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うちの隊長は子供の成長の速さに感心しております
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この王宮で心の支えとしている小さな王子の言葉に少なからずショックを受けているラウナ妃を黙って見つめていた。
この後宮の女主である王妃は目をかけていた側妃がそんな待遇を受けていた挙句にそんな事があるわけがない悪意ある言葉に心を痛めていた息子に気づいてあげれなかった父親は両手で顔を覆っていた。
だけどヴォーグはそこで口を挟む事無くじっと耳を傾けている。
なんて忍耐力だと話を聞く方も心に傷を負うのに話しを促す事もせず殿下の心がゆっくりと進むのを待つように、そしてもともとエーヴェルト殿下が座っていた椅子を持ってきてその隣に並べて座るのだった。
視線は合わせず肩に手を回してもう大丈夫だと言う様に優しくリズムを取る様に肩を叩いていれば、少し落ち着いた殿下は話しを再開した。
「陛下にお願いしてせめて成人するまでは王籍を残して貰い、いずれどちらかで働く為にも学校だけは卒業させてもらいたく願い出ようとしました。
ですが王家の人間を働かせる者がどこにいると言われ、なら騎士となって兄上のお役にたてればと考えましたが私のような子供がなんの役に立つと言われました」
使用人達の悪意ある言葉が酷過ぎて目の前が真っ赤になるも気が付けばヴォーグは俺の手を、殿下の肩に回す反対の手で握っていてくれた。
きっとこうやって過去に自分の進む道を否定されてきたのだろうヴォーグが今誰よりも殿下の不安に添えてあげれているのだろうその手を俺は強く握り返した。
「本来ならどこかのお家に降るのが王家と臣の結束を強める為のお勤めだと、でも母上のお家を考えると何の得にもならないから誰からも要らない子だろうと言われて……」
「エーヴェルト、兄はお前の優しさを知っている。
俺が責任もって勉強ができる場所を作るし、剣を持たずともちゃんと勉強していれば何れ俺の側近として働く事も可能だ!その為の努力を誰よりも俺が知っている!」
だから心配するなと真っ先にそんな奴らの言葉を否定したエリオット殿下はこんな事は間違ってるとお前は王家に相応しく努力をしていると叫ぶもヴォーグは見向きもせずに殿下の肩を抱いたままだった。
エーヴェルト殿下は少し照れたような顔でありがとうございますと言って、そこからは少し勇気をもらったかのように言葉を紡ぐ。
「兄上が王太子と決まってからそんな話を聞くうちに私はここの所寝付きが悪く、テラスで過ごしていました。
さすがにまだ寒かったけど、布団を持って星空を見上げながらぼんやりと過ごしてました」
気づかなかったと言う様にラウナ妃はヴォーグが回す肩にごめんなさいと縋りつくもエーヴェルト殿下は母上が気に病む事ではありませんと気丈にも笑顔で言ってのけた。
何でそんなにも、こんな寂しい出来事にやっと十歳になった子供が笑えるのだろうかと思うも
「おかげで素敵な出会いがありました」
先ほどまでの暗い顔を払しょくするような笑顔に安堵するも、警備する側から言えば側妃の宮殿で限られた人しか入る事の出来ない場所でそんな出会いがなぜに起こると俺は首を傾げれば誰もが顔を青ざめながらも何でそう言った事が起きると視線を彷徨わせていた。
「素敵な出会いか……
よっぽど素晴らしい方に出会ったんだね?」
ヴォーグも城の警備を不安に思ってかそれは誰だと言う様に慎重な目で促せば
「少し不思議な方でした。
頭から翼が生えていて一瞬魔物かと思いましたが、大公がアルフォニアの木をくだすったのですから魔物が城にいるわけがないと心を強く持てました」
一瞬肩が震えたヴォーグはそのままエーヴェルト殿下に向き合ってその手を握りしめてた。勢いでテーブルの上のグラスが傾き水が机の上に広がるのもお構いなしに殿下をじっと見つめ
