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うちの隊長は心の中でリボンの良し悪しなんてあるのかよとつっこんでいます
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とは言え敬礼はすぐに解かれ、すぐに各自自分の仕事に戻る様もさすがだなと思うも
「それでヴォーグは?」
「ギルドの方に寄ってる。今は休み中らしいから城には来ないだろう」
「なるほど。悪いけど一度ヴォーグに来るように言ってください」
「内訳なら貰ったぞ?」
ピラリと内訳の紙を見せる。
「ああ、ああ……やっぱり……」
「やっぱりなんだ?」
頭を抱えるマリンにあまり聞かれたくない話だろうと隣に椅子を持って来て頭を近づければ
「これ、多分ジェノサイドベアーの金額だと思います。
ヴォーグが謎肉もって来るのでヴォーグが所属しているギルドにこっそり行って調査をしています。今回キャンプで数日留守にすると聞いていたので先日ここ最近の相場の金額を確認して来たので間違いないかと」
「……経理の鏡だな」
「経理じゃないけど、一応そう言う事には気にかけてます。
何をふっかけられるか判らないのでと……まさか金貨を投げて来るとは思いませんでしたが」
「まぁ、くれると言うのなら貰っておこう。その点は俺が帰ってから一言言ってくる」
「ノラとシルビオに泣きつかれそうですね」
「こう言う親切はあいつらの為にならないって釘を刺して来るだけだ」
「確かに。でしたら……」
「今回は貰っておけ」
立ち上がって早急にサインが必要な書類だけを貰ってサインを書き込んで行きながら
「これで婚約者にプレゼントの一つでも贈れるんじゃないのか?」
「次参加する夜会に髪飾りを贈りますよ」
大変だなぁと思っていれば
「で、隊長は何をプレゼントするんです?」
思わず顔を歪める。
きっと欲しい物は全部手に入るだろう。ヴォーグなら難なく手に入れる事が出来るだろう。そんなヴォーグに何を贈ればいいか悩めばマリンは顔を歪め
「まぁ、喜ぶ物って言ったら判りきってますけどね」
じーっと俺を見る視線になるほどとポンと手を打つ。
「だが金を使う所が無い」
まぁ、喜ばれるだろうなと思いながらも
「自分を上手くラッピングしてください」
サインを書き終えた書類を持ち、金貨は経理担当に預けて部下に提出してくると言って執務室を出て行ってしまった。
マリンの部下の好奇心を隠さない視線にそりゃ喜ばれるだろうな。よろこばないとチョン切られても文句ないなと一人うんうんと頷きながら席を立ちあがり
「マリンに任務に出た奴は今日は休むようにと伝えるように伝言頼む。
明日からのシフトをあいつらが飯を食べて帰るまでに準備。俺は明日は休みだと言っておけ」
「承りました」
ぺこりと頭を下げられるマリンの部下の中から補佐はが出てきて俺を部屋まで護衛すると申し出てくれた。一応自隊の隊舎だが決まりなので小さく頷くだけでわずか数分の距離を連れて歩き、部屋の中に入ればちょうど風呂から上がったアレクが隊服を着こんでいる所だった。
マリンの補佐を帰らせて着替えるアレクを眺めていれば怪訝な顔をされる。
「何かトラブルでも?」
「いや、雑貨屋に寄りたいんだが、リボンは何所で買える?」
さらに怪訝そうな顔に深い皺を寄せて
「珍しい物買うんだな」
「まぁ、今回の任務の感謝をと思って」
「……何を考えたかは判ったが、ほどほどにしとけよ」
「笑いを取れればいいさ」
それ必要かと更に顔を歪めるが
「とりあえず風呂に入ったらすぐに帰りたい。
マリンの部下に明日からのシフトの変更を頼んだから確認してこい」
「判りましたが、風呂で寝ないでくださいよ」
注意されてひょいと肩を竦め
「ちょっと家で話し合わないといけない事が出来たから寝るまでもない」
零れた溜息にアレクは不思議そうな顔をするもすぐに部屋を出て行くのを見送り、いくらヴォーグが綺麗にしてくれたと言っても風呂はまた別で。ノラス達が入っているのはただのシャワーブースだけどオオは完全な風呂付なので、アレクの後とは言えゆっくりと足を伸ばして隊長に与えられた特権にゆっくりと体がほぐれて行く体感にほっと溜息を零すのだった。
トントントン……
