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うちの隊長は意外に子供の取り扱いが上手いなと感心しております
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ヴォーグは騎士棟に用意されたエーヴの部屋で熱にうなされる子供の寝顔を見ていた。
エーヴのベットのすぐ横には手数が少ないアルホルンなのでエキストラベットをならべて一緒に面倒が見れるようにとアスタが寝ているはずだった。
なのになぜかアスタのベットにエーヴは潜り込んでいて二人そろって魘されながら浅い眠りの中微かな物音に目を覚まして俺を見て安心するかのように笑みを浮かべる顔に良いから今は寝なさいと促すのだった。
「ハイラ、これはどう言う事か聞いても?」
「はい。最初アスタは自室で寝ようとしたのですがエーヴ様が一緒にと仰いまして急遽エキストラベットを入れました。
ですが、一人は寂しいとエーヴ様はアスタのベットに入られまして」
「アスタをエーヴのベットに入れると言う発想はなかったのかな」
高熱からか顔を真っ赤にしているものの、既に薬は飲ませたのだから後は熱を出させるだけで今夜には粥ぐらいは食べれるだろうと経験からヴォーグは安心して見守っていた。
その様子にハイラもそこまで心配はしていないものの、居れば孫と同じような年頃の子供なのだ。幼い頃のアレクを思い出すかのように冷えたタオルで汗をぬぐう姿は慣れた手付きと優しさが溢れている。
「ハイラは休憩をするように。
暫くなら俺がここで面倒を見よう」
「ですが……」
「二人がこうなったのは俺の責任だ。俺が世話をしなくて誰がする」
「大丈夫でしょうか?」
「汗が酷ければ服を着替えさせる。目を覚ませば水を飲ませる。あとはゆっくり眠らせる。これぐらいしかしてやる事もないしこれぐらいしかしてやれないからな。何かあればフレッドもいる。少しはあいつにも働かせろ」
「でしたらお言葉に甘えさせていただきます。着替えなどはこちらにご用意してございます」
「わかった。留守にしたとは言え心配かけた。
ハイラはもう今日の指示をフレッドにした後に明日まで休むと良い」
「でしたら食料庫から少々失敬しても?」
「飲み過ぎには注意だぞ」
「ありがとうございます」
そう言って去って行く後姿が扉によって見えなくなった所で苦笑を零す。
「食材の味を覚えてクラウゼ家に戻るつもりとはどこまで勤勉な家令だろうか」
うちの家令もそうなのかなと思うも聞けば当然と言う言葉を出すだろう答えしか戻ってこない質問に意味はないなとすぐ側のエーヴの机を借りて仕事をする事にした。
どれだけしただろう。
もぞもぞと衣擦れの音が聞こえて視線をむければ髪の色からエーヴが目を覚ましたようだった。
ピッチャーに濃縮前のポーションを入れてコップを持って二人の寝る側へと足を向ける。
寝る前に飲ませたポーションが効いてか頭から汗をかいていてパジャマどころか髪までぐっしょりと濡れていたのをすぐ側に着替えと共にタオルを置いてくれたハイラに感謝しつつ
「エーヴ、気が付いたのなら着替えよう。
このまま寝たらまた風邪をひく」
「たいこう……ごめんなさい」
「何を謝るんだ?謝るのは俺の方だ。
そして俺を探してくださってありがとうございます」
負担にならない様にタオルで髪の汗をぬぐい、ぐっしょりと濡れたパジャマを脱がせて着替えさせる。
高熱で身体が痛むのか苦しそうな表情は変らないもののどこか嬉しそうに俺にもたれかかるようなエーヴはこんな時だからこそ甘えたいと言う様に俺の服の端をぎゅっと握るもその手を無視して立ち上がれば寂しそうな顔をする。
だけどその顔を見ないようにして
「アスタ、お前も目が覚めたなら着替えよう」
声をかけてふとんをめくれば、億劫ながらも目を開けて体を起こす。
甘えかけた態度を慌ててなかった事にするもエーヴはアスタが起きた事を知って嬉しそうにアスタの顔を覗き込んでいた。
「アスタほら両手を上げて」
パジャマはボタンをはずして脱がすも中のシャツはそう言うわけにもいかず手を上げさせて脱がしてしまう。
エーヴのように他人に着替えさせてもらう事になれてないアスタは恥ずかしそうにするも
「病人だから大人しく甘えてろ」
言いながら脱がした所で頭からタオルをかけて布団の中に手を突っ込んで下着事ズボンを脱がす。
慌てた様な仕種に笑いながら下穿きとズボンを渡し
「自分で穿けるか?」
聞けば布団の中でいそいそと穿いていた。
着替えた服を受け取って無造作に床に置けば衣類とは思えない音をさせた事に苦笑しつつエーヴと同じように髪を拭ってやって二人纏めて魔法で綺麗にしてあげた。
服を綺麗にしてもぬぐえない汗臭さが無くなるも、まだそう言った事をあまり気にしない子供達はそれよりも魔法をかけてもらえたことの方に喜ぶのを黙らすようにアスタにもポーションを渡す。
「二人ともとりあえずそれを全部飲む事。
時間かかっても良いから全部飲むのが二人の今出来る仕事だ」
「「はい」」
