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うちの隊長は旦那にはあまいようです
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窓から身を乗り出せばトゥーレ達が一番の近道で城の中を突き抜けて馬を連れてきてくれた。
後ろに続く馬にはシルビオ達もいて俺は窓から飛び降りて合流すれば
「隊長!馬が一頭居なくなってます!ファガーです!
城門は閉ざしてあるので城内に居るはずですが!」
トゥーレがちょうどシルビオと厩舎で合流して厩舎番の男がファガーが居ない事の報告を受けた所だった。
「だけどその報告を受けている所でファガーが鞍も付けずにどこからか戻ってきて……」
誰もが真っ青になった。
俺と同じようにアヴェリオも窓を飛び下りてやってこればそれに続くように宮廷騎士達も飛び降りて来て
「とりあえずガゼボにルードを迎えに行く!」
用意された馬の人数で迎えに行けばそこには目的の子供と怒りに満ちた瞳のヴォーグが居て……
嬉しいはずなのにこの三日間出かけ先も言わずに姿を消した事にも腹立ったし無事だった事も嬉しいし知らない事がまだたくさんあるヴォーグに複雑な思いを抱いてしまうも直ぐに城に戻る事になっり俺の後ろに乗るヴォーグの暖かさに嬉しく思うも安心すれば何だかだんだん腹もたってきて。
城に戻ればハイラが既に待機していて隣に居たイザムと宮廷騎士の二人で直ぐに風呂場へと運ばれて行った。
雪が融けてぬれぼそった衣類からどれだけ体温を奪われただろうか。
明るい場所でその顔色の悪さに目を瞠るも無言のまま子供達が連れて行かれるのを見送ればブルフォードの案内によって騎士棟の執務室へと行く事になった。
ヴォーグはブルフォードがいる事に首をかしげていたが三日に一度の薬を貰いに来る約束の日。この日ばかりはヴォーグは間違っても約束を入れないしどこかに行くのなら必ず託をする。
なのに行先は判らない、どこに居るかもわからないなんてあってはならないと頭を抱えていたのに当の本人は全く理解してない顔でいるのだから役目を与えられているブルフォードとしては腹も立つという物だろう。
だけど思わぬ答えが返ってきた。
三日も留守にしていた事に当の本人が気づいていなかったのだ。
あの時アルフォニアの森の中に逃げ込んで少しうとうとした位だと言う。
アルフォニアが枝のハンモックを作ってくれてほんの少し体を横たえただけのはずなのにと言うヴォーグは何か心当たりがある様に、顔を上げて
『時間の流れが一定じゃない』
そんな恐ろしい事をさらりと言った。
じゃあ何だ?アルフォニアはヴォーグをそこにとどめたかったと言うのか?外の世界と引き離したかったのか?
そんな事を考えてしまえば血の気の引く音が聞こえる。
『今の俺にはいい環境なのかな』
ふむと考え込む様に腕を組むヴォーグを見てアルフォニアの森から帰ってこないのでは、アルフォニアの森が出そうとしないのではと不安が一気に駆け上がればヴォーグは俺をすぐに城の寝室へと連れて来てくれた。
自分の体よりも俺の事を心配してくれる顔をじっと見る。
沢山文句を言いたかったがそれよりも先に謝ってくれたのだ。
ガキじゃないんだから謝られて文句なんて言えないものの、まだ怒っていると言う様に睨んでしまう。
『目を覚ました時にここにいるから』
その言葉が酷く温かく胸の中に広がる。
だけど俺の事を思えば簡単に反故もする。
だから、寝てしまえば役には立たないだろうが、手を繋げば毛布をふわりとかけてくれてた後にすぐ隣で横になり、もぞもぞと俺の枕の半分ほどを占領してきた。
すぐ目の前に肥沃な大地の色をしたヴォーグの瞳があって、妙に恥ずかしくって目を閉じてしまった。
鼻先に感じるヴォーグの呼吸が一定のものになり、もう寝てしまったのかと少し残念な気もしたが。
そう言えば喧嘩したのは初めてだっけと思う事も面倒だと言う様に意識が遠くなって……
目を覚ました時目の前には暖かな命を育む大地の色の瞳にまっすぐ見つめられて、視線が合わさればこれ以上とないくらい柔らかく輝く。
「ラグナーおはよう」
穏やかな毎朝くりかえす挨拶に俺は胸元に頬をこすり付けるように少しだけ視線から逃げて
「ヴォーグもおはよう」
こいつがこんな笑みを向けるのは俺だけだと知っているからこそ恥ずかしくて布団にもぐって胸元に甘えるようにすり寄ってしまう。
擽ったそうに笑うヴォーグは俺に足を絡ませてくるも
「ルード!起きたのなら薬を作れ!!!」
ムードをぶち壊すように寝室に突撃して来たブルフォードとその背後で必死に止めようとしているシルビオ達のようすにヴォーグがブチ切れてブルフォードを寝室の窓から雪の積もる室外に投げ飛ばすまで三つを数える事はなかった。
後ろに続く馬にはシルビオ達もいて俺は窓から飛び降りて合流すれば
「隊長!馬が一頭居なくなってます!ファガーです!