騎士団の執務室のプライベートルームからのノック音。
あり得ない場所からの訪問はプライベートルームだけに女の気配を想像するもそんなわけないのが騎士団団長室の場所であり、爽やかな森の香りが漂えばまたあの方かと誰もがまた仕事へと戻るのだった。
アヴェリオは立ち上がり扉をあける。
前に部下がやった時に従者の分際で偉くなったものだなと随分とご立腹になられた様子に以降このプライベートルームからの訪問時には誰にも対応させないようにしている。
騎士団の所属こそ騎士団団長補佐官と言う立場だがそんな事は意味をなしてないことを理解しているこの部屋の人間は下手に絡まれないように仕事を真面目にこなすのだった。
開けられた扉から私服姿のままやってきたルードはやけにご機嫌で現れた。
「本日は森に行かれたのでは?」
何日も公的な休みをもぎ取った休みにシーヴォラ隊は何をやってると激怒した日もあったが、こうやって休みを満喫している様子は年相応に今を楽しむ年頃の青年の姿に自然に笑みが浮かび上がるのだった。
「目的は達成したさ。だから森に行った土産だ」
森の土産。
一般的な考えなら可愛らしい野生の花を摘んだりするのが木の実を拾ったりするのが森の遊びだろうか。
可愛らしい一面をお持ちだと書類から視線を外さずに会話を聞く同僚たちはすでに同僚ではないことを理解してその場その場の対応を取るようにしている。
「土産ですか?」
「ミスリルベアーとキリングベアーとジェノサイドベアー三種の肉だ。
みんなにも用意してもらったからもって言ってくれ。
あと宮廷魔導士の設備使用許可書を。目的の薬剤が手に入った」
「直ぐには使用許可はいただけませんが休暇明けには使用できるように陛下のサインをいただきましょう」
陛下のサインがいるんだと驚いてつぶやけば宮廷魔導士以外使用は許可されてないのでと返された。
「俺でも簡単に使えないのか?」
「宮廷魔導士になれば使えたでしょう」
「あそこは研究ばかりで実践がないからなあ」
つまらんと言うヴォーグにアヴェリオは失笑。
「実験し追求する事こそ魔道士の使命では?」
「自分の研究を完成させて満足だなんて面白くないだろ。完成させたらそれで実益を伴うかそこも研究してこそだろ?」
「それは別の者にさせればいい事では?」
「他人の使い心地なんてほど当てにならない感想はない。自分で体感してこそ研究とは成功の是非を伴うと思う」
「ルード様の場合高等過ぎて誰も実験できないという不都合もありましょう」
「そこは根性でなんとかしろ」
そんな話の合間に生類を完成させて部下の一人に許可のサインをもらいに走らせた。
「あとこの季節のミスリルベアー狩りはあまり関心しないぞ」
「確かに多発して危険だと報告が上がってましたが何かありましたか?」
「単に繁殖期だから。そしてキリングベアーとジェノサイドベアーの縄張り争いも発生する。気が立っているところによく騎士団を放り込めたと言う感想だ」
驚きに目を見開いた騎士団団長に
「こんな時期にベアー狩りかと一応気にかけてラグナー達と遭遇できそうな場所で張っていたが、もう少しで全滅だったぞ」
「全滅」
さすがに顔色悪くなった。
「装備も不十分だったし、一体ラグナー達を行かせた奴は誰だか調べあげろ。
そいつらに再度安全かの調査に行かせろ。
そんな顔するな。俺がかなりベアー達を狩ってきたからラグナー達ほどの危険はないぞ?でも全く位なくなったわけじゃないからそれなりに危険はつきまとうが」
「いえ、そこは騎士ですのでご心配なく。直ぐに再調査させましょう」
「ふむ、その判断力は良しとしよう」
そう言ってまたプライベートルームへのドアへと向かえば直ぐにドアを開ける従者に
「とりあえず俺は申請した通りの休暇を堪能するから。休暇が終わったら施設の使用が出来る事を楽しみにしてるよ」
「ごゆるりとお過ごし下さい」
丁寧に頭を下げて送り出せば機嫌良く去っていった後ろ姿を見送ってドアを閉めた。
ホッとしたかのように誰もが緊張から解放されたため息をこぼし
「本日はご機嫌よろしかったですね」
いつもアヴェリオに当たり散らしている姿しか知らない面々は自分たちにまでお土産をと感動する中
「取り敢えずみんな肉は一度持ち帰ってもらえ。これから昼休憩とする」
