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団長さんスペック高すぎてビックリですよ
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やっとではないが手を放して貰いえばそのまま椅子を引いてくれた。
周りに給仕さん達が居るのにとつっこめずにいたが、とりあえず座ってしまえと着席をする。当然のようににっこりとほほ笑みかけられてしまった。ははは……
やがて運ばれてきた食事は昼食と言うには華やかな物。さすが宰相さんと騎士団団長さんとご一緒すると豪華だなぁと感動してしまう。
まぁ、一口食べてそんな感動は消え去るのだが。
うん。この塩分の薄さはどうやら標準だと言うのを理解した。
嫌がらせでもマズ飯でもなんでもなく、この城の一般的なお味ですのねとジャンクフードとコンビニ弁当に調教された舌にはあまりにもの物足りなさに心の中ではこんなにも豪華な残念料理だなんてと滂沱を流しつつ、ヘルシーな感覚を取り戻せばそれなりに美味しいんだろうなと自分の食事のいい加減さを反省しながらこの国の話しを聞いたり、俺の国の話をしたりとまるで会議のようなこの昼食の場にもやっとメインの料理が並んだ。
昼なのでローストビーフっぽい薄いけど大きなお皿からはみ出そうなまでの肉は一体どんな生物のどの部位だろうかと驚いてしまった事に宰相は気をよくしていただいたようで、にこにこと笑みを浮かべて
「所で話しは変るが、こちらに来た時このグランデル団長に身柄の保証を願い出たと聞いたが?」
「ええと、はい。
帰れないとお聞きしましたので、それならこの地で生きていく為の保証をお願いしたく、これからどう方針が変わるか判らないので先に伝えれるだけ伝えようと、ぶしつけで申し訳ありませんでした」
食事中なので立ち上がるのも頭を大きく振るのもあれなので、軽く頭を下げる程度にしてしまった物の気にしなくていいと片手で制してくれた。
もう、この国の人みんな親切な人ばかり。
うちの会社の上司何て仕事しろって奴らばかりで下っ端は苦労してるって言うのに、ここの職場ぜったいホワイトだと夢を持ってしまう。
別に俺の職場がブラックってわけじゃない標準だと信じているけど。コンビニが開いてる時間に帰れるし…… ん?
何か引っかかったけどまあいいか。とりあえず話を聞くように意識を向ける。
「いや、謝罪には及ばない。ナナセが悪い事は何もないのだから。
寧ろ君の取り扱いがどうなるか決めかねていた所にグランデル団長がナナセの希望を伝えてくれたので君のこちらでの方針もいくつかの案が出来た。
その中で一番ナナセの安全を保障できる案を今回持って来たのだが聞いてくれるか?」
「是非。その案ではなく他の案も聞かせていただきたいのですが?」
いくつかあるのなら選択させてくれと思うも
「なに、街に住み家と職を与えて暮してもらうとか、町はずれに王家が経営する孤児院があるからそこで働いてみないかとか、まあ、後は王家所有の場での保護と言った似たような所かな?」
「こちらの文字の読み書きも出来ないのに、なかなか難しいですね」
どんなハードモードだなんて顔が引きつりそうになり、こうなると一番って言うのも胡散臭さを覚えてしまえば宰相はグランデルさんを見て一つ頷く。
ああ、この人の家で保護してもらうのか。
俺と関わり合いを持ってしまった為に押し付けられてしまって申し訳なさが沸き上がるが
「このクラエス・グランデルはノルドシュトルム国の騎士団を率いる団長をつとめている。その家柄はグランデル侯爵家と言う、長い歴史を持つ王家にも覚えめでたい血筋で彼は今代の当主を務めている」
「それはまた立派ですね」
言いながらも階級社会なんて知らない会社のヒエラルキーがせいぜいの俺にはそう言うのがせいぜいだ。
「大概の家なら誰も口出しが出来ないし財力は勿論武力的にも安心が出来る我が国指折りの名家だ」
「騎士団団長さんがお住まいになられてますし安全は保障以上ですね」
まず強盗には入られないのだろう。
