朔夜の肩にそっと手を置くのだった。
約束の時間少し前にやってきた九条の明らかに虫けらを見る態度。
高校時代から年月分プラスされてガチ怖かった。
少し前に偶然お客様がはけたその隙に朔夜は店を閉め、七緒ちゃんに着替えるように指示を出していた。
もちろん俺も親父に言われて最近買った服を着て精いっぱいのおしゃれをしたところでの九条の感想。酷くね?
何がいけなかったのだろうかと俺は朔夜や七緒ちゃんの服装を見る。
いい感じのお出かけファッションじゃないか?
なんて思っていたけど
「お前ら本気で恥をかくぞ。いや、一度かいた方がいいか?」
なんて真剣に悩む九条はスーツを着ていた。
いや、スーツって今時ないわーなんて思ってたけど
「九条様お待たせしました」
なんてやってきた親父もスーツを着ていた。
思わず沈黙に陥る中、親父は俺達を見上げ
「まだ支度してないのか?早く準備をしなさい」
ナチュラルに今時のファッションも知らない親父からも却下が下った。
さすがにこれはまずいと察して三人で駆けだして慌てて着替えに戻れば
「あら香月。お出かけの準備してたんじゃないの?」
「ええと……」
勘違いしていましたなんて言えずに一張羅のクリーニングのタグをつけたままのスーツを取り出して慌ててタグを取って着るものの
「お袋!ネクタイどうやるんだっけ?!」
「いい年して何言ってるのよ」
笑いながらネクタイを締めてくれた。
そして埃まるけだった革靴はお袋が磨いてくれていて……
「なあ、おふくろ。俺達今から晩飯食いに行くんだよな」
聞けば少しだけ目を見開いたお袋はやっとわかったという様に俺を残念な子を見るような視線で
「そうね。
いまどきびっくりするほどの素敵なお着物を日替わりでお召しになるお客様がご用意してくださった席ですもの。
向こうは気軽に、なんて言ってくれてもそういう方が日々足を運ぶお店、雑誌なんかに乗らないようなお店に決まってるわ」
それは有名無名、どちらか、はたまた今更そう言うのが必要のない……
なんてところで九条のあの態度。
後者だったか……なんてうなだれながらも革靴の紐を絞めれば
「親父は慣れてたね」
「そうよ。直してまで使い続ける立派なものをお持ちのお客様って大体そういう方ばかりよ。
それよりも戻ったらスーツ一着買いなさい。
少しサイズがあってないわ」
そんな指摘。
そりゃかったのはずいぶん前だけどさと思うも
「これからこういう場にお父さんも連れていくだろうからちゃんとしっかりしなさい」
そんなご指導。
そう言われたら確かにと思えば
「スーパーとか量販店とかのスーツじゃダメよ。
デパートに行って一式買ってらっしゃい」
当たり前のような顔で言うお袋。
どうやらこれも仕事着の1つらしいと納得すれば
「はい。次の休みにはさっそく買いに行きます」
実家暮らしだから買えないわけじゃないとはいえ想定外の出費に涙が出そうだ。
そうして朔夜の店に行けば朔夜もちゃんとネクタイを締めて、七緒ちゃんは去年の今頃友達の結婚式で着たワンピースを着ていた。
冬を迎える頃の結婚式だったのでしっとりとした色合いがはたきの人の着物の色合いと比べてもあまり違和感なく思う。
親父はお冷を頂きながら待ち、九条はそろった俺達を見て一つ頷いた。
「まあ、こんなもんだな」
どこかホッとしたような顔。
逆に俺達は何処に連れていかれるのだろうかと不安MAX。
「じゃあ次郎さん。太郎と菖蒲も行こうか」
親父が大切に抱えた鞄を眺めれば近くのソファでまどろんでいた次郎さんが
「もうすぐで寝る所だった」
大きな欠伸に本当にまたせてしまったことを恥じるのだった。
そんな俺達の不安なんて知るわけがないだろうという九条は店の前で待たせていたタクシーに俺達を乗せて今夜のお食事会場へと向かう。
はたきの人持ちとはいえかなり距離あるのにと思いながらも思いっきり甘える事にする。
そして運ばれた先は
「まさかここに?」
「いや、九条門の中に入って行ってるし……」
「うそ、本当におしゃれしてきてよかった……」
落ち着いた屋根付きの門を見上げて言葉が出なかった。
親父もさすがに黙ったまま品よく掲げられた店の看板を見上げてからそっと顔を背けてため息を吐きだしていた。
これからのお食事会のお食事のお味が全く分からない事決定だ。
本当に俺達が入ってちゃんと味わえるのか謎だったけど……
「朔夜来た!」
「香月も来た!」
見せに続く石畳の通路を嬉しそうな声でお迎えに来てくれたしいさんとこまさんがやって来た。
あああ、ここで間違いない事決定だ。
そして俺達の足元で座っていた次郎さんに二匹はクンカクンカと匂いを嗅ぎながら
「次郎さんお帰りー!」
「お父さんも待ってるよ!」
両サイドからのもふもふ攻撃。もふもふに埋もれて次郎さんの顔しか見えないこの状況。
幸せそうで何よりだ。
そんな光景に癒されていれば
「やっと来たか。
…………っち」
出会った直後舌打ちしたよはたきの人。
それからの
ぱしっ!
九条が頭を叩いていた。
痛そうではないが少しむっとした顔のはたきの人と無表情の九条。
一体何が起きたのかと思えば
「人をからかって遊ぶな」
「三十過ぎた人間に一般常識があるか試しただけだ。
誰かの助言が入ったみたいだけどな」
「俺が入れた。
どうせ恥かかせてバカにしたかったんだろ」
「まあ、否定しない。だがな……」
言いながらはたきの人は九条を見上げ
「太郎と菖蒲を預ける人だ。
せめて世間一般的な教養と二匹が苦労しないような常識を持っているか試して何が悪いって俺は考えている」
ひどく真剣な瞳。
迎える九条も真剣だけど、しばらくのうちそっとため息を吐きだして
「それはこれから俺が教育していく」
「頼むな」
ものすごく九条が嫌な顔をしていたけど、その顔をそのまま俺達に向けて
「付喪神を預かるにふさわしい人間と言うか生活習慣からたたき込むからな」
苦虫をかみつぶしたような顔。
だけお親父が
「九条様、そこはもう一度親の私に任せて下さりませ。
まさか御呼ばれした席にあんな普段着でお邪魔するような常識しか与えられない親だなんて恥ずかしくてご先祖様に顔向けが出来なく……」
泣き真似何て小細工する親父。
そこは全員分かっている、と言うか七緒は門をくぐって素敵な小道のを好奇心を隠せずにきょろきょろと覗いている様子にちらりと朔夜を見ればこちらも頭が痛いという様に空を仰ぎ見ていた。
元気いっぱい、笑顔いっぱい、それが七緒の魅力。
だけどさすがにここまで来て普段と一緒って言うのは……
「頑張れよお兄ちゃん」
「これを勉強の場と思って全力で教育する」
年の離れた従妹、早くに両親を失った従妹。
全力で寂しくないようにとかわいがったつもりだったけど、少し、どころかかなり教育が足りなかったようだと反省する朔夜の肩にそっと手を置くのだった。
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