そう言って丁寧に晒しに巻かれた腕の形などの残る肉の塊を手にしていそいそと帰宅する部活の姿が微笑ましいなとアヴェリオもベアーの足を抱えて待機している家の馬車へと乗り込むのだった
「それでヴォーグは?」
「ギルドの方に寄ってる。今は休み中らしいから城には来ないだろう」
「なるほど。悪いけど一度ヴォーグに来るように言ってください」
「内訳なら貰ったぞ?」
ピラリと内訳の紙を見せる。
「ああ、ああ……やっぱり……」
「やっぱりなんだ?」
頭を抱えるマリンにあまり聞かれたくない話だろうと隣に椅子を持って来て頭を近づければ
「これ、多分ジェノサイドベアーの金額だと思います。
ヴォーグが謎肉もって来るのでヴォーグが所属しているギルドにこっそり行って調査をしています。今回キャンプで数日留守にすると聞いていたので先日ここ最近の相場の金額を確認して来たので間違いないかと」
「……経理の鏡だな」
「経理じゃないけど、一応そう言う事には気にかけてます。
何をふっかけられるか判らないのでと……まさか金貨を投げて来るとは思いませんでしたが」
「まぁ、くれると言うのなら貰っておこう。その点は俺が帰ってから一言言ってくる」
「ノラとシルビオに泣きつかれそうですね」
「こう言う親切はあいつらの為にならないって釘を刺して来るだけだ」
「確かに。でしたら……」
「今回は貰っておけ」
立ち上がって早急にサインが必要な書類だけを貰ってサインを書き込んで行きながら
「これで婚約者にプレゼントの一つでも贈れるんじゃないのか?」
「次参加する夜会に髪飾りを贈りますよ」
大変だなぁと思っていれば
「で、隊長は何をプレゼントするんです?」
思わず顔を歪める。
きっと欲しい物は全部手に入るだろう。ヴォーグなら難なく手に入れる事が出来るだろう。そんなヴォーグに何を贈ればいいか悩めばマリンは顔を歪め
「まぁ、喜ぶ物って言ったら判りきってますけどね」
じーっと俺を見る視線になるほどとポンと手を打つ。
「だが金を使う所が無い」
まぁ、喜ばれるだろうなと思いながらも
「自分を上手くラッピングしてください」
サインを書き終えた書類を持ち、金貨は経理担当に預けて部下に提出してくると言って執務室を出て行ってしまった。
マリンの部下の好奇心を隠さない視線にそりゃ喜ばれるだろうな。よろこばないとチョン切られても文句ないなと一人うんうんと頷きながら席を立ちあがり
「マリンに任務に出た奴は今日は休むようにと伝えるように伝言頼む。
明日からのシフトをあいつらが飯を食べて帰るまでに準備。俺は明日は休みだと言っておけ」
「承りました」
ぺこりと頭を下げられるマリンの部下の中から補佐はが出てきて俺を部屋まで護衛すると申し出てくれた。一応自隊の隊舎だが決まりなので小さく頷くだけでわずか数分の距離を連れて歩き、部屋の中に入ればちょうど風呂から上がったアレクが隊服を着こんでいる所だった。
マリンの補佐を帰らせて着替えるアレクを眺めていれば怪訝な顔をされる。
「何かトラブルでも?」
「いや、雑貨屋に寄りたいんだが、リボンは何所で買える?」
さらに怪訝そうな顔に深い皺を寄せて
「珍しい物買うんだな」
「まぁ、今回の任務の感謝をと思って」
「……何を考えたかは判ったが、ほどほどにしとけよ」
「笑いを取れればいいさ」
それ必要かと更に顔を歪めるが
「とりあえず風呂に入ったらすぐに帰りたい。
マリンの部下に明日からのシフトの変更を頼んだから確認してこい」
「判りましたが、風呂で寝ないでくださいよ」
注意されてひょいと肩を竦め
「ちょっと家で話し合わないといけない事が出来たから寝るまでもない」
零れた溜息にアレクは不思議そうな顔をするもすぐに部屋を出て行くのを見送り、いくらヴォーグが綺麗にしてくれたと言っても風呂はまた別で。ノラス達が入っているのはただのシャワーブースだけどオオは完全な風呂付なので、アレクの後とは言えゆっくりと足を伸ばして隊長に与えられた特権にゆっくりと体がほぐれて行く体感にほっと溜息を零すのだった。
トントントン……
騎士団の執務室のプライベートルームからのノック音。
あり得ない場所からの訪問はプライベートルームだけに女の気配を想像するもそんなわけないのが騎士団団長室の場所であり、爽やかな森の香りが漂えばまたあの方かと誰もがまた仕事へと戻るのだった。
