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現場はまだまだカオスな状態です。主に魔法師団長が。
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静まる室内の中何で今頃と言うように呻く宰相。
そうして集められたメンバーに手の甲に頭を押し付けて項垂れる魔法師団長。
何やら察してか頭を抱えて体をよじる王弟殿下。
今一つ分かってないと言う様にもふにクッキー攻めをされる騎士団団長。
司会進行役の国王はすでに疲れたと言う様にこれから話す事を整理しながらも躊躇う様に口を開くも考え直すように閉じてしまった。どうやら既に話の段取りは大筋だけど付けていたようだ。さすが国のトップ。営業させてもトップを行くんだろうなと元営業マンとして現実逃避する俺。
静かだがカオスが繰り広げられてる室内でアレックスは飲んでいたお茶のカップを置いて
「今回集まってもらったのは聖者アトリと契約した光竜もふの成長過程による相互関係についてについて話し合いたいと思う」
「何ですかそれは。アトリ殿ともふ殿との関係に何かあると言う事でしょうか?」
すかさず要点を問う宰相にアレックスは頷き
「今、我が国は今二人の聖者を抱えている。一人は知っての通り聖女のセイカ殿、今まで気づかなかったがセイカ殿と同時にこちらの世界に召喚されたアトリ殿も聖者としての力を顕現していた。
アトリ殿の力は契約した我が国の守護神とも言われる光竜もふを育む力をお持ちだ」
「は?兄上、まさかアトリの能力がそんな程度……」
「そんな程度何て言わせませんよ。
今だ生体が不明のドラゴンの寿命は何百年とも何千年とも言われています。
クラエスの邸でもふを保護してからどれだけ経ったと思っているのですか。まだわずか数か月なのですよ?
あの知能の欠片もなさそうな能天気な幼生の姿から人型を得るまでの成長にどれだけの時間がかかると思っているのですか?
我が国がドラゴンの保護を初めて何百年と経っているのにどのドラゴンも多少の大きさの変化は在れどここまでの変化何てどの記録書にも記されてない。ましてや人型になるなんてこんな大きな発見は初めてなのをそんな程度と仰いますか!」
腹違いの兄弟は物凄い勢いで喰いついていたが、きっとここにいるメンバーは魔法師団長の出自を知っているからこそのこの二人を見守っているのだと気づいてしまった。
ああ、声に出して言えない関係だと言うのにこんなにも認め合って……
「なんかまだるっこしいな」
既に国王の座についていた兄の弟として足手まといにならないための努力を続けてきた者と、決して口に出せない出自でも尊敬する兄の為にと努力を続けその地位を確固とした者。
お兄ちゃん愛されてる!ひゅー!
何てはやし立てる事も出来ず、それを当然とする周囲の期待を見事撥ね退けて堂々と側に侍る弟達の立場はそれでも弱い。
常に相手の様子を伺うこの目には今も二人が兄に対する尊敬の念が書き加えられている。
報われないのは可哀想だが、そのコメントを見るたびに、特に魔法師団長のコメントにはどん引きの内容が書きつづられ、その狂気の兄への羨望ははっきり言って今も逃げ出したい内容と俺への嫉妬にも似た殺意が絶対逃げ切りたいと警鐘を鳴らし続けている。
だってさ
『ああ、今日も陛下はあの顔だけの男の貧弱な体に情けを……
きっとこの紅玉の離宮のメインルームであの貧弱な体にあんなハレンチな事を!お相手を所望ならいくらでも私が手を上げるというのに!!!
クラエスの伴侶とは言え殺しても殺しきれぬと言うのに、ああ、今あの部屋に向えばきっとまだ温もりの残るベットで陛下のお精子様の香りと共に天へと上りたい!天へと連れてっていただきたい!!!
