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うちの隊長はまたもや連行されるそうです
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ラグナーは隊舎の自室で頭を抱えていた。
目の前にはアレクとレドフォードがいるが、二人とも同じように頭を抱えていた。
「まぁ、ヴォーグが大公で公爵様で愛人の一人二人いるのはあのゆるい下半身の男となれば当然でしょう」
そう言うレドフォードの言葉に確かに貴族と言う生き物は高位であればあるほどお家の為に血を残す事を優先に側室愛人妾恋人などと言った呪文を唱え続けなくてはいけない。
とは言えだ。
「俺のお気に入りがウィングフィールドって紹介したのも恥ずかしいし」
「俺だってまさかヴォーグの家の商会の一つとは知りませんでしたよ」
「しかもあの美人で有名な店長さんが愛人だとは……
いいか、絶対ランダーはともかくイリスティーナには知られるなよ。
絶対またああなるぞ……」
三人の間に沈黙が落ちた。
ラグナーがヴォーグの抱き枕になった次の日、彼女達は自分の仕事の総てを他人に押し付けて何やら内職に励んでいた。
とは言えイリス達が使っていた部屋には一応時間制限と言う物がある。
非常時でもない日に夜間まで開放するわけにはいかずに鍵を閉めるぞとうっかりと部屋の扉を開けてしまえば一面に広がる紙の束には裸体の男同士が絡み合う絵と、うっかり拾ってしまった書類は何やら怪しげな官能小説風な文字の羅列。
官能小説ならまだましだろう。
隣に置かれた絵とその文字の羅列にが妙に一致して、俺はすぐに記憶から消し去った。
「何をしているとまでは聞かないが、一応時間だからな」
見られたくはないと思ってた人に見られたと言わんばかりに顔を真っ青にして引き攣った笑みを全員が披露しながらも
「隊長、よろしければこの部屋を朝まで……」
「最近炎の魔法のコントロールが完璧なんだ。
ここで披露してもいいか?」
引き攣った顔はラグナー達アレクとレドフォードも同様で知りたくもない彼女達の副職の現場に飛び込んでしまったのは精神的にあまりによろしくなかった。
ほぼ籠城された部屋から追い出してしっかりと鍵をかけて隊室へと籠って今に至る。
一度は家に帰ったもののアレクの家でハイラと再会して話しを一通り聞いた後にひと眠りして夕方からの会議の為に登城したのだが、眩暈がしそうな光景のせいで俺は帰る気力さえ失くし、アレクとレドフォードを隊舎の俺の部屋に招いて食堂から軽食を貰ってワインを飲んで遂に愚痴ってしまったのだ。
「俺さ、あの店行くといつも店長にお茶とか菓子の試食とかさせてもらっていい人だってずっと思っててさ。
いつも綺麗な服とか少し凝った髪飾りとかいい匂いしていてこう言った人の恋人はさぞ幸せだろうなって思ってたりとかしてたわけだ。
なんて言うかさ、ヴォーグの事全く知らなかった時俺が幸せにしてやろうって言うか隣にいて自慢できるようになりたいとか目標にしてた時もあったわけよ。
内から輝いていてよっぽど店の仕事が面白いんだなって、俺より少し年上か?
凄いなって思ってたんだよ」
「ふたを開ければヴォーグの代わりに店を預かっているヴォーグの愛人。
そりゃショックを受けるのは当然だが……」
「ラグナー安心してください。
あの方と貴方では方向性が違います」
「まぁ、たいちょーは綺麗系?大して向こうは美人系?
良く判らんがたいちょーの方が愛されてますって」
「でも向こうは十年の付き合いだってよ」
「うわっ、それはまた長いな……」
対して俺とはまだ一年。
歴史が違い過ぎると言うか十代の頃のヴォーグってどんなんだと想像して身悶えていた。
ちなみに俺はその頃は人生で一番の闇歴史の真っただ中だ。
士官学校に入る為に人に言えないような騎士の品格を問われるような事をして荒稼ぎしてた時代だ。
寧ろ今よりもあの時の方が桁違いに収入はよくって貴族の闇を呆れる程見てきた。
だけどそれでは手に入れる事の出来ない物があり、俺はそれが欲しくて、その為に青春を犠牲にしてきたのだ。
やっと人並みの幸せを手に入れる事が出来たというのに相手はかなりの問題を抱えた物件だったのだ。
いい年して小娘のようにギャーギャーなんて言えないし、かといって全部を全部受け入れるほど大人でもない。
ただ、ユハの件と言い店長の件と言いどれもこれもあの時ラグナーが剣を突きつけて結婚届に無理やり署名させなければここまで頭を抱える事はなかったのだ。
ヴォーグの環境をかき乱したのは俺であって……
「何だか無性に泣きたい」
「泣くぐらいだったら店長に会いに行って謝って来たらどうです?