「その方は、なんて……」
珍しく自分を取りつくろえないほどの動揺に殿下は驚きながらもしどろもどろと話を続けてくれた。
「こんな夜中に何をしているの?なんで泣いてるの?そんな質問を不思議な鳥の翼を持つ人がおっしゃったので先程の事を伝えてた所大変だねぇと同情して頂きました。
だけどここでうじうじ泣いていても何も変わらないからいくつか選択を並べて目標を持とうと提案してくれました。
一つ、早々に王家を離脱して爵位を頂き独立する。
一つ、勉強に励み早々に陛下に臣として忠誠を誓う。
一つ、王家の立場を利用して他国との婚姻関係を結ぶ。
一つ、アルホルンの後継者として王族を離脱し修行に励む。
このような四つを提案してくださいました」
「まぁ、無難な三択だが最後のは何だ?」
多分陛下が予定しているエーヴェルト殿下の今後の予定なのだろうが、最後のはさすがに考えていなかったらしい。
「その翼の方からはアルホルンがいかに素晴らしいか教えていただきました。
わずらわしい物がない代わりにとても責任ある大切な仕事だとも仰ってました。
忍耐強くなければ勤まらなく、そして他者との関りをなくさなければならない寂しい場所だとも。
ですが、それに代わる物もたくさんあるとも仰ってました。
話では母上とはもう一緒に暮らせないともありましたがその方が言うには一緒に暮らせなくても親子は永遠に親子だと、毎日顔が見れなくなっただけで二度と会えないわけではない、親子の愛情が切れるわけではないとも教えてくれました。
男の子ならいずれ自分の身は自分で立てなくてはいけない。私の場合はそれが人より少し早いだけだとも。
選択が広いうちに選ぶのがいいとも仰っていただけて、だったら王家の人間として、責任ある立場の人間として、私を王子と呼んでもらう意味に応える為にも最後は私がアルホルンに行きたいと決断しました。
昨夜翼の方とお話しをしたその足で母上と陛下にお伝えしてこの場を設けてもらいました。
大公にはアルホルンにお戻りになる前にお時間を頂きありがとうございます」
長い説明を時間をかけて話してくれた。
この後宮の女主である王妃は目をかけていた側妃がそんな待遇を受けていた挙句にそんな事があるわけがない悪意ある言葉に心を痛めていた息子に気づいてあげれなかった父親は両手で顔を覆っていた。
だけどヴォーグはそこで口を挟む事無くじっと耳を傾けている。
なんて忍耐力だと話を聞く方も心に傷を負うのに話しを促す事もせず殿下の心がゆっくりと進むのを待つように、そしてもともとエーヴェルト殿下が座っていた椅子を持ってきてその隣に並べて座るのだった。
視線は合わせず肩に手を回してもう大丈夫だと言う様に優しくリズムを取る様に肩を叩いていれば、少し落ち着いた殿下は話しを再開した。
「陛下にお願いしてせめて成人するまでは王籍を残して貰い、いずれどちらかで働く為にも学校だけは卒業させてもらいたく願い出ようとしました。
ですが王家の人間を働かせる者がどこにいると言われ、なら騎士となって兄上のお役にたてればと考えましたが私のような子供がなんの役に立つと言われました」
使用人達の悪意ある言葉が酷過ぎて目の前が真っ赤になるも気が付けばヴォーグは俺の手を、殿下の肩に回す反対の手で握っていてくれた。
きっとこうやって過去に自分の進む道を否定されてきたのだろうヴォーグが今誰よりも殿下の不安に添えてあげれているのだろうその手を俺は強く握り返した。
「本来ならどこかのお家に降るのが王家と臣の結束を強める為のお勤めだと、でも母上のお家を考えると何の得にもならないから誰からも要らない子だろうと言われて……」
「エーヴェルト、兄はお前の優しさを知っている。
俺が責任もって勉強ができる場所を作るし、剣を持たずともちゃんと勉強していれば何れ俺の側近として働く事も可能だ!その為の努力を誰よりも俺が知っている!」