そしてあの貧相な体の内に残る陛下の子種を余す事無く舐めつくし、あの器の肉体の中で陛下と混ざり合いたい!!!』
いや、ふつーに天に召されてくれ。
なんて突っ込みたい物の、心の内を表すコメントとは別に王弟殿下とドラゴンの生態を熱く討論する様子に器用だなと感心をしてしまう中、クラエスへのクッキー攻めは敗北と言う形で俺の膝の上に帰って来たもふは一応シャツは着ているけどパンツを履いていない。
誰だよ彼シャツスタイルさせるバカは。
しっぽがあるからパンツとズボンがないと言うのは理解できたが、パンツ位はかせてやれよ。ふんどしとか紐パンぐらいならしっぽに影響ないだろとこの城のお針子さん達に是非とも提案したい。きっともふの愛らしさからの想像に鼻血を拭きだしながら傑作を生み出してくれるだろう。鼻血染めのパンツだけはお断りだ。
まだまだお子様サイズとは言えプラプラとなさってる何れ凶器になる物騒な物が見え隠れするのだから勘弁してほしい。
なんてったって見た目は子供、年齢はお祖父ちゃんもびっくりな年齢なんだからほんと大きくなった時が心配と思うのはこの身体の迷惑機能がどこでセンサーに引っかかると言う一点だ。
だけどもふはこんな俺の考えなんて知らないと言う様ににっこりとドラゴンなのに天使のように微笑み
「アトリママぁ、くっきー食べたらのど乾いたよ。
ミルク欲しいよ」
求める物がミルクと言うのがまだまだ可愛いやつめと言う様に頭をぐりぐりと撫でて
「じゃあ机に向かってちゃんと座って」
引き寄せた椅子に座らせればいつものミルクを買って
「大きくなったお兄ちゃんだからね。
哺乳瓶もマグマグも卒業だね」
なんて普通のマグカップにたっぷりと入ったミルクにもふは瞳を輝かせて
「いつもよりいっぱいだ!いただきます!」
「はい、召し上がれ」
いつも俺達の食事を見て、俺を真似るように手を合わせる仕種を忘れずにするもふの可愛らしい姿にお母さんはもうメロメロだよと、少しだけ飲むのが下手なもふのお口の周りを拭いてあげるのだった。
そうして集められたメンバーに手の甲に頭を押し付けて項垂れる魔法師団長。
何やら察してか頭を抱えて体をよじる王弟殿下。
今一つ分かってないと言う様にもふにクッキー攻めをされる騎士団団長。
司会進行役の国王はすでに疲れたと言う様にこれから話す事を整理しながらも躊躇う様に口を開くも考え直すように閉じてしまった。どうやら既に話の段取りは大筋だけど付けていたようだ。さすが国のトップ。営業させてもトップを行くんだろうなと元営業マンとして現実逃避する俺。
静かだがカオスが繰り広げられてる室内でアレックスは飲んでいたお茶のカップを置いて
「今回集まってもらったのは聖者アトリと契約した光竜もふの成長過程による相互関係についてについて話し合いたいと思う」
「何ですかそれは。アトリ殿ともふ殿との関係に何かあると言う事でしょうか?」
すかさず要点を問う宰相にアレックスは頷き
「今、我が国は今二人の聖者を抱えている。一人は知っての通り聖女のセイカ殿、今まで気づかなかったがセイカ殿と同時にこちらの世界に召喚されたアトリ殿も聖者としての力を顕現していた。
アトリ殿の力は契約した我が国の守護神とも言われる光竜もふを育む力をお持ちだ」
「は?兄上、まさかアトリの能力がそんな程度……」
「そんな程度何て言わせませんよ。
今だ生体が不明のドラゴンの寿命は何百年とも何千年とも言われています。
クラエスの邸でもふを保護してからどれだけ経ったと思っているのですか。まだわずか数か月なのですよ?
あの知能の欠片もなさそうな能天気な幼生の姿から人型を得るまでの成長にどれだけの時間がかかると思っているのですか?