落としどころではないですが、向こうにも事情を知る権利もあるのですし」
「副隊長、いつも思いますが鬼ですね」
「ラグナーにはこれぐらいの教育方針でなくては理解できないので」
「まぁ、あれだけモテモテの隊長がこんなにも恋愛に関しては奥手と言うか弱気と言うか意外です」
「ほっとけ」
ズズズ……と鼻水をすする音にアレクはまたかと溜息を零してレドフォードは苦笑を止められずにいる。
戦場ではあれだけ頼もしい隊長の知ってはならないプライベートにどうした物かとちらちらと副隊長に助けを求めるも、こちらもこんな隊長になれている為に今更動じない所かもっとややこしい事になると無視を決め込んでいる始末。
仕方がないと強引に話をそらす事を決めて
「そう言えばお前は副隊長昇格試験の方はどうだ?」
「おかげさまで試験の方は無事余裕を持って通りそうです。
ブルフォードの奴から面接の練習もしてもらってますがこちらも問題ないとまで言ってもらえました。
後は出たとこ勝負の実技次第ですが、規定の魔術剣術は問題ありません」
「つまり模擬戦か」
「あれは勝敗は関係ないから思い切って相手をボコって来い」
「隊長、それって逆に問題になるんじゃないですか?」
「うちの隊の特徴が出て良いじゃないか。
アルホルン戦以来戦えない騎士は必要ないという話題も今も出てるからな。
「厳しいですね」
「まぁ、お前はもう大丈夫だろ?」
アルホルンの一件の折りに短いながらも一時期剣を持てない時期があったレドフォードだが今では討伐も以前と変わりなく参加できて、隊舎の中庭の訓練でも問題なく剣をぶつけ合う事が出来ている。
あの一件では剣を置いて行った者もいた中でどうやってヴォーグはレドを立ち直らせたんだと本気で思うもきっと大したことではありませんよと笑って教えてくれないのだろう。
そしてレドフォードも大した事じゃない、心の在り方の問題だったと何度も口にした言葉を返すのだろう。
「そんなわけで隊長」
レドフォードの手が肩に置かれた。
なんとなく嫌な予感を感じながら
「ヴォーグ直伝荒療法です。
行きましょう」
「え、ちょ……」
「レドフォード、お前今ヴォーグと同じ笑みを浮かべてるぞ」
「何言ってるのですか。
今問題が浮上してなるべく早く対処するのがベストです」
「何所連れて行こうとするきだ?」
「決まってるでしょう。
今が突入のタイミングです」
何故か俺の両脇をレドとアレクにガッツリと捕まえられてしまった。
「な、何だかデジャブが?!」
「前回は天国一直線でしたが今回は戦場です。
勝ちますよ!」
「アレク止めろ!
これは営業妨害って奴だろ?!」
「今からならちょうど営業時間も終わりの頃です。
少々お時間を貰いましょう」
「お、お前ら!!!」
喚く俺を無視して馬車まで準備させて連行されていくのだった……
目の前にはアレクとレドフォードがいるが、二人とも同じように頭を抱えていた。
「まぁ、ヴォーグが大公で公爵様で愛人の一人二人いるのはあのゆるい下半身の男となれば当然でしょう」
そう言うレドフォードの言葉に確かに貴族と言う生き物は高位であればあるほどお家の為に血を残す事を優先に側室愛人妾恋人などと言った呪文を唱え続けなくてはいけない。
とは言えだ。
「俺のお気に入りがウィングフィールドって紹介したのも恥ずかしいし」
「俺だってまさかヴォーグの家の商会の一つとは知りませんでしたよ」
「しかもあの美人で有名な店長さんが愛人だとは……
いいか、絶対ランダーはともかくイリスティーナには知られるなよ。
絶対またああなるぞ……」
三人の間に沈黙が落ちた。
ラグナーがヴォーグの抱き枕になった次の日、彼女達は自分の仕事の総てを他人に押し付けて何やら内職に励んでいた。
とは言えイリス達が使っていた部屋には一応時間制限と言う物がある。
非常時でもない日に夜間まで開放するわけにはいかずに鍵を閉めるぞとうっかりと部屋の扉を開けてしまえば一面に広がる紙の束には裸体の男同士が絡み合う絵と、うっかり拾ってしまった書類は何やら怪しげな官能小説風な文字の羅列。
官能小説ならまだましだろう。
隣に置かれた絵とその文字の羅列にが妙に一致して、俺はすぐに記憶から消し去った。
「何をしているとまでは聞かないが、一応時間だからな」
見られたくはないと思ってた人に見られたと言わんばかりに顔を真っ青にして引き攣った笑みを全員が披露しながらも
「隊長、よろしければこの部屋を朝まで……」
「最近炎の魔法のコントロールが完璧なんだ。
ここで披露してもいいか?」
引き攣った顔はラグナー達アレクとレドフォードも同様で知りたくもない彼女達の副職の現場に飛び込んでしまったのは精神的にあまりによろしくなかった。
ほぼ籠城された部屋から追い出してしっかりと鍵をかけて隊室へと籠って今に至る。
一度は家に帰ったもののアレクの家でハイラと再会して話しを一通り聞いた後にひと眠りして夕方からの会議の為に登城したのだが、眩暈がしそうな光景のせいで俺は帰る気力さえ失くし、アレクとレドフォードを隊舎の俺の部屋に招いて食堂から軽食を貰ってワインを飲んで遂に愚痴ってしまったのだ。
「俺さ、あの店行くといつも店長にお茶とか菓子の試食とかさせてもらっていい人だってずっと思っててさ。
いつも綺麗な服とか少し凝った髪飾りとかいい匂いしていてこう言った人の恋人はさぞ幸せだろうなって思ってたりとかしてたわけだ。
なんて言うかさ、ヴォーグの事全く知らなかった時俺が幸せにしてやろうって言うか隣にいて自慢できるようになりたいとか目標にしてた時もあったわけよ。
内から輝いていてよっぽど店の仕事が面白いんだなって、俺より少し年上か?