アヴェリオは立ち上がり扉をあける。
前に部下がやった時に従者の分際で偉くなったものだなと随分とご立腹になられた様子に以降このプライベートルームからの訪問時には誰にも対応させないようにしている。
騎士団の所属こそ騎士団団長補佐官と言う立場だがそんな事は意味をなしてないことを理解しているこの部屋の人間は下手に絡まれないように仕事を真面目にこなすのだった。
開けられた扉から私服姿のままやってきたルードはやけにご機嫌で現れた。
「本日は森に行かれたのでは?」
何日も公的な休みをもぎ取った休みにシーヴォラ隊は何をやってると激怒した日もあったが、こうやって休みを満喫している様子は年相応に今を楽しむ年頃の青年の姿に自然に笑みが浮かび上がるのだった。
「目的は達成したさ。だから森に行った土産だ」
森の土産。
一般的な考えなら可愛らしい野生の花を摘んだりするのが木の実を拾ったりするのが森の遊びだろうか。
可愛らしい一面をお持ちだと書類から視線を外さずに会話を聞く同僚たちはすでに同僚ではないことを理解してその場その場の対応を取るようにしている。
「土産ですか?」
「ミスリルベアーとキリングベアーとジェノサイドベアー三種の肉だ。
みんなにも用意してもらったからもって言ってくれ。
あと宮廷魔導士の設備使用許可書を。目的の薬剤が手に入った」
「直ぐには使用許可はいただけませんが休暇明けには使用できるように陛下のサインをいただきましょう」
陛下のサインがいるんだと驚いてつぶやけば宮廷魔導士以外使用は許可されてないのでと返された。
「俺でも簡単に使えないのか?」
「宮廷魔導士になれば使えたでしょう」
「あそこは研究ばかりで実践がないからなあ」
つまらんと言うヴォーグにアヴェリオは失笑。
「実験し追求する事こそ魔道士の使命では?」
「自分の研究を完成させて満足だなんて面白くないだろ。完成させたらそれで実益を伴うかそこも研究してこそだろ?」
「それは別の者にさせればいい事では?」
「他人の使い心地なんてほど当てにならない感想はない。自分で体感してこそ研究とは成功の是非を伴うと思う」
「ルード様の場合高等過ぎて誰も実験できないという不都合もありましょう」
「そこは根性でなんとかしろ」
そんな話の合間に生類を完成させて部下の一人に許可のサインをもらいに走らせた。
「あとこの季節のミスリルベアー狩りはあまり関心しないぞ」
「確かに多発して危険だと報告が上がってましたが何かありましたか?」
「単に繁殖期だから。そしてキリングベアーとジェノサイドベアーの縄張り争いも発生する。気が立っているところによく騎士団を放り込めたと言う感想だ」
驚きに目を見開いた騎士団団長に
「こんな時期にベアー狩りかと一応気にかけてラグナー達と遭遇できそうな場所で張っていたが、もう少しで全滅だったぞ」
「全滅」
さすがに顔色悪くなった。
「装備も不十分だったし、一体ラグナー達を行かせた奴は誰だか調べあげろ。
そいつらに再度安全かの調査に行かせろ。
そんな顔するな。俺がかなりベアー達を狩ってきたからラグナー達ほどの危険はないぞ?でも全く位なくなったわけじゃないからそれなりに危険はつきまとうが」
「いえ、そこは騎士ですのでご心配なく。直ぐに再調査させましょう」
「ふむ、その判断力は良しとしよう」
そう言ってまたプライベートルームへのドアへと向かえば直ぐにドアを開ける従者に
「とりあえず俺は申請した通りの休暇を堪能するから。休暇が終わったら施設の使用が出来る事を楽しみにしてるよ」
「ごゆるりとお過ごし下さい」
丁寧に頭を下げて送り出せば機嫌良く去っていった後ろ姿を見送ってドアを閉めた。
ホッとしたかのように誰もが緊張から解放されたため息をこぼし
「本日はご機嫌よろしかったですね」
いつもアヴェリオに当たり散らしている姿しか知らない面々は自分たちにまでお土産をと感動する中
「取り敢えずみんな肉は一度持ち帰ってもらえ。これから昼休憩とする」
そう言って丁寧に晒しに巻かれた腕の形などの残る肉の塊を手にしていそいそと帰宅する部活の姿が微笑ましいなとアヴェリオもベアーの足を抱えて待機している家の馬車へと乗り込むのだった
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