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ママぁ、もふは早く大人になりたいです!

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 ビッチモードの裏にかくされた俺も含めて全員で文字通り頭を抱えてこの問題に悩まされるのだった。
 何せ俺にお精子様100回目を注いだ記念に祝福が与えられたのだ。
 普通、こう言うのは生まれた時の何かとか、何か奇跡を起こした残滓のような物だとこの国一番の頭脳を持つと言う宰相様のうんちくに一体それが何なんだと俺はつっこみたい。そんな頭脳が役に立つのなら俺に起きているこのふざけた能力を何とかしてくれと言いたいが

「そうか、次はあと99回か。
 もふ、アトリママがたくさんエッチするともふはもっと大人になれるぞ?」
「アレックスほんとー?
 もふも大人になったらかっこよくなるかなー?」
 
 子供らしい希望を持つその様子に国王様は俺にしか許してない呼び名で呼ぶもふにも目尻を下げて、まるで我が子のようにひょいと抱えて膝の上に座らせて

「もちろん。
 もふは大人になったら何がしたいのかな?」

 なんとなくご満悦と言う様に笑うアレックスにもふは子供らしく無邪気に自信満々で残酷な事を言う。

「アトリママといっぱいえっちして、もふの子供沢山産んでもらうんだ!」
「俺は産めやしねえって」

 子供の夢を壊さないようにと思うも反射的に返してしまうツッコミは顔を引き攣らせながらも笑みを作って笑えないジョークだなぁなんてジョークであることを願ってしまえば誰もが何を言い出すんだこのお子様はと失笑する。

「もふはねー、特別なドラゴンだからねー、一人で卵を産む事が出来るんだー」

 自慢する様にアレックスの膝の上に座ってぴょこぴょこ跳ねながら主張する。

「だけど卵を守って育ててもらうママが必要なの!」

 それを世に托卵と言う。
 全員でもう嫌な事しか思いつかない。

「人の子みたいにおなかの中に卵があれば安全だよね!」
「しょせんガキの内はゴブリンとオーク並みの知能か……」

 呆れながらもザクリスはガキの時から何て危険な発想するんだと言うが

「もふはガキじゃないよー!
 今は力を失ってて哀れな子供時代まで遡ってるけどー、ちゃーんとこの国を守護してきた光竜なんだから。
 やっと出会ったママに沢山のエネルギーを送ってもらって早くおっきくなりたいの!
 そしてママといっぱいエッチして、いっぱいもふの子供達を産んでもらいたいの!」
「だから俺は産めねえって」

 少なくともガキ、もといお子様はこんな発想はしない。
 性に目覚めるまで、興味持つまでまだまだ親の愛情を欲しがるのが生物の成長段階だ。
 たとえ見た目園児だとしてもだ。頭の中はしっかりと大人の記憶があり、本能が子供を求める様にもふはアレックスから俺の膝の上に移動して向かい合う様に座り直し、伸ばした両手が俺の頬を挟んでちゅーっとキスをした。
 見た目が園児。これはこれで微笑ましい景色だが、中身は以下略。
 クラエスがひょいともふを自分の膝の上に座らせるように強制移動させてがっちりと抱きしめていた。
 旦那様の嫉妬、何だか可愛いなぁ。
 そう思ってるのは俺だけではなく皆さまニヤニヤと見守っててくれた。

「パパぁ!パパにもちゅー!」

 だけどやはり見た目の年齢の頭脳しかないのかクラエスの膝の上で器用に反転してクラエスにもちゅーっとキス。トカゲっこだった時のコミュニケーションの一環でべろべろ舐められていた事を考えればどちらがましかなんて比べはしない。
 もう微笑ましいとしか言えなく位な光景に悶えてしまう中レイストームがおいでと手を伸ばせばクラエスの首に両手でしがみ付いて

「いやー!!!」

 なんて全力の拒否。

「陛下がよくって私への拒否とはこれいかに」

 思わず俺とクラエスでこれが親の実力だと言う様に羨ましかろうとニヤニヤとわらうのだった。


 

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