上 下
52 / 90

スキルに絶望した日

しおりを挟む
 毎度思うもこんな技術どこで覚えてきたんだ俺と心の中で突っ込むほどの余裕は出来た。なんせ朝方尿道管プレイまでしたのだ。アナルでさえ特殊だというのにさらに上を行くなんつー特殊プレイをと思ったけど、ふしぎと圧迫感からの苦しみは在ったけが傷がつくとか言うような痛みは一切なかった。
 どういう事だろうかと思うも懸命にアレックスのペニスを喉奥まで使ってしゃぶりつくそうとする俺の視界には

『ドラゴンの唾液には麻酔作用があります。
 獲物を捕獲した時、獲物が暴れないように噛まれた事に気付かないように、そしてまひで動けなくなる様に効果があります』

 知りたくなかった……
 つまり完全にあれは痛みではなくプレイによる快楽的な反応だったのかとショックを受けている間にうつぶせにされて腰を高く持ち上げられた。

「アトリは後ろから挿れられるのが好きだったな」
「はぁい、だーいすき!
 アトリのメス穴がアレックスのおチンポにほりほりして欲しくって、ちょーっとゆるゆるになってて恥ずかしいけど、一番奥のところに子種をたっぷり注いでほしいの!」

 後ろを振り向き自ら指を差し込んだ挙句にくぱぁって広げて満面の笑顔でアレックスに見せるのだった。
 そして今更ながら今回アレックスがこの柘榴の離宮に連れて来た理由を理解した。
 天蓋の天井部分に鏡がはめ込まれていたのだ。
 あああ……
 見たくなかった。
 発情してメス犬に成り下がった自分の姿。
 鏡を凝視する俺にアレックスもニヤリと笑い

「やっと気付いたか?」

 ごろんと俺を仰向けに転がせて天井が良く見える様にさせられた。

「後ろからもいいが、ほら、こうやって俺とアトリは繋がって気持ちよくなっていくんだぞ?しっかり見ろよ?」
「いやぁん、恥ずかしくって耐えられない!」

 嘘つけと言う様に嬉しそうな顔でアレックスの首に腕をからめる俺と言う姿にあっけにとられる合間に一気に最奥へと貫かれて、その衝撃で射精をし、その勢いで自分で自分を汚す様を俺は嬉しそうに笑っている顔に心の中の俺は本当にこのシステム止めてと両手で顔を覆って見せないでと騒ぐのだった。
 もちろん本日のアンアンモードは歓喜に満ちた奇声を零す優秀な変換能力が発揮している。語尾はおバカすぎてあれだけど。アレックスを何度も満足させて俺のメス穴も大満足する収穫に残りの時間をまったりと過ごしていれば

「チャージだったか?お前のスキルは」
「はい、あまりお役にたてそうもなくて申し訳なくて……」
 
 しゅんと項垂れる俺にアレックスは俺の上にかぶさり

「そんな事はない。
 ほら、この通りまた元気になっている」

 熱くて硬くてぶっといモノを内ももの間に射し込んでの疑似セックスと言う魅惑的な行為に散々搾り取られた俺も段々と力を取り戻していて……

「今も私は満ち足りている。そう、溢れんばかりに。十代の頃にもないくらいの精力にどうした物かと悩んでいるくらいだ。
 案外アトリのスキルは男の欲望を満たしてくれる物なのかもな」

 そんなスキル本当に止めてくれ。
 嬉しそうにアレックスに手を伸ばす俺とは別に心の中の俺は絶望に打ちひしがれていた。

 つまりこれは相手を絶倫にさせる無限ループの完成。
 何このクソ設定、呆れて唖然としてしまうも体は俺の都合なんてお構いなしにアレックスの腰に足を絡めて挿れやすく…… 自らアレックスのペニスを飲み込んだ。
 もうね、これだけゆるゆるだと手を添えなくてもにゅるんと挿いっちゃうなんて俺知りたくなかった。
 メス穴、メスまんこいろいろ呼び方はあるかもしれないけど今日はどこぞの冒険者のようにメス犬肉便器に扱われなくて良しとしよう。
 そうだ。
 昼食代を体で払ってると思えば立派な娼婦じゃないか!
 娼婦…… 自分で言っておいてなんだがさすがに落ち込んだ。
 だけどさっき注いだ精液が抜き差しによって泡立ってあふれ出る様は勘弁してほしい。ずっちゅずっちゅと粘着性の水音でさえ勘弁してほしいのだから、わざとそれを見せつけるアレックスに恥ずかしさから感度を上げるテクでイきっぱなしの俺をイかせて……くれないだと?

「今日はもう時間だからな」

 訂正。
 俺の中で果てる事無く抜き去って、顔面に向かってしごきながら本日のマーキングをするのだった。
 
「あ、あひっ。勿体ない……」
 
 顔面から滴れ落ちる精液を指先で集めながらしゃぶる様を楽しむアレックスだけど

「クリーン」
「ひどい!全部まだごっくんしてないのに!」
 
 怒るとこそこか俺?!
 はっきり言ってそんな美味しいもんじゃないし寧ろ不味いじゃないか?!
 絶対口から頂く物じゃないのに何て心の俺は喚くもプンスカと怒る俺にアレックスはいたくご機嫌となり、口の中はアレックスの精液臭がするのに機嫌よくべろりと口の中を一舐めして

「これで許せ」

 そう言ってささっと服を着て柘榴離宮の外で待機していた侍従を連れて去って行くのだった。
 そうすると俺はスイッチがオフになって、軽く顔を洗って口をゆすぎ、服を着る。
 の前にだ。
 どこぞの冒険者からもらった優れものアイテムを収納アプリから取出して自分のケツに突っ込む。何か浣腸みたいでいやだなと思いながらも既にクラエスとの朝を迎えた時に自分で使用して使い方を覚えたご都合アイテムを使う。
 ちょっと穴の中がきゅっとする感覚に身体もキュッとしてしまうけど、たっぷりと溜まった精液を見て一体何発イったのだろうか、そして勢力を回復させる俺の謎スキル……

『もうだめ、これ以上は無理だ』

 何てセリフを消し去ったシステムを本気に恨むのだった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

天涯孤独になった少年は、元兵士の優しいオジサンと幸せに生きる

ir(いる)
BL
ファンタジー。最愛の父を亡くした後、恋人(不倫相手)と再婚したい母に騙されて捨てられた12歳の少年。30歳の元兵士の男性との出会いで傷付いた心を癒してもらい、恋(主人公からの片思い)をする物語。 ※序盤は主人公が悲しむシーンが多いです。 ※主人公と相手が出会うまで、少しかかります(28話) ※BL的展開になるまでに、結構かかる予定です。主人公が恋心を自覚するようでしないのは51話くらい? ※女性は普通に登場しますが、他に明確な相手がいたり、恋愛目線で主人公たちを見ていない人ばかりです。 ※同性愛者もいますが、異性愛が主流の世界です。なので主人公は、男なのに男を好きになる自分はおかしいのでは?と悩みます。 ※主人公のお相手は、保護者として主人公を温かく見守り、支えたいと思っています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています

ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた 魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。 そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。 だがその騎士にも秘密があった―――。 その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ
BL
「君は死にました」 「…はい?」 「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」 「…てんぷれ」 「てことで転生させます」 「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」 BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。

迷子の僕の異世界生活

クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。 通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。 その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。 冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。 神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。 2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。

処理中です...