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うちの隊長は旦那がここで終わらしてくれるわけないだろう。きっとまだまだ何か続くぞと警戒してます。
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ヴォーグの手助けによって俺達はノルマの魔物の他に各一体ずつのミスリルベアーの分け前が与えられた。城に持って行くと買いたたかれるのでヴォーグがギルドに持って行き、それを平等に分配すると言う方法となった。一応俺が監視と言う役で一緒にギルドに乗り込み、手続きの間ヴォーグは裏に回って何やら怒号と言うか悲鳴と言うか罵声が飛び交っていた。
「何かあったんですか?」
聞けば
「恒例の緊急ミッションヴォーグのバカ!が始まっただけです。恩恵を頂くこのギルドとしては新人の教育とランクだけでは見分けられないの支配者の序列の認識も兼ねてますのであまりお気になさらずにください」
恒例って……ヴォーグのバカ!って……とりあえず知らない世界はあっても良いと思うので知らないままで居ようと詳しく聞かずに受付のお姉さんが内訳の詳細を説明してくれるのを聞きながらお金を頂戴するのだった。
「悪いけどヴォーグに先に戻ってるって伝えてもらえます?」
銀貨一枚のお使いを頼めば銀貨はそっと戻されて代わりに手を握られ
「承りました!!!」
何やらいきなり鼻血出したけど大丈夫かと冷ややかな目で見ながら
早々に退却。こう言う奴には絶対関ったらいけない。体験からの確証だ。
その後はまっすぐ隊を待たせていた所に向かって合流して
「城に戻るぞ」
「はーい、城に戻りたいですぅ……」
イリスを始め誰もがと言うより全員泥まみれとなって鼻水と涙で顔は大変な事になっている。
俺はヴォーグにギルドを汚さないようにと綺麗にしてもらったからすっきりとしているが……
疲れ果てたと言う様にアレクさえ座り込んでいた。
「おら!座ってないで全員立て!」
「ううう、はーい……」
「城に戻ればポーションもある。さっさと帰るぞ」
「帰るぞって、隊長はヴォーグに回復してもらってるからいいけど、ほんと立ってるのも辛いんですよ!魔力エンプティがどんな状況か知らないわけないでしょ?!」
「何言ってる。ヴォーグとキャンプいくと毎度こうだぞ。回復したら全部使い切るが強くなる秘訣とかほざいて実行させる奴だぞ。
それにヴォーグの丸太小屋に全員寝泊まりした挙句にただ飯食べて鍛えてもらったんだから、後は自力で歩けっ!」
「ううう、ヴォーグほんとおかしい!
たいちょーがあんな変態とお付き合いするの反対です!」
「悪いな。既に結婚した後だ」
「それでもあいつマジやばいんで反対です!離婚するべきです!
何ですか?あの丸太小屋収納空間に納めて持ち歩くってバカですか?!私達の荷物も持ってくれたのは感謝しますが、自分で集めた物も放り込んでるんですよね?!
どこに家を持ち歩くバカが居ると言うのですか!」
「それは判らんがヴォーグの基準だと城塞を持ち歩いて戦争に出かける偉人もいたそうだ」
「そこ本当に人間の国ですか?!」
「城で働く騎士なら小さなテント代わりの小屋位持ち歩くのが基準だと言った。子供のころ頃からそうやって学校で学ぶそうだ」
「ふっざけるなー!!!」
空に向かって吼えるイリスとランダーだが、アレクは元気だなぁと疲れ切った体で立ち上がりただ一言。
「帰ろう」
「うぃーっす」
「はい」
同様に疲れ切って投げやりな返事のシルビオとノラにランダーとイリスを置いてさっさと歩きだすのはさすがと言うべきか、自隊の小隊長さえ置いて行くよく出来た部下達はさっさと城への帰路に足を向けたのだった。
ただ、さすがに泥だらけの姿は他の騎士達にも白い目で見られてしまった。しかし城の中央から遠いシーヴォラ隊の隊舎は門をくぐればすぐそこが隊舎だ。しかも裏門なので人目も少なく、門兵達もシーヴォラ隊またかと生暖かい目で見守ってくれるのだった。
「また派手にやりましたね。
隊舎に入る前に皆さん一度着替えてください。シャワーの準備もしてます。隊長は部屋で風呂の用意が出来てるのでそちらに」
帰りを待っていたレドフォードの第一声は今日はまた派手にと盛大なまでに呆れた顔。
「今回は森の中でヴォーグとばったり会って収穫はでかいぞ」
「森の中でばったり会う物なのですか?」
「実際あったんだ。しかも三大ベアーの決戦の地であいつ拠点を作って待ち構えてたぞ」
「アホですか?」
「効率の話しだそうだ」
顔を引きつらせるレドを連れてマリンの所へと向かう。アレクには先に俺の部屋の風呂に入れと指示済みだ。
俺達の帰還を知りつつも書類を書いていたマリンは顔を上げて
「ポーションは用意しております」
「ああ、それと今回臨時収入が入った。今回出動した奴らに割増して全員に配ってくれ」
ラグナーの収納空間から取り出した金貨の詰まった袋に冷や汗を流す。
「こんなにも……
ギルドで換金したのですか?」
「ヴォーグと一緒だったからな。しかも気を使ってもらって自分で仕留めた奴と交換してくれたようだ」
「だからこの金額……」
「騎士団にはちゃんと俺達が最後に仕留めた奴を納品させたぞ」
「ヤバくないですか?」
「あの数を持って来る方がヤバいだろう。どこでズルをしてきたんだって。実際ヴォーグって言うズルだからな。あいつの事を守るなら任務どおりでいいんだよ」