嬉しそうな顔で飲む二人は少しずつ熱が下がっているようでガゼボで会った時のようなぐったりとした様子はなく、まだまだ熱で苦しそうな顔をしていても笑みを浮かべてゆっくりとポーションを飲む横でタオルと一緒に置いてあった果物の皮をヴォーグはむき始めた。
エーヴのベットのすぐ横には手数が少ないアルホルンなのでエキストラベットをならべて一緒に面倒が見れるようにとアスタが寝ているはずだった。
なのになぜかアスタのベットにエーヴは潜り込んでいて二人そろって魘されながら浅い眠りの中微かな物音に目を覚まして俺を見て安心するかのように笑みを浮かべる顔に良いから今は寝なさいと促すのだった。
「ハイラ、これはどう言う事か聞いても?」
「はい。最初アスタは自室で寝ようとしたのですがエーヴ様が一緒にと仰いまして急遽エキストラベットを入れました。
ですが、一人は寂しいとエーヴ様はアスタのベットに入られまして」
「アスタをエーヴのベットに入れると言う発想はなかったのかな」
高熱からか顔を真っ赤にしているものの、既に薬は飲ませたのだから後は熱を出させるだけで今夜には粥ぐらいは食べれるだろうと経験からヴォーグは安心して見守っていた。
その様子にハイラもそこまで心配はしていないものの、居れば孫と同じような年頃の子供なのだ。幼い頃のアレクを思い出すかのように冷えたタオルで汗をぬぐう姿は慣れた手付きと優しさが溢れている。
「ハイラは休憩をするように。
暫くなら俺がここで面倒を見よう」
「ですが……」
「二人がこうなったのは俺の責任だ。俺が世話をしなくて誰がする」
「大丈夫でしょうか?」
「汗が酷ければ服を着替えさせる。目を覚ませば水を飲ませる。あとはゆっくり眠らせる。これぐらいしかしてやる事もないしこれぐらいしかしてやれないからな。何かあればフレッドもいる。少しはあいつにも働かせろ」
「でしたらお言葉に甘えさせていただきます。着替えなどはこちらにご用意してございます」
「わかった。留守にしたとは言え心配かけた。
ハイラはもう今日の指示をフレッドにした後に明日まで休むと良い」
「でしたら食料庫から少々失敬しても?」
「飲み過ぎには注意だぞ」
「ありがとうございます」
そう言って去って行く後姿が扉によって見えなくなった所で苦笑を零す。
「食材の味を覚えてクラウゼ家に戻るつもりとはどこまで勤勉な家令だろうか」
うちの家令もそうなのかなと思うも聞けば当然と言う言葉を出すだろう答えしか戻ってこない質問に意味はないなとすぐ側のエーヴの机を借りて仕事をする事にした。
どれだけしただろう。
もぞもぞと衣擦れの音が聞こえて視線をむければ髪の色からエーヴが目を覚ましたようだった。
ピッチャーに濃縮前のポーションを入れてコップを持って二人の寝る側へと足を向ける。
寝る前に飲ませたポーションが効いてか頭から汗をかいていてパジャマどころか髪までぐっしょりと濡れていたのをすぐ側に着替えと共にタオルを置いてくれたハイラに感謝しつつ
「エーヴ、気が付いたのなら着替えよう。
このまま寝たらまた風邪をひく」
「たいこう……ごめんなさい」
「何を謝るんだ?謝るのは俺の方だ。
そして俺を探してくださってありがとうございます」
負担にならない様にタオルで髪の汗をぬぐい、ぐっしょりと濡れたパジャマを脱がせて着替えさせる。
高熱で身体が痛むのか苦しそうな表情は変らないもののどこか嬉しそうに俺にもたれかかるようなエーヴはこんな時だからこそ甘えたいと言う様に俺の服の端をぎゅっと握るもその手を無視して立ち上がれば寂しそうな顔をする。
だけどその顔を見ないようにして
「アスタ、お前も目が覚めたなら着替えよう」
声をかけてふとんをめくれば、億劫ながらも目を開けて体を起こす。
甘えかけた態度を慌ててなかった事にするもエーヴはアスタが起きた事を知って嬉しそうにアスタの顔を覗き込んでいた。
「アスタほら両手を上げて」
パジャマはボタンをはずして脱がすも中のシャツはそう言うわけにもいかず手を上げさせて脱がしてしまう。
エーヴのように他人に着替えさせてもらう事になれてないアスタは恥ずかしそうにするも
「病人だから大人しく甘えてろ」
言いながら脱がした所で頭からタオルをかけて布団の中に手を突っ込んで下着事ズボンを脱がす。
慌てた様な仕種に笑いながら下穿きとズボンを渡し
「自分で穿けるか?」
聞けば布団の中でいそいそと穿いていた。
着替えた服を受け取って無造作に床に置けば衣類とは思えない音をさせた事に苦笑しつつエーヴと同じように髪を拭ってやって二人纏めて魔法で綺麗にしてあげた。
服を綺麗にしてもぬぐえない汗臭さが無くなるも、まだそう言った事をあまり気にしない子供達はそれよりも魔法をかけてもらえたことの方に喜ぶのを黙らすようにアスタにもポーションを渡す。
「二人ともとりあえずそれを全部飲む事。
時間かかっても良いから全部飲むのが二人の今出来る仕事だ」
「「はい」」
嬉しそうな顔で飲む二人は少しずつ熱が下がっているようでガゼボで会った時のようなぐったりとした様子はなく、まだまだ熱で苦しそうな顔をしていても笑みを浮かべてゆっくりとポーションを飲む横でタオルと一緒に置いてあった果物の皮をヴォーグはむき始めた。
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