城門は閉ざしてあるので城内に居るはずですが!」
トゥーレがちょうどシルビオと厩舎で合流して厩舎番の男がファガーが居ない事の報告を受けた所だった。
「だけどその報告を受けている所でファガーが鞍も付けずにどこからか戻ってきて……」
誰もが真っ青になった。
俺と同じようにアヴェリオも窓を飛び下りてやってこればそれに続くように宮廷騎士達も飛び降りて来て
「とりあえずガゼボにルードを迎えに行く!」
用意された馬の人数で迎えに行けばそこには目的の子供と怒りに満ちた瞳のヴォーグが居て……
嬉しいはずなのにこの三日間出かけ先も言わずに姿を消した事にも腹立ったし無事だった事も嬉しいし知らない事がまだたくさんあるヴォーグに複雑な思いを抱いてしまうも直ぐに城に戻る事になっり俺の後ろに乗るヴォーグの暖かさに嬉しく思うも安心すれば何だかだんだん腹もたってきて。
城に戻ればハイラが既に待機していて隣に居たイザムと宮廷騎士の二人で直ぐに風呂場へと運ばれて行った。
雪が融けてぬれぼそった衣類からどれだけ体温を奪われただろうか。
明るい場所でその顔色の悪さに目を瞠るも無言のまま子供達が連れて行かれるのを見送ればブルフォードの案内によって騎士棟の執務室へと行く事になった。
ヴォーグはブルフォードがいる事に首をかしげていたが三日に一度の薬を貰いに来る約束の日。この日ばかりはヴォーグは間違っても約束を入れないしどこかに行くのなら必ず託をする。
なのに行先は判らない、どこに居るかもわからないなんてあってはならないと頭を抱えていたのに当の本人は全く理解してない顔でいるのだから役目を与えられているブルフォードとしては腹も立つという物だろう。
だけど思わぬ答えが返ってきた。
三日も留守にしていた事に当の本人が気づいていなかったのだ。
あの時アルフォニアの森の中に逃げ込んで少しうとうとした位だと言う。
アルフォニアが枝のハンモックを作ってくれてほんの少し体を横たえただけのはずなのにと言うヴォーグは何か心当たりがある様に、顔を上げて
『時間の流れが一定じゃない』
そんな恐ろしい事をさらりと言った。
じゃあ何だ?アルフォニアはヴォーグをそこにとどめたかったと言うのか?外の世界と引き離したかったのか?
そんな事を考えてしまえば血の気の引く音が聞こえる。
『今の俺にはいい環境なのかな』
ふむと考え込む様に腕を組むヴォーグを見てアルフォニアの森から帰ってこないのでは、アルフォニアの森が出そうとしないのではと不安が一気に駆け上がればヴォーグは俺をすぐに城の寝室へと連れて来てくれた。
自分の体よりも俺の事を心配してくれる顔をじっと見る。
沢山文句を言いたかったがそれよりも先に謝ってくれたのだ。
ガキじゃないんだから謝られて文句なんて言えないものの、まだ怒っていると言う様に睨んでしまう。
『目を覚ました時にここにいるから』
その言葉が酷く温かく胸の中に広がる。
だけど俺の事を思えば簡単に反故もする。
だから、寝てしまえば役には立たないだろうが、手を繋げば毛布をふわりとかけてくれてた後にすぐ隣で横になり、もぞもぞと俺の枕の半分ほどを占領してきた。
すぐ目の前に肥沃な大地の色をしたヴォーグの瞳があって、妙に恥ずかしくって目を閉じてしまった。
鼻先に感じるヴォーグの呼吸が一定のものになり、もう寝てしまったのかと少し残念な気もしたが。
そう言えば喧嘩したのは初めてだっけと思う事も面倒だと言う様に意識が遠くなって……
目を覚ました時目の前には暖かな命を育む大地の色の瞳にまっすぐ見つめられて、視線が合わさればこれ以上とないくらい柔らかく輝く。
「ラグナーおはよう」
穏やかな毎朝くりかえす挨拶に俺は胸元に頬をこすり付けるように少しだけ視線から逃げて
「ヴォーグもおはよう」
こいつがこんな笑みを向けるのは俺だけだと知っているからこそ恥ずかしくて布団にもぐって胸元に甘えるようにすり寄ってしまう。
擽ったそうに笑うヴォーグは俺に足を絡ませてくるも
「ルード!起きたのなら薬を作れ!!!」
ムードをぶち壊すように寝室に突撃して来たブルフォードとその背後で必死に止めようとしているシルビオ達のようすにヴォーグがブチ切れてブルフォードを寝室の窓から雪の積もる室外に投げ飛ばすまで三つを数える事はなかった。
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