「愛してますねぇ」
「そのおはちが回って来ていいのなら騎士団にガッツリ納品してくるが。勿論追加報酬なしになるぞ」
「隊長お疲れ様です!!!」
マリンが立ち上がって礼をすれば部下達も立ち上がって同じように礼をとるとはよく躾けられたと感心してしまう。
「何かあったんですか?」
聞けば
「恒例の緊急ミッションヴォーグのバカ!が始まっただけです。恩恵を頂くこのギルドとしては新人の教育とランクだけでは見分けられないの支配者の序列の認識も兼ねてますのであまりお気になさらずにください」
恒例って……ヴォーグのバカ!って……とりあえず知らない世界はあっても良いと思うので知らないままで居ようと詳しく聞かずに受付のお姉さんが内訳の詳細を説明してくれるのを聞きながらお金を頂戴するのだった。
「悪いけどヴォーグに先に戻ってるって伝えてもらえます?」
銀貨一枚のお使いを頼めば銀貨はそっと戻されて代わりに手を握られ
「承りました!!!」
何やらいきなり鼻血出したけど大丈夫かと冷ややかな目で見ながら
早々に退却。こう言う奴には絶対関ったらいけない。体験からの確証だ。
その後はまっすぐ隊を待たせていた所に向かって合流して
「城に戻るぞ」
「はーい、城に戻りたいですぅ……」
イリスを始め誰もがと言うより全員泥まみれとなって鼻水と涙で顔は大変な事になっている。
俺はヴォーグにギルドを汚さないようにと綺麗にしてもらったからすっきりとしているが……
疲れ果てたと言う様にアレクさえ座り込んでいた。
「おら!座ってないで全員立て!」
「ううう、はーい……」
「城に戻ればポーションもある。さっさと帰るぞ」
「帰るぞって、隊長はヴォーグに回復してもらってるからいいけど、ほんと立ってるのも辛いんですよ!魔力エンプティがどんな状況か知らないわけないでしょ?!」
「何言ってる。ヴォーグとキャンプいくと毎度こうだぞ。回復したら全部使い切るが強くなる秘訣とかほざいて実行させる奴だぞ。
それにヴォーグの丸太小屋に全員寝泊まりした挙句にただ飯食べて鍛えてもらったんだから、後は自力で歩けっ!」
「ううう、ヴォーグほんとおかしい!
たいちょーがあんな変態とお付き合いするの反対です!」
「悪いな。既に結婚した後だ」
「それでもあいつマジやばいんで反対です!離婚するべきです!
何ですか?あの丸太小屋収納空間に納めて持ち歩くってバカですか?!私達の荷物も持ってくれたのは感謝しますが、自分で集めた物も放り込んでるんですよね?!
どこに家を持ち歩くバカが居ると言うのですか!」
「それは判らんがヴォーグの基準だと城塞を持ち歩いて戦争に出かける偉人もいたそうだ」
「そこ本当に人間の国ですか?!」
「城で働く騎士なら小さなテント代わりの小屋位持ち歩くのが基準だと言った。子供のころ頃からそうやって学校で学ぶそうだ」
「ふっざけるなー!!!」
空に向かって吼えるイリスとランダーだが、アレクは元気だなぁと疲れ切った体で立ち上がりただ一言。
「帰ろう」
「うぃーっす」
「はい」
同様に疲れ切って投げやりな返事のシルビオとノラにランダーとイリスを置いてさっさと歩きだすのはさすがと言うべきか、自隊の小隊長さえ置いて行くよく出来た部下達はさっさと城への帰路に足を向けたのだった。
ただ、さすがに泥だらけの姿は他の騎士達にも白い目で見られてしまった。しかし城の中央から遠いシーヴォラ隊の隊舎は門をくぐればすぐそこが隊舎だ。しかも裏門なので人目も少なく、門兵達もシーヴォラ隊またかと生暖かい目で見守ってくれるのだった。
「また派手にやりましたね。
隊舎に入る前に皆さん一度着替えてください。シャワーの準備もしてます。隊長は部屋で風呂の用意が出来てるのでそちらに」
帰りを待っていたレドフォードの第一声は今日はまた派手にと盛大なまでに呆れた顔。
「今回は森の中でヴォーグとばったり会って収穫はでかいぞ」
「森の中でばったり会う物なのですか?」
「実際あったんだ。しかも三大ベアーの決戦の地であいつ拠点を作って待ち構えてたぞ」
「アホですか?」
「効率の話しだそうだ」
顔を引きつらせるレドを連れてマリンの所へと向かう。アレクには先に俺の部屋の風呂に入れと指示済みだ。
俺達の帰還を知りつつも書類を書いていたマリンは顔を上げて
「ポーションは用意しております」
「ああ、それと今回臨時収入が入った。今回出動した奴らに割増して全員に配ってくれ」
ラグナーの収納空間から取り出した金貨の詰まった袋に冷や汗を流す。
「こんなにも……
ギルドで換金したのですか?」
「ヴォーグと一緒だったからな。しかも気を使ってもらって自分で仕留めた奴と交換してくれたようだ」
「だからこの金額……」
「騎士団にはちゃんと俺達が最後に仕留めた奴を納品させたぞ」
「ヤバくないですか?」
「あの数を持って来る方がヤバいだろう。どこでズルをしてきたんだって。実際ヴォーグって言うズルだからな。あいつの事を守るなら任務どおりでいいんだよ」
「愛してますねぇ」
「そのおはちが回って来ていいのなら騎士団にガッツリ納品してくるが。勿論追加報酬なしになるぞ」
「隊長お疲れ様です!!!」
マリンが立ち上がって礼をすれば部下達も立ち上がって同じように礼をとるとはよく躾けられたと感心してしまう。
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