だから心配するなと真っ先にそんな奴らの言葉を否定したエリオット殿下はこんな事は間違ってるとお前は王家に相応しく努力をしていると叫ぶもヴォーグは見向きもせずに殿下の肩を抱いたままだった。
エーヴェルト殿下は少し照れたような顔でありがとうございますと言って、そこからは少し勇気をもらったかのように言葉を紡ぐ。
「兄上が王太子と決まってからそんな話を聞くうちに私はここの所寝付きが悪く、テラスで過ごしていました。
さすがにまだ寒かったけど、布団を持って星空を見上げながらぼんやりと過ごしてました」
気づかなかったと言う様にラウナ妃はヴォーグが回す肩にごめんなさいと縋りつくもエーヴェルト殿下は母上が気に病む事ではありませんと気丈にも笑顔で言ってのけた。
何でそんなにも、こんな寂しい出来事にやっと十歳になった子供が笑えるのだろうかと思うも
「おかげで素敵な出会いがありました」
先ほどまでの暗い顔を払しょくするような笑顔に安堵するも、警備する側から言えば側妃の宮殿で限られた人しか入る事の出来ない場所でそんな出会いがなぜに起こると俺は首を傾げれば誰もが顔を青ざめながらも何でそう言った事が起きると視線を彷徨わせていた。
「素敵な出会いか……
よっぽど素晴らしい方に出会ったんだね?」
ヴォーグも城の警備を不安に思ってかそれは誰だと言う様に慎重な目で促せば
「少し不思議な方でした。
頭から翼が生えていて一瞬魔物かと思いましたが、大公がアルフォニアの木をくだすったのですから魔物が城にいるわけがないと心を強く持てました」
一瞬肩が震えたヴォーグはそのままエーヴェルト殿下に向き合ってその手を握りしめてた。勢いでテーブルの上のグラスが傾き水が机の上に広がるのもお構いなしに殿下をじっと見つめ
「その方は、なんて……」
珍しく自分を取りつくろえないほどの動揺に殿下は驚きながらもしどろもどろと話を続けてくれた。
「こんな夜中に何をしているの?なんで泣いてるの?そんな質問を不思議な鳥の翼を持つ人がおっしゃったので先程の事を伝えてた所大変だねぇと同情して頂きました。
だけどここでうじうじ泣いていても何も変わらないからいくつか選択を並べて目標を持とうと提案してくれました。
一つ、早々に王家を離脱して爵位を頂き独立する。
一つ、勉強に励み早々に陛下に臣として忠誠を誓う。
一つ、王家の立場を利用して他国との婚姻関係を結ぶ。
一つ、アルホルンの後継者として王族を離脱し修行に励む。
このような四つを提案してくださいました」
「まぁ、無難な三択だが最後のは何だ?」
多分陛下が予定しているエーヴェルト殿下の今後の予定なのだろうが、最後のはさすがに考えていなかったらしい。
「その翼の方からはアルホルンがいかに素晴らしいか教えていただきました。
わずらわしい物がない代わりにとても責任ある大切な仕事だとも仰ってました。
忍耐強くなければ勤まらなく、そして他者との関りをなくさなければならない寂しい場所だとも。
ですが、それに代わる物もたくさんあるとも仰ってました。
話では母上とはもう一緒に暮らせないともありましたがその方が言うには一緒に暮らせなくても親子は永遠に親子だと、毎日顔が見れなくなっただけで二度と会えないわけではない、親子の愛情が切れるわけではないとも教えてくれました。
男の子ならいずれ自分の身は自分で立てなくてはいけない。私の場合はそれが人より少し早いだけだとも。
選択が広いうちに選ぶのがいいとも仰っていただけて、だったら王家の人間として、責任ある立場の人間として、私を王子と呼んでもらう意味に応える為にも最後は私がアルホルンに行きたいと決断しました。
昨夜翼の方とお話しをしたその足で母上と陛下にお伝えしてこの場を設けてもらいました。
大公にはアルホルンにお戻りになる前にお時間を頂きありがとうございます」
長い説明を時間をかけて話してくれた。
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