「そこでこれは私からの提案だ」
なぜか途端に緊張した視線で真剣になった声に冷や汗が流れた。
周りに給仕さん達が居るのにとつっこめずにいたが、とりあえず座ってしまえと着席をする。当然のようににっこりとほほ笑みかけられてしまった。ははは……
やがて運ばれてきた食事は昼食と言うには華やかな物。さすが宰相さんと騎士団団長さんとご一緒すると豪華だなぁと感動してしまう。
まぁ、一口食べてそんな感動は消え去るのだが。
うん。この塩分の薄さはどうやら標準だと言うのを理解した。
嫌がらせでもマズ飯でもなんでもなく、この城の一般的なお味ですのねとジャンクフードとコンビニ弁当に調教された舌にはあまりにもの物足りなさに心の中ではこんなにも豪華な残念料理だなんてと滂沱を流しつつ、ヘルシーな感覚を取り戻せばそれなりに美味しいんだろうなと自分の食事のいい加減さを反省しながらこの国の話しを聞いたり、俺の国の話をしたりとまるで会議のようなこの昼食の場にもやっとメインの料理が並んだ。
昼なのでローストビーフっぽい薄いけど大きなお皿からはみ出そうなまでの肉は一体どんな生物のどの部位だろうかと驚いてしまった事に宰相は気をよくしていただいたようで、にこにこと笑みを浮かべて
「所で話しは変るが、こちらに来た時このグランデル団長に身柄の保証を願い出たと聞いたが?」
「ええと、はい。
帰れないとお聞きしましたので、それならこの地で生きていく為の保証をお願いしたく、これからどう方針が変わるか判らないので先に伝えれるだけ伝えようと、ぶしつけで申し訳ありませんでした」
食事中なので立ち上がるのも頭を大きく振るのもあれなので、軽く頭を下げる程度にしてしまった物の気にしなくていいと片手で制してくれた。
もう、この国の人みんな親切な人ばかり。
うちの会社の上司何て仕事しろって奴らばかりで下っ端は苦労してるって言うのに、ここの職場ぜったいホワイトだと夢を持ってしまう。
別に俺の職場がブラックってわけじゃない標準だと信じているけど。コンビニが開いてる時間に帰れるし…… ん?
何か引っかかったけどまあいいか。とりあえず話を聞くように意識を向ける。
「いや、謝罪には及ばない。ナナセが悪い事は何もないのだから。
寧ろ君の取り扱いがどうなるか決めかねていた所にグランデル団長がナナセの希望を伝えてくれたので君のこちらでの方針もいくつかの案が出来た。
その中で一番ナナセの安全を保障できる案を今回持って来たのだが聞いてくれるか?」
「是非。その案ではなく他の案も聞かせていただきたいのですが?」
いくつかあるのなら選択させてくれと思うも
「なに、街に住み家と職を与えて暮してもらうとか、町はずれに王家が経営する孤児院があるからそこで働いてみないかとか、まあ、後は王家所有の場での保護と言った似たような所かな?」
「こちらの文字の読み書きも出来ないのに、なかなか難しいですね」
どんなハードモードだなんて顔が引きつりそうになり、こうなると一番って言うのも胡散臭さを覚えてしまえば宰相はグランデルさんを見て一つ頷く。
ああ、この人の家で保護してもらうのか。
俺と関わり合いを持ってしまった為に押し付けられてしまって申し訳なさが沸き上がるが
「このクラエス・グランデルはノルドシュトルム国の騎士団を率いる団長をつとめている。その家柄はグランデル侯爵家と言う、長い歴史を持つ王家にも覚えめでたい血筋で彼は今代の当主を務めている」
「それはまた立派ですね」
言いながらも階級社会なんて知らない会社のヒエラルキーがせいぜいの俺にはそう言うのがせいぜいだ。
「大概の家なら誰も口出しが出来ないし財力は勿論武力的にも安心が出来る我が国指折りの名家だ」
「騎士団団長さんがお住まいになられてますし安全は保障以上ですね」
まず強盗には入られないのだろう。
「そこでこれは私からの提案だ」
なぜか途端に緊張した視線で真剣になった声に冷や汗が流れた。
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