凄いなって思ってたんだよ」
「ふたを開ければヴォーグの代わりに店を預かっているヴォーグの愛人。
そりゃショックを受けるのは当然だが……」
「ラグナー安心してください。
あの方と貴方では方向性が違います」
「まぁ、たいちょーは綺麗系?大して向こうは美人系?
良く判らんがたいちょーの方が愛されてますって」
「でも向こうは十年の付き合いだってよ」
「うわっ、それはまた長いな……」
対して俺とはまだ一年。
歴史が違い過ぎると言うか十代の頃のヴォーグってどんなんだと想像して身悶えていた。
ちなみに俺はその頃は人生で一番の闇歴史の真っただ中だ。
士官学校に入る為に人に言えないような騎士の品格を問われるような事をして荒稼ぎしてた時代だ。
寧ろ今よりもあの時の方が桁違いに収入はよくって貴族の闇を呆れる程見てきた。
だけどそれでは手に入れる事の出来ない物があり、俺はそれが欲しくて、その為に青春を犠牲にしてきたのだ。
やっと人並みの幸せを手に入れる事が出来たというのに相手はかなりの問題を抱えた物件だったのだ。
いい年して小娘のようにギャーギャーなんて言えないし、かといって全部を全部受け入れるほど大人でもない。
ただ、ユハの件と言い店長の件と言いどれもこれもあの時ラグナーが剣を突きつけて結婚届に無理やり署名させなければここまで頭を抱える事はなかったのだ。
ヴォーグの環境をかき乱したのは俺であって……
「何だか無性に泣きたい」
「泣くぐらいだったら店長に会いに行って謝って来たらどうです?
落としどころではないですが、向こうにも事情を知る権利もあるのですし」
「副隊長、いつも思いますが鬼ですね」
「ラグナーにはこれぐらいの教育方針でなくては理解できないので」
「まぁ、あれだけモテモテの隊長がこんなにも恋愛に関しては奥手と言うか弱気と言うか意外です」
「ほっとけ」
ズズズ……と鼻水をすする音にアレクはまたかと溜息を零してレドフォードは苦笑を止められずにいる。
戦場ではあれだけ頼もしい隊長の知ってはならないプライベートにどうした物かとちらちらと副隊長に助けを求めるも、こちらもこんな隊長になれている為に今更動じない所かもっとややこしい事になると無視を決め込んでいる始末。
仕方がないと強引に話をそらす事を決めて
「そう言えばお前は副隊長昇格試験の方はどうだ?」
「おかげさまで試験の方は無事余裕を持って通りそうです。
ブルフォードの奴から面接の練習もしてもらってますがこちらも問題ないとまで言ってもらえました。
後は出たとこ勝負の実技次第ですが、規定の魔術剣術は問題ありません」
「つまり模擬戦か」
「あれは勝敗は関係ないから思い切って相手をボコって来い」
「隊長、それって逆に問題になるんじゃないですか?」
「うちの隊の特徴が出て良いじゃないか。
アルホルン戦以来戦えない騎士は必要ないという話題も今も出てるからな。
「厳しいですね」
「まぁ、お前はもう大丈夫だろ?」
アルホルンの一件の折りに短いながらも一時期剣を持てない時期があったレドフォードだが今では討伐も以前と変わりなく参加できて、隊舎の中庭の訓練でも問題なく剣をぶつけ合う事が出来ている。
あの一件では剣を置いて行った者もいた中でどうやってヴォーグはレドを立ち直らせたんだと本気で思うもきっと大したことではありませんよと笑って教えてくれないのだろう。
そしてレドフォードも大した事じゃない、心の在り方の問題だったと何度も口にした言葉を返すのだろう。
「そんなわけで隊長」
レドフォードの手が肩に置かれた。
なんとなく嫌な予感を感じながら
「ヴォーグ直伝荒療法です。
行きましょう」
「え、ちょ……」
「レドフォード、お前今ヴォーグと同じ笑みを浮かべてるぞ」
「何言ってるのですか。
今問題が浮上してなるべく早く対処するのがベストです」
「何所連れて行こうとするきだ?」
「決まってるでしょう。
今が突入のタイミングです」
何故か俺の両脇をレドとアレクにガッツリと捕まえられてしまった。
「な、何だかデジャブが?!」
「前回は天国一直線でしたが今回は戦場です。
勝ちますよ!」
「アレク止めろ!
これは営業妨害って奴だろ?!」
「今からならちょうど営業時間も終わりの頃です。
少々お時間を貰いましょう」
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