我が国がドラゴンの保護を初めて何百年と経っているのにどのドラゴンも多少の大きさの変化は在れどここまでの変化何てどの記録書にも記されてない。ましてや人型になるなんてこんな大きな発見は初めてなのをそんな程度と仰いますか!」
腹違いの兄弟は物凄い勢いで喰いついていたが、きっとここにいるメンバーは魔法師団長の出自を知っているからこそのこの二人を見守っているのだと気づいてしまった。
ああ、声に出して言えない関係だと言うのにこんなにも認め合って……
「なんかまだるっこしいな」
既に国王の座についていた兄の弟として足手まといにならないための努力を続けてきた者と、決して口に出せない出自でも尊敬する兄の為にと努力を続けその地位を確固とした者。
お兄ちゃん愛されてる!ひゅー!
何てはやし立てる事も出来ず、それを当然とする周囲の期待を見事撥ね退けて堂々と側に侍る弟達の立場はそれでも弱い。
常に相手の様子を伺うこの目には今も二人が兄に対する尊敬の念が書き加えられている。
報われないのは可哀想だが、そのコメントを見るたびに、特に魔法師団長のコメントにはどん引きの内容が書きつづられ、その狂気の兄への羨望ははっきり言って今も逃げ出したい内容と俺への嫉妬にも似た殺意が絶対逃げ切りたいと警鐘を鳴らし続けている。
だってさ
『ああ、今日も陛下はあの顔だけの男の貧弱な体に情けを……
きっとこの紅玉の離宮のメインルームであの貧弱な体にあんなハレンチな事を!お相手を所望ならいくらでも私が手を上げるというのに!!!
クラエスの伴侶とは言え殺しても殺しきれぬと言うのに、ああ、今あの部屋に向えばきっとまだ温もりの残るベットで陛下のお精子様の香りと共に天へと上りたい!天へと連れてっていただきたい!!!
そしてあの貧相な体の内に残る陛下の子種を余す事無く舐めつくし、あの器の肉体の中で陛下と混ざり合いたい!!!』
いや、ふつーに天に召されてくれ。
なんて突っ込みたい物の、心の内を表すコメントとは別に王弟殿下とドラゴンの生態を熱く討論する様子に器用だなと感心をしてしまう中、クラエスへのクッキー攻めは敗北と言う形で俺の膝の上に帰って来たもふは一応シャツは着ているけどパンツを履いていない。
誰だよ彼シャツスタイルさせるバカは。
しっぽがあるからパンツとズボンがないと言うのは理解できたが、パンツ位はかせてやれよ。ふんどしとか紐パンぐらいならしっぽに影響ないだろとこの城のお針子さん達に是非とも提案したい。きっともふの愛らしさからの想像に鼻血を拭きだしながら傑作を生み出してくれるだろう。鼻血染めのパンツだけはお断りだ。
まだまだお子様サイズとは言えプラプラとなさってる何れ凶器になる物騒な物が見え隠れするのだから勘弁してほしい。
なんてったって見た目は子供、年齢はお祖父ちゃんもびっくりな年齢なんだからほんと大きくなった時が心配と思うのはこの身体の迷惑機能がどこでセンサーに引っかかると言う一点だ。
だけどもふはこんな俺の考えなんて知らないと言う様ににっこりとドラゴンなのに天使のように微笑み
「アトリママぁ、くっきー食べたらのど乾いたよ。
ミルク欲しいよ」
求める物がミルクと言うのがまだまだ可愛いやつめと言う様に頭をぐりぐりと撫でて
「じゃあ机に向かってちゃんと座って」
引き寄せた椅子に座らせればいつものミルクを買って
「大きくなったお兄ちゃんだからね。
哺乳瓶もマグマグも卒業だね」
なんて普通のマグカップにたっぷりと入ったミルクにもふは瞳を輝かせて
「いつもよりいっぱいだ!いただきます!」
「はい、召し上がれ」
いつも俺達の食事を見て、俺を真似るように手を合わせる仕種を忘れずにするもふの可愛らしい姿にお母さんはもうメロメロだよと、少しだけ飲むのが下手なもふのお口の周りを拭いてあげるのだった。
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